灯だい通信2003・春 Vol. 16 - 広島県呉市のくれデザイン

灯だい通信 2003・春 第 16 号
難聴者の耳代わりとして
情報保障のサポートをします
2003・春 通巻第16号
発行日 2003年4月10日
発行人 呉市要約筆記サークル 灯だい
「あいと へいわ」
阿賀保育園
- 1 -・年 中 組 のみなさんの作 品
灯だい通信 2003・春 第 16 号
2003・春 目次
耳の日記念大会
養成講座・交流会
難聴者の生活体験
養成講座を修了して
講座を終えて
コラム記事のリサイクル
パソコンのスペックです
定例会のお知らせ
携帯ホワイトボードを作ろう
3
4
5
8
10
11
13
14
14
部村 緑
渡辺安廣
本 誌 を読 む前 に
全国標準略号
難聴
㋤
健聴
㋘
ろうあ

要約筆記
㋵
聴覚
㋠
手話

障害
㋛
補聴器
㋭
よく使われる略
号
ファクス
福祉
㋫
略号の合成
聴覚障害

―略号・略語・略 称の解説―
要約筆記 では話 し言葉を速 く書 くために独特 の略号 と略語を定
めています 。このほか にも一般的 な略称を使用 しています 。
本号の 記事にはこ れらの略号 ・略語 ・略称を採 り入 れてお ります。
全 国 標 準 略 語
中途失聴
磁気誘導ループ
コミュニケーション
中失
ループ
コミ
長い団体名や集会名で略称が一般化しているもの
社会福祉協議会
全国要約筆記問題研究会
全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
身体障害者
難聴者協会
- 2-
社協
全要研→全㋵研
全難聴→全㋤
身障者→身㋛者
難聴協→㋤協
灯だい通信 2003・春 第 16 号
『すべての聴覚障害者および関係者が力をあ
わせて完全参加と平等を進めよう~教育と労働
を考える~』広島県ろうあ連盟主催、第 回広
島県耳の日記念大会が 年3月2日(日)呉市
民会館でおこなわれました。
「灯だい」サークルでは、手話通訳者のアナ
ウンスを要約筆記するというリレー通訳のOH
P書きをおこないました。
03
48
「イタリアの聴覚障害者・日本の聴覚障害者」
講演者=ガッツイロ・クレメンテさん
「3月3日から新しい作業所へ引越し
します。カンパありがとう」
あいさつするアイラブ作業所の皆さん
- 3-
灯だい通信 2003・春 第 16 号
――3月1日、第8回目養成講座――
受講生のみなさんと「灯だい」サークルの交流会をおこないました。
「若い方のしっかりした考えに感心した」「いろいろな話が聞けて楽
しかった」「これからも受講を続けたい」受講のきっかけや自己紹介
などの発表をノートテイクで実習しながらおこないました。
- 4-
灯だい通信 2003・春 第 16 号
難聴者の生活体験
皆様はじめまして広島県難聴者・中途
失聴者団体連合会呉支部の部村緑と申し
部村 緑
平成
の訓練をさせたからです。人生の途中で
年齢によってはその訓練を受けない人も
います。
それでは体験談に入ります。
私は健聴者で生まれ、普通の学校を卒業
しております。二十九歳のときに突然原
因不明の目の病気になり手術をいたしま
した。この時の注射と赤ちゃん(0歳)
の時に中耳炎になりストレプトマイシン
の注射も打っていたからでしょうか、半
年後に耳が聞こえなくなりました。補聴
器を装用しての生活が始まりました。補
聴器は耳の不自由な人全員が使用できる
のではありません。聴力は落ちて二年ぐ
らいで使用できなくなりました。おしゃ
べりはできても全く聞こえなくなりまし
た。当時、子供は長男七歳、長女三歳で
した。子供の話などたくさん聞いてあげ
たいけれどいきなり失聴して会話が全く
年度呉市要約筆記奉仕員養成講座で発表した内容です。
ます。この度は要約筆記奉仕員養成講座
に参加してくださり誠にありがとうござ
います。
皆さんは耳の不自由な人をどのように
思っておられますか?
聞こえないからしゃべれないとか、情報
が入らないので暗い性格とか、手話だけ
使うという思い込みはありませんか?
