報 告 編 特 集 ・ 消火栓利用型市民消火隊員育成講習会の実施 ・ ICT(情報通信技術)を活用した 「救急医療支援システム」実証実験の実施 ・ 消防団 120 年・自治体消防65周年記念大会 ・ 消防団に救助資機材搭載型の車両を配置 ・ よこすか消防一年の動き ‐1- 『消火栓利用型市民消火隊員育成講習会の実施』 震災発生時などにおいて、同時多発する火災による被害の軽減を図ることを目的に、自主防災組 織を中心とした地域住民が、市内の消火栓を使用し、初期消火または延焼防止活動を行ってもらう ため、消火栓利用型市民消火隊制度を発足させ、平成 25 年度から運用を開始しました。 平成 25 年7月6日には、消火栓利用型市民消火隊の編成要件となります、「育成講習会」を実施 して、184 名の市民消火隊員を認定しました。 市民消火隊員育成講習会 市民消火隊消火資器材 『ICT(情報通信技術)を活用した 「救急医療支援システム」実証実験の実施』 救急車にカメラやタブレット端末を装備し、救急車内の映像や救急車の位置情報などリアルタイ ムな情報を共有できるシステムを(株)横須賀テレコムリサーチパークYRPユビキタス・ネット ワーキング研究所が開発し、市内3医療機関(横須賀市立うわまち病院、横須賀市立市民病院、横 須賀共済病院)の協力のもと、実用化に向けた実証実験を平成 25 年 10 月1日から平成 26 年3月 31 日まで実施しました。 このシステムを活用することにより、救急隊と医療機関の医師がリアルタイムな情報を共有し、 傷病者のより正確な情報共有を図ることで、医療機関との連携強化を図るとともに、救命効果の向 上を目指します。 機能表示画面 救急医療支援システム - 2 - 『消防団 120 年・自治体消防 65 周年記念大会』 平成 25 年 11 月 25 日(月)に「消防 その愛と力」をスローガンに掲げ、全国の消防団員・消防 職員等 37,000 人が東京ドームに集い、天皇皇后両陛下ご臨席のもと消防団 120 年・自治体消防 65 周年記念大会を開催しました。 横須賀市消防団から、約 100 名参加し、第2部の放水演技では当時の横須賀消防組が使用してい た腕用ポンプを披露しました。 消防団による腕用ポンプの放水 『消防団に救助資機材搭載型の車両を配置』 大規模災害発生時に地域防災力の中核となる消防団の救助対応力の向上を図るため、総務省消防 庁から救助資機材搭載型車両を無償貸与され、平成 26 年3月 24 日に久里浜地区第 41 分団に配置し ました。 この車両は小型動力ポンプやホースなどの消火機材を積載した消防団車両に救助資器材を搭載し ており、キャビン内には、AED や担架、後部デッキ内には、エンジンカッター、チェーンソー及びス トライカーなどを積載し、より有効的な救助活動が可能になるものです。 積載救助機材 救助資機材搭載型車両 - 3 - 4月 16 日~18 日 消防局長特別点検 5月 28 日~30 日 火の鳥火災活動競技会 10 月 10 日 鉄道事故復旧訓練 11 月1日 原子力防災訓練 12 月7日 第四回全国消防職員剣道大会参加 1月 12 日 消防出初式 - 4 - このページは平成 25 年度 横須賀消防の主な行事をトピックスとして掲載しました。 8月6日7日 IRT 県内合同訓練 9月 10 日 航空機連携救助訓練 10 月 15 日~25 日 有床診療所等特別査察 12 月6日 米海軍基地消防隊合同想定訓練 10月 3 日 総合防災訓練 2月3日~7日 救助隊員養成訓練 3月7日 横須賀総合高校美術部に依 頼した津波高懸垂幕による啓発の開始 - 5 - 第 1 章 平成 25 年(2013 年)の災害状況 1 火災の状況 建 ● 物 の 火 災 火災件数 平成 25 年(2013 年)中の火災発生件数は ● 140 件で、前年の 158 件に対して 18 件減少 建物焼損床面積と火災損害額 建物火災の焼損床面積は 1,883 ㎡で、 しました。 前年の 1,217 ㎡に対して 666 ㎡の増加と 火災種別ごとにみると、建物火災 81 件、 なっています。 車両火災 11 件、船舶火災2件、その他の火 また、平成 25 年(2013 年)中の火災に 災 46 件で、林野火災、航空機火災の発生は よる損害額は3億 2,413 万円で、前年の ありませんでした。 2億 6,464 万9千円と比べ 5,948 万1千 前年と比較すると、建物火災は 12 件、車 円増加しています。 両火災は4件、その他の火災は3件減少し、 船舶火災は1件増加しました。 火災種別ごとの火災損害額は表1-1 のとおりとなっています。 (単位: 千円) 区 分 【平成 25 年(2013 年)】 火災件数 140件 増・ 減( △) 総 額 324,130 264,649 59,481 建物 321,448 167,999 153,449 林野 0 0 0 車両 1,242 363 879 船舶 1,282 96,236 △ 94,954 航空機 0 0 0 その他 158 51 107 訳 建物 81件 車両 11件 図1-1 平成24年 ( 2012年) 内 その他 46件 船舶 2件 平成25年 ( 2013年) 表1-1火災損害額前年比較表 平成 25 年中の火災件数 - 6 - ● 出火原因 負傷者の状況は図1-3のとおりです 平成 25 年(2013 年)中の主な出火原因は が、そのほとんどが火炎にあおられたり 図1-2のとおりです。 煙を吸って負傷しています。 第1位の放火(放火の疑いを含む)は、 【平成 25 年(2013 年)】 前年に引き続きトップで 30 件発生してお り、そのうち建物火災は 10 件でした。 作業中 2人 第2位は電気関係 29 件、第3位はこんろ その他 4人 12 件、第4位はたばこ 11 件、第5位はた 負傷者 25人 き火9件と続いています。 避難中 14人 放火による火災が依然として多く発生し 初期消火中 5人 ており、市民・事業所・行政が一体となっ て「放火されない環境づくり」を強力に推 進していくことが必要です。 図1-3 平成25年 平成24年 46 30 29 23 22 12 火災による負傷者の発生状況 2 救急の状況 ● 救急隊の活動 平成 25 年(2013 年)中は、救急出場件 16 11 9 数 23,129 件、搬送人員 20,719 人です。 