2008SNA における一般政府と公的 - 経済社会総合研究所

2008SNA における一般政府と公的(準)法人の取引の取り扱い
―― 一般政府と公的(準)法人間の例外的な受払いに関する取り扱い変更とわが国の対応
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部企画調査課
政策企画調査官 吉野 克文*
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部国民支出課
研究専門職 吉田 有祐
今般改訂された 2008 年改訂国民経済計算体系(System
1.はじめに
of National Accounts 2008〈European Commission,
International Monetary Fund, Organisation for Economic Co-
近年、国の予算を巡る議論において、税収以外の財源
operation and Development, United Nations and World Bank
が注目されることが少なくない。そうしたもののひとつ
[2009]〉
、以下 2008SNA)とも異なっている。しかも、こ
として、国の特別会計にある剰余金・積立金を一般会計
のような一般政府と公的法人、あるいは一般政府と公的
などの財源として繰り入れることが挙げられる。実際、
準法人との間における例外的な受払いの記録方法に関し
2006 年度(平成 18 年度)以降、累次に亘ってこうした
ては 1、2008SNA を取りまとめる作業の中で Task Force
繰り入れが行われてきた。そうした中でも金額的に大き
on Harmonisation of Public Sector Accounting <TFHPA> に
かったのは、財政融資資金特別会計から一般会計・国債
おいて改めて取り上げられ、部分的に改訂されることと
整理基金特別会計への繰り入れである。この財政融資資
なった経緯であるが、上記のようなわが国の現行の記録
金特別会計は、実際には独立した法人格を有しないもの
方法はこうした議論とも直接的な関係を持たない
の、わが国の国民経済計算では公的準法人として一般政
(TFHPA では議論の俎上に載せられることがなかった)
府からは独立した主体(制度単位)として扱われ、公的
独特なものとなっている。詳細は後述のとおりであるが、
金融機関に格付けされる。また一般会計および国債整理
例えば 1993SNA、2008SNA のいずれにおいても、上記
基金特別会計は中央政府に格付けされている。このため、 のような公的準法人から一般政府への例外的な支払いは
このような財政融資資金特別会計から一般会計・国債整
「持分の引出」として記録される扱いとなっている。こ
理基金特別会計への資金の繰り入れが行われると、その
のように例外的な支払いを持分の引出と捉える場合、一
繰入額に相当する金額だけ、公的金融機関(およびその
預金の増加」
般政府にとって一連の取引は「持分の減少、
上位部門である金融機関)の純貸出 / 純借入がマイナス
という金融資産の振り替えに過ぎないこととなり、この
方向に、
中央政府(およびその上位部門である一般政府)
結果、純貸出 / 純借入は不変となる。これに対してわが
の純貸出 / 純借入がプラス方向に、それぞれ変動するこ
国の現行の取扱いでは、もともと準法人に対する一般政
ととなる。この結果、国民経済計算では、一見すると財
府の持分を記録していないため、定義により「持分の引
政が一時的に好転したかのように記録されるのである。
出」は認識されず、(移転取引を通じた)「預金の増加」
実はこうした取扱いは、
現在、
わが国の国民経済計算が
依拠する国際基準である 1993 年改訂国民経済計算体系
だけが計上される。これにより一般政府の純貸出 / 純借
入が好転するのである。
(System of National Accounts 1993〈European Commission,
言うまでもなく、このような独特の取扱いを採用する
International Monetary Fund, Organisation for Economic Co-
だけの積極的な理由、例えば、十分に斟酌すべきわが国
operation and Development, United Nations and World Bank
固有の事情があるのであれば、こうした国際基準からの
[1993]〉、以下 1993SNA)とは異なったものである。また、 部分的な逸脱を一概に否定することは不適当である。し
*
本稿作成に当たっては、内閣府経済社会総合研究所の道上浩也総括政策研究官、豊田欣吾国民経済計算部長、二村秀彦企画調査課長、
茂呂賢吾国民支出課長、松谷萬太郎国民資産課長(当時)をはじめとする国民経済計算部の職員、日本銀行調査統計局の佐藤嘉子企画
役補佐をはじめとする調査統計局の職員から有益なコメントをいただいた。なお、本稿の内容は、筆者らが属する組織の公式の見解を
示すものではなく、内容に関しての全ての責任は筆者にある。
1
以下、「公的法人」、「公的準法人」の双方を含む場合は、「公的(準)法人」と記述する。
- 61 -
かしながら、本件に関する限りそうした事情は見当たら
借入に影響しなくなること、などが明らかとなっている。
ない。また、現存する過去の検討経緯などを確認しても、 そこで以下では、2008SNA における政府と公的(準)法
本件に関する具体的な記録を見出すことはできず、そも
人間の例外的な受払いに関する記録方法を具体的に紹介
そもどのような検討・審議を踏まえてこのような独特な
したうえで、これをわが国の国民経済計算に対して適用
取扱いを採用することされたのか、必ずしも判然としな
した場合の推計結果を提示し、併せて今後の課題を整理
いのが実情である。
する。
このように一般政府と公的準法人との間の例外的な受
本稿の構成は次のとおりである。まず第2節では、一
払いについて、わが国の現行の取扱いが 1993SNA と異
般政府と公的(準)法人間の例外的な受払いについて、
なっていること、またそれを正当化する具体的な論拠を
1993SNA とわが国の現行の取扱いの相違、2008SNA と
見いだせないこと、そうした中にあって兆円単位の大き
わが国の現行の取扱いの相違をそれぞれ説明する。続い
な資金が実際に動いたこと、などを背景として、この取
て第3節では、わが国の国民経済計算において 2008SNA
扱いの適否に関しては国民経済計算の関係者の間でも議
の考え方を適用する場合の対象範囲や推計方法に関して
論を呼んできた。事実、統計委員会国民経済計算部会の
具体的に整理する。その後、第4節では、実際に一般政
場においても、過去 2 度に亘って問題提起がなされてい
府や公的金融機関、公的非金融法人企業の金融資産・負
る( 統 計 委 員 会 国民経済計算部会財政・金融 委 員 会
債や純貸出 / 純借入がどの程度変化するとみられるかを
[2008a、2008b]
、統計委員会国民経済計算部会[2011a、
検証するほか、貸借対照表に表れない資産の動きなど残
2011b]
)
。もっとも、統計としての一貫性を確保する必
された検討課題を指摘する。補論1では、一般政府の公
要性から、国民経済計算の大規模な見直しは基準改定時
的(準)法人に対する持分に関して(直接投資と同様に)
に限られてしまうこともあって、この取扱いが直ちに見
再投資収益を認識した場合にどのような変化が起きると
直 さ れ る こ と は な か っ た。 さ ら に、 上 記 の と お り
みられるかという点について検証する。このように再投
TFHPA における議論を踏まえて、2008SNA において
資収益を認識する方法は、2008SNA では正式採用には
1993SNA における関連の取扱いが見直されたことから、
至らなかったが、2008SNA の積み残し課題として Annex
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部(以下、国民
4: Research Agenda において引き続き検討が求められて
経済計算部)では、この問題をわが国の国民経済計算の
いるものである。
2008SNA への移行作業の一環として整理・検討すべき
議論を簡潔にするために、本稿では主に移転取引およ
びその背後にある金融資産・負債の動きに焦点を当てて
ものと位置付けてきた。
2011 年度入り後、国民経済計算部では、次期基準改
整理する。また実際の金額的な影響の大きさに鑑み、わ
定(2008SNA への移行)へ向けた作業を徐々に本格化
が国に関しての具体的な議論の中心は公的準法人となる。
させたが、その中の一課題として、上記の問題について
なお、今回の見直しは生産・消費には影響しない。
も基礎的な検討を進めてきた。その過程では、資金循環
統計を所管する日本銀行の協力も得た 2。これまでの検
討作業を通じて、① 2008SNA に準拠する形で一般政府
2.2008SNA における一般政府と公的(準)法
人間の例外的取引に関する記録方法
の(準)
法人に対する持分を適切に記録することが適当で
あること、②そうした推計は実務的にも可能であること、 (1)1993SNA とわが国の現行の取扱いの相違
③これにより一般政府の金融資産が少なくとも 38 兆円
第1節において 1993SNA とわが国の現行の取扱いが
、④同時に公的
程度拡大すること(2010 年 3 月末時点)
異なっていることを指摘したが、ここで改めて両者の相
(準)法人からの例外的な支払いが一般政府の純貸出 / 純
違を整理すると図表1のとおりである。
2
一般政府と公的(準)法人間の取引に関する記録方法の見直しは、実体面における移転取引とともに金融資産・負債の変動にも直接的
に影響する。そして、わが国の国民経済計算・金融勘定は、日本銀行が作成・公表する資金循環統計を基礎データとして、これを加工
することで作成されている。したがって、実際に記録方法を見直す場合は、国民経済計算の実体面および金融面はもとより、資金循環
統計をも通じて、体系としての一貫性を確保することが期待される。こうした事情を踏まえて、国民経済計算部では、日本銀行の協力
を得つつ検討を進めることとした経緯である。
なお本論では、主として国民経済計算側の金融勘定を取り上げて整理しているが、その考え方や方法論は資金循環統計とも基本的に
共有されている。資金循環統計の概要および推計方法の詳細に関しては、日本銀行調査統計局 [2011a] および同 [2011b] を参照されたい。
- 62 -
図表1 公的
(準)
法人から一般政府への例外的な支払 /
受取の扱い
図表2 2008SNA における整理
資金の流れ
取扱い
事由
持分の
引出
このような支払は、公的
(準)
法人の累積準備金または資産
売却により原資が賄われるも
のと考えられる。このため、
配当とするのは不適当であ
り、
持分の引出とすべき。
資金の流れ:上段は公的(準)法人→一般政府
下段は一般政府→公的(準)法人
わが国の
現行基準
法人
準法人
1993SNA
配当/
資本移転
資本移転
/資本移転
持分の引出/
持分の追加
公的
(準)
法人→
一般政府
(図表1の上段)
2008SNA
持分の引出/
資本移転1
このような支払<公的
(準)法
人 か ら み れ ば 受 取>は、公 的
(準)法人の累積赤字を補填す
一般政府→
公的(準)
法人 資本移転1 る目的のものが多い。このた
め、持分への追加とするのは
(図表1の下段)
不適当であり、資本移転とす
べき。
1: 持分の追加として扱う場合もある。詳細は図表2参照。
すなわち、1993SNA は法人と準法人に関して異なる
扱いを定めているのに対して、現行のわが国の国民経済
1: 純粋に利益を追求する目的での追加出資は例外的に持分
の追加として扱う。これは、そうした追加出資は正当なリ
ターンを期待して行われるものであると考えられるためで
ある。
計算では両者とも同じ取扱いとしている。その中でも、
準法人に関する取扱いの相違は大きなものとなっている。
ここでわが国の現行基準と 2008SNA との相違を確認
(2)2008SNA とわが国の現行の取扱いの相違
図表1に示すとおり一般政府と公的(準)法人との例
すると、公的(準)
法人から一般政府への例外的な支払い
外的な受払いに関する 1993SNA の取扱いは 2008SNA に
について、
「資本移転」として処理する現行の取扱いを
「持
おいて見直された。以下の議論との関連が乏しいため詳
分の引出」として記録する必要があることが分かる。と
述は避けるが、その背景は次のようなものである。まず、 ころで、取引として持分の引出しを記録するためには、
1993SNA においては公的法人と公的準法人の取扱いに
当然、予め一般政府が公的
(準)
法人に対して持分を保有
差異がみられたが、その実態面に鑑みれば両者について
していることが前提となる。わが国における現行の取扱
異なる取扱いを求める必要性は乏しいと考えられた。こ
いでは、公的法人の場合は資本金が存在するため、これ
のため、両者の取扱いを揃える方向で検討が進められた。 を一般政府の持分、具体的には期末貸借対照表における
そして図表2の整理に基づき図表1のとおり見直される
「株式・出資金」として記録している。これに対して公
3
こととなったものである 。
的準法人の場合は資本金が存在せず、資産と負債の差異
は「積立金」や「準備金」という形で留保されている。
現行の基準では、この部分に関しては、一般政府の持分
ではなく当該法人のいわば内部留保であると考え、期末
3
2008SNA は以下のとおり記している(下線部は筆者)。
Chapter 22: The general government and public sectors
D. Accounting issues particular to the general government and public sectors
4. Relations of general government with corporations
Dividends versus withdrawal of equity
22.136 It is important to distinguish between the return of the equity investment by the corporation to its owner and the payment of income in the form
of dividends. Only regular distributions from the entrepreneurial income are recorded as property income either as dividends or withdrawals of
income from quasi-corporations. Large and irregular payments, based on accumulated reserves or sale of assets are recorded as a withdrawal of
equity.
