特集地域をつなぐ道路青森八戸能代小坂安代秋田盛岡由利本荘横手花巻北上 —新庄酒田道路の整備— 新庄酒田道路酒田東北中央自動車道東北自動車道新庄鶴岡大崎山形山形自動車道石巻新庄道路石巻仙台高畠新潟日本海東北自動車道米沢山元福島会津若松磐越自動車道東日本大震災以降、太平洋側と郡山日本海側で均衡のとれた交通網の整備が必要であることが浮き彫りになりました。昨年は、縦軸路いわき線である日本海東北自動車道の事業が進展しましたが、横軸路線は酒田市街酒田中央JCT （仮称）日本海東北自動車道まだ遅れが目立ちます。道路は縦と横が結び付いて本来の機能を発揮します。新堀地区庄内中央大橋地域間の連携ネットワーク形成が求められる中、国道47号を補完する新庄酒田道路の早期整備が国と沿線地域の協力によって進められています。今回は、新庄酒田道路の整備状況や整備によってもたらされるさまざまな効果を紹介します。 ●お問い合わせ国道47号市土木課調整係 T26‐5467 至新庄上空から見た整備中の余目酒田道路（点線部分）写真提供：国土交通省［酒田市広報］私の街さかた 2012.7.2 ● 2 道路の　はてな？新庄酒田道路とは新庄市から酒田市を結ぶ、計画延長約キロ㍍の地域高規格道路です。新庄酒田道路の整備により、酒田〜新庄間の移動が約分短縮 47 至山形舟形IC 47 新庄IC 至鳴子戸沢村（約7㎞）調査区間 H8.8.30指定される見込みです。東北中央自動車道、山形自動車道、日本海東北自動車道などの高速道路と格子状のネットワークを日本海国道号の交通上の問題点国道号は、庄内地方と最上地方を結ぶ重要な路線であるにもかかわらず、さまざまな交通上の問題を抱えています。 ◎市街地では慢性的な交通渋滞や薙間の一部である高屋道路（約３・４キロ㍍）も整備が進んでいます。新庄酒田道路の残りの区間は、調査やルート選定、整備手法などの検討が進められています。箇所が多い区間となっています。に挟まれ、急カーブや狭い道幅の ◎中間部は最上川とＪＲ陸羽西線となっています。脈が形成されることが期待されて田〜石巻〜北米という物流の大動道路が整備されれば、アジア〜酒います。また、その先の石巻新庄新庄酒田道路の整備により、防災や交通の問題解消も期待されて新庄酒田道路ができたら ◎大雨や豪雪などで通行が規制さいます。混雑が発生し、円滑な交通の妨げれる場合もありますが、周辺にはうかい迂回路がなく、災害などで寸断さ写真提供：国土交通省他にどんな効果が期待されているかは次のページで紹介します。余目酒田道路至酒田市平田・松山れた場合、地域経済や住民生活へもとあいかい至庄内町の影響が心配されます。新庄酒田道路の整備状況ています。線（主）酒田松山日本海東北自動車道と接続する酒田自動車道日本海東北中央ＪＣＴ︵仮称︶の完成イメージ図 3 ●［酒田市広報］私の街さかた 2012.7.2 構成する新庄酒田道路の一部をまわたて余目酒田道路は庄内町廻舘〜本市東町を結ぶ計画延長・７キロ㍍の道路です。平成年から事業着度中、残りの区間は平成年度中手され、新堀〜東町間は平成年 26 の供用を目指し、整備が進められ 29 庄内町鶴岡JCT 事業中区間庄内あさひIC あつみ温泉IC 供用開始新庄市大字鳥越（約11㎞）整備区間 H12.12.20指定 7 日本海東北自動車道戸沢∼立川間 112 7 詳細設計、用地取得、工事の実施新庄市新庄古口道路計画路線庄内空港IC 事業着手に向けた都市計画決定、環境影響評価、予備設計を進める 47 他にも新庄市本合海〜戸沢村古口間の新庄古口道路（計画延長至酒田市街地 ▼ 12 16 酒田IC 新庄南バイパス酒田みなとIC 47 ・６キロ㍍）や戸沢村古口〜草 10 酒田市（約13㎞）整備区間 H11.12.17指定整備区間（余目酒田道路平成11年12月）形成することで、庄内地方と最上道路整備を進める妥当性などを検討 13 （4㎞）整備区間 H7.4.28指定 H14.5.25全線供用（2車線）（約11㎞）整備区間 H18.3.31指定余目酒田道路酒田市東町ルート選定、整備手法、環境影響調査を実施地方の二つの生活圏を相互に連結候補路線戸沢村古口 ∼草薙間酒田中央JCT（仮称）調査区間（余目酒田道路平成9年9月）し、物流や地域間交流を一層促進速道路）と連携して、一般国道および主要地方道などの機能をより高める道路です。