2 これは、市民の約 20 人に1人が救急隊に 放 火 (疑い含む) 電気関係 図1-2 こんろ たばこ たき火 よって搬送されたことになります。 また、1日あたりの出場件数は平均 主な出火原因 63.4 件で、約 23 分に1回の割合で出場 ● 火災によ る死傷者 したことになります。 平成 25 年中、火災により8人の尊い命が 事故種別ごとにみると、出場件数が最 奪われ、25 人の方が負傷しました。この死 も多いのが急病の 15,801 件で全救急出 傷者の状況を前年と比較すると、死者は5 場件数の約 68.3%を占めています。次に 人、負傷者は6人それぞれ増加しています。 一般負傷 3,270 件(約 14.1%)、転院搬送 亡 く な ら れ た 方 8 人 の う ち 、 5 人 が 65 1,668 件(約 7.2%)となっており、これ 歳以上の高齢者の方でした。 らの3つを合わせると全体の約 89.6%を 負傷者 25 人のうち、重症は2人、入院を 占めています。 要する中等症は6人、軽症は 17 人でした。 - 7 - 平成 25 年(2013 年) 事 故 種別 出場件数前 年 比搬送人員前 年 比 総 数 23,129 348 20,719 291 火 災 93 -2 24 12 自 然 災害 38 32 35 29 水 難 事故 17 -19 3 -9 交 通 事故 1,500 -53 1,382 -100 労 働 災害 127 5 125 10 運 動 競技 149 3 150 5 一 般 負傷 3,270 126 2,935 124 加 害 151 -25 127 -12 自 損 行為 186 -47 132 -27 急 病 15,801 319 14,121 270 転 院 搬送 1,668 -17 1,660 -18 医 師 搬送 資器材等輸送 そ の 他 129 26 25 7 表1-2 等の生命徴候)を各種資器材を使用して 把握し、適切かつ迅速に応急処置を行い、 医療機関に搬送しています。 平成 25 年(2013 年) 区 分総 総 数 止 血 固 定 人工呼吸 心マッサージ 心肺蘇生 酸素吸入 気道確保 救急出場件数 保 温 被 覆 在宅療法の継続 表1-3は、平成 25 年(2013 年)中の高 除 齢者(65 歳以上)の救急状況であり、搬送 細 輸 動 液 血圧測定 人員は 12,426 人で全搬送人員の約 60%を占 聴 めています。平成 26 年(2014 年)4月1 診 器 心電図測定 日現在、本市の人口(418,621 人)に占め そ の る 65 才以上の割合は約 27.97%(117,108 他 数急 病交通事故一般負傷そ の 他 76,828 53,127 4,989 10,498 8,214 604 97 84 365 58 897 63 383 329 122 74 63 1 4 6 47 39 1 4 3 489 430 6 25 28 2,889 2,315 49 92 433 393 332 4 41 16 809 563 20 104 122 1,443 118 339 830 156 74 57 ‐ 54 50 ‐ 306 267 19,478 ‐ 17 1 3 3 19 17 13,235 1,336 2,736 2,171 3,722 3,032 171 208 311 6,942 5,939 102 328 573 38,607 26,527 2,490 5,412 4,178 表1-4 救急隊員の応急処置状況 人)となっており、64 歳以下は約 36 人に 1人が救急車で搬送されているのに対し、 3 救助の状況 ● 救助隊の活動 65 歳以上は約 9.4 人に1人が搬送されてお り約4倍と高くなっています。 平成 25 年(2013 年) 区 分 出場件数 平成 25 年(2013 年)中の救助隊の出動件数 搬送人員 全搬送人員 65歳以上 は 203 件で、そのうち 128 人を救出していま す。 総数 23,129 20,719 12,426 急病 15,801 14,121 9,061 一般負傷 3,270 2,935 1,941 次いで建物等による事故 34 件、交通事故 22 交通事故 1,500 1,382 273 件、水難事故 12 件、機械による事故4件、ガ その他 2,558 2,281 1,151 ス及び酸欠事故2件で、虚報・誤報等を含む 内訳としては、火災出動が 73 件と最も多く、 表1-3 高齢者(65 歳以上)の救急状況 その他の事故が 56 件でした。 救急隊は、現場に到着すると、まず、傷 ● 病者のバイタルサイン(意識・呼吸・脈拍 火災の救助活動 平成 25 年(2013 年)中に救助隊が人命 - 8 - 4 検 索 を 目 的 に 出 動 及 び 活 動 し た 火 災 は 73 災害への出動状況 件 で す 。 そ の 結 果 、 逃 げ 遅 れ た 人 な ど 32 人を救出しました。 平成 25 年(2013 年)中の消防隊は、火災や 火災現場での救助活動は、救助隊員や消 人命救助活動をはじめとして、傷病者の搬送 防隊員が火煙の中へ進入して、延焼中の建 支援や救命活動など救急隊の活動を消防隊が 物の中から救出するという非常に緊迫した 支援する救急支援出動等、さまざまな災害や 状況下で行なわれています。 事故等に出動しており、種別ごとの出動状況 は 表1-6のとおりとなっています。 ● 交通事故の救助活動 平成 25 年(2013 年)中の交通事故の出動 平成 25 年(2013 年) 件数及び活動件数は 22 件で、そのうち 27 内 訳 人を救出しました。 火 災 件数 出動人員 出動車両 140 3,173 956 交通事故による救助出動は、全出動件数 誤認火災 25 656 201 の約 10.8%を占め、また救助人員は全救出 虚報火災 8 243 72 管外火災 7 52 16 助※ 203 5,085 1,537 1 危険排除 196 1,093 303 人員の約 21%となっています。 