Acquisition of equity, capital transfers and subsidies
22.138 Subsidies are current transfers, usually made on a regular basis, from government to corporations designed to influence their levels of
production, the prices at which their outputs are sold or the remuneration of the corporations. Payments to public corporations on a large and
irregular basis (often called“capital injections”in the media) are not subsidies. They are treated as either a capital transfer or the acquisition of
equity:
a. Payments to cover cumulated losses arising as a result of public policy purposes should be recorded as a capital transfer.
b. A payment made in a commercial or competitive context may be treated as an acquisition of equity. This should be limited to cases where the
government is acting similarly to a private shareholder in that it has a valid expectation of a cash return in the form of future property income. In
this case, the corporation will probably issue new shares to the government and enjoy a large degree of freedom over how the funds provided are
used.
Treating the payments as the acquisition of equity depends on evidence of the corporation's profitability and its ability to pay dividends in future.
- 63 -
貸借対照表における「正味資産」として記録している。
したがって、公的準法人についてどのように持分を記録
するかが以下の議論のポイントとなる。
3.わが国の国民経済計算における記録方法の
変更
図 表 1 か ら も 明 ら か な と お り、SNA 体 系 で は、
1993SNA の時代から公的準法人に対する一般政府の持
ここでは、第2節で示した考え方に基づいて、一般政
分を記録することとされていた。具体的には、準法人の
府が公的(準)法人対して有する持分を計測する方法を
持分を「
(当該準法人の)資産と負債の差額」と定めて
整理する。まず、公的準法人に関しては、その持分相当
おり、当該準法人の正味資産は常に事実上ゼロと看做さ
額を図表3における c. の形で把握する。これは真の意
4
れている 。このため、わが国の国民経済計算について
味での「資産と負債の差額」ではなく、会計上の「資産
も同様な方法により公的準法人の持分を計測することが
と負債の差額」である。それは、定義により未計上資産
望ましいと考えられる。
(いわゆる“のれんとマーケティング資産”5、あるいは
4
1993SNA は以下のとおり記している(下線部は筆者)。
Chapter 4: Institutional Units and Sectors
B. Institutional units in the form of legal or social entities
4. Quasi-corporations
4.52. As a quasi-corporation is treated as a separate institutional unit from its owner, it must have its own value added, saving, assets, liabilities, etc. It
must be possible to identify and record any flows of income and capital that are deemed to take place between the quasi-corporation and its owner.
The amount of income withdrawn from a quasi-corporation during a given accounting period is decided by the owner, such a withdrawal being
equivalent to the payment of a dividend by a corporation to its shareholder(s). Given the amount of the income withdrawn, the saving of the quasicorporation (i.e., the amount of earnings retained within the quasi-corporation) is determined. A balance sheet is also needed for the quasicorporation showing the values of its fixed assets - land, buildings, machinery and equipment, inventories - used in production and also the financial
assets and liabilities - owned or incurred in the name of the enterprise - bank deposits, overdrafts, trade credit and debits, other receivables or
payables, etc. It is assumed that the owner's net equity in a quasicorporation is equal to the difference between the value of its assets and the value
of its other liabilities so that the net worth of the quasi-corporation is always zero in practice. The owner may invest more capital in the enterprise or
withdraw capital from it by disposing of some of its assets, and such flows of capital must also be identifiable in the accounts whenever they occur.
5
2008SNA は以下のとおり記しており、「のれん」の資産価値を明示的に認めている。なお 1993SNA では、のれんは「買入れのれん」と
して企業買収後にのみ認識することとされていたが、2008SNA ではそうした制約は外され(「買入れ」"purchased" の表現も削除され)、
その存在をより幅広く認識するように見直された(下線部は筆者)。
Chapter 10: The capital account
D. Acquisitions less disposals of non-produced non-financial assets
3. Goodwill and marketing assets
10.196 Potential purchasers of an enterprise are often prepared to pay a premium above the net value of its individually identified and valued assets and
liabilities. This excess is described as "goodwill" and reflects the value of corporate structures and the value to the business of an assembled workforce and
management, corporate culture, distribution networks and customer base. It may not have value in isolation from other assets, but it enhances the value of
those other assets. Looked at another way, it is the addition to the value of individual assets because they are used in combination with each other.
10.197 略
10.198 As well as residual errors, the value of goodwill may include the value to the corporation of items known as marketing assets. Marketing assets
consist of items such as brand names, mastheads, trademarks, logos and domain names. A brand can be interpreted as far more than just a corporate
name or logo. It is the overall impression a customer or potential customer gains from their experience with the company and its products.
Interpreted in that wider sense it can also be seen to encompass some of the characteristics of goodwill such as customer loyalty.
10.199 The value of goodwill and marketing assets is defined as the difference between the value paid for an enterprise as a going concern and the sum
of its assets less the sum of its liabilities, each item of which has been separately identified and valued. Although goodwill is likely to be present in
most corporations, for reasons of reliability of measurement it is only recorded in the SNA when its value is evidenced by a market transaction,
usually the sale of the whole corporation. Exceptionally, identified marketing assets may be sold individually and separately from the whole
corporation in which case their sale should also be recorded under this item.
Annex 3: Changes from the 1993 System of National Accounts
D. Extension and further specification of the concepts of assets, capital formation and consumption of fixed capital
11. Goodwill and marketing assets
A3.80 The 2008 SNA renames "purchased goodwill" as "purchased goodwill and marketing assets"< * >.
Purchased goodwill< 同 > and marketing assets continue to be treated as non-produced assets, though at a higher level in the hierarchy than that in
1993 SNA, specifically at the same level as natural resources and contracts, leases and licences.
*筆者補足:20088SNA の誤植。上記 10 章の記述のとおり 2008SNA においては goodwill and marketing assets が正しい表現であり as
に続く purchased は不要
A3.81 In the 1993 SNA, goodwill was recorded only following the takeover of an enterprise. For that reason it was described as "purchased goodwill".
Goodwill was not recognized in any other context. The 2008 SNA recognizes that this difference may actually include assets such as mastheads,
logos, customer lists and so on which are described collectively as "marketing assets". Exceptionally, identified marketing assets may be sold
individually and separately from the whole corporation in which case their sale should also be recorded under this item.
A3.82 The 2008 SNA recommends a consistent approach for calculating the value of the "purchased goodwill and marketing assets" as the excess of
the value paid for an enterprise as a going concern over the sum of its assets less the sum of its liabilities, each item of which has been separately
identified and valued irrespectively of whether the entity is a listed or unlisted corporation, a quasicorporation or is unincorporated.