高速道路に近い機能をもった道路で、時速 60キロ㍍〜80キロ㍍程度で走行することができます。余目酒田道路は時速80キロ㍍の走行が可能となります。至湯沢至秋田地域高規格道路として整備するための基礎データ収集、路線全体の整備計画を検討 20 して活力ある地域づくりを支援す広域的な交流や地域の活性化を図る道路 A. のネットワークとして、高規格幹線道路（高新庄酒田道路計画路線（新庄酒田道路平成6年12月） 50 ることを目的としています。 Q. 地域高規格道路ってどんな道路？つくる手順は？期待される効果とこれからの展望についてお話を伺いました物流の大動脈に災害時の代替路として国土交通省東北地方整備局酒田港湾事務所長国土交通省東北地方整備局酒田河川国道事務所長吉見昌宏北村章氏酒田港の平成23年のコンテナ取扱数量は、前年に国道47号は、庄内地方と新庄地方を結ぶ大動脈比べ約90㌫増の大幅な伸びとなり、初めて年間1万個で、交流促進・産業活動に欠かせない重要な路線でを超えました。この伸びは、東日本大震災の影響もありす。しかし、この間の国道47号は最上川沿いの急峻ますが、山形県の貿易相手国シェアで約5割を占めるな地形を通過していることから代替路がなく、土砂中国、韓国との航路が週2便に増便されるなど酒田港崩れや雪崩などの影響を受け、度々全面通行止めの海上輸送サービスが強化されたことが功を奏していが発生しています。その場合、国道112号などを3倍るといえます。しかし、実は山形県内から輸出入されるコの距離と時間をかけて広域迂回せざるを得ず、近ンテナ貨物のうち、酒田港経由のものは1.5割ほどしか年多発している集中豪雨やゲリラ豪雨に対応したなく、約7割は遠く東京・横浜の港にトラックで運ばれて防災面の強化、物流や救急医療の面からも早期のいるのです。ダブルネットワーク化が求められています。山形∼釜山港間の20フィートコンテナ1個当たりの昨年発生した東日本大震災では、支援物資の輸運賃は、酒田港経由の場合、横浜港経由の約6割でお送に太平洋側の代替港として酒田港が利用され、さまることもあります。また重量物を運ぶルートとしてその輸送ルートとして国道47号が大きな役割を果は、勾配が急な月山越えよりも最上川沿いの方が優れたし、日本海側と太平洋側を結ぶ横軸のネットワーています。新庄酒田道路が整備され、今以上に安全性・ク強化の必要性が大いに認識されたところです。信頼性・高速性が高まり、酒田港へのアクセスが向上酒田河川国道事務所としては、今後とも、余目酒すれば、中国、韓国などの日本海対岸諸国∼酒田港∼ 田道路をはじめとする庄内地域において必要とな内陸地方、さらにはる道路整備を着自動車産業の集積実に進めていく予の進む宮城県など定としております。を結ぶ物流の大動引き続きのご支援脈が形成されることご協力をお願いきゅうしゅんとが期待されます。 ▲平成20年8月15日の大雨時の国道47号（庄内町） 4.0 5.6 5.5 5.2 5.1 4.8 4.4 4.2 4.0 4.0 山形市山家二丁目山形市浜田酒田市両羽町天童市糖塚二丁目天童市中里七丁目山形市半郷字西宮天童市大字乱川字押切酒田市錦町上山市大字金瓶 3.0 5.6 2.0 1.0 0.0 ▲県内の直轄国道における最上川渡河部の交通量の順位資料：H17道路交通センサス道路整備に期待される効果 47 5.0 交通渋滞の緩和 6.0 いたします。