救助隊が出動した交通事故は、衝突によ 救 る車内での閉じ込めや運転席での挟まれ等 でしたが、救助に際してはその殆どがウイ 偵 察 300 1,507 405 警 戒 0 0 0 救急支援 1,565 11,006 3,156 救命支援 1,082 7,669 2,196 ンチ及び大型油圧救助器具などの特殊救助 器具の活用を必要とするものでした。 平成 25 年(2013 年) 出動件数 (件) 火 救出人員 (人) 災 73 32 ※1 救 助 隊 が 出 動 し た 火 災 73 件 を 含 み ま す 。 表1-6 消防隊等出動状況 交 通 事 故 22 27 水 難 事 故 12 11 風水害等自然災害 0 0 機械による事故 4 3 建物等による事故 34 31 ガス及び酸欠事故 2 2 演習訓練など、さまざまな目的で出向等を行 破 故 0 0 っています。 そ の 他 の 事故 56 22 合 203 128 裂 表1-5 事 計 また、消防隊は、こうした災害出動の他に も、風水害等による被害調査(228 件)や、 消防水利をはじめとした管内地勢の掌握のた めの警防調査、また、消防活動習熟のための 救助出動件数及び救出人員内訳 - 9 - 平成 26 年度(2014 年度)には、1名の 第 2 章 救急救命士の養成を予定しており、今後 も計画的に救急救命士の養成及び高規格 救急車の配置を推進し、救命効果の向上 命を助ける救急・救助作戦 を目指しています。 さらに、救命効果を高めるため、平成 1 救急救命活動 11 年(1999 年)4月1日からは、119 番 通報を受信する情報調査課の通信指令室 ● 救急事故の概要 に救急救命士3名を配置し、119 番受信 救急出場件数は、昭和 25 年(1950 年)に 時に、24 時間対応で、心肺停止の傷病者 本市が救急業務を開始して以来、その内容 に対する心肺蘇生法の指導を行い、救命 も近年における急速な高齢化の進展により 効果の向上を図っています。 高齢者の搬送が増加しています。 2 救急隊員の研修 ● 救急研修 市民の救急に対するニーズの高まりや 複雑多様化する救急業務に対応するため、 救急隊員はより高度な応急処置技術、知 識を身につけなければなりません。 平成3年に救急救命士法が施行されて 以降、救命効果の向上及び後遺症の軽減 図2-1 搬送人員の推移 を図るため、救急救命処置範囲が随時拡 大されています。 ● 救急救命士の活動 本市では、救急高度化を図るための高 本市では、平成4年度から救急救命士の 度な処置を行える救急救命士認定資格者 養成を開始し、平成5年7月中央消防署に 育成のために必要な研修及び講習に派遣 1名の救急救命士を配置して、その運用を しています。 開始しました。 【救命処置拡大の経過】 平成 26 年(2014 年)4月1日現在、消 ・平成 16 年7月 防局に 8 名、中央消防署に 19 名、北消防署 心肺機能停止傷病者に対する「気管内 に 8 名、南消防署に 28 名の救急救命士を配 チューブによる気道確保」 置し、合計 63 名により運用を行っています。 - 10 - ・平成 18 年4月 心肺機能停止傷病者に対する「薬剤(ア 3 医療機関との連携 ● 三浦半島地区メディカル ドレナリン)の投与」 ・平成 21 年3月 「自己注射が可能なエピネフリン製剤に コントロール協議会 よるエピネフリン投与」 傷病者の搬送途上における救命効果を ・平成 23 年8月 高めるために、三浦半島地区(横須賀 心肺機能停止傷病者に対する「ビデオ硬 市・鎌倉市・逗子市・三浦市・葉山町) 性挿管用喉頭鏡を用いた気管挿管」 の医療機関と消防機関とが更なる連携 ・平成 26 年4月 強化を図り、医学的観点から、救急救命 心肺機能停止前の重度傷病者に対する 士を含む救急隊員が行なう救命処置の 「静脈路確保及び輸液」と「血糖測定及び 質を保証する体制を構築しました。 低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投 主な体制としては、以下のとおりです。 与」 (1) 救急救命士を含む救急隊員の行う 研修の名称 研修の内容 時間等 救急研修 救急資器材の保守、管理、現場対応等救急業務 の全般及び症例研修 2時 間 想定訓練 救急現場のシュミレーション訓練 5時 間 救急科課程 救急救命士 養成課程 救急救命士 就業前教育 救急救命士 の再教育 気管挿管講習 気管挿管 病院実習 全国救急隊員 シンポジウム参加 各消防署年間 研修訓練 救急隊員の資格取得研修 (3) 救急救命士が行う高度な救命処置 7ヶ 月 救急救命士の免許取得後、救急救命処置の習熟 研修として病院実習を実施 救急救命士養成課程修了後、救急救命処置の再 習熟研修として病院実習を実施 等を再教育するための病院実習 20日 間 (4) 救急救命士の処置範囲拡大に伴う 128時 間 以上 2年間 62単 位 座学及びシュミレーションを受講後、病院にお いて同意の取れた全身麻酔患者に気管挿管を実 践することで、救急現場において気管挿管が実 施できるようになる。 講習及び実習 ● 30症 例 救急ワークステーション 救急ワークステーションとは、救急隊 員が医療機関において医師等から最新の 7時 限 医療知識等を学ぶこと(病院実習)に加 2症例 えて、可能な限り医師とともに救急出場 年 1回 救急傷病者の症例及び現場活動等を発表し、医 師等の助言、指導を受け、救急技術及び救急知 識の向上、啓発のために行なわれる。 表2-1 証し、反映させるための事後検証体制 250時 間 救急救命士として必要な基礎医学等の研修 消防署で「年間研修計画」に基づき行なう研修 指導・助言体制 (2) 救急隊の活動を医学的観点から検 座学及び実技講習を受講後、病院において同意 ビデオ硬性挿管用 の取れた全身麻酔患者にビデオ硬性挿管用喉頭 喉頭鏡追加講習 鏡(以下「ビデオ喉頭鏡という。」)を使用し た気管挿管を実践することで、救急現場におい ビデオ硬性挿管用 てビデオ喉頭鏡を使用した気管挿管が実施でき 喉頭鏡病院実習 るようになる。 日本臨床救急 医学会参加 応急処置に対しての医師の常時指示、 を行う体制をいいます。 