なつのおもいで - タテ書き小説ネット

なつのおもいで
もつ煮込み
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︻小説タイトル︼
なつのおもいで
︻Nコード︼
N9685N
︻作者名︼
もつ煮込み
︻あらすじ︼
オレの名前は武志。
夏休みになると毎年、田舎の爺ちゃん家に遊びに行っていた。
しかし小学校最後の夏休みは、いつもの夏休みとは、ちょっと違っ
ていた⋮。
武志と田舎の幼馴染み・真琴の、夏休みの思い出の物語。
1
︵前書き︶
初めての作品ですが、読んでいただけたら幸いです。
2
﹁じーちゃーん、ばーちゃーん!遊びに来たぞー!﹂
﹁おぉー武志、よく来たなー!﹂
﹁あれまぁ武志ちゃん、また大きくなったねぇー!﹂
夏休み。
オレは毎年、必ず爺ちゃんの家に遊びに行っていた。
爺ちゃん達からのお小遣いが目当て、ってゆーのもあったけど、も
う一つ、大きな理由がある。それが⋮
﹁タケシー?あー!やっぱりタケシだー!!﹂
そう言って玄関までやって来たのは、爺ちゃん家の近所の真琴。
小さい頃からの付き合いで、一緒によく山の中を走り回ったり川原
で遊んだりしている、田舎で唯一の友達だ。
﹁おぅマコト、久しぶりだなー!﹂
﹁へへ、今年もタケシが来るの、楽しみにしてたんだー!﹂
﹁オレだって、お前と遊びに行ける日を楽しみにしてたんだぜ!﹂
﹁ホント?嬉しいなぁ!﹂
オレと真琴が玄関で盛り上がっていると、婆ちゃんが声をかけてき
た。
﹁武志ちゃん、真琴ちゃんも来た事だし、二人で遊びに行って来た
ら?﹂
3
確かに、せっかく真琴が来たのにここで喋っているだけじゃ、時間
がもったいない。
﹁じゃあマコト、早速川に泳ぎに行こうぜ!﹂
﹁うん!ボク、ちょっと準備して行くから先行ってて!﹂
﹁わかった!じゃあ、いつもの所な!﹂
﹁オッケー!﹂
それだけを言って、オレは一足先にいつもの川原へ行き、真琴を待
つ事にした。
﹁おっそいなーマコトの奴、何してんだろ?﹂
川原に来て10分は経っただろうか?
オレは海パンに着替えた後も、なかなか来ない真琴を待ちわびてい
た。
﹁ごめ∼んタケシ!遅くなっちゃった!﹂
﹁遅いぞマコトー!何やって⋮って、あれ?﹂
遅れてきた真琴の姿を見て、オレは驚いた。だって、真琴の奴⋮
﹁お前、その格好⋮﹂
女の子物の、所謂スクール水着を着て、照れくさそうに立っていた
んだから。
﹁⋮びっくりした?よね、へへっ﹂
4
﹁びっくりしたも何も⋮女、だったのか?﹂
﹁うん。今まで黙っててごめんね、タケシ﹂
そう言うと真琴は、申し訳なさそうに微笑んだ。
﹁どうして今まで黙ってたんだよ?別に、隠す事でもないじゃん﹂
﹁⋮ボクがもし女だって教えてたら、今までと同じように遊んでく
れた?山の中走り回ったり、川遊びしたり⋮﹂
﹁そりゃあ⋮﹂
と言いかけたものの、何故か後に続く言葉が見つからなかった。
﹁⋮少し、泳ごうよ。せっかく川に来たんだし﹂
真琴がゆっくりと、川に入って行く。オレも真琴の後に続いて川に
入った。
﹁水が冷たくて気持ちいー!ねータケシ、向こうまで競争しようよ
!﹂
言うが早いか、真琴は向こう岸に向かって泳ぎ始める。
﹁お、おい待てよっ!﹂
オレも慌てて、真琴の後を追う。
ちょっと情けないが、真琴の本気の泳ぎに勝った事は今まで一度も
ない。
オレより一回りは小柄なあの身体のどこにそんな体力があるのか、
オレがいくら本気で泳いでも追いつけないのだ。
そして結局、今回も真琴に勝つ事ができなかった。
5
﹁へへっ、いっちばーん!﹂
﹁ふぅーっ、相変わらず速ぇーなマコト!﹂