国道７号の最上川渡河部︵両羽橋︶付近は市中心部にアクセスする交通が集中するため、混雑の大きな原因になっています。国道７号・道路の整備により、号の交通量が分散され、交通渋滞の緩和が期待されます。国道7号最上川渡河部の交通量は県内直轄国道で4番目に高い！交通量（万台／日）山形市松山一丁目地域救急医療の向上安全な道路整備により、最上地域の一部や庄内町の一部などから高度医療施設である日本海総合病院まで、分以内の搬送が可能になります。それによってカバー人口が約 30 氏［酒田市広報］私の街さかた 2012.7.2 ● 4 特集地域をつなぐ道路新庄酒田道路に人命を守るみち期待します観光、交流で活力を酒田地区広域行政組合消防本部警防課警防主幹兼高度救急推進室長酒田商工会議所青年部会長大井一晃佐藤香奈子氏氏新庄酒田道路が整備されることにより、医療機関酒田商工会議所青年部では、平成10年から「みまでの救急搬送時間の短縮が期待されます。ちのくウエストライン」交流事業を行っています。み私たちが期待しているのは、スピードよりも実はちのくウエストラインとは日本海側の本市と太平洋路面の段差やカーブが少ないことによって、救急車側の宮城県石巻市を結ぶ東北最短の横断軸で、その揺れを抑えられるということです。重症な患者をの沿線の新庄市、宮城県大崎市、石巻市の皆さん搬送している救急車の中では、救急救命士が立ったと少年サッカー大会などを通して交流しているもの状態で懸命な救命処置を行っています。走行中に点です。子どもたちが大人になったとき、お互いの地域滴や薬剤投与をする場合があり、運転する隊員はスを思いやる心を育み、将来、同じ東北地域からの発ピードよりも路面の段差やカーブに気を付けて運転信力を高めていってほしいという願いを込めて行っしているのが現状です。カーブが少ない地域高規格ています。また交流事業を進めながら、道路整備の道路は、確実な救命活動にも効果があるわけです。促進も願っています。昨年の東日本大震災の際には、被災地に向けて高規格道路は観光振興の面でも重要です。昨年消防隊や救急隊と共に救急医療チームも陸路を使から酒田商工会議所では、自分たちの持つ観光資って応援に駆けつけました。万が一、本市に大災害源を生かして観光客や旅行者を地域に受け入れるが発生した場合、新庄酒田道路などは全国から駆け「着地型観光」の学習も進めています。酒田市には、つける応援チームの重要な陸路になります。新庄酒鳥海山、日本海、北前船文化、おいしい食、そしてこ田道路の早期開通と各高速道路間のネットワークこに暮らす人など、魅力や観光資源がいっぱいあり接続は、多くの人々ます。それらを私たの命を守ることにちが見つめ直し、つながるのです。道路ネットワークを生かして、観光にも一層弾みをつけていきたいです。余目酒田道路酒田IC 庄内空港IC 11 酒田中央JCT （仮称） 7 三川町 47 庄内町鶴岡JCT 7 112 鶴岡市至山形至新庄東北各地関東地方３千人増加し、効率的な搬送が期待されます。酒田みなとIC 23 酒田市地域の連携強化による物流の効率化酒田市（酒田港など）遊佐町重点港湾である酒田港は平成年月に日本海側における機｢能別拠点港﹂としてリサイクル貨物分野で選定を受け、近年のリサイクル関連貨物量も増加傾向にあります。道路整備により、県内陸部以遠から酒田港へのアクセス性が向上し、広域物流の強化が図られ、地域経済の活性化が期待されます。地域をつなぐネットワーク道路が整備されると、産業振興や周遊観光が広がり、地域経済の活性化につながります。地域住民の安全と安心を確保し、くらしを支える道路。今後も供用開始に向けた整備に期待が掛かります。 5 ●［酒田市広報］私の街さかた 2012.7.2 至秋田 7