救急ワークステーションの方式として、 年 1回 年間を通 して実施 救急隊員の研修内容 一般的には医療機関内もしくは敷地の一 角に救急隊の拠点となる施設を得て、運 用を行う「施設設置型」と、救急救命士 を含めた救急隊員と救急自動車を医療機 - 11 - 関に派遣し、病院において研修を行う「病 救急車が現場に到着するまでの「空白 院派遣型」の二つが主なものでありますが、 の時間」に、その場に居合わせた人(バ 本市では「病院派遣型」を平成 23 年9月か イスタンダー)が心肺蘇生法や除細動の らの試行運用を経て、県内初の試みとして 実施など応急手当を素早く的確に行い、 平成 24 年4月 26 日より市内3医療機関に 到着した救急隊に引継ぎ、さらに医療機 おいて実施しています。 関での適切な治療につなげる「救命の連 平成 25 年度(2013 年度) 実習日数 183日 出場件数 382件 医師同乗件数 267件 医師同乗率 表2-2 69.80% 鎖」を途切れることなく実施することが、 傷病者の救命にとても重要です。 尊い命を一人でも多く救うために、本 市では、平成6年度から従前の救急講習 を充実させ、心肺蘇生訓練用人形を活用 した救命講習を開催し、平成 17 年度から ワークステーション 実施状況 は訓練用AEDを使用し、安全なAED の使用方法を含んだ救命講習の普及啓発 4 応急手当の普及啓発 ● 救命の連鎖 を推進しています。 心臓や呼吸が停止した傷病者の蘇生のチ ャンスは、心臓が停止してから約3分経過 す る と 50% に 低 下 す ると い わ れ て い ま す 。 ところが、平成 25 年(2013 年)中の本市 の救急出場における救急事故発生現場に救 急車が到着するまでの平均時間は 7.6 分で した。 救命講習会 さらに、突然倒れたことを目撃された傷 病者の6割は心臓疾患を患っているといわ 基本的な心肺蘇生法及びAEDの安全 れ、その時の心臓のリズムはブルブルと不 な使用方法の実習が中心の救命講習を行 規則に震える「心室細動」であることが多 い、確実にできた人には修了証を交付し く、唯一有効な手段が除細動(いわゆる電 ています。 気ショック)です。 講習会は、 「広報よこすか 」等の広報誌 心室細動を発症後から除細動の実施が1 により受講者を募集して行うものと、消 分遅れると、7~10%の割合で生存退院率 防署が市民の方々の要望を受けて行う二 が下がるともいわれています。 つの方法で行っています。 - 12 - 平成 25 年度中に 5,137 人の市民の方が修 了証又は認定証の交付を受けています。 また、修了証等を交付する規定の講習時 間や内容以外に、要望に応じた「救急講習」 も行っています。 平成 15 年度からは、各健康福祉センター 普通救命講習修了証 で行われる母子健康教室に救急隊員が出向 き、乳幼児の事故防止と応急手当を中心と した講習を行っており、平成 25 年度は、12 回開催しました。 対象者 回数 受講者数 消 防 団 員 2 88 婦人防火クラブ 6 148 事業所従業員 66 1,555 P T A 4 82 市議会議員 2 59 市 職 員 18 404 町 内 会 11 244 防火管理者 8 257 教員 8 232 中学生 7 516 高校生 12 630 市民(公募) 11 243 そ の 他 30 331 小 計 185 4,789 市民(公募) 4 127 そ の 他 5 97 小 計 9 224 事業所等 3 31 市教職員 1 21 小 計 4 52 再 講 習 3 72 201 5,137 上級救命講習修了証 自主防災指導員 普 通 応急手当普及員認定証 <講習内容> 【普通救命講習Ⅰ】 3時間 基本的な心肺蘇生法及びAEDの安全 な 使用方法 【普通救命講習Ⅱ】 4時間 普通救命講習Ⅰ+筆記・実技試験 【上級救命講習】 8時間 心 肺 蘇 生 法( 乳 児・小 児 含 む )、固 定 法 や 搬送法など応急手当及びAEDの安全な 使用方法+筆記・実技試験 【 応 急 手 当 指 導 員 講 習 】 16 時 間( 2 日 間 ) 全 年 齢 に お け る 心 肺 蘇 生 法 、 AED の 安 全 な使用法およびその他の応急手当の指導 要領+筆記・実技試験 【 応 急 手 当 普 及 員 講 習 】 24 時 間( 3 日 間 ) 基 本 的 な 心 肺 蘇 生 法 お よ び AED の 安 全 な 使用法の指導要領+筆記・実技試験 <講習方法> 受 講 者 は 30 人 程 度 …( 1 回 の 講 習 に つ き ) 受 講 者 10 名 程 度 を め ど に 指 導 員 1 名 (1グループ) 訓練人形 2 体 一定頻度者 上 級 普 及 員 合 計 表2-3 修了証等の交付状況 表2-4 - 13 - 講習の内容 ● 「よこすかAEDステーション」 めの施策として、平成9年(1997 年)4 「よこすかAEDマップ」掲載施設 481 月1日から救急支援出場の運用を開始し 施設のうち、一定の交付要件を満たし た施 設の協力 を得て 、「よ こ すかAE Dステー ション」の標章を交付しています。 これは、消防隊による救急活動の支援 であり、搬送時間の短縮や心肺蘇生の支 この標章を施設の出入口等、分りやす い ました。 場所に掲示し、AEDの使用を含め 援及び搬送途上の安全管理を主目的に行 うものです。 た救命手当の協力を受けられる体制を構 (1) 119 番通報の状況から心肺停止状態 築することで、救命効果の向上を図って が予想され、迅速な救命措置等が必要 います。 な場合。 平成 26 年4月 1 日現在、標章交付施設 は、263 施設です。 (2) 谷戸や高台地域又は、中高層マンシ ョンなど、救急隊員だけで傷病者の搬 送が困難な場合。 (3) 交 通 量 が 多 い 道 路 等 で の 交 通 事 故 で 、 傷病者や救急隊員等の安全を確保する 必要がある場合。 (4) 傷害事件などで、傷病者や救急隊員 を保護する必要がある場合。 図2-2 よこすかAED ステーション標章 (5) 繁華街や催し物などの人混みで救急 隊の活動に障害が予想される場合。 なお、平成 20 年度から市内のAED設置 (6) 消防署所の直近で発生した救急事案 施設を「よこすかAEDマップ」として、 に対し、消防隊の応急救護活動や救急 本市ホームページと携帯電話で市民に情 隊との連携活動が必要な場合。 