耳が不自由ですといいましても大きく
四つに分けられます。「ろう者」「ろう
あ者」「中途難聴者」「中途失聴者」で
す。「ろう者」は生まれたときから聞こ
えませんが、小さい声で話せます。「ろ
うあ者」は生まれたときから聞こえませ
んし、話せません。「中途失聴者」は生
まれたときと人生の途中から聞こえにく
いですが、話せます。「中途失聴者」は
人生の途中から聞こえなくなり話せます。
話せますというのは親が音声を選び言葉
- 5-
14
灯だい通信 2003・春 第 16 号
できなくなり子供にとってとてもつらか
ったと思います。家にいても、道を歩い
ていても、ところ構わずに「お母さんは
嘘をついている、昨日まで聞こえて、今
日からは聞こえないと嘘をついている」
と泣きながらあばれてダダを何度もこね
て言った娘の言葉を今でも忘れることが
できません。
低学年の長男は助けてくれましたが、
言葉はわからない字も読めない妹と、聞
こえない母親との間に入っての通訳は難
しすぎていつも疲れて泣きながら頑張っ
ておりました。突然にやって来た病気は
家族みんなを困らせてとても大変でした。
けれども一般的な家庭ではできない体験
をして育ちます。自立的にはプラスにな
っておりますし、差別とか障害とかを深
く考えることができる人間になるので
は? と思っております。
子供には障害は障害でなく「個性」と
教えました。そのおかげで子供はバカに
されず、いじめられずに友達と仲良くし
ております。でも私自身は健聴の時の友
達と会うのがつらく当分の間、隠したり
逃げたりしておりました。クラス会は全
部パス、町で会えばあいさつだけ「こん
にちは、いま急いでいるからまたね」と
か言って会話を避けておりました。その
ために友達と知人から「部村は性格が変
わった。あんな人じゃなかったのに・・・。」
と言われるようになりました。思わぬ結
果にただただ涙があふれました。何度泣
いても涙はかれません。苦悩の日々は続
き十年たってやっと言えるようになりま
した。会えた友達と知人には分かっても
らえました。いまだにそのままの人もお
ります。もう仕方がありません。いつか
またお会いできたときに話すつもりでお
ります。
今日は皆さんにも類似体験をしていた
だきます。ちょっとビデオを見ていただ
きます。
《ビデオ》
―波や風の音、
ナレーション、
BGMなど一切
ない無音の海洋ドキュメンタリー番組。
いかがでしたか?
いつもと違って全く分からなかったと
思います。皆さんはたった一~二分、わ
からなかったとすまされますが、私たち
は生活そのままなのです。皆さん、ビデ
オの中へ入ったと想像してください。い
つも通り自分の体は動かせられますが、
声を出しておしゃべりもできます。けれ
ども回りの人は何をお話しされておられ
るのでしょう。まったくわかりません。
一人取り残されて寂しい気持ちです。こ
れではだんだんと人間関係も難しくなっ
ていきます。また、一般の人は、耳の不
自由な人は手話と思っておられます。そ
れでは手話のビデオを見ていただきます。
―手話ニュース番組。
《ビデオ》
いかがでしたか?
すぐに覚えて使えそうでしょうか?約
一万語あるそうです。私も勉強中ですが
なかなか覚えられません。私だけを覚え
ても回りの人も覚えてくださらなければ
何の意味もありません。最後に字幕付き
ビデオを見ていただきます。
- 6-
灯だい通信 2003・春 第 16 号
《ビデオ》
―最初に見た海洋ドキュメント番組、
一シー
ン二行の字幕が出る。
いかがでしたか?
