「地方公共団体におけるPFI事業について」(PDF:33KB)

参考1
自 治 画 第 6 7 号
平成12年3月29日
(平成15年9月2日一部改正)
各 都 道 府 県 知 事
殿
各 指 定 都 市 市 長
自 治 事 務 次 官
地方公共団体におけるPFI事業について
今般 、民間資 金等の活 用によ る公共施 設等の整 備等の促 進に関す る法律( 平成11年法
律 第 1 1 7 号 。 以 下 「 P F I 法 」 と い う 。) 第 4 条 第 1 項 に 定 め る 基 本 方 針 が 制 定 さ れ ま
した。 地方公共 団体にお いては 、下記事 項に留意 のうえ、 適切に対 応される ようお願いし
ます。
なお、貴都道府県内市区町村にもこの旨周知されるようお願いします。
記
第1
1
総括的事項
PFI 法は、平 成11年 9月2 4日に施 行され、 同法第4 条第1項 に基づき、内閣総
理大臣が、平成12年3月13日、別添のとおり基本方針を定めたところであること。
基 本 方 針 は 、 国 ( 特 殊 法 人 そ の 他 の 公 共 法 人 を 含 む 。) が 公 共 施 設 等 の 管 理 者 等 と し て
行うP FI事業 について 主とし て定めた ものであ り、地方 公共団体 について は、本基本方
針の定 めるとこ ろを参考 として 、PFI 事業の円 滑な実施 の促進に 努めるも のとされてい
ること。
2
以下、本通知において、次の用語は、それぞれ下記のとおりとする。
(1) PFI事 業
地方公共 団体が PFI法 第5条第 1項の実 施方針を 定めて実施するP
FI法第2条第4項に定める「選定事業」をいう。
(2) PFI事 業者
PFI 法第7 条第1項 の規定に よりPF I事業を 実施する者として
選定された者をいう。
(3) PFI契 約
地方公共 団体と PFI事 業者の間 で締結さ れる、P FI事業に係る契
約をい う(PF I法第9 条に定 める議会 の議決が 必要な契 約にあっ ては、こ れを経たもの
に限る 。)。
(4) 政府調達 協定
1 994 年4月1 5日マラ ケシュで 作成され た政府調 達に関する協
定をいう。
(5) 特例政令
地方公 共団体 の物品等 又は特定 役務の調 達手続の 特例を定 める政令(平
成7年政令第372号)をいう。
3
P FI法第 9条及び 民間資 金等の活 用による 公共施設 等の整備 の促進に 関する法律施
行令に 定めると おり、以 下のP FI契約 について は、あら かじめ議 会の議決 を経なければ
ならな いこと。 これは、 地方自 治法第9 6条第1 項第5号 に定める 議会の議 決との均衡を
考慮す るととも に、PF I事業 に係る将 来の財政 負担等を 議会にお いてチェ ックする趣旨
である こと。ま た、この 場合に おける金 額は、P FI契約 の予定価 格の金額 のうち維持管
理、運営等に要する金額を除いた金額により判断するものであること。
都道府県
法第二条第五項に規定する選定事業者
が建設する同条第一項に規定する公共
施設等(地方公共団体の経営する企業
で地方公営企業法(昭和二十七年法律
第二百九十二号)第四十条第一項の規
定の適用があるものの業務に関するも
のを除く 。)の買入れ又は借入れ
地 方 自治 法 ( 昭 和二 十 二 年
法 律 第六 十 七 号 )第 二 百 五
十 二 条の 十 九 第 一項 に 規 定
す る 指定 都 市 ( 以下 こ の 表
に お いて 「 指 定 都市 」 と い
う 。)
30 0 , 0 00
市(指定都市を除く 。)
150,000
町村
4
千円
500,000
50,000
PFI 法が、い わゆる第 三セク ターの抱 える諸課 題等を考 慮のうえ 立法された経緯も
踏まえ 、PFI 契約にお いて、 PFI事 業者との リスクの 分担(P FI事業 の継続が困難
に な っ た 場 合 の 措 置 を 含 む 。 以 下 同 じ 。) を 明 確 に し て お く と と も に 、 P F I 事 業 者 に 対
する安易な出資及び損失補償は、厳に慎むこと。
5
総務省 は自治行 政局地域 振興課 を窓口と して相談 に応じる こととし ているので、PF
I事業 の実施を 検討して いる地 方公共団 体は積極 的に相談 すること 。また、 平成14年度
より自 治体PF I推進セ ンター が設置さ れている ので、地 方公共団 体間の意 見交換及び情
