11. コンピュータ編

XI.コンピュータ編
Wharton での生活で必要不可欠なのがコンピュータです。学校と生徒及び生徒間の電子メールでの情報のや
りとりはもちろんのこと、クラスノートや宿題を各科目のホームページからダウンロードしなければいけないケース
や Learning Team での課題の分担など、とにかくコンピュータがないと始まりません。学校内にも数百台のコンピ
ュータがありますが、混んでいたり自宅で夜遅くまで宿題にかかりっきりになることを考えれば、自前のコンピュー
タを持つことは必須でしょう。学生で自宅にコンピュータがない人は皆無だと思います。
インターネット接続は、DSL、ケーブル TV など、ブロードバンドでの常時接続が主流になりました。
1. コンピュータを買う
ここでは、こちらへ来て新たにコンピュータを購入する人を対象に話を進めますが、現在所有しているマシンで
大丈夫だろうかと考えている人にも参考になると思いますので、是非御一読下さい。
ア) PC or Mac?
アメリカでは通常 IBM 互換機を PC -Compatible あるいは PC と呼びます。所謂 Wintel マシンはすべて PCCompatible です。本章では以下 PC と称します。
10 年程前までは、Wharton にも Mac があったそうです(元 Apple の CEO の John Sculley は Wharton
MBA)。しかしながら、尐なくとも現状では、MAC で生きて行くのは大変です。Mac ユーザーの方には、どうしても
切り替えの負荷がかかってしまいますが、尐なくとも Wharton での勉学の間だけでも、環境に順応することを優
先したほうが良いと思われます。Wharton のコンピューティング環境は次のような状況です:
①
Wharton のマシンはすべて Windows ベースの PC。
②
学生の使っているマシンはほとんどが Windows XP。
③
学校指定のソフトに Mac 版が無い場合がある。学校は PC を前提にしています。
④
Penn 大全体では、図書館などに iMac を大量に置くなど、いまだに Mac を使用はしていますが、Wharton
では Mac はマイナーです。
イ) Desktop or Notebook?
これは個人の好みなので、何とも言えません。授業中のコンピュータの使用はほとんどありません。従って、ポ
ータビィティは特に求められません。また、学校には Meeting Room に各一台、Computer ルーム(Huntsman
Hall の地下 1 階(1部屋)と 3 階(2 部屋)の大ルーム)に多数の Desktop PC がありますので、メールのチェック
は随時可能となっています。従って、安価なデスクトップを購入して過ごす事も可能です。しかしながら、部屋で場
所をとらずまたチームミーティング等に持っていけるノートブック PC は何かと便利なのでノートブックを使用してい
る人は非常に多いです。Huntsman Hall をはじめとして、Campus 内の主要区域には、現在常時無線 LAN が使
用できるようになっていますので、この観点でもやはりノートブックは便利です。
ウ) 日本で買うかアメリカで買うか?
こちらに来た当初は日本と連絡をとることも多いと思います。日本からノート型を持ち込むと渡米直後から EMail が使えるので非常に便利です。また新規に或いは買換でアメリカで購入を考えている方で、日本語環境で使
いたい人は、日本語の OS(Windows2000/XP)やアプリケーションソフトを購入してくると良いでしょう。NY 等でも
購入できますが高いです)。英語環境の PC の日本語化については後述します。
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エ) どこで買うか、どれを買うか?
①
Penn Computer Connection (Penn Bookstore に併設のパソコンショップ)
IBM と Dell の標準モデルを推奨しております。若干、オーバースペック気味で値段も決して安くはありませんが、
Wharton のワイヤレス LAN 環境に追加機器なしで対応できるワイヤレスモデムも内蔵した機種で、使い心地も
抜群との購入者評です。郊外の家電量販に行けば全く同じ機種を若干安い価格(本当に僅かな差です)で購入で
きるというのも事実ですが、該当スペックが即座に入手でないケースもあるので、ここで購入するのが無難である
とも言えます。
(http://www.business-services.upenn.edu/computerstore/)
②
メーカー直販
今や日本でも有名になった DELL, Gateway はアメリカでは絶大な人気があります。長所としては、メーカー直
販なので一般メーカーと比べて低価格、最新の技術の導入が早いこと、カスタマイズが可能(予算や必要に応じ
て CPU、メモリ、HDD 等を変更できる。)があげられます。
短所は、店頭でデモをやっていないので商品を実際に見たり操作したり出来ないこと(特にモニタ)、商品がす
ぐに手に入りづらいこと(早くて1週間弱位。オーダーが殺到しているときは1カ月待ちなどの場合もあり得ます)。
注文はインターネットの Webpage から直接注文するのが一番簡単です。前述の Computer Shopper に載って
いる各メーカーの Sales Department に直接電話でオーダーすることもできます。注意したいのは、直販メーカー
は星の数ほどあることです。中には確かに安いが品質やサポート体制に問題があったりするところもあるので、詳
しい方以外は、メジャーなメーカーを御薦めします。主なところでは、