- 64 -
ᱜߔࠆ‫ޕ‬Dߪߎࠇ߹ߢ⸥㍳ߒߡ߈ߚ಴⾗㊄ߩ▸࿐ࠃࠅ߽ᐢ޿᭎ᔨߢ޽ࠆ‫ߩߎޕ‬ὐߪᔅߕߒ
߽ 50# ߦ߅޿ߡౕ૕⊛ߦ᣿⸥ߐࠇߡ޿ࠆࠊߌߢߪߥ޿߇‫⊛౏ޔ‬Ḱᴺੱߣ౏⊛ᴺੱߩข
ᛒ޿ߦ߅޿ߡᢛวᕈࠍ⏕଻ߔࠆߎߣࠍડ࿑ߒߚ⷗⋥ߒߢ޽ࠅ‫ޟޔ‬಴⾗㊄ߩ㗵㕙㧗೾૛㊄╬‫ޠ‬
ࠍ‫ޟ‬಴⾗㊄ߩ౏ᱜଔ୯‫⋴ߣޠ‬஖ߔߣߩ฽ᗧߢ޽ࠆ‫ޕ‬
࿑⴫㧟 ౏⊛
Ḱᴺੱߩᜬಽ㧨ᱷ㜞㧪ߩࠗࡔ࡯ࠫ
図表3 公的
(準)
法人の持分<残高>のイメージ
㪸㪅᳃㑆਄႐ડᬺ
㊄Ⲣ⾗↥
⽶ௌ
㕖㊄Ⲣ⾗↥
㊄Ⲣ⾗↥
㕖㊄Ⲣ⾗↥
ᩣᑼ
䋨ᤨଔ✚㗵䋩
ᧂ⸘਄⾗↥
㪹㪅౏⊛ᴺੱ
㪺㪅౏⊛Ḱᴺੱ
㊄Ⲣ⾗↥
⽶ௌ
಴⾗㊄
䋨⸘਄ᷣ䋩
㕖㊄Ⲣ⾗↥
೾૛㊄╬
䋨ㅊട⸘਄䋩
ᧂ⸘਄⾗↥ 䋪ᛠី࿎㔍
⽶ௌ
⸘਄ኻ⽎䈫
䈭䉎ᜬಽ
೾૛㊄╬
䋨ᣂⷙ⸘਄䋩
ᧂ⸘਄⾗↥ 䋪ᛠី࿎㔍
⌀䈱ᜬಽ
㪁㩷㪹㪅౏⊛ᴺੱ䈲ᩣᑼળ␠ᒻᘒ
䈱䉅䈱෸䈶ᣣᧄ㌁ⴕ䉕฽䉁䈭
䈇䇯
ℂᔨ⊛ߦߪએ਄ߩߣ߅ࠅߢ޽ࠆ߇‫ޔ‬ផ⸘ታോ਄ߪㅊട⊛ߥᎿᄦ߇ᔅⷐߣߥࠆ‫৻╙ޕ‬ὐߪ‫ޔ‬
౏ᱜଔ୯ߩᛠីߦ㑐ߔࠆ߽ߩߢ޽ࠆ‫ޕ‬50# ߪ‫ޔ‬㊄Ⲣ⾗↥‫ޔ‬㕖㊄Ⲣ⾗↥‫⽶ޔ‬ௌߦߟ޿ߡ౏
おいて整合性を確保することを企図した見直しであり、
無形の技術やノウハウなど)を含んでおらず、概念的に
ᱜଔ୯ࠍᛠីߒߚ߁߃ߢ‫ߩߘޔ‬Ꮕಽߣߒߡᜬಽࠍផ⸘ߔߴ߈ߣߒߡ޿ࠆ‫ޔࠄ߇ߥߒ߆ߒޕ‬
はその価値をも内包する民間の上場企業の株式(株主が
「出資金の額面+剰余金等」を「出資金の公正価値」と
ߘ߁ߒߚ౏ᱜଔ୯ࠍᛠីߔࠆߎߣߪ࿎㔍ߢ޽ࠆߎߣ߆ࠄ‫ޔ‬ታോ਄ߪળ⸘਄ߩ㊄㗵㧔㗵㕙㧕
看做すとの含意である 6。
当該法人に対して有する持分)の価値、つまり当社の時
ߦࠃࠅߎࠇࠍᛠីߔࠆߎߣߣߥࠆ‫ߪࠇߎޕ‬࿖᳃⚻ᷣ⸘▚ߩផ⸘ߢߪઁߩᄙߊߩ੐଀ߦ߅޿
価 総 額 と は 性 格 を 異 に し て い る。 も っ と も、 ①
理念的には以上のとおりであるが、推計実務上は追加
2008SNA も「市場取引を通じてのれんとマーケティン
的な工夫が必要となる。第一点は、公正価値の把握に関
グ資産の価値を確認できた時に記録する」としているこ
するものである。2008SNA は、金融資産、非金融資産、
と、②公的
(準)法人の場合は①のように「確認できる」
負債について公正価値を把握したうえで、その差分とし
事例は極めて稀とみられること、③公的
(準)
法人の場合
て持分を推計すべきとしている。しかしながら、そうし
ߡ߽ណ↪ߐࠇߡ޿ࠆᗐቯߢ޽ࠆ‫╙ޕ‬ੑὐߪ‫ޔ‬೾૛㊄╬ࠍផ⸘ߔࠆ
Ḱᴺੱߩ▸࿐ߢ޽ࠆ‫ޕ‬
⃻ⴕߩ࿖᳃⚻ᷣ⸘▚ߢߪ‫ޔ‬ᩣᑼળ␠ᒻᘒߩ౏⊛ᴺੱߦኻߔࠆ৻⥸᡽ᐭߩᜬಽߦ㑐ߒߡߪ‫ޔ‬
਄႐ળ␠ߦߟ޿ߡߪᤨଔࠍ‫ޔ‬㕖਄႐ળ␠ߦߟ޿ߡߪ਄႐ળ␠ߦḰߓߡ౏ᱜଔ୯ࠍផ⸘ߩ߁
߃ ‫⸘ࠇߙࠇߘޔ‬਄ߒߡ޿ࠆ‫ߜࠊߥߔޕ‬࿑⴫㧟ߩ Cߣห᭽ߥᚻᴺߦࠃࠅ⸥㍳ߔࠆߎߣߣߥߞ
ᧄⓂߢߪ౏⊛
Ḱᴺੱߩ‫ޟ‬೾૛㊄╬‫⾉ߪߦޠ‬୫ኻᾖ⴫਄ߩ⽶ௌߩㇱߦ⸘਄ߐࠇࠆฦ⒳ߩᒁᒰ㊄ࠍ฽߼ߥ޿߽ߩߣߒߡ
た公正価値を把握することは困難であることから、実務
は民間の上場企業などに比べてそののれんとマーケティ
ᢛℂߔࠆ‫ޕ‬ฦ⒳ߩᒁᒰ㊄ߪ‫ޔ‬዁᧪ߩ․ቯߩ⾌↪߹ߚߪ៊ᄬࠍวℂ⊛ߦ⷗Ⓧ߽ߞߚ߁߃ߢ⸘਄ߐࠇߡ޿ࠆ߽ߩߢ޽ࠆ‫ߎޕ‬
ߩߚ߼‫⥸৻ࠍࠇߎޔ‬᡽ᐭߩᜬಽ㧔⾗↥㧕ߣߒߡ⹺⼂ߔࠆߎߣߪਇㆡᒰߣ⠨߃ࠄࠇࠆ‫ޕ‬
上は会計上の金額(額面)によりこれを把握することと
ング資産の価値が相対的に小さいと思われること、
④(の
なる。これは国民経済計算の推計では他の多くの事例に
れんとマーケティング資産以外の)無形の技術やノウハ
ౕ૕⊛ߦߪ‫ޔ‬
‫ޟ‬㘃ૃᬺ⒳ᲧḰᣇᑼ‫ࠅࠃߦޠ‬ផ⸘ߔࠆ‫⛯⋧ޔߪࠇߎޕ‬⒢⽷↥⹏ଔߦ߅޿ߡ↪޿ࠄࠇߡ޿ࠆᣇᴺߢ޽ࠅ㧔
‫⋧ޟ‬
⛯⒢⽷↥⹏ଔߦ㑐ߔࠆၮᧄㅢ㆐‫ߢޠ‬ቯ߼ࠄࠇߡ޿ࠆ‫ޟ‬ขᒁ⋧႐ߩߥ޿ᩣᑼ‫⹏ߩޠ‬ଔᣇᴺ㧕
‫ࠆ޽ޔ‬ડᬺߣ੐ᬺౝኈ߇㘃ૃߔ
おいても採用されている想定である。第二点は、剰余金
ウについては評価のための材料が見当たらないこと、な
ࠆᬺ⒳ߩ਄႐ળ␠ߩᐔဋᩣଔࠍၮߣߒߡ‫ޔ‬ᩣଔߦᓇ㗀ࠍਈ߃ࠆߣߺࠄࠇࠆ㧟ᜰᮡ㧔㈩ᒰ㊄‫ޔ‬೑⋉‫↥⾗⚐ޔ‬㧕ߦߟ޿ߡᒰ
等を推計する(準)
法人の範囲である。現行の国民経済計
どから、以下、本稿では公的
(準)
法人の未計上資産をゼ
8
ロと仮定する。
次に公的法人に関しては、その持分相当額を図表3に
算では、株式会社形態の公的法人に対する一般政府の持
分に関しては、上場会社については時価を、非上場会社
おける b. の形で把握するように修正する。b. はこれま
については上場会社に準じて公正価値を推計のうえ 7、
で記録してきた出資金の範囲よりも広い概念である。こ
それぞれ計上している。すなわち図表3の a. と同様な
の点は必ずしも 2008SNA において具体的に明記されて
手法により記録することとなっている。このため今回の
いるわけではないが、公的準法人と公的法人の取扱いに
見直しの対象外である 8。また同様な理由から、日本銀
6
本稿では公的(準)法人の「剰余金等」には貸借対照表上の負債の部に計上される各種の引当金を含めないものとして整理する。各種の
引当金は、将来の特定の費用または損失を合理的に見積もったうえで計上されているものである。このため、これを一般政府の持分(資
産)として認識することは不適当と考えられる。
7
具体的には、「類似業種比準方式」により推計する。これは、相続税財産評価において用いられている方法であり(「相続税財産評価に
関する基本通達」で定められている「取引相場のない株式」の評価方法)、ある企業と事業内容が類似する業種の上場会社の平均株価
を基として、株価に影響を与えるとみられる 3 指標(配当金、利益、純資産)について当該企業と上場会社との比準割合を用いて、当
該株式の価値を推計するものである。
8
これは次のような含意を有している。まず、株式会社形態の公的法人から一般政府への例外的な支払いは、持分の引出しとは看做さない。
わが国の場合、NTT など上場している株式会社も公的法人に分類されている。こうした上場企業には一般政府以外の株主も存在するこ
とから、当該公的法人から一般政府に対してのみ例外的な支払いが行われたとしても、これを一律に政府による持分と引出と位置付け
ることは不適当であると考えられる。次に、一般政府からこのような上場している公的法人への例外的な支払いについても、「累積赤
字を補填する目的」、「純粋に利益を追求する目的」の双方に該当しないものを想定しうるため、一律に資本移転とすることは不適当で
ある。こうしたことから、一般政府と株式会社形態の公的法人との間の例外的な受払いについては、その取引の性格を十分に勘案した
うえで記録方法を個別に整理する必要がある。
- 65 -
図表4 一般政府の有する持分の把握・計上 1
上段が把握可否/
下段が計上有無
法人
<中央・地方政府
の共同出資>
中央政府
地方政府
2
準法人:
<単独出資>
企業特別会計
(中央)
公営企業会計
(地方)
把握可/
把握可/
出資金のみ計上
出資金のみ計上
把握可/
未計上
把握可/
出資金のみ計上
把握可/
出資金のみ計上
(財務省)
「地方財政統計年報」
、
(総務省)ほか。
1: 基礎データは「政府出資法人一覧」
2: 認可法人、特殊法人等。株式会社形態のもの及び日本銀行を除く。
行(中央銀行)も見直しの対象外とする 9。この間、そ
一般政府の金融資産は 38 兆円程度拡大する(金融資産・
れ以外の一般政府の公的