報 の 共 有 の 場 と し て 活 用 を 図 る こ と 。 さ ら に 、( 財 ) 地 域 総 合 整 備 財 団 に お い て 、 P F I
アドバ イザーの 派遣、P FI研 修会、民 間事業者 との意見 交換会を 実施し、 また相談窓口
を設置しているので、あわせて活用を図ること。
なお 、PFI 事業に対 する貸 付であっ て現行の ふるさと 融資の要 件を満た すものについ
ては 、これを対象とするものであること 。詳細は( 財 )地域総合整備財団に照会すること 。
6
P FI事業 の実施に 当たっ ては、実 施方針、 選定結果 、契約、 協定、金 融機関との直
接の取 決め(ダ イレクト ・アグ リーメン ト)及び 監視等の 結果につ いてもす べて公開し、
PFI事業選定の手続の透明性の確保を図ること。
第2
PFI事業に係る債務負担行為の位置付け
PF I法に基 づいて公 共施設 等の整備 を行うた めに設定 される債 務負担行 為は、効率的
か つ 効 果 的 な 公 共 施 設 等 の 整 備 の た め に 設 定 さ れ る も の で あ り 、「 も っ ぱ ら 財 源 調 達 の 手
段 と し て 設 定 す る 債 務 負 担 行 為 」(「 債 務 負 担 行 為 の 運 用 に つ い て 」( 昭 和 4 7 年 9 月 3 0
日付け自治導第139号 ))に該当するものではないと解されること。
しか しながら 、この場 合にお いても財 政の健全 性を確保 する必要 があるの で、PFI事
業にお ける債務 負担行為 に係る 支出のう ち、施設 整備費や 用地取得 費に相当 するもの等公
債費に準ずるものを起債制限比率の計算の対象とするものであること。
第3
PFI事業に係る地方財政措置
PF I事業の うち1の 要件を 満たすも のに係る 施設整備 費につい て、地方 公共団体がP
FI事 業者に対 して財政 的支出 を行う場 合、2の 財政措置 を講じる こと。な お、具体的内
容につ いては「 民間資金 等の活 用による 公共施設 等の整備 等の促進 に関する 法律(平成1
1年法 律第11 7号)に 基づい て地方公 共団体が 実施する 事業に係 る地方財 政措置につい
て 」(平成12年3月29日付け自治省財政局長通知)を参照すること。
1
要件
ア
当該施設 の所有権 が一定 期間経過 後に地方 公共団体 に移転( 当該施設 の整備後直ち
に 移 転 す る 場 合 を 含 む 。) す る も の 又 は P F I 契 約 が 当 該 施 設 の 耐 用 年 数 と 同 程 度 の
期間継続するものであること。
イ
通常当該 施設を地 方公共 団体が整 備した場 合に国庫 補助負担 制度があ る事業につい
ては、PFI事業で整備する場合にも同等の措置が講じられるものであること。
2
財政措置の内容
ア
国庫補助負担金が支出される事業
当該国 庫補助負 担金の 内容に応 じて、地 方公共団 体が直接 整備する 場合と同等の
地方債措置又は地方交付税措置を講じること。
イ
地方単独事業として実施されるPFI事業
地 方公共 団体が直 接整備す る場合に 施設の種 別に応じ た財政 措置の仕 組みがあ る
施設については当該措置内容に準じて 、そのような財政措置の仕組みがない施設( 公
共 性 が 高 く 、 か つ 非 収 益 的 な 施 設 で 一 定 の 要 件 を 満 た す も の に 限 る 。) に つ い て は
一定の範囲で、地方交付税措置を講じること。
第4
税制上の措置
(1) PFI事 業者がP FI事 業の用に 供する土 地につい ては、特 別土地保 有税の非課税
措置が講じられていること 。(地方税法第586条第2項第1号の27)
(2) PFI事 業者が港 湾法に 規定する 無利子貸 付けを受 けてPF I事業と して整備する
特定用 途港湾施 設のうち 一定の もの又は PFI事 業者が政 府の補助 金を受け てPFI事業
として 整備する 廃棄物の 処理及 び清掃に 関する法 律に規定 する一般 廃棄物処 理施設のうち
一定の ものにつ いて、不 動産取 得税又は 固定資産 税若しく は都市計 画税の課 税標準の特例
措 置 が 講 じ ら れ て い る こ と 。( 地 方 税 法 附 則 第 1 1 条 第 3 0 項 及 び 第 3 1 項 並 び に 同 法 附
則第15条第48項及び第49項)
第5
1
