p2-3 - 神奈川県社会福祉協議会

﹁福祉のしごと﹂のやりがいや内容を
特集
もっとあなたに伝えたい
︱かながわ福祉人材センターが担う役割
年度に実施した調査によると、高齢者数が最も多くなるといわれる平成 ︵2025︶年度
厚労省が平成
までに必要な人材は237∼249万人。現在より、約100万人以上の人材が必要となります。また、この
2025年を待たずとも、すでに現状では、急激な少子高齢化や家庭機能の変化により、増加する福祉サービ
ア支援専門員は初期相談の重要性を
祉の仕事ミニセミナー﹂や、第一線
く、これらをテーマに開催する﹁福
を聞くことができる﹁福祉の仕事を
で活躍している施設職員から直接話
話します。
現在の福祉人材センターの求職登
録者数は711人、求人件数が11
ズに合わせた就労への相談を行って
就職活動に結びつけることを目指し
より具体的な情報提供の場をつく
ることで、就労への不安等を解消し、
知る懇談会﹂は毎回盛況です。
生かし、丁寧な応対を心掛けていま
います。また、本年度からは、より
ています。
のように、一人ひとりの状況やニー
す。相談者の背景は﹁異業種からの
多くの求職者の皆さんに求人情報を
00カ所︵本年7月末日現在︶
。下図
転職希望﹂
﹁漠然と福祉業界での就労
伝えられるように、県内複数カ所で
福祉人材センターで行う個別相談
では、相談員の経験・知識だけでな
を考えている﹂など、さまざまです。
﹁身近なしごと﹂としての
認識を
の出張相談等にも取り組みます。
の就職活動に大きく影響してくるこ
とも少なくありません。
を展開しており、福祉・介護の現場
からこそのやりがいがある﹂と、
﹁福
福祉人材センターでは、県・県教
育委員会との共催により、県内の高
﹁相談に来た方が﹃自分がどうした
福祉・介護業界では、資格がなく
いのか﹄について話していくうちに、
ても意欲や向上心の高い人が活躍で
で活躍している職員の方々から、仕
いただいています。
きっかけ、やりがい等についてお話
概念が大きく変わったという感想が
るだけでなく、これまで抱いていた
授業を受けた生徒からは﹁福祉は
校生を対象に﹁高校生出張介護授業﹂
人を幸せにする仕事﹂
﹁人にかかわる
きるように、就職後の研修体制を整
祉﹂という仕事を知るきっかけとな
考えや不安を整理できたり、福祉の
仕事に一層の関心を寄せることがで
事内容、福祉の仕事に興味を持った
にしっかりと対応することが大切で
す﹂と、個別相談を担当するキャリ
﹁無資格でも働けるか﹂﹁異業種か
らの転職は可能か﹂という相談は多
えるなど、門戸は広くなっています。
【図】福祉人材センター事業 相談から就労支援までの主な流れ
き た り し ま す。 こ の 相 談 の﹃ 入 口 ﹄
福祉・介護の仕事の
理解促進に向けて
状況に即したアドバイスが、その後
く、関係各所から得た多くの情報を
一人ひとりの 状 況 に
合わせた相談
スのニーズに十分対応できる福祉・介護人材が確保されているとはいえません。
︵以下、
﹁福祉人材センター﹂
︶で実施
そこで今回の特集では、本会の運営する﹁かながわ福祉人材センター﹂
している就労相談や﹁福祉のしごと﹂の内容を伝える取り組みを紹介します。
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2
第754号 福祉タイムズ 2014.9.15
24
※本紙11面では、福祉人材センター事業のご案内を掲載しています
多数寄せられています。
業務を数日間体験しました。
野で就労を希望する方と、法人や事
のしごとフェア﹂は、福祉・介護分
一層の連携が必要となっています。
業界の人材確保の課題解決に向けた
ざまな関係機関・団体と、福祉・介護
るかに超えており、最初は戸惑いま
ての特徴を生かし、本会会員を中心
業所が直接話をすることができる絶
思いと趣向を凝らした題材によって、
したが、職員に励まされながら、身
ブースを出展した法人の職員は、
法人・事業所の魅力や仕事のやりが
とする福祉施設・団体支援や、福祉
実際の業務は、Bさんが漠然とイ