﹁でもタケシだって結構速いよー!ボクも本気で泳がないと、追い
つかれそうだもん﹂
﹁そうかなー?﹂
﹁そーだよー!﹂
泳ぎ疲れた身体を休める為、川原の大きな石に二人並んで腰掛けな
がら、お互いの泳ぎの話をする。そしてふと、水に濡れた真琴の身
体のラインに、思わず目が行ってしまう。
言われてみると、胸が微かに膨らみを帯びているような気がする。
そこから視線を下ろすと、確かに、あると思っていたモノの膨らみ
は、そこには無かった。
﹁⋮どうしたの?タケシ﹂
﹁⋮いや、マコトって女のコなんだなー、って﹂
﹁ふふっ、当たり前だよー。その証拠に⋮ほらっ﹂
そう言って、真琴はオレの右手を自分の胸に押し当てた。
ふにっ。
真琴の胸の柔らかな感触が、オレの手の平から余す事無く伝わって
くる。
﹁ね?ボク、ちゃーんと女のコでしょ?﹂
﹁わっ!?何してんだよマコトっ!﹂
驚いたオレは、思わず自分の手を引っ込める。
6
その手の平には、まだ胸の感触が残っているような気がした。
﹁⋮⋮嫌だった?タケシ⋮﹂
﹁嫌とかじゃなくて、その⋮マコトは女のコなんだから﹂
﹁ボクだって、好きじゃなきゃこんな事しないよ?﹂
﹁え?﹂
オレが真琴の方を振り返ると、その瞳にうっすらと涙が光って見え
た。
﹁マコト⋮?﹂
﹁ボク、ずっとタケシが好きだったんだよ!ずっと、ずっと前から
⋮﹂
﹁マコト、お前⋮﹂
﹁だけどタケシは、ボクの事男のコと勘違いしてるって、すぐにわ
かった。仕方ないよね、男のコみたいに山の中走り回ってたんだも
ん﹂
そこで真琴は、やや自嘲気味に力無く笑った。
﹁ホントはすぐにでも、﹃ボクは女のコだよ﹄って言いたかった。
だけど、言ってしまったらタケシとの距離が離れてしまいそうで、
とても怖かった﹂
﹁⋮⋮﹂
﹁でもタケシと会う度に、タケシを好きな気持ちが段々強くなって、
そして、ボクの身体も段々女のコらしくなってきて⋮、もう、この
想いを伝えるのは今日しか無いって⋮ずっと、考えてた﹂
﹁⋮⋮マコト﹂
﹁⋮ねぇタケシ、ボクを⋮オンナにして!⋮⋮今日だけでも、ボク
を一人の女のコとして⋮お願いっ!﹂
7
真琴の真剣な想いが、オレの心に深く染み込んでくる。そして⋮
ちゅっ⋮。
﹁え⋮?﹂
オレは、真琴にキスをした。
真琴が好きだ。
その想いが、オレにそうさせたのかもしれない。
真琴は、突然の事にびっくりしているようだ。
﹁えっ?タケシ⋮えぇっ!?﹂
顔を赤くしてオロオロする真琴。その仕草の全てが、いとおしくて
たまらなかった。
オレは、自分の胸の中に真琴を抱きよせる。
﹁⋮タケシ?﹂
﹁⋮ありがとな、マコト。オレもお前が好きだ!﹂
﹁タケシ⋮あはっ、タケシぃっ!﹂
真琴はまるで、はしゃぎ回る子犬のようにオレにじゃれついて来る。
そして、オレと目が合うと、真琴は静かに目を閉じた。
﹁マコト⋮﹂
オレはもう一度、真琴と唇を重ねた。
そして、真琴の唇にほんの少し吸い付いてみる。
﹁んむ?⋮⋮ん⋮⋮んん⋮⋮﹂
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真琴も初めは少し驚いたようだったが、その意味を理解し、真琴も
オレの唇を求めてくる。
そして、お互いの唇が離れた頃、オレは真琴の水着の肩紐に手を伸
ばし、ゆっくりと下ろしてゆく。
水着を腰の辺りまで下ろした所で、真琴の二つの小さな膨らみが露
になる。
﹁⋮⋮タケシ、恥ずかしいからあんまり見ないで⋮﹂
﹁⋮オレの手を自分の胸に押し当てるのは、恥ずかしくないのか?﹂
﹁うぐっ⋮さっきはホラ、勢いってゆーか、その⋮﹂
そこまで言って、みるみる顔を真っ赤にして俯く真琴。あんまりい
じめちゃかわいそうかな?