たぶんみなさんも突然に聞こえなくな
りましたら手話よりも字幕つきを選ばれ
ると思います。声は聞こえなくても字幕
を読めば話はわかります。テレビでは字
幕、生活ではノートテイクとOHPです。
ですからいろいろと書いてくださる要約
筆記者を耳の不自由な人は望んでおりま
す。耳の不自由は特別ではありません。
不便なだけなのです。不便と我慢に囲ま
れて生きております。また家族とのコミ
ュニケーションはできていても回りの
人々とのコミュニケーションができなけ
ればとてもいろいろな問題が残ります。
どんな人間でも人間らしく生活していく
ために助けあうことは必要ですね。それ
には日ごろからたくさんの方とお話しを
させていただくためには書いてくださる
要約筆記者はとても大切なのです。
話はかわって、こんなことがありまし
た。私はいつも市営バスを利用いたしま
す。同じバスに白い杖を持った視覚障害
者の方も利用されます。その方はいつも
同じバス停で乗車されます。ある日、バ
スは駅から出発してその方が待っておら
れるバス停につきました。すると健常者
の方六~七人がさっさと乗車されました。
誰も障害者の方へバスが来ていることを
伝える様子がありません。その日私は一
番後ろに乗っておりました。立っておら
れるお客さまも多く運転席まで行って知
らせるには時間がかかります。ここから
大きな声を出して運転手へ言おうかしら、
それとも障害者の方へ言おうかしらとド
キドキしながら迷っている間にバスは発
車してとうとう障害者の方を置いてきぼ
りにしてしまいました。バスの中、四十
~五十人のお客さまはだれも気が付かな
かったのでしょうか?このバス停は専用
で行き先はひとつしかないのです。障害
のつらさはよく分かっているつもりなの
にどうして声が出せなかったのか、一番
後ろでなければ運転席へ行けたのに
・・・・。いっしょに乗車していたら声
をかけたのに・・・と、悔やんでも仕方
がありません。お年寄りが立っていても
平然と黄色の善意の席に座る若い人たち
をひどい人と思っていましたが、いまの
自分も結局はそんな人と何の変わりもあ
りませんでした。
最近、バリアフリーという言葉をよく
聞きますが、これは障害者自身、頑張る
ためだけにある言葉ではないと思います。
健常者も障害者も同じ立場で生活ができ
るためにはどうしたらよいかを考えてく
ださり、それに勇気を出して言える心に
なることが本当のバリアフリーではない
でしょうか。私たち聴覚障害者は、障害
が目に見えないためになかなか回りの人
に、不便とつらさを気付いて貰えません。
皆さんの善意とやさしさほど身にしみて
うれしいものはございません。
皆さんは今日から三月まで要約筆記奉
仕員養成講座を受講されますが、難しく
考えず気楽に「継続は力なり」という気
持ちで進んでください。これで私の体験
発表を終わります。(おわり)
- 7-
灯だい通信 2003・春 第 16 号
大頭まゆみさん
要約して書くにはほど遠いなと思いまし
た。
中山奈美子さん
私も大頭さんと一緒で、内容がわからな
くなっています。聞きとれないとき途切
れてしまいます。そういうときはどうい
う対処ができるのかなと思いました。
甲斐亜弥子さん
講座を受け始めたときどうなるかと思っ
ていたが、ずっと受けてきて実習とか、
講義とか受けてこといろんなことがわか
りました。今日、実際に書いてみて気持
ちは一杯、一杯でしたがすごく楽しくで
きました。
- 8-
中山優さん
最初はどんなものかはわからなかったの
で戸惑ったこともありますが、今日やっ
てみて七分間の時間があった言う間に。
たったそれだけの時間だったのかと思っ
た。
近藤明子さん
今日やってみて机の上では書ける漢字も
書けない。混乱したところが多かった。
タイムアップの音が安堵感でした。
野本基子さん
今日は読み手の方がスピードを落として
くれたので書けました。これから実践の
場合は速くなると思うので心配です。
吉本香織さん
書くのが精いっぱいで、あまり意味がわ
からないまま書いていたので漢字が合っ
ているか不安でした。
重本千寿子さん
私も甲斐さんと同じように不安だらけで
始まりましたが、最後のこの卒業試験の
ような・・・、なんとかできたのでよか
ったと思います。 回を通して受講者の
方たちと打ち解け顔とか名前がわかるよ
10
灯だい通信 2003・春 第 16 号
うになったので連携がとれるようになり
何回を来られるか心配でしたが9回来ら
コミュニケーションの大切さが分かるよ
れました。これから、要約というより書
うになりました。
