車両脱線事故のお詫びと原因調査途中経過のご報告 - 小田急電鉄

2014年6月24日
各
位
小田急電鉄株式会社
車両脱線事故のお詫びと原因調査途中経過のご報告について
2014年6月19日(木)相模大野駅構内での車両脱線事故に伴い、大幅なダイヤ
の乱れや一部区間の運休等を発生させ、ご利用のお客さまをはじめ、沿線の皆さまなら
びに関係する多くの皆さま方に、多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを
深くお詫び申しあげます。安全を事業の根幹とすべき交通事業者として、従業員一同が
今回の事故を重く受け止め、安全の確保に向けて全社を挙げて取り組んでまいります。
事故後の調査で、今回の脱線は車庫線における乗り上がり脱線であったと推定してい
ますが、現時点において乗り上がった原因の特定には至っておりません。現在、外部調
査機関の意見も踏まえ緊急対策を実施し、脱線事故が生じた車庫線は復旧しています。
今後、客観的かつ技術的な見地から同調査機関と協力し原因究明を行ってまいります。
原因が特定され次第、再発防止策と併せてあらためてご報告をさせていただきますの
で、何卒ご理解賜りますようお願い申しあげます。
なお、事故原因調査に関する途中経過について、下記のとおりご報告いたします。
記
1.事故の概要
発生日時
2014年6月19日(木)
18時09分頃
発生場所
小田急小田原線 相模大野駅構内
(相模大野駅下りホーム端より約280メートル付近)
(所在地:神奈川県相模原市南区相模大野3−8−1)
発生車両
入換車両
(下り 相模大野駅発片瀬江ノ島駅行き各駅停車予定
事故概要
6両編成)
・車庫線から相模大野駅1番線ホームに向かう入換車両が、入換信号
機手前の所定位置で一旦停止した後、信号機の進行を指示する信号
現示に従って速度を25キロまで上げ、速度を保って走行している
際に、運転士が前後に揺れるような衝動を感じるとともに停電を確
認したため、直ちにブレーキをかけ同信号機を105メートル過ぎ
た地点で停止しました。
・車両停止後、運転士が運輸司令所に連絡のうえ、車外に降りて確認
したところ、進行方向前方から3、4、6両目が脱線していること
を確認しました。
負傷者有無
入換車両のためございません。
乗務員(男性運転士 1 名)にも負傷はありません。
全線運転再開時刻
2014年6月20日(金)6時00分
2.本日までの経緯
脱線事故のあった車庫線については使用を中止しておりましたが、外部調査機関の意
見も踏まえ、緊急対策として脱線した箇所と推定される地点に脱線防止ガードを設置す
るなどの対策を講じました。その上で試運転を実施し、安全を確認した結果、2014
年6月22日(日)10時47分より当該車庫線の使用を開始しました。なお、本日ま
での社内調査および緊急対策の実施状況については下記の通りです。
社内調査の状況
①脱線の状況
・脱線により停止した車両の最後尾から約30メートル後方の153番ポイント
を過ぎた地点のレールに車輪がレールを乗り越えた傷があったことから、この
付近で乗り上がり脱線が発生したものと推定されます。
・1両につき2つある台車のうち、3両目は後方にある台車の車軸2軸、4両目
は前方にある台車の車軸2軸が進行方向左側に脱線していました。なお、6両目
の後方にある台車の車軸1軸(片輪)は、他の脱線車輪により生じた軌間拡大の
影響で軌間内に落輪したものと推定されます。
②運転状況および施設・車両の状況等
・事故発生時の運転状況について、運転状況記録装置のデータや運転士からの聴
取り調査の結果、速度超過等はなく、運転取扱いに誤りがなかったことを確認
しました。
・ポイントの動作記録から、ポイントは正常に動作しており、当該車両がポイン
ト通過時に異常な動作をしていなかったことを確認しました。
・当該車両については、事故後に脱線した車輪の寸法や重量バランスを調整する
機器の確認を実施しましたが、異常はありませんでした。なお、6月18日に
2両目から6両目の車輪をすべて削正していました。
・車両、軌道施設、電気施設に関する点検整備の記録等を確認した結果、検査周
期や整備基準値を逸脱している箇所は無かったことを確認しました。
緊急対策の状況
153番ポイント(側線用8番分岐器(片開き)
)を過ぎた地点のレールにおいて乗
り上がり脱線が発生したと推定されることから、外部調査機関の意見も踏まえ、以下
の緊急対策を実施しております。
①脱線防止ガードの設置
②乗り上がり開始地点付近のレール交換
③乗り上がり開始地点付近のレールへの塗油(車輪とレールとの摩擦を低減)
併せて、念のため車輪削正後における車輪への塗油を行うこととしました。
なお、最終的な事故原因については判明しておりませんが、引き続き自社調査に加え、
今後外部調査機関とも協力し、本格的な原因究明に努める所存でございます。併せて事
故原因に関する調査の進捗により適時適切な対策を行ってまいります。
以
上