Sto 乾式吹付工法 施 工 要 領 書 株式会社 クリテック・ジャパン StoCretec Building with conscience 1. 工法概要 1-1. 概要 独自のサイロ供給システムを使用した乾式吹付け工法である。 材料にはプレミックスタイプのポリマーセメントを使用し、主に補 修・補強工事に適用される。従来の乾式吹付け用の修復材で発生して いた問題点を大幅に改善し優れた施工性を発揮する。 交通開放時における振動下でも使用できる。 1-2. 特長 優れた施工性を実現 ・ プラントの配置換えも少なく、広範囲の施工に最適。 ・ 厚付けが可能。 (下記の表を参照) ・ 交通開放時における振動下でも施工可能。 ・ 専用の鏝による仕上げが可能。 製 品 StoCrete TS 100 粒 径 2 mm 吹 付 け 厚 さ 6 – 50 mm (Max 100 mm) 搬 送 距 水平:200m 離 垂直:150m 高速・高圧充填により、優れた性能を発揮 ・ 高い付着力を発揮し、接着材等を使用することなく、既設コンクリートと一体化する。 ・ 高密度の断面形成により水密性に富み、中性化、塩害、凍害に対し優れた耐久性を発揮する。 ・ 鉄筋裏への充填性に優れているため、水や有害物質の侵入を抑制し、鉄筋の腐食による再劣化を防 ぐ。 大幅な低粉塵施工 ・ 独自のサイロ供給システムにより、従来の乾式吹付け工法の問題点であった粉塵が大幅に減少。 1 StoCretec Building with conscience 2. 適用範囲 2-1. 用途 ・ 土木、建築、港湾、工場プラント等の無筋および鉄筋コンクリート構造物の劣化部分や欠損部分の断面補 修・補強工事全般。(壁面、桁側面、床版下面、高欄側面、ピアー等) 製 品 StoCrete TS 100 3. 主 な 適 用 場 所 一般の鉄筋コンクリート構造物および無筋コンクリート構造物 施工手順 3-1. 施工フロー 施 工 フ ロ ー 使用機械・資材 作業内容・注意点・その他 コ ン ク リ ー ト 劣化部の診断結果に基づき、劣化部のはつり作業 及び下地処理を下記の方法により実施する。 下 地 処 理 ウォータージェット ・ 電 動 お よ び エ ア ピ ッ ク 、ウ ォ ー タ ー ジ ェ ッ ト 等 を 使 用 して劣化部を除去する。 ま た 、 錆 の 発 生 し た 鉄筋の周辺コンクリートは、鉄筋を損 傷させないように注意してはつり出し、鉄筋を露出させる。 電動ピック ・ 鉄筋部分はサンドブラスト等で錆を落とす。 エアピック ・ 吹付け箇所の母材コンクリート表面をサンドブラス ト お よ び ウ ォ ー タ ー ジ ェ ッ ト に よ り 表 面 の 汚 れ 、有 害 物質を除去し、健全な下地を露出させる。 サンドブラスト等 ・ 吹付け箇所の水洗いを行う。 ・ 下 地 処 理 を 行 っ た コ ン ク リ ー ト 表 面 に は 、吹 付 け 前 に 十 分 な 湿 り 気 を 与 え る 。( 24 時 間 前 ) 防 錆 処 理 防錆材 錆を落とした鉄筋に防錆材を塗布する。防錆材には無機 攪拌機 系と有機系の 2 種類があり、仕様により使い分ける。 ハケ 防錆材は塗り斑がおきないように着色されており、指定 された回数を塗布する。 防錆材 2 StoCretec Building with conscience 種類 塗布回数 StoCrete TK 無機系 3回 StoPox KSH thix 有機系 2回 サイロシステム 設置 StoSilo Minimix3.0 サイロシステムを吹付け箇所、資材搬入路を考慮して設 吹 付 け 機 VM 14 FU 置 す る 。( サ イ ロ 供 給 シ ス テ ム 設 置 図 参 照 ) コンプレッサー 発電機 圧 送 準 備 サイロ、吹付け機、コンプレッサー、発電機を所定の場 所に設置し、エアホース、圧送ホース、給水ホースを作 業、歩行者および走行車両に支障のないような端部に敷 設する。敷設に際して、途中によじれ、折れがでないよ うに注意し、コンクリート、鉄骨等の角は養生をしてホ ースに損傷がでないようにする。 圧 送 ホ ー ス は 最 低 40m 配 管 す る 。 圧 送 配管経路の途中によじれ、折れがないことを確認し、サ イロシステム、コンプレッサー、発電機を始動させ圧送 を開始する。 