﹁冗談だよ。⋮綺麗だぜ、マコト﹂
オレは、真琴の二つの膨らみを覆い隠すように、手の平で優しく包
み込む。
ふにゅっ。
﹁ふぁっ!?﹂
さっき、水着越しに手を押しあてられた時も柔らかかったが、直に
触れたその感触は、まるでプリンにでも触れたような感じだった。
﹁マコトの胸、スゴい柔らかくて⋮気持ちいいよ﹂
﹁う∼∼∼っ、何だか恥ずかしいよー!﹂
確かに、水着を腰まで下ろして胸を鷲掴み︵という程大きくないが︶
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という状態は、やってるオレも何だか恥ずかしい。
オレは恐る恐る、真琴の胸を揉んでみる。
﹁んんっ⋮﹂
﹁痛かったか?﹂
﹁ううん、大丈夫。⋮続けても、いいよ﹂
︵そう言えば、膨らみ初めは痛いって聞いた事があったな⋮︶
オレは、真琴が痛くないよう、微妙な力加減で胸を揉み続ける。
﹁んっ⋮⋮んんっ⋮はぁっ⋮んっ⋮﹂
オレの手の動きに合わせて、真琴が微かに甘い声を上げる。
もう少し揉んでいたい気もしたが、その先に進むべく、再び真琴の
水着に手を伸ばす。そんなオレの動きに気付く真琴。
﹁タケシ⋮ここはまだ⋮﹂
その部分を隠すように、自分の両手を太股で挟む。
﹁オレ⋮、マコトの全てが見たい﹂
真琴の目を見つめながらそう言って、真琴の水着を少しずつ下ろし
てゆく。すると真琴は観念したのか、全身の力を抜き、頬を染めな
がらただじっと、オレに水着を脱がされるのを待っていた。
やがて、真琴の女のコの部分がオレの目の前に晒される。
﹁た、タケシ⋮は、恥ずかしいよぉ⋮﹂
真琴が恥ずかしさを堪える中、オレは初めて見る真琴の割れ目に興
10
味津々だった。
﹁女のコのココって、こうなってたんだ⋮﹂
心なしか、湿り気を帯びているような気がする。オレは、人差し指
と中指で割れ目を軽くなぞってみる。
﹁ひゃぁっ!?⋮た、タケシ?﹂
初めての感覚に、真琴が驚いたような声を出す。
なぞった指を見ると、粘り気のある液体がまとわりついていた。匂
いを嗅いでみたけど、不快な感じはしない。
﹁やぁ⋮そんなの嗅がないでぇ⋮﹂
真琴が顔を真っ赤にして訴えかける。
︵⋮そう言えば、女のコはHな気分になるとココが濡れるって聞い
たっけ︶
オレは真琴の割れ目に口元を寄せ、舌を伸ばし舐めてみた。
ぴちゃっ⋮
﹁んあぁっ!?⋮タケシぃ⋮そんなトコ、汚いよぉ⋮﹂
真琴は少し嫌がっていたが、オレは汚いとは思わなかった。むしろ、
今まで聞いた事の無かった真琴の甘い声と、割れ目から滲み出る粘
り気のある液体に、興奮というかドキドキ感を味わっていた。
﹁マコトの身体に、汚い所なんかねーよ﹂
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そう言ってオレは、ドキドキ感を抑えながら再び真琴の割れ目を舐
め始める。
ぴちゃ⋮ぴちゃっ⋮ぴちゃっ⋮
﹁あっ!あぁっ!た、タケシぃ!やっ!あぁんっ!﹂
川のせせらぎとは違う水音が、真琴の割れ目からオレの耳に届く。
その後を追うように響く、真琴の拙くも甘い声が、オレのドキドキ
感をより一層強いものにしていく。
﹁あっ!やぁっ!タケシぃっ!ボク、もう⋮立っていられな⋮あぁ
っ!﹂
真琴が小さく叫び、まるで糸の切れた操り人形のようにその場にへ
たりこむ。オレが慌てて真琴の身体を支えて顔を見ると、頬を上気
させ、その表情はどこか虚ろだった。
﹁はぁっ⋮⋮何だか、身体がフワフワして⋮ボク、こんなの初めて
⋮﹂
生まれて初めての絶頂を体験した真琴。そのきっかけがオレの舌だ
った事は、ちょっと恥ずかしくもあり、また、嬉しくもあった。
﹁マコト、そろそろオレも⋮﹂
オレは近くの平たく大きな岩に真琴を寝かせ、海パンを一気に下ろ
