LEC東京リーガルマインド 2015 司法書士試験 複製・頒布を禁じます 中上級ガイダンス 法務省の基準点資料を読み解く! 司法書士講師 根本正次 司法書士試験はご存知の通り、午前の部・午後の部択一式・記述式の成績がそれぞれ一定の基準に達しな いと、それだけで不合格となってしまいます。法務省から公開される資料と、LEC が今まで蓄積してきたデー タをもとに、根本講師が基準点超えのカギをズバリ!解説していきます。 基準点をクリアした上で、総合点で合格圏順位に到達するにはどうすればよいか、この公開講座でそのコ ツを会得してください。 1 LEC東京リーガルマインド 複製・頒布を禁じます 第1章 法務省から発表されている資料 平成 26 年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について 1 受験者数 20,130名(午前の部及び午後の部の双方を受験した者の数) 2 多肢択一式問題の基準点 (午前の部の試験の多肢択一式問題又は午後の部の試験の多肢択一式問題の各成績のいずれかがそれぞ れ以下に掲げる点数に達しない場合には,それだけで不合格となります。)。 午前の部(多肢択一式問題) 満点105点中78点 午後の部(多肢択一式問題) 満点105点中72点 平成 26 年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の正解 午後 第7問 執行文付与に対する異議の訴え,請求異議の訴え,第三者異議の訴え及び配当異議の訴え(以 下「各種異議の訴え」という。)に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものは,幾つあるか。 ア 債務者は,執行文付与に対する異議の訴えを提起することができない。 イ 債務者は,請求異議の訴えを提起することができない。 ウ 債務者は,第三者異議の訴えを提起することができない。 エ 債務者は,配当異議の訴えを提起することができない。 オ 各種異議の訴えが適法に提起されたときは,当事者は,裁判所において口頭弁論をしなければならない。 1 1個 2 2個 3 3個 4 4個 5 5個 第38条(第三者異議の訴え) 1 強制執行の目的物について所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第三者は、債権 者に対し、その強制執行の不許を求めるために、第三者異議の訴えを提起することができる。 2 前項に規定する第三者は、同項の訴えに併合して、債務者に対する強制執行の目的物についての訴えを 提起することができる。 民事執行法(林屋 礼二) 376p 原告適格をもつのは,目的物につき譲渡又は引渡しを妨げる法的地位を持つと主張する第三者である。 債務者も,債務名義上責任が限定されており,また,それを超えた差押えが行われた場合には,原告適格を もつ。 <結局のところ>出題者が①又は②のどちらの意図で出題したかによる。 ①債務者の地位に基づいて訴えを提起できるか (本肢)債務者の地位で第三者異議の訴えを提起することができない。 →〇 ②債務者かつ所有者の場合に,その債務者は訴えを提起できるか (本肢)所有者が債務者の場合であっても,債務者は,第三者異議の訴えを提起することができない→× 2 LEC東京リーガルマインド 複製・頒布を禁じます 平成 26 年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)得点別員数表 午前の部 得点 人数 105 102 99 96 93 90 87 84 81 78 75 72 69 66 63 60 57 54 51 48 45 42 39 36 33 30 27 24 21 18 15 12 9 6 3 0 午後の部 累計 0 4 23 42 91 214 313 474 622 742 932 895 1035 1016 980 1103 990 1074 1019 1015 1045 1014 997 993 965 868 748 587 433 287 174 87 34 13 6 22 平均点 0 4 27 69 160 374 687 1161 1783 2525 3457 4352 5387 6403 7383 8486 9476 10550 11569 12584 13629 14643 15640 16633 17598 18466 19214 19801 20234 20521 20695 20782 20816 20829 20835 20857 偏差値 76.95 75.39 73.82 72.25 70.68 69.12 67.55 65.98 64.41 62.85 61.28 59.71 58.15 56.58 55.01 53.44 51.88 50.31 48.74 47.17 45.61 44.04 42.47 40.90 39.34 37.77 36.20 34.63 33.07 31.50 29.93 28.36 26.80 25.23 23.66 22.10 得点 人数 105 102 99 96 93 90 87 84 81 78 75 72 69 66 63 60 57 54 51 48 45 42 39 36 33 30 27 24 21 18 15 12 9 6 3 0 53.41 累計 0 3 28 76 180 342 471 620 744 781 767 747 722 753 757 753 763 747 782 918 