補 修・ 補 強 ( 吹 付 け ) 乾式吹付け材 吹 付 け 作 業 は 防 寒 養 生 の で き る 場 合 を 除 い て 、5℃ 以 下 の StoCrete TS 100 低温では行ってはならない。 水量、空気量の微調整を行うための試し吹きを行ってか ら吹付け作業に入る。1 層の吹付け厚さは守る。吹付け 面とノズルの角度が出来るだけ直角になるようにする。 吹 付 け 面 と の 距 離 を 約 1.0m 程 度 保 ち な が ら 斑 の な い よ うに均一に吹付ける。下向きの吹付けは行ってはならな い。施工打継目はリバウンド、汚れ、浮き等を取り除い てから行うこと。修復断面が大きな工事では定規、鋼線 等を設置し、施工量に見合った区割りを設ける。 吹付け厚さの確認は、厚さ測定用のピンあるいはこれに 準じた方法で、下地表面からモルタル表面までを測定す る。 3 StoCretec Building with conscience 仕 上 げ 粗面仕上げ鏝 モ ル タ ル の 表 面 仕 上 げ は 、吹 付 け 完 了 後 10~ 30 分 後 に 専 用の鏝で表面を平坦に仕上げる。また、必要に応じて表 面仕上げモルタルを施工する。 養 生 ビニールシート 暑中および寒中時、強風時の施工等で悪影響を及ぼす恐 養生マット れ が あ る 場 合 に は 仮 囲 い 、シ ー ト 等 で 適 切 な 養 生 を 行 う 。 また、吹付け後のモルタル面の養生は天候条件にもよる が、最低 3 日散水もしくは湿潤マット養生をする。 工具機械の清掃 ブラシ 工具機械の清掃は、圧縮空気、ブラシ、ウエス等を使用 ウエス して行う。ウォータージェットのように水を使っての清 掃は行わない。圧送ホースの接続部分は特に疲労が激し いので、施工前後での点検をする。またホース表面に亀 裂を確認した場合は早急に交換する。 3-2. 配合 製 品 TS 100 1,000 ㎏当りの標準配合 (梱包材料 1,000kg 使用時) 材 StoCrete TS 100 料(kg) 材料(kg) 水(㍑) 1000 100 Building with conscience (吹付け材料 1.0 ㎥当り) 練上り量 (㍑) 476 4 StoCretec 標準配合 材 TS100(kg) 2,100 料(kg) 水(㍑) 210 3-3. 使用機械 サイロ供給システム設置図 吹付け面 ③ サイロ (StoSilo Minimix 3.0) プレウェッティング 水量調整 水 ① コンプレッサー ⑤ 発電機 ② 乾式吹付け機 (VM 14FU) 粉体モルタル ④ ノズル 粉体モルタルと圧縮空気 圧縮空気 使用機械 ① コンプレッサー ④ ノズル ⑤ 発電機 吐出空気圧 : 0.7 MPa 以上 (7.0bar) 吐出空気量 : 7.0 ㎥/min ※除湿機能付 ② 吹付け機(VM 14 FU) 能力 : 0.5~3.0 ㎥/h 定格電圧 : 400 V 定格出力 : 45 kVA ③ サイロ ⑥ 材料 (StoSilo Minimix 3.0) 荷姿 : 1000kg 防湿袋 サイロ容量 : 3t 25kg 防湿袋 5 StoCretec Building with conscience 4. 荷姿と保管 直射日光、高温、凍結融解および極端な湿気を避けてできるだけ一定温度の場所で保管する。 品質保持期間は、容器に表示。 製 StoCrete 品 TS 荷 100 1000 25 5. kg/ kg/ 姿 袋 (防湿) 袋 (防湿) 施工・使用上の注意事項 ・ 乾式吹付の施工は、日本コンクリート補修・補強協会が実施するノズルマン講習を受講し、ノズルマンと認定 された技能者が行わなければならない。 (ノズルマン ランクA~ランクC) ・ コンクリート表面は事前に適切な方法で処理し、施工前は表面がわずかに湿っている程度の湿潤状態にする。 ・ 施工温度は 5~30℃(防寒養生のできる場合は除く)とし、直射日光や強風、雨水等の影響がある場合は適切 な養生を行う。 ・ 混練水には清浄な水を使用する。 ・ 圧送ホースは 40m 以上配管する。 ・ 取扱い時はできるだけ皮膚に触れないようにし、必要に応じて防塵マスク、保護手袋、保護メガネなどを着用 する。 ・ 施工中は換気をよくして作業する。 ◎ノズルマンのランク (ノズルマン講習会での試験にて判定) A:現場ノズルマンとして吹付作業及び指導ができる。 B:Aランクの指導者のもと、現場にて吹付作業ができ、その後認定委員会でAランクへの昇格を決定する C:Aランクの指導者のもと、現場にて吹付作業を経験し、その後認定委員会でBランクへの昇格を決定する。 