す。
真琴の割れ目を舐めていた辺りからはち切れんばかりだったオレの
ペニスが、真琴の目の前でその姿を見せつける。
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﹁⋮タケシの、初めてみたけど、大きい⋮。ボクのに入るかな⋮?﹂
不安そうに、オレの顔とペニスを交互に見る真琴。オレは真琴の不
安をかき消せるようにと唇を重ねて、緊張しながら真琴の割れ目に
ペニスをあてがう。
﹁⋮いいか、マコト?﹂
﹁⋮うん。少し怖いけど⋮ボク、頑張るよ﹂
真琴の笑顔に少し緊張のほぐれたオレは、真琴の膣内にペニスを入
れようとする。
﹁⋮あれ?うまく、入らない⋮﹂
ペニスを入れようとするが、割れ目の上で空振りして、なかなかう
まく入らない。
﹁⋮タケシ、ココだよ⋮﹂
その様子を見ていた真琴が、オレのペニスを握り自分の膣口に誘導
する。
﹁じゃあ、今度こそ⋮﹂
﹁⋮うん。来て、タケシ⋮﹂
オレは、真琴の膣口にペニスを少しずつ挿入していく。そして、わ
ずかに引っ掛かりを感じた所で、グッと腰に力を加える。
﹁ぅぐぅっ!?﹂
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真琴の苦しそうな声と同時に、ぷつっ、と何かが切れたような感覚
があった。ふと割れ目を見ると、真琴の血が、割れ目からオレのペ
ニスを伝わってきている。
﹁だ、大丈夫かマコト!?﹂
オレは慌てて、真琴に声をかける。すると真琴は、目の端に涙を浮
かべながら、しかし笑顔でこう言った。
﹁⋮痛かったけど、大丈夫。⋮これで、ボクもオンナ、だよっ﹂
その言葉の意味を理解したオレは、真琴をギュッと抱きしめ、そし
てもう一度唇を交わした。
﹁動いても、大丈夫か?﹂
﹁うん。⋮ゆっくり、動いて﹂
﹁わかった。でも無理するなよ?﹂
﹁うん。大丈夫﹂
オレは、真琴を気遣いながらゆっくりと動き始める。愛液で十分に
湿り気を帯びた真琴の膣内はとても熱く、オレのペニスをきつく締
め付けてくる。
﹁真琴の中⋮、凄く気持ちいいよ﹂
オレが動く度に、真琴の割れ目からにちょっ、ぐちょっという音が
聞こえてくる。真琴も初めは痛みを堪えていたが、次第に変化が表
れる。
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﹁⋮んぅっ⋮あれ?ボク何だか⋮あぁっ⋮変な感じに⋮んんっ!﹂
少しずつ甘い声を上げていく真琴。膣内からの刺激と相まって、オ
レのペニスも限界にグッと近づいてくる。
﹁マコト、もう少し動くぜ?﹂
﹁うん。⋮もっと、タケシを感じたい⋮﹂
真琴の言葉に嬉しくなったオレは、腰の動きを早めていく。
じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ⋮
﹁んぁっ!⋮ぅんっ!⋮あぁっ!⋮タケシぃっ!⋮あんっ!﹂
真琴の喘ぎ声に熱がこもってくる。オレのペニスも、もう限界ギリ
ギリの所まで来ていた。
﹁⋮マコト、オレもう⋮イキそう﹂
﹁んっ!⋮イイよ、タケシ⋮あぁっ!⋮ボクも、一緒に⋮あぁぁん
!﹂
オレは、ラストスパートをかけるべく、一気に腰を加速させた。
じゅぷっ!じゅぷっ!じゅぷっ!じゅぷっ!
﹁ふぁっ!?タケシぃっ!あっ!あぁっ!んんっ!ボク、もう⋮あ
ぁんっ!﹂
﹁⋮オレも、もう⋮。マコト、一緒に⋮﹂
﹁ぅんっ!タケシぃっ!きてぇっ!あぁっ!あっ!﹂
そして、その瞬間。
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オレの中で何かが弾けたような気がした。
ビュッ!ビュクッ!ビュクッ!
﹁あああぁぁぁぁ∼∼∼∼∼っっっ!!!﹂ビクン!ビクビクビク!