(準)
法人に対する持分について
負債差額のマイナス幅が同額縮小する)こととなる。
は、図表4のとおり把握・計上していることから、この
範囲を対象として推計方法を見直すこととする。
(準)
また過年度に実施された、公的
法人から一般政府
に対する例外的な支払いは図表6のとおりである。これ
第三点は、
「例外的」の基準に係るものである。これ
らの取引は持分の引出として記録される。つまり「政府
については、一つひとつ取引の性格を点検して個別に判
預金」の増加と「株式・出資金」の減少が同額記録され
断することが理想である。一方、一般政府による移転取
ることから、純貸出 / 純借入に対する影響は中立的なも
引に関する推計実務の概要は参考資料1のとおりであり、 のとなる。換言すれば、第 1 節において指摘したとおり、
相応に負担の重い作業を限られた時間の中で行っている
このような取引の前後において、一般政府の純貸出 / 純
のが実情である。このような定例作業に、少額なものを
借入は不変となる。
含む全ての取引の確認作業を追加することは、現実的で
このほか、上記のような例外的な支払とは性格を異に
はないと思料される。こうしたことから、この基準の設
する、やや特殊な事例であるが、日本郵政公社の解散に
定については、これまでの実例はもとより今後の取引の
伴う影響も適正化される。詳細は参考資料2のとおりで
状況なども踏まえて費用対効果を慎重に見極めつつ、総
あるが、当時、技術的な影響により一般政府の純貸出 /
合的に判断していくことが必要である。それは確定的な
純借入(資金過不足)がプラス方向に押し上げられるこ
ものではなく環境の変化に応じてある程度弾力的に運用
ととなった。これは、公的法人に対する持分を過小評価
されるべきものであるかもしれない。そこで、ここでは
していたことに起因するものであるが、今回の見直しに
最終的な基準作りは将来的な検討課題と位置付け、これ
よりこの点も改善される。以上の動きを控除した一般政
以上の深入りを避けることとする。また、以下の試算の
府の純貸出 / 純借入は図表7のとおりである。変動が適
前提としては、暫定的に「1 兆円以上の取引」を例外的
正に均されていることが確認できる。
最後に、推計方法に関する今後の課題等を整理しよう。
なものとして整理することとした。以上の三点が実務上
最大の課題は、公正価値の把握に係るものである。上記
の工夫である。
のとおり、今回、採用する推計方法は会計情報に基づい
4.推計結果と留意点
ているが、これは厳密には国民経済計算体系が求める公
正価値とは異なるものである。会計情報と公正価値の乖
上記の議論を踏まえて、わが国の一般政府が公的(準)
離を生む可能性がある要因は主に以下の 3 つとみられる。
法人に対して有する持分を推計すると図表5のとおりで
ある。今回の見直しにより 2010 年 3 月末時点において
(1) のれんとマーケティング資産、無形の技術やノウ
ハウといった未計上資産の存在
9
日本銀行の出資証券は JASDAQ に上場されており、民間上場企業と同様に時価総額(430 億円 <2012 年 5 月 10 日 >)を把握することが
できる。現行の国民経済計算においては、日本銀行の出資証券は額面の総額(1 億円)で記録されているが、これは公正価値での評価
を基本とする国民経済計算体系の原則とは異なる取扱いであり、筆者自身は時価総額に変更すべきと考えている。仮に時価総額に変更
された場合、日本銀行は以降の議論との係わりを持たなくなるため、今回の見直しの対象外とした。
- 66 -
図表5 一般政府の保有する持分
現行基準→見直し後、2010年3月末
内 上段:公的金融機関、下段:非金融法人企業
法人
<中央・地方政府
の共同出資>
1
準法人:
企業特別会計
(中央)
公営企業会計
(地方)
<単独出資>
18.9→25.2兆円
16.5→19.6兆円
2.4→ 5.6兆円
2
中央政府
0→17.8兆円
0→15.2兆円
0→ 2.6兆円
3.1→3.1兆円
地方政府
16.8→30.5兆円
3
4
(全て非金融法人企業)
1: 認可法人、特殊法人等。株式会社形態のものおよび日本銀行を除く。
2: 中央政府が出資する法人・準法人の詳細に関しては付表1、2を参照。一般政府以外
からの出資がある場合は、剰余金等を出資割合に応じて按分した。ただし公的金融機
関からの出資に係る分は最終的には一般政府に帰属すると考えられることから加算し
ている(本処理の背景となる考え方については第4節で整理している)
。
3: 基礎データの制約から不変と看做す。
4: 基礎データの制約から公営企業会計は地方公営企業法適用企業分(下水道、と畜場を
除く)のみを計上。
図表6 公的(準)法人から一般政府に対する例外的な支払 1
2006年度
財融特会 ⇒ 国債整理基金特会 12兆円
2007年度
郵政公社 ⇒ 一般会計 約1兆円
2008年度
財融特会 ⇒ 国債整理基金特会 約7.2兆円
財融特会 ⇒ 一般会計 約4.2兆円
2009年度
財融特会 ⇒ 一般会計 約7.3兆円
1: 2001 年度以降の取引。
図表7 一般政府の純貸出 / 純借入(例外的な支払を調整)
(兆円)
0
▲ 10
▲ 20
▲ 30
▲ 40
純貸出/純借入(現在の公表値)
▲ 50
▲ 60
純貸出/純借入(例外的な支払調整後)
2001
2002
2003
2004
2005
- 67 -
2006
2007
2008
2009
(2) 保有する土地に関する簿価と時価の相違
は高まると考えられる。具体的には、資産としての(借
(3) 土地以外の資産の毀損[例:
(貸付先・出資先の経
方の)出資金が(一般政府と同様に)増加し、これが公
営悪化に伴う)貸付金の不良債権化や出資金の価値
的金融機関の剰余金等
(つまり当該法人自身の貸方の
「出
下落、各種の施設など実物資産が期待された収益を
資金」の公正価値)を底上げすることとなり、最終的に
稼得できていない]
は一般政府の資産としての出資金が一般政府の当該公的
(1) は公正価値の推計値を押し上げる方向、(3) は押し
金融機関に対する持分に応じて増加することとなる。こ
下げる方向に寄与すると考えられる。(2) に関しては土
の時の動きについて公的金融機関に注目すると、資産と
地を取得した時点により、押し上げる方向にも押し下げ
しての出資金と負債としての出資金が同額増加する。こ
る方向にも寄与しうる。この結果、理論的には本稿の推
のため金融資産・負債差額は不変である 10。
計値は過小評価、過大評価のいずれの可能性も内包して
次に②であるが、公的(準)
法人の中には、国民経済計
いることとなる。このため、実態からの乖離の方向やそ
算における格付け上、一般政府に分類される機関も多数
の程度について予断を持つべきではないが、一定の乖離
存在する。上記のとおり公的金融機関ないし公的非金融
が存在する可能性は否定できない。この点、一般政府の
法人企業に分類される公的
(準)
法人について剰余金等を
資産に関するものであるだけに社会的な関心は高いこと
「出資金」として記録するのであれば、やはり一般政府
から、今後、推計精度のさらなる向上に向けた努力が必
に分類される公的(準)
法人についても同様に取り扱うこ
要である。
とが統計としての一貫性を高めることに繋がるものと思
本稿では、議論を簡潔に進めることを目的として「一
料される。一般政府に分類される公的(準)法人の場合、
般政府と公的