6 StoCretec Building with conscience 6. 材料の仕様 項 目 防 錆 材 吹付けモルタル 製品名 Sto Crete TK Sto 基礎成分 セメント系 ポリマーセメント 貯蔵期間 製造日より9ヶ月 製造日より9ヶ月 (乾燥状態) (乾燥状態) Crete 2mm 1回の吹付け厚さ Min6mm~Max50mm 下地温度 リバウンド 7. 100mm 水平方向 200m 高さ方向 150m 最低 + 5℃ 最高 +30℃ ~ 20% 物性 項 目 材 令 平均強度 N/mm2 摘 要 圧縮強度 28日 62.5N/mm2 性能評価試験 曲げ強度 28日 9.6N/mm2 性能評価試験 付着強度 28日 2.2N/mm2 性能評価試験 弾性係数 28日 29,600N/mm2 性能評価試験 」 7 StoCretec 特定個所 10 要 TS100 最大粒径 最大搬送距離 摘 Building with conscience 8.施工管理 施工管理は発注者の基準に従うものとし、基準にないときは発注者と協議の上作成し、施工計画書に まとめる。 基準にないときはNEXCO「構造物施工管理要領」平成 21 年 7 月版に準じ、協会で定めた下記基 準を参考に協議を行う。 8-1.施工管理試験 (1)基準試験 基準試験は、施工前に材料や施工設備の性能を確認し、計画された断面修復・増厚・巻立てが施 工可能であることを確認する目的で実施するが、性能確認試験により得られた試験結果値の照査に より原則省略できる。 (2)定期管理試験 施工が大規模、又は長期に及ぶ場合には、定期的に使用材料および設備が所定の性能を有してい ることを確認する目的で実施する。 (3)日常管理試験 施工した構造物が所定の性能を有することを確認する目的で試験計画を定め、日々施工される断 面修復が計画どおりの品質で施工されていることを確認する。 基準試験 項 目 試 験 項 目 試験の頻度 付 着 強 度 材 料 基 準 値 摘 要 平均1.5N/mm2以上 コア採取 σ 28、3箇所の平均値 設計で定めた 設計基準強度以上 σ 28、3箇所の平均値 実施工前 圧 縮 強 度 定期管理試験 項 目 試 験 項 目 付 着 強 度 材 料 圧 縮 強 度 試 験 の 頻 度 施 工 単 位 ご と 発注者管理基準に従う 基 Building with conscience 値 摘 要 平均1.5N/mm2以上 建研式 基板1枚(回) σ 28又は指定日 3箇所の平均値 設 計 で 定 め た 設 計 基準 強度 以上 コア3箇所の 平均値 8 StoCretec 準 日常管理試験 項 目 試 験 項 目 試験の頻度 使用 材料 納 品 書 、 性 能 施工日ごと の 確 認 証明書等の確認 施工条件 基 準 値 摘 要 性能証明書に記載の 材料と一致していること 気 温 、 湿 度 等 性能 施工日ごと に 影 響 する 項目 ー 8-2.出来形管理 出来形管理は、施工面積と施工厚さを計測し管理する。 吹付の表面は、既設コンクリート構造物に設置した定規・検測ピン等のガイドを目安として仕上げ、 吹付厚は、100 ㎡毎に測定ピン・検測孔等にて厚さを計測することによって行う。 測定頻度に関しては、発注者管理基準を優先する。 管 吹 理 項 付 目 厚 規 格 値 測 定 方 法 検測ピン等は5㎡に 一箇所以上設置 または丁張にて管理 設 計 厚 以 上 測定ピン・測定孔等により 100㎡に1箇所測定 9 StoCretec Building with conscience 摘 要 株式会社 クリテック・ジャパン 〒160-0022 東 京 都 新 宿 区 新 宿 1-3-8 YKB新 宿 御 苑 6F TEL (03)5919-4701 FAX (03)5919-4705 http://www.cretec-japan.co.jp クリテック・ジャパン 〒162-0854 東 京 都 新 宿 区 南 山 伏 町 2 番 16 号 総 研 牛 込 ビル 2F 10 TEL (03)5206-8631 FAX (03)5225-3941 StoCretec Building with conscience http://www.cretec-japan.co.jp
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