オレが真琴の膣内に精液を放出したと同時に、真琴の全身が激しく
痙攣した。
そして精液を出しきった頃、オレは真琴の上に折り重なった。
﹁タケシ⋮大好き﹂
そんな、真琴の言葉を耳にしながら。
﹁また一つ、この川の思い出が増えたね⋮﹂
﹁ああ、そうだな﹂
着替えを済ませたオレと真琴は、川辺で感慨に耽っていた。
﹁でも、今日思い出が作れて良かった!﹂
﹁えっ?﹂
オレは真琴の方を振り向く。
﹁だって、来年からボク達中学生だし、部活とか忙しくなったら会
えなくなると思うんだ。だから⋮﹂
と、真琴の寂しそうな表情。オレには、真琴のその表情がとても切
なかった。
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﹁心配すんなよ、マコト!﹂
だから、オレは約束した。
﹁えっ?﹂
﹁どんなに忙しくなっても、必ずお前に会いに行くから。だから⋮
そんな顔するな﹂
﹁ホント!?﹂
途端に、真琴の表情がまばゆいばかりの笑顔に変わる。
﹁ああ、約束だ!﹂
﹁うん、約束!﹂
こうして、小学校最後の夏休みは終わりを告げた。
翌年中学校に進学したオレ達は、真琴の言葉通り、部活や学校行事、
試験勉強で忙しくなり、お互い会う事ができなかった。
そして、あの日から三度の夏が過ぎ、四度目の春。オレは地元の高
校に進学し、今日はその入学式。
オレはクラス分けを確認する為、昇降口前の貼り紙をチェックして
いた。
﹁えーっと、オレの名前⋮は、っと﹂
﹁ねぇ、キミ﹂
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不意に誰かに声をかけられ、後ろを振り返る。
﹁⋮⋮あれ?﹂
しかし、人の姿は見当たらない。
﹁ココ、ココだよ!﹂
視線を下ろすと、オレと同じように真新しい制服を着た女のコが一
人。
﹁キミ、もしかして武志くん、じゃない?﹂
﹁え?オレの名前は武志だけど⋮﹂
その返事を待っていたかのように、一気に表情が明るくなる。
﹁あはっ、やっぱりタケシだー!﹂
突然の事態に、オレはどうしていいのか判らない。
﹁ホラ、ボクだよ!真琴!覚えてる?﹂
真琴。
その名前を聞いて、オレは瞬時に思い出す。オレの中で真琴という
名前は、アイツしかいない!
﹁もしかして、忘れちゃった⋮?﹂
反応の薄いオレの顔を、真琴が心配そうに見上げる。
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﹁忘れる訳ねーだろ、マコト!﹂
オレの返事に、真琴の表情が再びぱあっと明るくなる。
﹁覚えててくれたんだ!良かったー!忘れてたらどうしようかと思
ったよー!﹂
﹁オレだって、ずっとお前に会いたかったんだぜ?﹂
﹁ホント?嬉しいなぁ!﹂
お互いの再会を喜ぶオレと真琴。
﹁だけど、ゴメンな。会いに行くって言ってたのに、会いにいけな
くて⋮﹂
中学に行ってから真琴に会えなかった事を、オレは素直に謝った。
﹁ううん。ボクもタケシに会いに来れなかったんだから、おあいこ
だよ!﹂
あの時と同じ笑顔で返してくれる真琴。それだけでも、オレは救わ
れたような気がした。
﹁それにしても、オレがココ受けたってよく知ってたなー?﹂
ふと気になった疑問を、真琴に尋ねてみる。
﹁タケシのお婆ちゃんが、教えてくれたんだよ﹂
そう言えば、オレがどこの高校に入るか、ばーちゃん何回も聞いて
きた事があったな⋮。
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﹁そーだったのか⋮。ばーちゃんに後でお礼言っとかないとな﹂
﹁そうだね⋮﹂
柔らかな春の日差しが、オレ達を祝福してくれているような気がし
た。
﹁よし!入学式が終わったら、再会を祝って何か食べに行こうぜ!﹂
﹁それじゃあ、ボクの知ってるお店に行こうよ!そこのお店、シュ
ークリームがとっても美味しいんだよ!﹂
﹁じゃ、そこの店に行くか?﹂
﹁うん!そう言えば、近くの商店街に美味しそうなたい焼き屋さん
屋台があったんだけど、やってるかな?﹂
﹁どうかな?行く時に寄ってみようぜ!﹂
﹁うん!﹂
オレ達の恋は、ココから再び、動き始める。
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PDF小説ネット発足にあたって
http://novel18.syosetu.com/n9685n/
なつのおもいで
2012年9月13日01時55分発行
ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。
たんのう
公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ
うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、
など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ
行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版
小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流
ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、
PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル
この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。
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