きとめていただけなどで要約の力をつけ
ないと。「灯だい」に入会するつもりで
岩田哲司さん
はいますが、どれだけ活動できるか未知
新聞で要約筆記の講座を見たときは全く
数です。気長に・・・。
想像がつかなかったが、受けていくうち
に結構自分にはやれるじゃないかと思え
吉松治子さん
てきて、でも今日の実践でその考えは打
今まで難聴の方と接することがほとんど
ち砕かれました。7分間なので集中して
なかったので難聴者の体験談で大変さが
筆記を行えるよう経験を積んでいきたい。 よくわかりました。この講座を受け始め
ありがとうございました。
てロール実習がある日は気が重くて土曜
日が早くきました。指導者の方は熱心で、
やさしい指導を受けてくうち少しずつ慣
山岡未季さん
れるかなと気持ちがわいてきた。今日は
今まで 回やってきたのですがが、今日
ゆっくり話をされていた聞きダメなしに
サブの人たちにうまく助けられてできな
書けるかなと思ったが、サブの方に随分
いなりにも今日が一番うまくできたと思
お手伝いしてもらった。実践になったら
います。皆さんが上手に教えてくれたか
聞きダメしていって要約筆記することが
らだと思います。漢字がまだまだ書けな
大切なのでそれができるか心配です。で
いので書けるようになったらと思いまし
もとても楽しい講座を受けさせていただ
た。
きました。ありがとうございました。
折本秀香さん
子供の体調が最優先なので、 回のうち
10
10
信木あいさん
たったの七分ですが、こんなに頭がボー
として、肩が凝って、体力消耗したのは
初めてでした。ですが、サブの人たちと
協力しあってできたのでかなり達成感を
感じて楽しかったです。私は職業柄、難
しかったり、面白いことがあったら顔に
出てしまう。書くときはみなさんのよう
に真剣にカッコよく書けたらよかったと
思いました。
正路雅世さん
昨年、この講座へ申し込みしてからカレ
ンダーに印をつけて不安と期待の思いで
待っていました。障害者の方へのボラン
ティアがどんなものか未知の世界だった
のが三人のチームワークで要約筆記する
ことでほんの少しですが肌で感じられた
気がしました。新しい世界を教えていた
だきありがとうございました。
- 9-
灯だい通信 2003・春 第 16 号
年度要約筆記奉仕員養成講座
日に終了した。厚生労働省カリ
渡辺安廣
キュラム基礎過程三十時間 3(h ×
回)手書きコースは初めてのことで、最
後は現場実習で締めくくりとなった。
懸念された受講生に興味、魅力ある講
座となったかであるが、昨年の二十時間
の経験が生きて、この点はクリアできた
のではと思っているが。三時間があっと
言う間に過ぎ、楽しくみんなと要約筆記
について共有できた三カ月でもありまし
平成
が3月
講座を終えて
15 14
10
た。
「灯だい」としての講座歴も磨かれ、
工夫、熱意を持っての指導がなされたこ
とは確かである。常々述べてきましたが
受講生は講師の熱意を敏感に感じとると
いうことを。
受講生より講座、講師に対する謝辞を
いただき「灯だい」での講座が認められ
たかと思います。結果、修了者 名中、
名が新会員となってくれました。講座
中のアンケートを見てもやりがいある講
座と肌で感じて進めてきましたが、サー
クル員よりも「勉強になった、現場実習
を私たちもやってほしかった」と、また
「年々講座が上手に、よくなっている」
とも聞かされる。講師の熱意が全員にも
伝わったと思いますが、この3~4年の
入会者の少なさは、私、サークル員とも
ども残念であり責任を感じていたところ
ですが。幸いにも昨年は四名の入会者が
今も「灯だい」の貴重な戦力となって活
躍をしてくれています。
「灯だい」「県難連呉支部」としても
昨年以上の講座をとの気持ちで臨んだの
12
14
ですが、昨年までの経験が生き少しでも
通じたのであれば講座の意味、喜びも大
きいものであります。これからは入会者
の歩留まりをいかに保ち、一緒に歩んで
いくかで、サークルとして裏切ることな
く新境地への道案内役となり、要約筆記
への興味を持たせる活動はもちろんです
が、いろいろな体験を通しより豊かな人
生の一助となるようにしたいものです。
しかし目的は要約筆記の場で新戦力と
なる技を発揮し、各自が「役だったのだ
なあー」と実感してほしいことです。技
術はもとより、積極的に難聴者(人)の
ために活動しようという熱意と、難聴者
(人)の気持ちのわかる人間になってほ
しいということです。難聴者と社会への
橋渡し役を担う人材を育てることでもあ