報提供を行っており、 「いざという時」の ために役立てます。 (7) 遠くの署所から出場するなど、救急 隊の現場到着が大幅に遅くなることが 予想される場合。 ホームページアドレス http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp /7425/aed/04.html 携 帯 (モ バ イ ル 版 )ア ド レ ス http://www2.wagamachi-guide.com/yokosuka/gpsmap/ 5 救急支援及び救命活動 救急活動業務が年々増加していく今日、 救急活動において搬送時間の短縮を図るた - 14 - 平成 25 年(2013 年) 谷戸 ・高台 中高層 交通 その他 救命 合計 602 612 74 277 1,082 2,647 表2-5 救急支援出場状況 6 救助“未来”への挑戦 また、潜水隊員の水難救助技術の向上 を図るため専門的な教育を実施していま 近年の複雑多様化する消防活動の困難性、 す。 危険性の増大に対し、消火・救助活動体制 を強化するため、平成 19 年8月1日に中央 消防署に高度救助隊を発足し運用を開始し ました。 特別救助隊3隊と共に、地域に合った活 動資機材を備え、日々訓練・研究を重ね災 害に対応しています。 救助隊活動現場も、都市構造の変化と共 水難救助訓練中の救助隊 に複雑化し、更に、近年ではテロを含めた 特殊災害への対応も必要不可欠になってき ており、装備の充実と隊員の育成がこれか らの救助隊に求められています。 ● 特殊災害対応の強化 特殊災害への対応強化を図るため、中 央消防署に高度救助隊、北消防署に生 また、広域化する災害に対しては、他の 物・化学剤対応、南消防署に放射性物質 機関と合同での活動が予測され、災害の規 対応、西分署に水難救助対応の各特別救 模、状況に応じた的確な活動が要求されます。 助隊を配置し、それぞれに専門性を持た 今後も安全・確実・迅速な人命救助活動 せ対応強化を図っています。 を目標に、市民から信頼される救助隊づく りを行っていきます。 ● 水難救助体制の強化 水難事故は、海水浴シーズンに限らず年 間を通じて発生し、その大半が潜水活動を 伴う困難な環境下での救助活動となってお り 、 救 出 に 時 間 を 要 す る こ と も 多 く、初動 体制の充実が重要になっています。 特殊災害対応訓練 このような状況から、水難事故において も早期に着手できるよう、4隊の救助隊に 水難救助活動装備を配備し、潜水士の資格 を持った隊員により潜水活動を実施してい ます。 - 15 - ● 国際消防救助隊 する各種教育機関へ隊員を派遣し、年間 国際消防救助隊は、海外で大災害が発生 を通じて現場活動を主体とした実践的な した場合、国際緊急援助隊の一員として警 教育と訓練を計画的に実施しています。 察、海上保安庁などと一体となって人命救 助活動を行います。 日本の高 度な資 機材 や救助技術 に対し て 平成 25 年(2013 年) 区分 訓練種別 実施延回数 (回) 実施延人員 (人) 実施延時間 (時間) 1,386 6,857 2,668 ロープ基本・応用訓練 114 524 174 検索・救助訓練 563 2,652 946 め、消防庁長官の派遣要請に即応する体制 各種救助器具取扱訓練 528 2,431 765 を確立しています。 各種救助事象想定訓練 118 612 214 その他の訓練 418 2,047 680 3,127 15,123 5,447 体力練成訓練 は、被災国より高い評価が寄せられています。 本市でも特別救助隊員6名を登録し、訓 練や研修などを通じて隊員の資質向上に努 計 表2-6 ● 救助隊の訓練実施状況 災害時、救助現場への医師派遣体制 軌道内等の事故により負傷者の救出が 困難な時や、土砂崩れなどによる生き埋 め事故など、一刻も早く医師による救命 訓練中の国際消防救助隊員 行為が必要な状況においては、速やかに 医師を災害現場へ派遣し、救急処置が施 ● 隊員の育成と装備の充実 せる体制を整備しています。 効果的な救助活動を行うには、優秀な隊 救出困難な救助現場で、負傷者に対し、 員の育成と高性能な救助資機材を配備する 医師による医療行為が必要なときは、待 ことが欠かせません。 機中の消防署の緊急車で、事前に各消防 このようなことから、総務省消防庁の定 署に配備されている医療機材と医師が着 める基準に基づき、各救助隊に各種救助資 用する安全対策用器材を積載し、病院へ 機材を整備しています。 向い医師を同乗し現場へ急行します。 また、各消防隊にも救助活動用の機材を 救助現場では、救急救命士と協力し、必 配備しており、迅速な救助活動を目指して 要な処置を施し、救出後は救急車で医師の います。 勤務病院へ搬送するため、継続した観察・処 救助隊員の技術の向上、知識の習得に必 要な訓練についても、消防学校をはじめと - 16 - 置が実施でき傷病者にとって効果的な治療 が期待できます。 消防指令システムでは、119 番通報を 第 3 章 受信すると、統合型位置情報システムと 地図等検索装置によって、瞬時にその通 報場所の地図を表示し、災害種別の決定 より早い出動のために と同時に予告指令を行い、災害通報を受 信中であることを通知して各署所に出動 1 指令センターと消防隊等の出動 準備を促します。 消防指令システムは、すべての車両の 火災、救急、救助等の出動は、そのほと 位置等を常時把握しており、災害現場に んどが市民からの 119 番通報から始まりま 最も早く到着できる出動隊を自動的に編 す。 成し、各署所へ出動指令の放送と指令書 横須賀 市と 三浦 市で は 、 119 番 通報の の出力を行います。 受け付け 、消防車 ・救 急車の出 動指令を 各車両に搭載している車両運用端末装 異なる消 防本部が 共同 で行う「 消防通信 置には、出動指令と同時に災害現場の地 指令事務の共同運用」を平成 25 年 4 月 1 図と指令情報を表示させ、活動中には、 日から開始しており、12 月 31 日までに 防火対象物、危険物、水利及び災害時要 28,429 件の 119 番通報を 横須賀市消防局 援護者などの支援情報を表示し、消防 内にある横須賀市・三浦市消防指令センタ 隊・救急隊は、これらの情報を活用して ーで受信しました。 