924 964 1046 1120 1126 1075 947 786 531 317 182 77 29 16 11 25 平均点 3 0 3 31 107 287 629 1100 1720 2464 3245 4012 4759 5481 6234 6991 7744 8507 9254 10036 10954 11878 12842 13888 15008 16134 17209 18156 18942 19473 19790 19972 20049 20078 20094 20105 20130 51.74 偏差値 75.49 74.06 72.62 71.19 69.75 68.31 66.88 65.44 64.01 62.57 61.13 59.70 58.26 56.83 55.39 53.95 52.52 51.08 49.65 48.21 46.77 45.34 43.90 42.47 41.03 39.59 38.16 36.72 35.29 33.85 32.41 30.98 29.54 28.11 26.67 25.23 LEC東京リーガルマインド 複製・頒布を禁じます 基準点 年度 上段:出願者数 (平成) 下段:受験者数 26年 25年 24年 23年 22年 21年 24,538 人 20,130 人 27,400 人 22,494 人 29,379 人 24,048 人 31,228 人 25,696 人 33,166 人 26,958 人 32,558 人 26,774 人 合格点 合格点 ―基準点 未発表 未発表 未発表 204.0 221.5 17.5 200.0 215.0 15.0 189.5 207.5 18.0 193.5 212.5 19.0 203.0 221.0 18.0 択一午前の部 上段 点数 中段 人数 下段 偏差値 択一午後の部 上段 点数 中段 人数 下段 偏差値 記述式 上段 点数 下段 人数 合計 78(26 問) 2,525 人 62.85 72(24 問) 4,759 人 59.70 未発表 84(28 問) 3,077 人 63.09 81(27 問) 3,966 人 61.98 1,152 人/2,177 人 84(28 問) 2,992 人 63.76 78(26 問) 4,101 人 62.09 1,145 人/2,169 人 78(26 問) 3,706 人 62.84 72(24 問) 4,028 人 62.82 1,220 人/2,320 人 81(27 問) 3,530 人 75(25 問) 5,104 人 87(29 問) 3,141 人 75(25 問) 4,696 人 39.0 点 38.0 点 39.5 点 37.5 点 1,351 人/ ?人 41.0 点/70 点 1,273 人/ ?人 (1)従来から変わっていない点① 午前択一のハードルが高く,午後択一のハードルが低い (2)従来から変わっていない点② 午前択一の基準点の偏差値 (2)従来から変わっていない点③ 受験者が減少していること (3)今年,顕著な変更がある点 午後のハードルが,例年以上に低い ・午前科目の水準は同じ,記述の採点人数の調整を午後科目の基準点で行っている ・推測「午前の基準点を突破できた方は,午後の基準点を通るようにしたい」 4 LEC東京リーガルマインド 第2章 複製・頒布を禁じます 基準点突破に必要なこと・平成 27 年度試験対策 1.基準点突破に必要なこと (1)民法,会社法(商法)で得点しづらい問題が8問 → どれだけ得点できたか (2)民法 → 個数問題以外の失点をどれだけ抑えることができたか (3)午後択一 → 個数問題以外の失点をどれだけ抑えることができたか 2.これからの学習 ・よく出るところを繰り返す → 未出論点 ・出題されたことがある部分は触れること AAランク問題 80%以上 Aランク問題 60%以上 Bランク問題 40%以上 Cランク問題 30%以上 Dランク問題 29%以下 AAランク問題 80%以上 Aランク問題 60%以上 Bランク問題 40%以上 Cランク問題 30%以上 Dランク問題 29%以下 総合 憲法 総則 物権 14 2 1 4 2 3 1 2 2 1 1 1 司法 書士法 供託法 8 8 4 1 1 総合 民事 訴訟法 9 3 16 1 民事 執行法 7 民事 保全法 親族 刑法 会社法 2 1 4 1 1 1 2 1 1 1 3 2 不動産 登記法 商業 登記法 4 1 6 5 5 1 1 1 2 基準点に届かなかった方へ 債権 1 1 → 原因はどちらですか ① 基礎(頻出論点)ができていないから ② 未出論点ができていないから 5 LEC東京リーガルマインド 複製・頒布を禁じます <資料①>午前科目の出題内容 番号 科目 範疇 内容 形式 1 憲法 憲法 人権各論 統治(国会) 検閲の禁止 知識 組合せ 90.8 AA 2 国会全般 知識 単純正誤 36.4 C 3 憲法 統治(司法) 司法権の範囲又はその限界 知識 組合せ 92.0 AA 4 民法 総則 錯誤無効と第三者保護 推論 組合せ 61.0 A 5 民法 総則 代理全般 知識 対話 組合せ 85.7 AA 6 民法 総則 消滅時効の中断 知識 事例 組合せ 67.1 A 7 民法 物権 物権的請求権 知識 個数算定 56.0 B 8 民法 物権 取得時効と民 177 条 知識 個数算定 77.1 A 囲繞地通行権 知識 事例 組合せ 90.8 AA 用益物権全般(永小作権,地上権,地役権) 知識 比較 組合せ 85.1 