DELL
直販の草分け。最新技術を導入するのが早く、かつ高性能。

Gateway 2000
Dell よりも若干安く性能も遜色ない。

IBM
最近 DELL との値下げ競争で、以前より価格が落ちてきている。
これらのメーカーは、どこも Fax Back サービスや Homepage 等で値段の確認が簡単にできますので、まめ
にチェックするとよいでしょう。キャンペーン期間中は数百ドル単位で値下がりします。
③
通信販売
直販メーカーには抵抗があるという方には、通信販売で一般メーカーの商品を手に入れるという手段がありま
す。利点は、町のコンピュータショップで見て気に入った物を、恐らくそこよりは安く且つ Sales Tax なしで買えるこ
とです(もちろん他州から買った場合に限ります。送料は基本的に自己負担)。買う際には通販ショップが信用の
おけるところかどうかを見極めた上でオーダーしましょう。
④
インターネット通販
いろいろありますが、Yahoo! Shopping(http://shopping.yahoo.com/)で一番安い通販会社を検索するのが
手っ取り早いです。
オ) スペックは?
CPU 性能に関しては特に気にすることは無いと思います。Wharton では基本的に演算性能の高いコンピュ
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ータが必要になるような課題はありません。コアの授業では STAT や OPIM で用いるモンテカルロ・シミュレーショ
ンや統計ソフトの機能の一部で CPU 性能差が見えることがありますが、ほとんど気にならない程度です。ただし、
STAT や Math Modeling(OPIM)等の選択科目で統計ソフトをがりがり使う科目を取る可能性のある人は、最新
機種を買いなおされてもいいかもしれません。
一方、無線 LAN が広範囲で利用できるようになったため、ノート PC をお考えの方には無線 LAN 内蔵モデル
をおすすめします。また、ノート PC の場合は重量などの携帯性も重要なポイントです。
2. プリンタを買う
コンピュータを決めたら、次に必要なのがプリンタです。
ア) Laser or Inkjet?
Wharton では(というか B-School では)タイプして提出する課題がたくさんあります。また、web を介して配布
される大量の reading assignment やノートなどを印刷したいケースも多々あり、日々の印刷量はかなりのものに
なります。印刷スピードが速いという利点から、レーザープリンタを選択する方が多いようです。
イ) どこで買うか、どれを買うか?
前述のコンピュータ量販店で買うか、または通信販売で買うのがいいでしょう。機種としては、店頭で実際に印
刷されたものを見比べて Quality の高いもの、そして印刷スピードの速いものを選びましょう。それから忘れては
いけないのは、トナーが入手容易か、ということです。あまりマイナーな物を選ぶとトナー交換の際に大変困ります。
また、本体は安そうに見えても、トナーが異常に高価だったりしますので注意してください。こちらで売られている
代表的なメーカーとしては、Hewlett Packard が突出していますが、最近 EPSON、CANON もがんばっているよ
うです。
ウ) 日本語フォント
最近のプリンタは殆どの場合、日本語フォントをサポートしており、問題はないものと思われます。(しかしな
がら、念のため、あまりマイナーなメーカーのものは避けた方が良いのかも知れません。)
3. ソフトウェアを買う
ハードが揃ったら、今度はソフトを買いましょう。
ア) ワープロ、表計算
Wharton では、MS Word、Excel、PowerPoint が標準なので、Microsoft Office が必要です。また、日本と違
い、一般メーカーの場合 MS Office またはそのコンポーネントのプリインストールはありません(直販メーカーのパ
ソコンを買う場合はオプションでプリインストール可能)。購入する場合は、学校のコンピュータショップで安く買え
ます(アカデミックバージョン、ただし英語バージョンのみ)。
イ) インターネットブラウザ、電子メールソフト
ブラウザは、Internet Explorer が Windows XP に標準装備されているので、これで問題ありません。また、学
校のメール(全員にアドレスが渡される。)は、Microsoft Outlook Web Access を使った webmail で、世界中どこ
のコンピュータからでも、サイトにアクセスしてユーザー名とパスワードを入力するだけで、Outlook 環境でのメー
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ルのやり取りができます。もちろん、学校のメールアドレスを、PC にインストール済みの Outlook で使うことも可
能です。(詳しいやり方は、Wharton 生専用の website に記載あります。)
ウ) ウィルス対策ソフト
学生が多く、また通信量も膨大になりますので、必須といえます。こちらに来てから、格段に感染ファイル、メール
を受け取る頻度が上がったという声も聞きます。いろいろソフトはありますが、学校が推奨するのは Norton
Antivirus で、入学時に全学生にソフトを無料配布しています。Windows XP 同様、website からのダウンロードに
より随時機能を update することが可能なソフトで、小まめに更新さえしていれば、問題なくすべてのウィルスをシ
ャットアウトできます。
エ) その他
STAT や OPIM、MKTG 等で学校指定のソフトがいくつかあります。いずれも非常に秀逸なソフトで卒業後も