(準)法人間の例外的な受払い」に極力絞っ
その剰余金も既に一般政府が保有するものとして記録さ
て整理を進めてきた。ところで、概念的には①「一般政
れていることから、見直しに伴い「出資金」が資産・負
府以外の部門と公的(準)
法人間の例外的な受払い」や②
債両建てで増加することとなる。①の場合と同様、一般
(準)法人)間
「一般政府と一般政府(に分類される公的
政府の金融資産の増加幅は、当該公的
(準)
法人に対する
の例外的な受払い」という問題も想定できる。実は、こ
一般政府の持分に応じたものとなる。一方、負債は全額
の点に関しては 2008SNA も必ずしも明確に整理できて
が一般政府に記録される。このため資産・負債差額は不
いるわけではない。そこで最後に、①および②について、 変ないし(一般政府以外の部門による出資金保有分に対
本論に倣って受払いそのものではなく持分
(実務上は
「出
応する金額だけ)マイナス方向に変動することとなる 11。
資金」)の残高という観点から簡単に整理しよう。
現在、2008SNA において具体的な記述がないだけに、
まず①であるが、わが国では公的金融機関も公的
(準)
上記のとおり取扱うことについて各国の国民経済計算関
法人に対して出資を行っている。一般政府の持分につい
係者の間に明確な共通認識があるわけではない。今後、
てその記録方法を見直すのであれば、公的金融機関の持
国際的な枠組みの中で、中・長期的な課題として議論を
分についても同様に見直した方が、統計としての一貫性
深めていくことが必要である。
10
11
既述のとおり図表5ではこの部分の効果を明示的に取り込んでいる。
図表5ではこの部分の効果は反映していない。
- 68 -
扱いとなり、2008SNA の Annex 4: Research Agenda の中
補論1:再投資収益アプローチを適用した場合
の試算結果
に C. The concept of income 5. Reinvested earnings という
一節が設けられることとなった 12。
上記のとおり現時点ではこの問題の結論は得られてい
1993SNA、2008SNA はともに、直接投資先の海外企
ないが、仮に公的(準)
法人について再投資収益を認識す
業に関して再投資収益を擬制する一方、国内の企業に関
(準)
ることとなれば、一般政府の純貸出 / 純借入は公的
してはそうした再投資収益を認識せず実際に支払われた
法人の利益/損失を直接反映して変動することとなる。
金額のみを配当として記録する。これは、次のような整
そしてこれは、基本的に現金主義の考え方に基づいて計
理に基づくものである。
算される財政収支の動きとは大きく異なるものと予想さ
れる。このように再投資収益アプローチの採用は国民経
・ 直接投資先の海外企業(多くの場合は海外子会社
済計算に対して大きな影響を及ぼし得るとみられること
ないし海外支店)に関しては、定義により、居住
から、ここでは、その影響を定量的に把握すべく一定の
者である投資者(多くの場合は親会社)が支配し
条件に基づいて試算を行う。
ていることから、海外企業が稼得した利益を配当
として受け取るのか当社の内部留保とするのかに
【試算の前提と結果】
ついての意思決定も投資者が支配しているのが通
・加算の対象は公的
(準)法人の純貸出 / 純借入とした。
例である。
一般政府の純貸出 / 純借入に加算することで、政府出
・ 国内の企業に関しては、数多くの株主が存在する
資法人からの再投資収益を反映した値を擬制する。但
ため、個々の投資家が当社の利益を配当として受
し、政府に満額の再投資収益が生じないと考えられる、
け取るのか内部留保とするのかについて(株主総
上場企業や公的法人の 100%出資企業を除いている。
会において会社提案に賛否の意思を表明したり、
なお、現段階では、非常に大まかな処理方法をとって
あるいは独自の提案を行うことはできるにせよ)
いるため、今回の試算結果については幅を持って評価
支配的に意思決定を行うことはできないのが通例
する必要がある。
である。
・このような前提に基づいて、2001 年度以降の一般政
ところで、政府と公的
(準)
法人の関係を考えると、影
府の純貸出 / 純借入を試算すると、図表8のとおりで
響力という観点からは国内の企業と株主の関係よりも直
ある。元々の計数では、図表6で整理した公的
(準)法
接投資先の海外企業
(海外子会社)
(親会社)の関
と投資者
人から一般政府に対する例外的な支払いは、一般政府
係に近いものと考えられる。この点に注目して TFHPA
の純貸出 / 純借入をプラス方向に、公的(準)法人の純
では、公的
(準)法人に関しても再投資収益を認識すべき
貸出 / 純借入を同額マイナス方向に変動させている。
かについて検討を進めた。もっともこの考え方について
再投資収益を認識することによりこれが相殺されるこ
は TFHPA 内でも賛否両論があったことから(詳細につ
とから、変動幅は全期間を通じて緩やかなものとなっ
いては TFHPA [2006] 参照)
、最終的には継続検討という
ている。このほか、加算対象となる公的
(準)
法人の純
12
2008SNA は次のとおり記している(下線部は筆者)。
Annex 4. Research Agenda
C. The concept of income
5. Reinvested earnings
A4.28 The SNA recommends that the retained earnings of a foreign direct investment enterprise should be treated as if they were distributed to foreign
direct investors in proportion to their ownership of the equity of the enterprise. These earnings are then reinvested by those owners as additions to
equity in the financial account. This amount is in addition to any actual distributions made out of the distributable income. This approach is also
adopted for the earnings of investment funds.
A4.29 It has been proposed that this treatment could be extended to other types of unit, particularly public corporations. If the attribution of retained
earnings to the owners of corporations were adopted, it would mean that dividends would be replaced by reinvested earnings in the allocation of
primary income account and this total less dividends actually paid would be shown as additions to (or in some case withdrawals from) equity in the