AA 先取特権 知識 組合せ 80.6 AA 個数算定 58.3 B 組合せ 77.9 A 9 民法 物権 10 民法 用益権 11 民法 担保物権 12 民法 民法 担保物権 抵当権全般(物上保証) 知識 13 担保物権 法定地上権の成否 知識 14 事例 正答率 民法 担保物権 根抵当権 知識 組合せ 92.4 AA 15 民法 担保物権 不動産を目的とする譲渡担保権 知識 組合せ 79.3 A 16 債権総論 債権者代位権及び詐害行為取消権 知識 対話・比較 個数算定 39.4 C 17 民法 民法 債権総論 債権譲渡及び債権者交替による更改 知識 対話・比較 組合せ 62.9 A 18 民法 債権各論 請負人の瑕疵担保責任 知識 組合せ 52.0 B 19 民法 債権各論 民法上の組合 知識 組合せ 43.0 B 20 組合せ 87.6 AA 組合せ 58.3 B 民法 親族 普通養子縁組に関する法律関係 知識 21 民法 親族 親権 知識 22 民法 相続 相続の承認又は放棄 知識 個数算定 27.1 D 民法 刑法 相続 遺贈の効力(アエ遺言の撤回) 知識 事例 組合せ 83.5 AA 共犯 知識 長文 組合せ 81.7 AA 23 24 刑法総論 事例 25 刑法 刑法総論 罪数(科刑上一罪,併合罪) 知識 組合せ 73.6 A 26 刑法 刑法各論 詐欺罪 知識 組合せ 48.0 B 27 会社法 設立 株式会社の設立 知識 組合せ 84.4 AA 28 会社法 株式 相続による株式の共有 知識 組合せ 35.7 C 29 会社法 株式 譲渡制限株式の譲渡承認手続き 知識 組合せ 34.7 C 30 会社法 機関 取締役及び監査役 知識 組合せ 86.7 AA 31 会社法 機関 取締役の忠実義務 推論 組合せ 57.4 B 32 会社法 持分会社 持分会社全般 知識 組合せ 81.3 AA 33 会社法 社債 社債管理者 知識 組合せ 66.8 A 34 会社法 組織再編 事業譲渡及び吸収分割 知識 組合せ 80.5 AA 35 商法 商行為 商行為 知識 組合せ 48.6 B AAランク: Aランク : Bランク : 正答率が100%~80% 正答率が79%~60% 正答率が59%~40% 比較 比較 Cランク : 正答率が39%~30% Dランク : 正答率が29%以下 6 LEC東京リーガルマインド 複製・頒布を禁じます <資料②>午後科目の出題内容 番号 科目 範疇 1 民訴 2 民訴 口頭弁論 3 民訴 証拠 4 民訴 訴訟の終了 5 民訴 訴訟の終了 6 民保 仮処分 7 民執 不服申立 8 書士 業務 内容 形式 正答率 送達 知識 81.0 AA 当事者の欠席 知識 90.6 AA 証拠調べ 知識 21.4 D 90.5 AA 76.1 A 終局判決の効力(既判力がメイン) 知識 知識 訴えの取下げ 仮の地位を定める仮処分命令 知識 各種訴え(メインは提訴権者) 知識 78.8 A 42.4 B 司法書士又は司法書士法人の業務 知識 90.4 AA 69.4 A A 個数算定 9 供託 供託手続 供託物の払渡手続 知識 10 供託 弁済供託 債権者不確知を原因とする弁済供託 知識 78.6 11 供託 執行供託 執行供託 知識 74.6 A 12 不登 登記識別情報の提供の要否 知識 57.1 B 13 不登 登記識別情報の失効の申出及び有効証明 知識 比較 図表 14 不登 登記上の利害関係人の承諾を証する情報 知識 15 不登 単独申請における登記原因証明情報の内容 知識 16 不登 判決による登記 知識 17 不登 各論 所有権保存登記 知識 18 不登 各論 所有権移転登記の抹消 知識 個数算定 個数算定 19 不登 各論 買戻特約に関する登記 知識 20 不登 各論 相続による所有権移転登記 知識 21 不登 各論 遺贈による所有権移転登記 知識 対話・事例 22 不登 各論 及ぼす変更,重畳的債務引受,利息の組入 知識 テクニカル 23 不登 各論 共有根抵当権の登記 知識 登記記録 24 不登 処分禁止の仮処分に係る登記 知識 25 不登 登記事項の証明等 知識 26 不登 信託の登記(自己信託がメイン) 知識 27 不登 工場抵当又は工場財団の登記 知識 28 商登 総論 商業登記制度 知識 設立 株式会社の設立登記の添付書面(現物出資がメイン) 知識 知識 本店移転・支店移転登記 登記記録 個数算定 個数算定 穴埋め 単純正誤 個数算定 55.9 B 82.5 AA 52.8 B 87.1 AA 71.3 A 75.1 A 83.6 AA 76.5 A 63.3 A 45.3 B 64.8 A 74.6 A 37.3 C 85.0 AA 48.1 B 24.3 D 71.5 A 66.6 A 29 商登 30 商登 31 商登 株券提供公告関係書面の要否 知識 49.5 B 32 商登 機関 委員会設置会社に関する登記 知識 82.9 AA 33 商登 株式 募集株式の発行による登記 知識 77.8 A 取締役・代表取締役の登記(非取締役会設置会社) 知識 73.6 A 吸収分割による変更登記 知識 64.6 A 34 商登 機関 35 商登 組織再編 AAランク: Aランク : Bランク : 正答率が100%~80% 正答率が79%~60% 正答率が59%~40% 個数算定 Cランク : 正答率が39%~30% Dランク : 正答率が29%以下 7
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