使いたくなるようなものばかりです。因みに STAT で使う JMP IN というソフトと日本語 Word との相性が余り良く
ないと言う症例が過去にはあったようですが、最新 version では解決されています。
4.日本語環境
こちらでパソコン を買う場合に気になるのが、英語版 Windows で日本語が扱えるかということです。
Windows2000/XP であれば、Control PanelRegional OptionsGeneral にて言語の入力設定ができ、日本
語の場合は、MS-IME 2000 が使用できます。従って、こちらでパソコンを購入しても、日本語環境で特に大きな
問題が起こることはありません。
因みに、Wharton にあるコンピュータでは、日本語の読みはできますが、日本語入力は対応できていません
(図書館のコンピュータでは、読み書き両方できます)。
他の手法としては、こちらで買ったパソコンのハードディスクをフォーマットして日本語 OS をインストールする
手もあります。不必要なプリインストールのソフトが消されて動作が快適になると言う効果もあります。ドライバーソ
フトについては、サポートしていないハードも多いので、自分でダウンロードして入手する必要がある場合もありま
す。
折角の英語環境を残したいという人には、System Commander 等の複数の OS を使い分けるソフトが便利で
す。複数のハードディスクに違う OS をインストールして、起動時に選択します。System Commander Deluxe(実
売価格はリベート込みで$40 程度)には、ハードディスクを分割する(パーティションを切る)ソフトもついており、こ
れにより一台のハードディスクを複数のドライブに分けて使うことが可能ですので、ハードディスクが一つでもマル
チ OS 環境が実現できます。
5.インターネット
Web を使っての課題・ノートの配布や email でやり取りする情報量が非常に大きいので、ブロードバンド接続
は必須です。2007 年の時点では、電話会社 Verizon の提供する DSL サービス、もしくはケーブルテレビ会社
Comcast のブロードバンド接続サービスを利用するのが主流です。
ア) Verizon
(www.verizon.com)
固定電話回線を用いた DSL サービス。DSL サービスのため、実効速度は電話局から自宅までの距離によって
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異なります。
イ) Comcast
(www.comcast.com)
ケーブルテレビの回線を利用したブロードバンドサービス。回線をアパートの住人で共有するため、共有人数によ
って実効速度は異なります。2007 年現在はケーブルテレビとあわせてこちらに加入している学生が多いように思
います。
6.Wharton 関連 Web サイト
以下、在学中に頻繁に利用するサイトです。
ア) Wharton’s Spike (http://spike.wharton.upenn.edu/)
Wharton のポータルサイトです。フィラデルフィアの天気予報、マーケット情報に始まり、Facebook、学校関
連のイベントの情報など日々の学生生活に必要な情報はこちらのサイトにて参照できます。一部の授業(一年目
の人気科目である F.Allen、Seigel’s Market Wraps など)ついてはこちらから過去の授業の模様をビデオにて閲
覧することも可能です。また、リンクにある Webmail から Web アクセスにてメールの閲覧ができます。
イ) Webcafe (http://webcafe.wharton.upenn.edu/)
各授業のシラバス、コースノート、宿題等の配布については基本的にこのサイトにて行います。
ウ) Penn Portal (http://medley.isc-seo.upenn.edu/penn_portal/view.php)
Penn 大のポータルサイトです。Penn In Touch にて、時間割、成績表なども確認できます。
7.その他
Wharton でのコンピュータライフで気が付いた諸々のことを最後に綴っておきます。

Excel を使う機会が非常に多い。ワープロは使えるけど、スプレッドシートはあまり詳しくないという人は日本
からガイドブックを買ってくることを強くお薦めします。ただし、特定の Elective を除き、VBA まで使うことはあ
りません。

PowerPoint は必須です。必修科目である Communications のクラスでは PowerPoint でのプレゼンテーシ
ョン作成の課題がありますし、教授からオンラインで配布される資料が PowerPoint であることも多々ありま
す。

Wharton のメールサーバーは日本語が通ります。従って、日本語環境であれば別途日本語用にアカウント
を取得する必要はありません。日本や旅先からでもインターネット(Spike)経由で学校のアカウントに Web
にてアクセスできますので、サマージョブ等でフィラデルフィアを離れる場合も安心です。

また Web Server には 150MB ほどの個人スペースがありますので、個人用 Web Site も比較的余裕を持っ
て運営できます。またメーリングリストもほぼ自由に開設できます。

ウィルスソフトの提供、PC の設定などこまごましたことは、Huntsman Hall の地下の Wharton Computer
Consulting にて対応してもらえますので、困ったらお気軽に訪れになることをお勧めします。
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