的確な現場活動を行っています。 横須賀市・三浦市消防指令センター - 17 - 119番通報の受付から災害出動まで 地図等検索装置・統合型位置情報システム 従来、携帯電話やIP電話からの通報は、 住所付近の目標物など 、通報者からの 聴取に頼りながら災害地点を 探してい たため、場所の特定までに一定の時間 を 要していました。 本システムによ り、ほぼすべての通報 に対して通報場所を すばやく特定する ことが可能となり、出動に要する 時間の さらなる 短縮を 図る ことができます。 横須賀市・三浦市消防指令センター 横須賀市内 ①119番通報 ②通報受付 横須賀市、三浦市から の119番通報は全て 横須賀市消防局にある 「横須賀市・三浦市消 防指令センター」につな がります。 通報を受け付けると 指令台の画面に通 報者の住所情報や 付近地図が表示さ れます。 ③発信地表示 通報内容から通報場所の 特定が難しい場合、統合型 位置情報システムにより 通報者の現在地情報を 入手、通報地点の特定を 迅速に行います。 横須賀市 119番通報 受付 災害点 特定 指令台 ④災害地点・種別決定 三浦市 発信地表示や目標物の聴取 などにより災害発生地点を確 定し、また、火災、救急、救助 等の災害種別を決定します。 三浦市内 119番通報の受付から出動指令までの一連の操作や消防・救 急部隊との無線通信など を 行います。 指令書・ 指令放送 出動隊 編成 出動指令 横須賀市消防局・消防署 指令情報出力装置 指令書・ 指令放送 車両運用端末装置 ⑤予告指令 119番通報の聴き取りを継 続しながら、合成音声によ り全署所※に、自動的に指 令の予告を行います。 (※火災・救助の場合) 横須賀市 ⑥出動隊編成 消防署所に設置され、出動指令に 連動して、出動対象の署所へ指令 情報や災害地点付近の地図を 「指 令書」として印刷・伝達します。 三浦市 消防・救急車両に搭載され、指令情報 のほか道路地図、消防水利、道路工事 などの各種情報の閲覧・検索ができま す。署外活動中に指令を 受けた場合で も、端末画面で各種情報の確認が行え、 消防・救急活動を 的確に行うことができ ます。 消防隊、救助隊、救急隊が出 動準備を進める間に、指令台 では、出動車両運用管理装置 により、災害地点に最も近い部 隊を、災害種別及び規模に応 じて自動的に編成します。 三浦市消防本部・消防署 出動車両運用管理装置 ⑦出動指令 ⑧出動 指令を受けた出動隊は、 指令書や車両運用端末 装置の指令情報をもと に、最短時間で災害現 場に急行します。 出動指令の放送を対象の 消防署所へ流すとともに、 指令情報や災害地点地図 が記された「指令書」を送 信します。 - 18 - GPS(測位衛星)を 活用して、リアルタイ ム に消防・救急車両の位置・活動状況を 常 時把握。災害地点を 特定する と、瞬時に 災害現場に最も近い位置の車両から出 動部隊を 自動的に選別・編成を 行い、短 時間によ る 現場到着をサポートします。 2 119 番通報受信状況 3 緊急通報システムによる通報 平成 25 年(2013 年)中の横須賀市内から 平成7年(1995 年)11 月1日から、65 の 119 番通報は、34,104 件あり、1日平均 歳以上の一 人 暮 ら し 高 齢 者 世 帯 な ど と 消 約 93 件、約 15 分に1件の割合で 119 番を 防局を結ぶ緊急通報システムを導入してい 受信しています。 ます。 その内、携帯電話からの通報は、12,205 このシステムは、装置本体または付属 件 ( 約 36 % )、 I P 電 話 か ら の 通 報 は 、 のペンダントのボタンを押すだけで消防 10,830 件(約 31%)となっています。 局の指令センターと通話ができるもので、 受信 内容 につ いて は、 火災 ・救 急・ 救 助 平成 14 年(2002 年)7月からは、受信用の 等への出動要請が 22,005 件で約 65%を占 電話回線を、一般回線から 119 番専用回線 めていますが、特に緊急性のない災害・病 に切り替え、位置情報通知システムを活 院等の問い合わせ、いたずら、間違い・無 用した迅速な対応を行っています。 言等の件数(訓練・試験を除く)が全体の約 緊 急 通 報 シ ス テ ム の 受 信 件 数 は 、 886 28%を占めていることから、適切な 119 番 件あり、そのうち救急出場が 347 件、救 通報を心がけるよう呼びかけています。 平成25年(2013年) 119番全体 固定電話 携帯電話 IP電話 火 災 272 56 138 78 緊 救 急 21,334 6,456 6,779 8,099 急 救 助 55 11 35 9 性 そ の 他 災 害 179 37 94 48 あ 他 都 市 転 送 165 11 143 11 り 小 計 22,005 6,571 7,189 8,245 災 害 問 合 せ 139 40 50 49 緊 病 院 問 合 せ 2,187 454 997 736 急 い た ず ら 278 62 201 15 性 間 違 、 無 言 等 4,152 1,282 2,233 637 な その他(相談等) 2,647 670 1,343 634 し 小 計 9,403 2,508 4,824 2,071 練 そ訓 712 496 60 156 の試 験 1,984 1,494 132 358 他小 計 2,696 1,990 192 514 合 計 34,104 11,069 12,205 10,830 助出動が1件ありました。 ※ 固定電話、携帯電話、IP電話は全体の内数です。 ・各種災害の受信件数は、実際の災害件数とは異なります。 ・訓練は、事業所、福祉施設、保育園など避難訓練時の通報訓練の件数です。 ・試験とは、非常通報装置等のテスト通報です。 ・いたずらは、「いたずら」と確認できた件数です。 ・間違いは、番号違いや、誤ってダイヤルしてしまったものの件数です。 また、無言とは、呼び返しを行っても何も応答のないものです。 