financial account. This would mean that distribution of earnings from corporations was measured on a strict accrual basis but would also mean that
the saving of corporations would always be zero. Such a change would have serious implications for interpretation of the accounts since it would be
built on a different paradigm from the current treatment of dividends and corporate saving.
- 69 -
貸出 / 純借入の動きを反映して、2000 年代前半はプラ
表7から大きく乖離することはない。換言すれば、本
ス方向に、2008 年度以降はマイナス方向に改定され
論で整理した今次見直しを実施していれば、再投資収
る結果となっている。
益アプローチを追加的に適用しても一般政府の純貸出
/ 純借入は大きく変化しないものと思われる。
・以上のとおり、総じて言えば、図表8のイメージは図
図表8 一般政府の純貸出 / 純借入(再投資収益を調整)
(兆円)
0
▲ 10
▲ 20
▲ 30
▲ 40
純貸出/純借入(現在の公表値)
▲ 50
▲ 60
純貸出/純借入(再投資収益調整後)
2001
2002
2003
2004
2005
- 70 -
2006
2007
2008
2009
会計>では各基金の決算書や事業年報が基礎資料となる
参考資料1:一般政府による移転取引に関する
推計作業等の概要
が、計上の考え方は同様である)。推計担当者により、
移転取引を含む全ての計上項目について、経常移転、資
本移転、補助金、中間消費など SNA 体系に沿った支出
1.推計の考え方
に振り分けが行われる。判断の基準となるものは「計上
一般政府の推計作業は基本的に、決算書の(目)単位
での計上額の振り分け、積上げによる(地方政府では地
項目の名称及び概要」、「具体的な使途」、「支出先」など
である。
方財政統計が基礎資料となり、社会保障基金<除く特別
計上対象
(以下の条件を満たすもの)
2008SNAの記述(抄)
資本移転
8.38 移転には、経常移転と資本移転とがある。両者を区別するた ・ 支払側の資産または貯蓄か
めには、資本移転の特殊な性格に集中するのがよいであろう。資
ら賄われる移転
本移転は、金融または非金融の資産の取得または処分とリンクさ ・ 受取側の総資本形成やその
れた移転である。
他の資本蓄積あるいは長期
10.19 資本移転は、移転を行なう方の当事者が
(現金または在庫以
的な支出の資金源泉となる
外の)資産の処分や、
(受取債権以外の)金融債権を手放すことによ ・ 当事者の投資や資産に影響
ってその資金を得るか、または移転を受け取る方の当事者が
(現金
を及ぼす
以外の)資産を取得することになるか、またはその双方の条件が満
たされるような反対給付のない移転である。資本移転は、しばし
ば規模が大きく、また不定期であるが、この2つのいずれも、
移転が
経常取引ではなく資本移転であると考えられる必要条件にはなら
ない。もし、移転を経常として扱うか、資本として扱うかが明確で
ないなら、経常として記録すべきである。
具体例
政府の民間企業に対
す る 資 本 補 助 金( 私
鉄の新線建設費に対
する資金交付など)
経常移転
8.39 経常移転は、資本移転ではないすべての移転からなる。それ ・ 支払側の資産や貯蓄ではな 地方公立学校に対す
らは可処分所得の水準に直接影響し、財またはサービスの消費に
く経常的な収入の中から充 る授業費補助のため
影響するはずである。実際には、経常移転は相対的に少額で、
しば
の資金交付
てられる
しば頻繁にまた定期的になされる傾向があるのに対し、資本移転 ・ 受取側の投資の源泉となら
は高額で、まれにまた不定期的になされる傾向がある。しかしな
ない
がら、大きさ、頻度および規則性は、資本移転と経常移転とを区別
する手助けとはなるが、これらは、2種類の移転を定義するのに十
分な判断基準を与えていない。
10.201 経常移転は、第1の当事者の所得と消費可能性を減少させ、第
2の当事者の所得と消費可能性を増加させる。そのため、
経常移転
取引の一方または双方の当事者による、
資産の取得ないし処分
は、
と結びついたり、資産の取得ないし処分を条件づけられたりする
ものではない。
補助金
(政府最終消費支出)
中間消費
7.98 補助金は、非居住者政府単位を含む政府単位が、企業に対して ・ 最終消費者ではなく、企業 利子補給金の交付を
その生産活動の水準、または企業の生産、販売、または輸入する財
通じた利子低下のた
に対して支払われる
またはサービスの数量や価額を基礎に与える、反対給付のない経 ・ 財・サービスの市場価格を めの資金交付
常支払いである。
低下させると考えられる
7.99 補助金は最終消費者には支払われない。政府が消費者として
の家計に対して直接に行なう経常支払いは、社会給付として取り
扱われる。補助金はまた、企業の資本形成に資金を供給するため、
または企業の固定資産に対する損害を補償するために政府が行な
う交付金は含まない。そのような交付金は資本移転として取り扱
われる。
6.213 中間消費は、生産過程により投入として消費される財・サー ・ 生産の過程で原材料、熱燃 委託を通じた政策実
料、間接費等として投入さ 施のための資金交付
ビスの価額からなる。ただし、その消費が固定資本減耗として記
れた非耐久財及びサービス
録される固定資産を除く。財・サービスは、生産過程によって変
(いわゆる行政経費)
形されるか、あるいは、まったく使い尽される。
- 71 -
基礎資料が出揃った 11 月の中旬以降となり、かつ同時
2.主な基礎資料と作業スケジュール
に QE の推計作業を行うこととなる。確報公表までの限
主な基礎資料と関連作業のスケジュールは以下のとお
られた期間で作業を進めており、各取引の属性の確認の
りである。実際に一般政府の移転取引を推計できるのは、 ために費やすことのできる時間はかなり限られている。
主な基礎資料
作業スケジュール
7月前半 ・上場企業等決算書
後半
(4-6月期1次QE作業)
8月前半 ・社会保障基金事業年報
(前々年)
(4-6月期1次QE作業)
後半 ・地方財政統計
(前々年)
(4-6月期2次QE作業)
【前々年度値の集計作業開始】
9月前半
(4-6月期2次QE作業)
後半
10月前半 ・独立行政法人等決算書
・他部門からの推計値
(前々年)
後半 ・社会保障基金等決算書
(7-9月期1次QE作業)
11月前半 ・他部門からの推計値
(前年)
(7-9月期1次QE作業)
【前年度値の集計作業開始】
後半
(7-9月期2次QE作業)
12月前半
(7-9月期2次QE作業)
発表
(1)】
【確報発表作業、付表作成、
後半
・財政収支
・社会保障給付、負担等
1月
【確報発表作業 付表作成、発表(2)】
・財政収支
<Government Finance Statistics>
・機能別支出、
機能別最終消費支出
・会計別明細
注 1:主な基礎統計には、確報関連の基礎統計を記載。