ると思います。希望に燃えての入会者の
気持ちを損なうことなく、今後とも続け
て活動をしてもらえるという重い使命を
「灯だい」は担っていると思います。
明るく、開かれた、全員が苦楽をとも
にするサークルでありたいと思っていま
す。(おわり)
- 10 -
灯だい通信 2003・春 第 16 号
■話しことばと書きことば
20
ってくることばの %を切り捨てる
のは仕方のないことだ・・・と、三度
目の受講をしている者の個人的な意見
です。
■要約筆記の現場より
80
(第8回)
広島県ろうあ連盟主催、第 回広島県
耳の日記念大会に「灯だい」サークル
から8名が参加した。ディスカッショ
ン「聴覚障害者の教育・労働」のあと、
記念式典につづいてガッツイロ・クレ
メンテさんの「イタリアの聴覚障害
者・日本の聴覚障害者」の記念講演が
あった。(p1参照)ダークスーツに
ネクタイの来賓者にまじり、当日決ま
った来賓席の難聴者のノートテイクの
ために、場違いな普段着の私はステー
ジ上でかたまった。通訳者の声がうま
く聞き取れない。手話を読み取り、つ
ぶやく難聴者の声を必死で書きとめた。
どちらが通訳者かわからない。大会の
キーワード「ろうどう」を「ろうご」
と聞きまちがえた。討論が核心に入り
「バブル崩壊」「経済不況」「就職難」
などの頻出にいたりようやく「老後」
ではなく「労働」だとわかった。OH
P書きでは文字が多くの目にさらされ
る。しかし、指摘されることでミスを
訂正できる。ノートテイクの怖さとは、
決定的な誤訳が素通りしてしまうこと
だ。3月3日、いままで単なる語呂あ
わせの「みみの日」だった。セレモニ
ーの一日がおわった。聴覚のバリアに
かかわる者として、一日で終ってはい
けない。残りの364日も「みみの日」
なのだと考える。「やった!」昨年、
養成講座を修了した彼女達の上気した
顔。受講中のみなさん、「灯だい」サ
ークルで充実感・達成感をあじわって
みませんか。
■漢字か、かなか。
(第9回)
受講生のアンケートのワープロ作業を第
一回目から担当してきました。アンケー
トの文中に、平仮名でも意味がわかる漢
字として次のようなものが多く使われて
- 11 -
「平成 14 年度養成講座・アンケートの
まとめ」コラム欄から記事を選び再使用
しました。
(第6回)
三百分の の %。一分間に話すこ
とばの文字数と手書き文字数の割合、
いわば要約文の文字圧縮比です。聞い
たとおりに書かないで(書けないから)
話しことばを圧縮すると、アンケート
の答のように「堅苦しい」・「事務的
な」・「おもしろくない」・「ニュア
ンスがない」・「雰囲気がない」とい
う文章になります。話の中のたいせつ
なところを伝えるために、耳からはい
60
48
灯だい通信 2003・春 第 16 号
いました。
出来る(できる)、難しい(むつかし
い・むずかしい)、為(ため)、事(こ
と)、色々(いろいろ)、時(とき)、
後(あと・のち)、大変(たいへん)
これらはすべて正しく、間違いではあり
ません。漢字(カタカナも)は分かち書
きとおなじ効果があるので文章の中に漢
字が混じると( %ぐらいがよいと講義
で知った)読みやすい文章になります。
要約筆記で漢字を書く場合、ふだんの作
文とは状況が変わります。
画数も多いややこしい漢字を書こうと
して話に追いつけず、あせりからかえっ
て読みにくい文字になります。また文字
の絶対数も減ります。情報量を犠牲にし
てまで漢字を書く必要はないと考えます。
分かる(わかる)、聴く・聞く(きく)、
代わる・変わる(かわる)、等(など・
とう)、出る(でる)、読む(よむ)、
言う(いう)、書く(かく)、見る(み
る)、来る(くる)、良い(よい)、
取る(とる)
スピードアップのため、右のような一文
30
字分しかない漢字は、なるべく平仮名で
書いています。
トールでまごつき、ACアダプタがな
いのに絶句。パソコン要約筆記では、
話を聞いて要約する技術にくわえタッ
チタイピングが必須の条件となる。タ
ッチタイピングとは、語彙をふやし知
識をたくわえる脳ミソの訓練とはまっ
たく別次元の単純な運動機能。だが習
得するのはむつかしい。手元を見ずに
キーが打てないと、文字の書けない要
約筆記者とおなじことになる。 メ[モ
帳 と]か テ[キストファイル と]か L[A
N と]かが、なんたるものか分からずと
もよい。パソコン要約筆記者を目指そ
うとする人は、ただひたすらタッチタ
イピング技術を獲得すること。ワープ
ロ機やデスクトップパソコンでタッチ
タイプの練習を!