契約関係
P FI契約 の相手方 の決定 の手続に ついては 、基本方 針「二
民間事業 者の募集及び
選定に関する基本的な事項」を参考として、適切に実施すること。
2
契約の相手方の選定方法の原則(一般競争入札)
総合評価一般競争入札の活用等
PF I事業者 の選定方 法は、 公募の方 法等によ ることと されてお り(PF I法第7条第
1項 )、一般競争入札によることが原則とされていること。
この場合において 、PFI契約においては 、価格のみならず 、維持管理又は運営の水準 、
PFI 事業者と のリスク 分担の あり方、 技術的能 力、企画 に関する 能力等を 総合的に勘案
する必 要がある ことにか んがみ 、総合評 価一般競 争入札( 地方自治 法施行令 第167条の
10の2)の活用を図ること。
この 際、あら かじめ学 識経験 者の意見 を聴き、 落札者決 定基準を 適切に定 め、公表する
こ と 等 、 所 定 の 手 続 に つ い て 十 分 留 意 す る こ と 。(「 地 方 自 治 法 施 行 令 の 一 部 を 改 正 す る
政 令 の 施 行 に つ い て 」( 平 成 1 1 年 2 月 1 7 日 付 け 自 治 行 第 3 号 自 治 事 務 次 官 通 知 ) を 参
照のこと 。)
3
随意契約による場合の留意点
上記 1によら ず、随意 契約の 方法によ るために は、地方 自治法施 行令第1 67条の2第
1項各号に該当することを要すること。この場合において、以下の点に留意すること。
(1) 地方自治 法第16 7条の 2第1項 第2号「 その性質 又は目的 が競争入 札に適しない
ものを するとき 」につい ては、 普通地方 公共団体 において 当該契約 の目的、 内容に照らし
それに 相応する 資力、信 用、技 術、経験 等を有す る相手方 を選定し その者と の間で契約の
締結を するとい う方法を とるの が当該契 約の性質 に照らし 又はその 目的を究 極的に達成す
る上で より妥当 であり、 ひいて は当該普 通地方公 共団体の 利益の増 進につな がると合理的
に判断 される場 合もこれ に当た ると解さ れている ところで あり(別 紙昭和6 2年3月20
日 最 高 裁 第 2 小 法 廷 判 決 参 照 )、 P F I 契 約 に つ い て も こ れ を 踏 ま え て 適 切 に 判 断 す る も
のであること。
(2) 同条第5 号「時価 に比し て著しく 有利な価 格で契約 を締結す ることが できる見込み
のある とき」と は、相手 方が多 量のスト ックをか かえ売り 込む意欲 が強い場 合等、相手方
が特殊 な地位に 立ってい る場合 が該当す るものと されてい ること。 この場合 において、同
号の「 著しく有 利な価格 」とは 、一般的 には、品 質、性能 等が他の 物件と比 較して問題が
なく、 かつ、予 定価格( 時価を 基準とし たもの) から勘案 しても、 競争入札 に付した場合
より誰 が見ても はるかに 有利な 価格で契 約できる ときと解 されてお り、した がって、当該
地方公 共団体が 当該公共 施設等 を整備す ると仮定 する場合 の価格と 当該相手 方の価格を比
較する とともに 、一般的 なPF I事業者 がPFI 方式で整 備すると 仮定した 場合の標準的
な価格と比較し、著しく有利であるか否かにより判断するものであること。
4
政府調達協定の適用を受けるPFI契約についての留意点
(1) PFI契 約は、公 共施設 等の建設 のみなら ず、維持 管理及び 運営をも 内容とするも
のであ り、この ため、政 府調達 協定対象 の役務と 対象外の 役務の双 方を包含 する混合的な
契約となりうるものであること。
こう した混合 的な契約 におい ては、主 目的であ る調達に 着目し、 全体を当 該主目的に係
る調達 として扱 うことと されて おり、主 目的が物 品等又は 協定の対 象である 役務の調達契
約であって、当該契約の全体の予定価格(主目的以外の物品等及び役務に係る価額を含
む 。) が 適 用 基 準 額 を 超 え る 場 合 に 、 特 例 政 令 の 適 用 を 受 け る こ と と さ れ て い る の で 、 都
道 府 県 及 び 指 定 都 市 に お い て は 留 意 す る こ と 。(「 地 方 公 共 団 体 の 物 品 等 又 は 特 定 役 務 の