メージしていた仕事の量や内容をは
福祉・介護の仕事を理解することに
体的なケアやコミュニケーションの
い等を伝えるために、
﹁法人の﹃らし
従事者向け研修の開催︻関連記事
この﹁高校生出張介護授業﹂は、
現場を知る方の﹁伝えたい﹂という
大きく役立っています。将来、進路
取り方等の奥深さを学びました。介
さ﹄とは何か﹂
﹁新しい職員を受け入
任のある仕事であることを実感する
の振り返りをした上で、話をするよ
れるだけの体制ができているか﹂等
支援する担当する部署が協働して、
面︼
、地域でのさまざまな福祉活動を
好の機会となっています。
や就労先を考えたとき、
﹁福祉﹂
﹁介
護の仕事に対する考えの甘さや、責
良い機会となったそうです。
﹁この業界で働きたい﹂と思えるよう
さらに、福祉人材センターを運営
する本会では、社会福祉協議会とし
護﹂の分野が選択肢の一つとして入
ってくることを期待しています。
うに心掛けていると言います。
ぶことができます。体験をしたから
いについて、職員の働きぶりから学
に取り組んでいますが、今後は、ハ
祉の仕事の正しい理解に向けた事業
福祉人材センターでは、福祉・介護
に特化した無料職業紹介事業と、福
の強化にも努めていきます。
従事者の資質向上に向けた取り組み
保や就労支援、職場への定着、福祉
発、環境・風土づくりなど、人材確
な取り組みや、受け入れ側の意識啓
大学生のAさんは、授業の一環で
特別養護老人ホームでの職場体験を
こそ得られる実感がその後の就職活
ローワークやナースセンター、保育士・
福祉・介護現場での体験は、命を
預かる仕事の大変さや尊さ、やりが
行いました。対人援助の心構えや丁
動に大いに役立てられています。
体験を通した 実 感 が 重 要
∼体験者の 声 か ら
寧なアドバイスを職員から受け、
﹁こ
10
︵福祉人材センター︶
介護の仕事は忙しく、介護現場で起こるさまざま
な現象に心を動かされ、従事者はさまざまな反応を
示します。冷静に判断できることもあれば、感情に
左右され優しくなったり、厳しくなったりしている
自分に気づくこともあります。福祉や介護の仕事を
希望する、あなたの今の気持ちは緊張し、笑顔を忘
れ、不安で一杯なのかもしれません。
戸惑うあなたに、アドバイスを一つ。知識や技術
は未熟でも、福祉や介護を志すあなたに必要なこと
は、いつも笑顔を絶やさないことです。あなたの笑
顔が心を落ち着かせ、安心感を与えてくれると思い
ます。人は笑顔があるところに集い、自分の居場所
を見つけることができるのではないでしょうか。
介護をはじめ対人援助サービスには、仲間や利用
者を見つめる温かいまなざしが必要です。受け入れ
られている、大切にされている、信頼されているとい
う実感を持てるような笑顔が何よりも大切です。
保育所支援センターをはじめ、さま
笑顔は専門職の条件
ういう職員がいる職場で働きたい﹂
峯尾 武巳
現場から
直接伝えるメッセージ
このように、福祉・介護の仕事が
就労先の一つとして選ばれるために
は、やりがいを持つことができ、魅
力ある仕事であることを伝えていか
なければなりません。
年3回程度、実施している﹁福祉
社会福祉学科教授
との思いが芽生えたそうです。進路
として福祉分野を選択し、教員の助
言を受けながら福祉施設での就職を
目指しています。
こうした学生たちを担当する教員
からは﹁数日間の経験でも、ご利用
者から﹃ありがとう﹄と言われたり、
職員の方から真剣に指導してもらっ
た経験がある学生は、福祉の仕事へ
の関心が自然と生まれてくるのでは
ないか﹂と、受け入れ先の指導体制
等の大切さを話す声も聞かれます。
また、異業種からの転職を希望し
ているBさんは、福祉人材センター
神奈川県立保健福祉大学
第754号 福祉タイムズ 2014.9.15
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で実施する﹁福祉・介護の職場体験﹂
を利用して、特別養護老人ホームの
7月に開催した「福祉のしごと
フェア」の各ブースには、多く
の参加者が集まり、職員の熱心
な説明に耳を傾けていました