注 2:( )は QE 関連作業、【 】は確報関連の作業を示す。
注 3:確報作業は、前年度の確定値化や他部門との推計値の共有作業、基礎資料の入手等を含め、7 月以降継続的
に実施している。
- 72 -
‫ޣ‬ᯏኒᕈ 2 ᖱႎ‫ޤ‬
を出資して同額の同社株式を取得し、同時に、同社株式
ෳ⠨⾗ᢱ㧞㧦ᣣᧄㇷ᡽౏␠߆ࠄᣣᧄㇷ᡽ᩣᑼળ␠߳ߩ⒖ⴕߣ࿖᳃⚻ᷣ⸘▚ߦ߅ߌࠆ⸥㍳
を中央政府に無償で譲渡した。
参考資料2:日本郵政公社から日本郵政株式会
この取引により中央政府の保有する「株式・出資金」
社への移行と国民経済計算における記録
は 1.3 兆円から 7.7 兆円と 6.4 兆円増加することとなり、
ᐕ ᦬ ᣣ‫ޔ‬ᣣᧄㇷ᡽౏␠ߪᣣᧄㇷ᡽ᩣᑼળ␠߳ߣ⒖ⴕߒߚ‫ࠅࠃޕ‬ᱜ⏕ߦߪ‫ޔ‬ᣣᧄ
2007 年 10 月 1 日、日本郵政公社は日本郵政株式会社
純貸出 / 純借入(資金過不足)を同額プラス方向に押し
へと移行した。より正確には、日本郵政公社(中央政府
上げることとなった 13。ところで、2007 年 9 月 30 日時
ㇷ᡽౏␠㧔ਛᄩ᡽ᐭߦࠃࠆ಴⾗㗵ߪ ళ౞㧕ߪ ᦬ ᣣߩ⸃ᢔߦ㓙ߒ‫ࠇߘޔ‬એ೨ࠃࠅ᳃
༡ൻ߳ะߌߚḰ஻ળ␠ߣߒߡሽ࿷ߒߡ޿ߚᣣᧄㇷ᡽ᩣᑼળ␠߳⽷↥㧔⚐⾗↥ࡌ࡯ࠬߢ による出資額は 1.3 兆円)は 10 月 1 日の解散に際し、
点の日本郵政公社の「株式・出資金」(負債)は 1.3 兆
ళ౞㧕ࠍ಴⾗ߒߡห㗵ߩห␠ᩣᑼࠍขᓧߒ‫ޔ‬หᤨߦ‫ޔ‬ห␠ᩣᑼࠍਛᄩ᡽ᐭߦήఘߢ⼑ᷰߒ
それ以前より民営化へ向けた準備会社として存在してい
円であるが、剰余金等を含めればその公正価値は 7.7 兆
た日本郵政株式会社へ財産(純資産ベースで
7.7 兆円)
ߚ‫ޕ‬
円相当であったと考えられる。今回の見直しに伴い、中
ෳ⠨⾗ᢱ䋲䇭࿑⴫䋱䇭ᣣᧄㇷ᡽౏␠䉕Ꮌ䉎ขᒁ䋨䉟䊜䊷䉳䋩
参考資料2 図表1 日本郵政公社を巡る取引(イメージ)
䌛㪉㪇㪇㪎ᐕ㪐᦬㪊㪇ᣣ䌝
ᣣᧄㇷ᡽ᩣᑼળ␠
ᣣᧄㇷ᡽౏␠
ਛᄩ᡽ᐭ
⽶ௌ
⾗↥
㪁㩷ᱜ⏕䈮䈲಴⾗㊄䈏㪇㪅㪊ళ౞ሽ࿷䈚䈢䈏
䈖䈖䈪䈲⼏⺰䈱◲⇛ൻ䈱䈢䉄㕖⴫␜䇯
ᩣᑼ䊶಴⾗㊄
㪈㪅㪊ళ౞
೾૛㊄╬
㪍㪅㪋ళ౞
ᩣᑼ䊶಴⾗㊄
㪈㪅㪊ళ౞
㪁㩷೾૛㊄╬䈱ౝ⸶
䇭䇭೑⋉೾૛㊄䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭㪌㪅㪇ళ౞
䇭䇭䈠䈱ઁ᦭ଔ⸽೛⹏ଔᏅ㗵㊄㩷㪈㪅㪋ళ౞
䌛㪉㪇㪇㪎ᐕ㪈㪇᦬㪈ᣣ㽲䌝
ᣣᧄㇷ᡽ᩣᑼળ␠
ᣣᧄㇷ᡽౏␠
ਛᄩ᡽ᐭ
⽶ௌ
ᩣᑼ䊶಴⾗㊄
㪎㪅㪎ళ౞
⾗↥
ᩣᑼ䊶಴⾗㊄ ᩣᑼ䊶಴⾗㊄
㪎㪅㪎ళ౞
㪈㪅㪊ళ౞
ᩣᑼ䊶಴⾗㊄
㪈㪅㪊ళ౞
㪁㩷ᣣᧄㇷ᡽ᩣᑼળ␠䈮⾗↥䊶⽶ௌ䉕⒖
ォ䇯
䌛㪉㪇㪇㪎ᐕ㪈㪇᦬㪈ᣣ㽳䌝䇭㽲䈮⛯䈇䈩㽳䈏ታᣉ䈘䉏䈢䇯
ᣣᧄㇷ᡽ᩣᑼળ␠
ਛᄩ᡽ᐭ
ᣣᧄㇷ᡽౏␠䈲⸃ᢔ
ᩣᑼ䊶಴⾗㊄
㪎㪅㪎ళ౞
ᩣᑼ䊶಴⾗㊄
㪎㪅㪎ళ౞
㪁㩷ਛᄩ᡽ᐭ䈱ᩣᑼ䍃಴⾗㊄䈲㪈㪅㪊㸢㪎㪅㪎ళ
౞䈻䈫㪍㪅㪋ళ౞Ⴧട䇯
ߎߩขᒁߦࠃࠅਛᄩ᡽ᐭߩ଻᦭ߔࠆ‫ޟ‬ᩣᑼ࡮಴⾗㊄‫ ߪޠ‬ళ౞߆ࠄ ళ౞ߣ ళ
13
正確には、これは金融面のフローに関する説明である。実物面において
+6.4 兆円のフローを認識するためには、金融機関(日本郵政公
౞Ⴧടߔࠆߎߣߣߥࠅ‫⾉⚐ޔ‬಴⚐୫౉㧔⾗㊄ㆊਇ⿷㧕ࠍห㗵ࡊ࡜ࠬᣇะߦ᛼ߒ਄ߍࠆߎߣ
社)から一般政府への移転取引等を記録する必要があるが、実際はこのような処理は行われていない。すなわち、実物面ではこの取引
㧔⽶ௌ㧕ߪ
ߣߥߞߚ‫ ޔߢࠈߎߣޕ‬ᐕ ᦬ ᣣᤨὐߩᣣᧄㇷ᡽౏␠ߩ‫ޟ‬ᩣᑼ࡮಴⾗㊄‫ޠ‬
は記録されておらず、金融面と齟齬を来している。今回の見直しに伴い、そうした齟齬も解消することとなる。
なお、図表6に示した「郵政公社⇒一般会計 約 1 兆円」は、日本郵政公社法第 37 条等の定めにより、2007 年 7 月 10 日に国庫に納
付されたものであり、これに関しては実物面と金融面の取扱いは整合的である。また、実際に金融面のストックを推計する際には、日
ᱜ⏕ߦߪ‫ߪࠇߎޔ‬㊄Ⲣ㕙ߩࡈࡠ࡯ߦ㑐ߔࠆ⺑᣿ߢ޽ࠆ‫ޕ‬ታ‛㕙ߦ߅޿ߡ
ళ౞ߩࡈࡠ࡯ࠍ⹺⼂ߔࠆߚ߼ߦߪ‫ޔ‬㊄Ⲣ
7.7 兆円」について類似業種比準方式等により公正価値に変換する処理を行っているが、参考資料2
本郵政株式会社の「株式・出資金
ᯏ㑐㧔ᣣᧄㇷ᡽౏␠㧕߆ࠄ৻⥸᡽ᐭ߳ߩ⒖ォขᒁ╬ࠍ⸥㍳ߔࠆᔅⷐ߇޽ࠆ߇‫ޔ‬ታ㓙ߪߎߩࠃ߁ߥಣℂߪⴕࠊࠇߡ޿ߥ޿‫ޕ‬
図表1においては議論の簡略化のためこの点を捨象している。
ߔߥࠊߜ‫ޔ‬ታ‛㕙ߢߪߎߩขᒁߪ⸥㍳ߐࠇߡ߅ࠄߕ‫ޔ‬㊄Ⲣ㕙ߣ㥿㦉ࠍ᧪ߒߡ޿ࠆ‫੹ޕ‬࿁ߩ⷗⋥ߒߦ઻޿‫ߚߒ߁ߘޔ‬㥿㦉
- 73 -
18
なお、(再投資収益を認識しない)2008SNA に準拠す
央政府が日本郵政公社に対して保有する持分は、額面の
1.3 兆円ではなく 7.7 兆円として記録される。これにより、
る場合、6.4 兆円は調整勘定に記録されることとなり、
一連の取引により中央政府の純貸出 / 純借入(資金過不
長期においても中央政府の純貸出 / 純借入に影響を与え
足)が変動することも解消される。この事例は、公正価
ることはない。一方、補論1において整理したように再
値による持分の把握が政府の経済活動の実態を適切に描
投資収益を認識する場合は、6.4 兆円の大半は毎年の純
写するうえでも重要であることを端的に表した事例と思
貸出 / 純借入を余剰方向に少しずつ押し上げる方向で記
われる。
録されるものと考えられる 14。
14
正確には、毎年度の剰余金は再投資収益を通じて純貸出 / 純借入を余剰方向に押し上げる方向に作用する。これに対して、日本郵政株
式会社への現物出資の前提として不動産等の再評価を行うような場合、これに係る部分は調整勘定に記録される。
- 74 -
‫ޣ‬ᯏኒᕈ 2 ᖱႎ‫ޤ‬
付表1:中央政府出資法人の出資金・剰余金等
ઃ⴫䋱䋺ਛᄩ᡽ᐭ಴⾗ᴺੱ䈱಴⾗㊄䊶೾૛㊄╬
න૏䋺㪈㪇ం౞
಴⾗㊄
䋨⃻ⴕၮḰ䋩
ว⸘
౏⊛㊄Ⲣᯏ㑐
ㇷଢ⾂㊄䊶◲ᤃ↢๮଻㒾▤ℂᯏ᭴
ᴒ✽ᝄ⥝㐿⊒㊄Ⲣ౏ᐶ
૑ቛ㊄Ⲣᡰេᯏ᭴
࿾ᣇ౏౒࿅૕㊄Ⲣᯏ᭴
೾૛㊄╬
಴⾗㊄
䋨⷗⋥䈚ᓟ䋩
㪈㪏㪃㪏㪍㪊㪅㪇
㪍㪃㪊㪇㪌㪅㪉
㪉㪌㪃㪈㪍㪏㪅㪉
㪈㪍㪃㪋㪌㪋㪅㪋
㪊㪃㪈㪉㪌㪅㪇
㪈㪐㪃㪌㪎㪐㪅㪋
㪎㪅㪇
㪊㪊㪅㪎
㪋㪇㪅㪎
㪍㪌㪅㪊
㪈㪅㪎
㪍㪎㪅㪇
㪏㪇㪈㪅㪏
㪄㪍㪍㪉㪅㪋
㪈㪊㪐㪅㪋
㪈㪍㪅㪍
㪋㪋㪅㪇
㪍㪇㪅㪍
ᣣᧄቇ↢ᡰេᯏ᭴
㪇㪅㪈
㪌㪌㪅㪎
㪌㪌㪅㪏
㋕㆏ᑪ⸳䊶ㆇャᣉ⸳ᢛ஻ᡰេᯏ᭴䋨ഥᚑൊቯ䋩
㪇㪅㪈
㪈㪍㪎㪅㪐
㪈㪍㪏㪅㪇
⑔␩ක≮ᯏ᭴
㪉㪃㪍㪏㪌㪅㪊
㪍㪅㪏
㪉㪃㪍㪐㪉㪅㪈
ᣣᧄ㜞ㅦ㆏〝଻᦭䊶ௌോ㄰ᷣᯏ᭴
㪋㪃㪐㪏㪊㪅㪍
㪉㪃㪍㪈㪐㪅㪏
㪎㪃㪍㪇㪊㪅㪊
㪍㪇㪅㪇
㪍㪅㪏
㪍㪍㪅㪏
㗍㊄଻㒾ᯏ᭴
㪌㪅㪉
㪍㪋㪉㪅㪎
㪍㪋㪎㪅㪐
ㄘ᳓↥ᬺදห⚵ว⾂㊄଻㒾ᯏ᭴
㪇㪅㪈
㪇㪅㪇
㪇㪅㪈
ᄶ⟤⟲ፉᝄ⥝㐿⊒ၮ㊄
㪏㪅㪋
㪄㪌㪅㪈
㪊㪅㪊
㪌㪍㪅㪊
㪇㪅㪎
㪌㪎㪅㪇
ᣣᧄ⑳┙ቇᩞᝄ⥝䍃౒ᷣ੐ᬺ࿅䋨ഥᚑൊቯ䋩
ㄘᨋṪᬺା↪ၮ㊄䋨ᨋᬺା↪଻⸽ൊቯ䋩
ㄘᨋṪᬺା↪ၮ㊄䋨ㄘᬺἴኂ⵬ఘ㑐ଥൊቯ䋩
㪊㪅㪏
㪈㪅㪊
㪌㪅㪈
ㄘᨋṪᬺା↪ၮ㊄䋨Ṫᬺἴኂ⵬ఘ㑐ଥൊቯ䋩
㪋㪅㪊
㪇㪅㪈
㪋㪅㪋
㪎㪃㪌㪈㪏㪅㪉
㪎㪎㪐㪅㪉
㪏㪃㪉㪐㪎㪅㪊
࿖㓙දജᯏ᭴䋨᦭ఘ⾗㊄දജൊቯ䋩
ਛዊડᬺၮ⋚ᢛ஻ᯏ᭴㩿ୟ↥㒐ᱛ౒ᷣൊቯ㪀
㪋㪎㪅㪋
㪄㪇㪅㪈
㪋㪎㪅㪋
ਛዊડᬺၮ⋚ᢛ஻ᯏ᭴䋨↥ᬺၮ⋚ᢛ஻ൊቯ䊶಴⾗ᛚ⛮ൊቯ䋩
㪌㪋㪅㪈
㪈㪅㪌
㪌㪌㪅㪍
ਛዊડᬺၮ⋚ᢛ஻ᯏ᭴㩿ዊⷙᮨડᬺ౒ᷣ㪀
㪈㪌㪅㪌
㪄㪎㪍㪇㪅㪉
㪄㪎㪋㪋㪅㪎
㪇㪅㪇
㪈㪎㪎㪅㪎
㪈㪎㪎㪅㪎