- 12 -
■パソコン要約筆記講習会報告
(第 回)
「入力文字数、最低でも一分間に60
文字。毎日 分でよいからタイピング
の練習を続けなさい。練習また練習あ
るのみ。そうすると誰でもできる!」
《おりづる・パソコン部》のインスト
ラクターのやさしくもきびしい指導と
お達しを受けた。3月 日、広島市国
際会議場で第五回広島県要約筆記指導
者養成講座がおこなわれ、「キーボー
ドがたたける程度でよいから」と、誘
いの言葉にのって「灯だい」からビギ
ナーの5名が講習を受けた。この考え
はあまく「たたける程度」が問題だっ
たのだ。手書き相当の文字数が打てな
ければ講習についていけない。講座の
内容は、パソコン(キーボード入力式)
要約筆記の指導者になるためのハイレ
ベルなものだった。要約筆記ソフト
《 Ip-talk
・アイピートーク》のインス
10
10
16
灯だい通信 2003・春 第 16 号
つばき会館に備え付けたノート型パソコンのハード基本仕様を紹介します。
モデル名
TOSHIBA DynaBook T5/512CME
ドライブ
CD-R/RW DVD-ROM CD-ROM
1
CPU
Intel Celeron プロセッサ 1.20GHz
液晶ディスプレイ
15型TFT XGA1,024x768ドット Super View
2
30GB
ハードディスク
3
256MB
メモリ
4
フロッピーディスクドライブ 3.5インチ 1.44MB
内臓スピーカ
高音質ステレオスピーカ
ポインティングデバイス
タッチパッド
モデム
世界58地域対応56kbsモデム
通信機能
LAN
ブロードバンド対応LAN 100Base-TX/10Base-T
無線通信機能
オプション
PCカードスロット
TYPE IIx2 または TYPE IIIx1
インタフェイス
iLINK ビデオ出力 USBx3 RGB シリアル パラレル
5
Windows XP Home Edition
OS
6
アプリケーション
Officeなど45種類
バッテリ駆動時間
約2.8時間
消費電力
約60W
質量
約3.55kg(バッテリパック装着時)
1
2
3
4
5
6
シーピーユーは、パソコンの頭脳にあたります。命令に従ってほかの装置に指示を出
したり、あらゆる処理をおこなうところです。1.2GHz(ギガヘルツ)の意味は、
「ク
ロック周波数」と呼ばれるもので CPUの処理速度を表します。本機の場合、1秒間に
12億回の処理をしていることになります。
金属やガラスなどの硬い素材の円盤の磁気記憶装置です。ここにデータやプログラム
を保存します。
電源を切ってもデータは消えません。
タンスの引き出しのようなもの。
CPUとデータのやりとりをするのがメモリです。電源が入っている間だけデータを記
憶しているが、電源を切るとデータは消えます。メモリ容量が大きいと作業がスムー
ズにできます。ハードディスクをタンスの引き出しとするとメモリは作業台や机に例
えることができます。机の上で作業をするとき、必要な材料を広げられる大きな机の
方が効率よく作業ができるので、CPUの処理がスムーズになります。
薄いプラスチィック素材の円盤の磁気記憶装置。1.44MB(メガバイト)のデータを記
憶できます。データの受け渡しに便利。
パソコンを動かす基本ソフトOperating System を略してオーエスといいます。
基本ソフトに対して応用ソフトといいます。アプリケーションにはワープロソフト、
表計算ソフト、
メールソフト、
画像編集ソフトなどがあらかじめ組み込まれています。
IP-talk などの要約筆記関連ソフトもアプリケーションソフトです。
- 13 -
灯だい通信 2003・春 第 16 号
定例会のお知らせ
4月 12日(土) 26日(土)
5月 10日(土) 24日(土)
6月 7日(土) ※21日(土)
時間はいずれも 14:00 から 16:00 まで
場所 つばき会館 508 号 ※507 号
携 帯 型 ホ ワイトボード を作 ろう!