調達手 続の特例 を定める 政令の 公布につ いて」平 成7年1 1月1日 付け自治 行第84号行
政課長通知参照 )。
(2) 特例政令 第10条 本文に おいて引 用する地 方自治法 施行令第 167条 の2第1項第
3 号 の 「 緊 急 の 必 要 」と は 、 例 え ば 、 災 害 時 に お い て 一 般 競 争 入 札 又 は 指 名 競 争 入 札 の 方
法によ る手続を とるとき は、そ の時期を 失し、あ るいは全 く契約の 目的を達 することがで
きなくなり、経済上はなはだしく不利益を被るに至るような場合を想定していること。
(3) 特例政令 第10条 第1項 第6号は 、設計契 約につい て随意契 約による ことができる
として いるもの であり、 建設、 維持管理 、運営等 、設計以 外の内容 を一体的 に含むPFI
契約は、その対象ではないものと解されること。
5
その他
(1) PFI契 約の相手 方の決 定の手続 に際して は、特別 目的会社 に対する 出資予定者等
により 構成され る、法人 格の無 い共同企 業体の形 式で参加 し、PF Iの選定 事業者となっ
た後に 、初めて 法人格を 持った 特別目的 会社を設 立して、 地方公共 団体との 間でPFI契
約を締結することも差し支えないこと。
(2) 民間事業 者による 発案が 可能とさ れている (PFI 法第4条 第2項第 1号)が、提
案を行 った民間 事業者を 相手方 として、 随意契約 によるP FI契約 を締結す るためには、
地方自 治法施行 令第16 7条の 2第1項 各号(政 府調達協 定の適用 を受ける 場合において
は、特例政令第10条第1項各号)に該当する必要があること。
(3) PFI契 約の相手 方とな る民間事 業者の選 定手続に 参加した 民間事業 者に対し、一
定のコンペ料等を支払うことを妨げるものでないこと。
第6
1
公の施設関係
P FI法に 基づいて 公共施 設等を整 備しよう とする場 合の当該 公共施設 等の管理につ
いては 、公の施 設制度の 趣旨を 踏まえ、 公の施設 として管 理すべき か否か適 切に判断する
ものであること。
2
P FI事業 により公 の施設 を整備し ようとす る場合に あっては 、施設の 設置及びその
管理に関する事項等については条例でこれを定めるものであること。
3
P FI事業 により公 の施設 を整備し ようとす る場合で あって、 当該施設 を公の施設と
して供 用する間 、PFI 事業者 が施設の 所有権を 有する場 合は、地 方公共団 体は、公の施
設を設 置するに 伴って住 民に対 して負う 責務を全 うするに 十分な、 安定的な 使用権原(賃
借権等)を取得しておく必要があること。
4
P FI事業 により公 の施設 を整備し ようとす る場合で あって、 当該施設 の管理を包括
的に民 間事業者 に行わせ る場合 は、原則 として地 方自治法 第244 条の2第 3項に規定す
る公の施設の指定管理者の制度を採用すること。
ただ し、民間 事業者に 対して 、包括的 な委任で なく、例 えば下記 の諸業務 をPFI事業
として 行わせる ことは可 能であ り、また 一の民間 事業者に 対してこ れらの業 務のうち複数
のもの をPFI 事業とし て行わ せること も可能で あること 。その場 合にあっ ては、当該民
間事業 者につい ては、当 該公の 施設の利 用に係る 料金を当 該民間事 業者の収 入として収受
さ せ る こ と 及 び 当 該 料 金 を 当 該 民 間 事 業 者 が 定 め る こ と と す る こ と は で き な い こ と 。( 地
方自治法第244条の2第8項、第9項)
①下記のような事実上の業務
・施設の維持補修等のメンテナンス
・警備
・施設の清掃
・展示物の維持補修
・エレベーターの運転
・植裁の管理
②管理 責任や処 分権限を 地方公 共団体に 留保した 上で、管 理や処分 の方法に ついてあらか
じめ地方公共団体が設定した基準に従って行われる下記のような定型的行為
・入場券の検認
・利用申込書の受理
・利用許可書の交付
③私人 の公金取 扱いの規 定(地 方自治法 第243 条、同法 施行令第 158条 )に基づく使
用料等の収入の徴収
④当該施設運営に係るソフト面の企画
第7
公有財産関係その他
PF I事業に より公有 地上に 公共施設 等を整備 する場合 には、下 記の事項 について留意
すること。