㪌㪐㪅㪐
㪈㪉㪅㪐
㪎㪉㪅㪏
ᣣᧄ⾏ᤃ଻㒾䋨⁛┙ⴕ᡽ᴺੱ䋩
ㄘᨋṪᬺା↪ၮ㊄䋨ㄘᬺା↪଻㒾ൊቯ䋩
ㄘᨋṪᬺା↪ၮ㊄䋨Ṫᬺା↪଻㒾ൊቯ䋩
౏⊛㕖㊄Ⲣᴺੱડᬺ
ਛዊડᬺၮ⋚ᢛ஻ᯏ᭴䋪
ᣣᧄਛᄩ┹㚍ળ
ㇺᏒౣ↢ᯏ᭴
ㅧᐊዪ
㪍㪈㪅㪌
㪇㪅㪊
㪍㪈㪅㪏
㪉㪃㪋㪇㪏㪅㪎
㪊㪃㪈㪏㪇㪅㪉
㪌㪃㪌㪏㪏㪅㪏
㪇㪅㪇
㪄㪋㪅㪏
㪄㪋㪅㪏
㪋㪅㪐
㪈㪃㪇㪎㪈㪅㪋
㪈㪃㪇㪎㪍㪅㪊
㪐㪐㪎㪅㪇
㪄㪊㪉㪇㪅㪍
㪍㪎㪍㪅㪋
㪍㪍㪅㪐
㪈㪈㪅㪇
㪎㪎㪅㪐
࿖┙ශ೚ዪ
㪊㪇㪇㪅㪏
㪋㪇㪅㪏
㪊㪋㪈㪅㪍
ᣣᧄ䍛䍬䍽䍎䍠ᝄ⥝䍜䍻䍞䍎
㪉㪉㪍㪅㪍
㪄㪇㪅㪎
㪉㪉㪌㪅㪐
㪍㪍㪅㪎
㪉㪃㪇㪍㪌㪅㪊
㪉㪃㪈㪊㪉㪅㪇
㋕㆏ᑪ⸳䊶ㆇャᣉ⸳ᢛ஻ᡰេᯏ᭴䋨ഥᚑൊቯએᄖ䋩
ഭ௛⠪ஜᐽ⑔␩ᯏ᭴
㪈㪋㪏㪅㪊
㪊㪅㪎
㪈㪌㪉㪅㪇
࿖┙∛㒮ᯏ᭴
㪈㪐㪌㪅㪍
㪉㪈㪎㪅㪉
㪋㪈㪉㪅㪏
㪈㪈㪅㪍
㪈㪅㪇
㪈㪉㪅㪌
࿖┙ᄢቇ⽷ോ䍃⚻༡䉶䊮䉺䊷
㪐㪅㪍
㪊㪉㪅㪍
㪋㪉㪅㪊
ක⮎ຠක≮ᯏེ✚วᯏ᭴
㪈㪅㪉
㪏㪅㪋
㪐㪅㪍
㪉㪌㪌㪅㪎
㪉㪇㪅㪎
㪉㪎㪍㪅㪊
ⓨ᷼๟ㄝᢛ஻ᯏ᭴
㪇㪅㪋
㪇㪅㪍
㪈㪅㪇
ᶏ਄ἴኂ㒐ᱛ䉶䊮䉺䊷
㪇㪅㪊
㪊㪅㪊
㪊㪅㪍
㪈㪅㪊
㪈㪇㪅㪍
㪈㪈㪅㪐
㪈㪉㪉㪅㪇
㪈㪐㪅㪍
㪈㪋㪈㪅㪌
ᄢቇ౉⹜䉶䊮䉺䊷
⍹ᴤᄤὼ䉧䉴䊶㊄ዻ㋶‛⾗Ḯᯏ᭴
ᣣᧄਅ᳓㆏੐ᬺ࿅
ᣣᧄਁ࿖ඳⷩળ⸥ᔨᯏ᭴
䋪ᣉ⸳ᢛ஻╬ൊቯ䊶Ꮏᬺౣ㈩⟎╬ᬺോ․೎ൊቯ䊶↥὇࿾ၞ⚻ㆊᬺോ․೎ൊቯ
಴ᚲ䋺䇸᡽ᐭ಴⾗ᴺੱ৻ⷩ䇹䋨⽷ോ⋭䋩䈾䈎
- 75 -
20
‫ޣ‬ᯏኒᕈ 2 ᖱႎ‫ޤ‬
ઃ⴫㧞㧦ਛᄩ᡽ᐭ߇଻᦭ߔࠆḰᴺੱߩ೾૛㊄╬
付表2:中央政府が保有する準法人の剰余金等
න૏䋺㪈㪇ం౞
㪈㪃㪉㪎㪊㪅㪈
㪈㪃㪉㪎㪇㪅㪐
Ꮕ㗵
䋨೾૛㊄╬䋩
㪉㪅㪉
ౣ଻㒾㊄ᡰᛄၮ㊄ൊቯ
㪉㪌㪅㪏
㪇㪅㪇
㪉㪌㪅㪏
౏⊛㊄Ⲣ
ㄘᬺൊቯ
㪎㪉㪅㪇
㪋㪅㪎
㪍㪎㪅㪉
౏⊛㊄Ⲣ
ኅ⇓ൊቯ
㪌㪈㪅㪊
㪈㪈㪅㪍
㪊㪐㪅㪎
౏⊛㊄Ⲣ
ᨐ᮸ൊቯ
㪋㪅㪇
㪊㪈㪅㪊
㪄㪉㪎㪅㪊
౏⊛㊄Ⲣ
㪈㪏㪅㪏
㪈㪅㪊
㪈㪎㪅㪌
౏⊛㊄Ⲣ
㪇㪅㪇
㪈㪅㪋
㪄㪈㪅㪋
౏⊛㊄Ⲣ
㪉㪋㪅㪐
㪎㪅㪌
㪈㪎㪅㪊
౏⊛㊄Ⲣ
Ṫ⦁᥉ㅢ଻㒾ൊቯ
㪈㪈㪅㪇
㪇㪅㪇
㪈㪈㪅㪇
౏⊛㊄Ⲣ
Ṫ⦁․ᱶ଻㒾ൊቯ
㪋㪅㪊
㪇㪅㪇
㪋㪅㪊
౏⊛㊄Ⲣ
Ṫ⦁ਸ਼⚵ຬ⛎ਈ଻㒾ൊቯ
㪈㪅㪊
㪇㪅㪇
㪈㪅㪊
౏⊛㊄Ⲣ
Ṫ⦁౒ᷣ଻㒾ൊቯ
㪇㪅㪉
㪉㪐㪅㪉
㪄㪉㪐㪅㪇
౏⊛㊄Ⲣ
⾗↥
࿾㔡ౣ଻㒾․೎ળ⸘
⽶ௌ
඙ಽ
౏⊛㊄Ⲣ
ㄘᬺ౒ᷣౣ଻㒾․೎ળ⸘
࿦⧓ᣉ⸳ൊቯ
ᬺോൊቯ
᫪ᨋ଻㒾․೎ળ⸘
Ṫ⦁ౣ଻㒾෸䈶Ṫᬺ౒ᷣ଻㒾․೎ળ⸘
ᬺോൊቯ
㪇㪅㪇
㪇㪅㪍
㪄㪇㪅㪍
౏⊛㊄Ⲣ
㪈㪃㪈㪇㪋㪅㪍
㪌㪍㪍㪅㪏
㪌㪊㪎㪅㪏
౏⊛㊄Ⲣ
㪊㪃㪊㪈㪉㪅㪌
㪈㪃㪈㪍㪐㪅㪎
㪉㪃㪈㪋㪉㪅㪏 ౏⊛㕖㊄Ⲣ
㪊㪎㪐㪅㪎
㪉㪈㪎㪅㪎
㪈㪍㪉㪅㪇 ౏⊛㕖㊄Ⲣ
㤈▤ℂൊቯ
㪊㪍㪅㪇
㪊㪋㪏㪅㪎
㪄㪊㪈㪉㪅㪎 ౏⊛㕖㊄Ⲣ
ᬺോൊቯ
㪈㪇㪅㪊
㪈㪇㪋㪅㪊
㪄㪐㪋㪅㪇 ౏⊛㕖㊄Ⲣ
଻㓚ൊቯ
㪈㪋㪎㪅㪋
㪍㪅㪏
㪈㪋㪇㪅㪍
౏⊛㊄Ⲣ
⥄േゞ੐᡿ኻ╷ൊቯ
㪈㪋㪇㪅㪎
㪊㪍㪅㪉
㪈㪇㪋㪅㪌
౏⊛㊄Ⲣ
⥄േゞᬌᩏ⊓㍳ൊቯ
㪎㪇㪈㪅㪌
㪇㪅㪇
㪈㪎㪏㪃㪍㪉㪇㪅㪈
㪈㪎㪊㪃㪌㪇㪎㪅㪈
㪌㪃㪈㪈㪊㪅㪇
౏⊛㊄Ⲣ
㪐㪃㪉㪇㪍㪅㪎
㪇㪅㪈
㪐㪃㪉㪇㪍㪅㪎
౏⊛㊄Ⲣ
㪈㪐㪌㪃㪈㪋㪍㪅㪊
㪈㪎㪎㪃㪊㪈㪍㪅㪈
㪈㪎㪃㪏㪊㪇㪅㪊
㪋㪃㪋㪊㪐㪅㪐
㪈㪃㪏㪋㪇㪅㪋
㪉㪃㪌㪐㪐㪅㪌
㪈㪐㪇㪃㪎㪇㪍㪅㪋
㪈㪎㪌㪃㪋㪎㪌㪅㪎
㪈㪌㪃㪉㪊㪇㪅㪏
⾏ᤃౣ଻㒾․೎ળ⸘
␠ળ⾗ᧄᢛ஻੐ᬺ․೎ળ⸘
ⓨ᷼ᢛ஻ൊቯ
࿖┙㜞ᐲක≮䉶䊮䉺䊷․೎ળ⸘
㘩ᢱ቟ቯଏ⛎․೎ળ⸘
⥄േゞ቟ో․೎ળ⸘
㪎㪇㪈㪅㪌 ౏⊛㕖㊄Ⲣ
⽷᡽ᛩⲢ⾗․೎ળ⸘
⽷᡽Ⲣ⾗⾗㊄ൊቯ
ᛩ⾗ൊቯ
౏⊛ડᬺ
౏⊛㕖㊄Ⲣᴺੱ
౏⊛㊄Ⲣᴺੱ
಴ᚲ䋺䇸ᐔᚑ㪉㪈ᐕᐲ․೎ળ⸘⽷ോᦠ㘃䇹䋨⽷ോ⋭䋩
21
- 76 -
【参考文献】
統計委員会国民経済計算部会財政・金融専門委員会[2008a]
「第 1 回財政・金融専門委員会議事要旨」、2008 年 1 月
28 日
統計委員会国民経済計算部会財政・金融専門委員会[2008b]
「第 1 回財政・金融専門委員会議事録」、2008 年 1 月 28
日
統計委員会国民経済計算部会[2011a]「第 11 回国民経済計
算部会議事概要」、2011 年 3 月 3 日
統計委員会国民経済計算部会[2011b]
「国民経済計算部会(第
11 回)議事録」、2011 年 3 月 3 日
内閣府経済社会総合研究所[2007]
『SNA 推計手法解説書(平
成 19 年改訂版)』、2007 年 10 月 11 日
日本銀行調査統計局[2011a]
『資金循環統計の解説』、2011
年 10 月 17 日
日本銀行調査統計局[2011b]『資金循環統計の作成方法』
、
2011 年 10 月 17 日
European Commission, International Monetary Fund, Organisation
for Economic Co-operation and Development, United Nations
and World Bank[1993] "System of National Accounts 1993"
July 1993
European Commission, International Monetary Fund, Organisation
for Economic Co-operation and Development, United Nations
and World Bank[2009] "System of National Accounts 2008"
February 2009
Intersecretariat Working Group on National Accounts (ISWGNA)
[2007] "The Full Set of Consolidated Recommendations The
Recommendations Made by Advisory Expert Group for the
Update of the System of National Accounts, 1993" Statistical
Commission Thirty-eighth session 27 February-2 March 2007
Task Force on Harmonisation of Public Sector Accounting (TFHPA)
[2005] "Government Transactions with Public Corporations
(Earnings and Funding: Super Dividends, Capital Injections
and Reinvested Earnings)" SNA/M1.05/29 Meeting of the
Advisory Expert Group on National Accounts July 2005
Task Force on Harmonisation of Public Sector Accounting (TFHPA)
[2006] "Government Dividends and Capital Transactions with
Public Corporations in the Updated SNA" SNA/M1.06/16
Meeting of the Advisory Expert Group on National Accounts
February 2006
- 77 -