と き 5 月17日(土)13:30~16:00
ところ つばき会館 2F和室
材料費として 500 円
参加費
当日集めます。
〒737-0834 呉市瀬戸見町 18-4
田所浩一
申込先 Fax 手動 F ネット 0823 (31) 2153
E メール [email protected]
5 月 10 日までにお申込みください。
- 14 -
灯だい通信 2003・春 第 16 号
投 稿 募 集 !!
みなさまからの投稿をお待ちしています。
原稿の字数は問いません。短くても、超大作でも OK です。
詩歌、俳句、短歌、川柳、コントなどなんでも結構です。
写真やイラスト、スケッチなどもお寄せください。
投稿は下記まで、E-mail 大歓迎です。
編集メモから
12
14
■平成 年度要約筆記ボランティアの養成講
座が終了した。修了者 名、
『灯だい』サーク
ルへフレッシュな 名が入会。
受講生のみなさ
ん、講師を担当されたみなさん、長丁場ごくろ
うさまでした■養成講座でパソコン初登場!
とりあえず前ロールをプロジェクタで投影。そ
のパソコンのハード仕様をカタログ風にまと
めた。昨秋の製品なのでもはや最新モデルでは
ないが、かなりの性能を秘めている。
『灯だい』
のレンズ等級格上げといったところ。■本当の
灯台の話。広島・呉への航路の要衝に位置する
「安渡島灯台」
。貴重な画像を第六管区海上保
安本部からいただきました■TVの字幕放送
が映った! チャンネル切替と音量調節ぐらい
しか使ってなかったリモコンをつついていた
らぞろぞろとメニューが。
「文字放送」を選び
「決定」ボタンを押すと字幕オン。NHKの「大
相撲春場所」と「ニュース7」
、
「武蔵」を試聴、
拝見。ナマ字幕の相撲中継、数秒のタイムラグ
は仕方がないがいささか興ざめ。
「燁司」が「よ
う司」では燁司関がかわいそうだ■昨年4月、
大竹市要約筆記サークル『ふたば』の音声入力
パソコン㋵(略称=CAS)の実演を見せても
らった。その『ふたば』から「CASの予算が
通った!」と喜びにあふれる便りが。県下で初
の導入。
『ふたば』のチャレンジ精神に敬意を
表したい■昨年秋の文化祭、阿賀支所ホールで
地域の保育園児、幼稚園児の作
品が多数展示された。表紙はそ
の力作のひとつ。園長先生の快
諾を得て掲載させてもらった■
広陵高校センバツv3おめでと
う! 前回の優勝のとき、毎日
新聞「余録」をワープロ練習の
材料にしたのをおもいだした。
それから 年、タイピングの腕
はさっぱりあがってないⓣ
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「とんど」または「どんど」
、小正月(1月 15 日)
に門松、竹、注連縄などを集めて焚く火祭。
呉市郷原町・R375 沿いの田んぼに据付けた日本
一高い 37.5mの「とんど」
。
2003年 2月 17日撮影 写真提供=神垣卓次さん
灯だい通信 2003・春 第 16 号
位置
北緯 34 度 16 分 3 5 秒
東経 13 2 度 24 分 1 7
秒
初点灯
1 96 7 年 (昭和 42 年 )1
月 29 日
塗装色
白色
構造
塔型コンクリート造
灯質
単閃白光 毎 4 秒 に 1
閃光
光度
56 0 カンデラ
光達距離 8.0 海里
高さ
地上か ら頂部 まで 9.2m
平 均 水 面 上 か ら灯 火
まで 18m
広 島港や 呉港 に向か う多 くの 船舶 は、 奈佐 美瀬戸 通航中
か ら安渡島 灯台 の光 を指標 とし航行 しており ます。 安渡島
灯台 は、船舶の 安全航行 を祈り ながら 4 秒間に 1 回の割合
でやさしい光 を投げ かけています。
(写真 と文)
- 16 - 海 上保安庁 第六管区海上保安本部灯台部