(1) 当該施設 の所有権 が当該 施設の整 備後直ち に地方公 共団体に 移転し、 供用される場
合には、当該施設の用地は行政財産として位置づけられるものであること。
(2) 当該施設 の所有権 が一定 期間経過 後に地方 公共団体 に移転す る場合で あって、当該
期間中 、PFI 事業者に 対して 普通財産 として用 地を貸し 付けると きは、最 終的に当該施
設の所 有権が当 該地方公 共団体 に移転し 、その行 政財産に なる時点 において 、当該施設の
用地も、普通財産から行政財産に切り替える必要があること。
(3) 地方公共 団体の行 政財産 について は、原則 として私 権を設定 すること ができないこ
ととされているが、PFI法の一部改正により、次の特例が設けられたこと。
①地方 公共団体 は、必要 がある と認める ときは、 地方自治 法第23 8条の4 第1項の規定
にかか わらず、 PFI事 業の用 に供する ため、行 政財産を PFI事 業者に貸 し付けること
ができること。
②①の ほか、地 方公共団 体は、 PFI事 業者が一 棟の建物 の一部が 当該PF I事業に係る
公共施 設等であ る当該建 物の全 部又は一 部を所有 しようと する場合 において 、必要がある
と認め るときは 、地方自 治法第 238条 の4第1 項の規定 にかかわ らず、行 政財産である
土地を 、その用 途又は目 的を妨 げない限 度におい て、当該 PFI事 業者に貸 し付けること
ができること。
③①及 び②のほ か、地方 公共団 体は、② により行 政財産で ある土地 の貸付け を受けた者が
建物の 一部をP FI事業 の終了 後におい ても引き 続き所有 しようと する場合 において、必
要があ ると認め るときは 、地方 自治法第 238条 の4第1 項の規定 にかかわ らず、当該行
政財産 である土 地を、そ の用途 又は目的 を妨げな い限度に おいて、 その者に 貸し付けるこ
とができること。
④①か ら③まで の貸付け につい ては、民 法第60 4条並び に借地借 家法第3 条及び第4条
の規定は、適用されないこと。
⑤①か ら③まで の貸付け につい ては、地 方自治法 第238 条の2第 2項及び 第238条の
5第3項から第5項までの規定が準用されること。
(別紙)
○
最高裁第二小法廷判決
(昭和62年3月20日)
「そ の性質又 は目的が 競争入 札に適し ないもの をすると き」とは 、原判決 の判示すると
おり、 不動産の 買入れ又 は借入 れに関す る契約の ように当 該契約の 目的物の 性質から契約
の相手 方がおの ずから特 定の者 に限定さ れてしま う場合や 契約の締 結を秘密 にすることが
当該契 約の目的 を達成す る上で 必要とさ れる場合 など当該 契約の性 質又は目 的に照らして
競争入 札の方法 による契 約の締 結が不可 能又は著 しく困難 というべ き場合が これに該当す
ること は疑いが ないが、 必ずし もこのよ うな場合 に限定さ れるもの ではなく 、競争入札の
方法に よること 自体が不 可能又 は著しく 困難とは いえない が、不特 定多数の 者の参加を求
め競争 原理に基 づいて契 約の相 手方を決 定するこ とが必ず しも適当 ではなく 、当該契約自
体では 多少とも 価格の有 利性を 犠牲にす る結果に なるとし ても、普 通地方公 共団体におい
て当該 契約の目 的、内容 に照ら しそれに 相応する 資力、信 用、技術 、経験等 を有する相手
方を選 定しその 者との間 で契約 の締結を するとい う方法を とるのが 当該契約 の性質に照ら
し又は その目的 を究極的 に達成 する上で より妥当 であり、 ひいては 当該普通 地方公共団体
の利益 の増進に つながる と合理 的に判断 される場 合も同項 1号(注 :昭和4 9年改正前の
地方自 治法施行 令第16 7条の 2第1項 第1号。 現同項第 2号)に 掲げる場 合に該当する
ものと 解すべき である。 そして 、右のよ うな場合 に該当す るか否か は、契約 の公正及び価
格の有 利性を図 ることを 目的と して普通 地方公共 団体の契 約締結の 方法に制 限を加えてい
る前記法及び令の趣旨を勘案し 、個々具体的な契約ごとに 、当該契約の種類 、内容 、性質 、
目的等 諸般の事 情を考慮 して当 該普通地 方公共団 体の契約 担当者の 合理的な 裁量判断によ
り決定されるべきものと解するのが相当である。