表3-1 火災等 緊急 確認 平成21 236 年中 3 37 724 1,000 平成22 332 年中 2 29 768 1,131 平成23 381 年中 1 60 858 1,300 平成24 379 年中 3 48 710 1,140 平成25 347 年中 1 39 499 救急 緊急外 合計 886 ・救急とは、救急車が出場した件数です。 ・火災等とは、火災・救助の災害出動件数です。 ・緊急確認とは、警戒・その他での出動件数です。 ・緊急外とは、相談や誤って通報された件数です。 119 番通報受信状況 表3-2 - 19 - 緊急通報システム通報状況 4 ファクスからの 119 番通報 耳や言葉の不自由な方から、火災・救急 などへの出動要請を受信するため、平成9年 (1997 年)8月1日からフリーダイヤルによる ファクス通報を運用しましたが、平成 14 年 (2002 年)4月1日から、119 番専用回線によ る受信体制に切り替え、位置情報通知システム を活用した迅速な対応を行っています。 平成 25 年(2013 年)中のファクス 119 番 受信は2件あり、いずれも救急要請でした。 5 市民への災害発生情報の提供 消防指令センターでは、消防車がサイレ ンを吹鳴して緊急走行する災害事案につい て、災害発生場所と活動状況等を、消防局 テレホンガイドとホームページでリアルタ イムに案内しています。 災害情報のご案内 ○ 消 防 局テ レ ホ ンガ イド 046-825-0119 ○ ホ ー ムペ ー ジ 「横 須賀 市 災 害 発生 情 報 」 ( PC・ ス マー ト フ ォン 向け ) http://yokosuka.fire.yokosuka. kanagawa.jp/saigai/yokosuka.html ( 携 帯 電 話向 け ) http://yokosuka.fire.yokosuka. kanagawa.jp/saigai/y/ 当番病院のご案内 横 須 賀 市 コー ル セ ンタ ー ( AM8:00~ PM8:00) TEL:046-822-2500 FAX:046-822-2539 - 20 - 集団避難訓練 第 4 章 他組織連携訓練 災害に備えた地域づくり ● 地域防災力の強化 自主防災組織の充実 大災害が発生した時には、道路の寸断、 96 回 初期消火訓練 236 回 救急救護訓練 281 回 救出訓練 1 201 回 61 回 煙体験訓練 113 回 防災資機材取扱訓練 115 回 給食訓練 117 回 給水訓練 29 回 避難所体験訓練 87 回 建物の崩壊、断水、停電、同時多発の火災 防災講話 110 回 など悪条件が重なり、防災関係機関だけで 図上訓練 7回 の活動には限界があり充分な対応ができな 防災啓発訓練 50 回 いことが予測されます。 イベント訓練 6回 このような時に活躍するのが、 「 自分たち のまちは、自分たちで守る」という精神に 2 市民への啓発 ● 市民防災センター“あんしんかん” 基づき地域で自主的に結成された自主防災 組織です。 自主防災組織では、日頃から防災訓練、 消防局庁舎1階には、市民の防災知識を高 防 災 資器材の整備や地域防災マップの作成な めるための体験型防災学習施設として市民 ど防災に関する活動を行っており、消防局では 防災センター「あんしんかん」があります。 主に防災訓練等の指導を行っています。 あんしんかんでは、次の4つの体験ができ ます。 ● 自主防災訓練 【体験ゾーン】 市民一人ひとりの防災力を高め、 「 災害に マンションの一室で地震が発生。身の安全 強い地域づくり」を推進するため、自主防 を確保し、火災を消火、煙からの避難を連続 災組織が災害対応訓練を実施しています。 して体験でき、体験後に自分の行動を映像で チェックできます。 (平成 25 年度実績) 【大災害発生ゾーン】 《実施団体数及び参加人数》 422 団体 災害の恐ろしさを映像、音響、照明等の特 27,580 人 殊効果により体験できるバーチャルスペー 《訓練項目及び実施回数》 初期対応訓練 スです。 137 回 - 21 - 【情報ゾーン】 ラッチカードが貰え、防災グッズが当た わが家の防災対策など防災情報を資料やパ る。 ソコンで調べられるほか、姉妹都市の消防服展 ブース内容 示、津波関係情報、応急手当の啓発も行ってい ・地震・煙体験 ます。 ・はしご de レスキュー 【防災オリエンテーションゾーン】 ・非常持ち出しなぁに?クイズ 災害が起きたときや災害に備えてどうしな ・ボール de しょうか? ければならないか、又、市の防災対策や消防局 ・避難所へ GO! など 庁舎の役割を映像で説明しています。 開館時間 午前9時から午後5時まで 休館日 毎週日曜日、第3月曜日、祝休日、 年末年始 【TEL/FAX】046-821-6488 http://www.yokosuka-bousai-anshinkan.jp/ 団体(10 名以上)でご来館いただく場合は、 事前に予約してください。 (入場無料) ・1万人達成 平成 14 年(2002 年)9月 21 日 ・5万人達成 平成 17 年(2005 年)4月 22 日 ・10 万人達成 平成 20 年(2008 年)6月 4日 ぼうさい夏まつり ・15 万人達成 平成 23 年(2011 年)8月 13 日 ● ● ぼうさい夏まつり in あんしんかん あんしんかんフェア 幼少期からの防災意識を育むとともに、家 家庭の防災意識の向上及び防災対策の推進 庭での防災対策の推進を図ることを目的と を目指して、夏休み中の小学生や幼児を対象に、 して、あんしんかんフェアを開催しました。 親子で楽しみながら防災について学び、体験す 1 日のみの開催でしたが、300 人が来場しま ることができるイベントとして、「ぼうさい夏 した。 まつり」を開催しました。4日間の開催で延べ 1,483 人が来場しました。 (1) 実施日時 平成 26 年1月 18 日(土) (1) 実施日時 10 時 00 分~16 時 00 分 平成 25 年7月 23 日(火)~26 日(金) (2) 実施内容 10 時 00 分~12 時 00 分 地震対策や火災予防等の内容からなる (2) 実施内容 防災○×クイズや、地震煙体験、防火衣 各ブースで防災に関する課題を解決し、 与えられた得点の合計に応じた枚数のスク の試着体験、新聞紙でスリッパ及び食器 作り、非常食の試食などを実施しました。 - 22 - ● 平成14年(第1期) 平成15年(第2期) 平成16年(第3期) 平成17年(第4期) 平成18年(第5期) 平成19年(第6期) 平成20年(第7期) 平成21年(第8期) 平成22年(第9期) 平成23年(第10期) 平成24年(第11期) 平成25年(第12期) こども防災大学 次世代を担う青少年が、防災に関する知 識や必要な技術・能力を身につけることは 社会全体にとって重要な課題です。 そこで、市内の小学校5年生が「防災」 に つ い て 総 合 的 に 学 べ る 機 会 を 設 け 、「 自 助」「共助」「公助」の精神性も含めた正し い知識・技術・警戒心などの能力を高め、 48 名 51 名 63 名 37 名 28 名 37 名 46 名 154 名 204 名 142 名 180 名 106 名 計 1,096 名 表4-1年度別こども 防災大学修了者数 広く家庭・地域に防災思想等を普及すると ともに、未来の防災リーダーを育成するこ とを目的に、こども防災大学を開催しまし 3 変貌する災害への対応 ● 活動小隊の整備状況 た。 (1)実施期間 平成 25 年 7 月 31 日(水)~8 月 23 本 市 で は 、市 内 で 発 生 す る 様 々 な 災害 日(金)の夏休みを利用し、3日間のカ リキュラムを実施しました。 台を消防局や3消防署、1分署、9出張所、 (2)実施場所 市役所1号館5階 に対し、32 個小隊、隊員 359 名、車輌 58 1派遣所に配置し、24 時間体制で有事の場 正庁、消防総合訓 合に備えてい ま す 。 練センターなどで実施しました。 平成 26 年(2014 年)4月1日現在 (3)実施内容 ア 活断層、高潮と津波、液状化現象、 救命防災に関する知識の習得。 イ 消火、煙避難、避難所、災害時の給 水活動および非常食炊き出し等の体験。 車 種 台 数 総 ポ 数 車 58 17 車 車 3 2 水 車 1 作 車 車 3 4 災 害 対 策 車 小型動力ポンプ付水 槽車 1 1 泡 排 車 車 1 1 は 屈 高 化 救 ン 折 し は 所 放 助 学 工 原 煙 液 高 搬 発 送 泡 明 戸 電 対 源 策 車 車 1 3 総 合 指 揮 車 1 方 指 面 指 揮 隊 車 車 3 3 査 車 車 12 1 揮 災 表4-2 - 23 - ご し ご 照 谷 救 火 こども防災大学 プ 急 調 通常時の編成車両 ● 特殊災害への対策 時代の推移とともに都市構造は変化 し 、そ の 用 途 も 多 様 化 し て い ま す 。発 生 す る 災 害 も 平 面 か ら 立 体 へ と 変 化 し 、ま た 、産 業 の 発 展 に よ り ガス災害や危険物に よる災害など特殊災害の発生 の お そ れ も 増 大 し つ つ あ り ま す 。さ ら に 、本 市 に は 、 核 燃 料 加 工 施 設 、米 海 軍 施 設 、自 衛 隊 施 消防ポンプ自動車 (圧縮空気発泡装置搭載車両) 設が所在し、NBC災害の発生が危惧され ると こ ろ で あ り 、消 防 活 動 に と も な う 危 ● 消防水利 険 性 及 び 困 難 性 は 、ま す ま す 増 大 す る 傾 消 防 水 利 は 、消 火 活 動 を 行 う 上 で 、な く て は な ら な い も の で 、そ の 種 類 に は 、消 火 栓 、防 火 水 槽 、河 川 、池 、プ ー ル 、井 戸 等 があります。 本 市 で は 、こ れ ら の 特 殊 災 害 に 対 処 す るため様々な施策を展開しています。 (1) これらの配置等は国の基準である「消防水 利の基準」により定められており、最も活用 されているのは、消火栓と防火水そうです。 (1) 向にあります。 建築物の高層化対策 40m及び 30mはしご車などによる立 体的消防 体 制 を 確 立 し て い ま す 。 (2) 石油コンビナート地区対策 消火栓は水道配管に取り付けられて 危険物災害用車両(3点セット) いるもので、市内で4,130 基(平成26 年(2014 の配備及び事業所などと消防体制の 年)4月1日現在、私設も含む)が道路 連携を図っています。 歩道上等 に 設 置 さ れ て い ま す 。 (2) (3) 原子力災害への対策 防火水そうは市内に773 基(平成26 年(2014 放射性物質を扱う施設などで災害 年)4月1日現在、私設を含む)設置してあ が発生した場合に備え、原子力災害対 ります。水道断減水や大地震時に消火栓 策車を配置し、また、放射線の量を測 が使用できない時の備えとして整備し、 る機器や災害活動時に用いる防護服 今日では、耐震性防火水槽の整備を努め などを整備しています。 てい ま す 。 (3) (4) 生物・化学テロの対策 消火栓や防火水そう以外にも大容量 2001 年 秋 の 米 国 で の 同 時 多 発 テ ロ の水利を確保するため、浄化槽を水そう や炭疽菌事件などが発生しているこ に転用するな ど 、大 規 模 な 火 災 に 対 処 とから、本市においてもテロ等に備 する施策を行い、多様な水利確保に えて、隊員の育成と各隊の強化を図 努めています。 っています。 - 24 - (5) その他の特殊災害対策 とにより、大規模災害発生時の消防力強 ガス爆発、地下及び密閉空間での火 災、毒劇物等の災害に対する装備器具 を整備しています。 ● 震災等大規模災害への対策 (1) 海水消火応援体制 海上保安庁の消防艇などとの連携による 海水を利用した消火体制の確立するための 化を図るものです。 (ア)消防協力隊の消防力 ・ 登録企業 14 社 ・ 隊員数 ・ ポンプ車 4台 ・ 可搬ポンプ 15 台 888 人 (イ)対象災害 ・ 大規模な地震による火災、救急およ 装備器具の整備を進めています。 び救助が必要な災害 (2) 下水道雨水管の利用 ・ その他大規模な災害のうち消防局長 市内に設置されている下水道雨水管9幹 線のうち利用可能な8幹線、27 箇所につい て消防水利として指定しています。 (3) 情報収集対策 混乱する震災時等に迅速かつ的確な情報 を収集するために機動力のあるオートバイ を導入し、3署・1分署に配置しています。 が必要と認めた災害 (ウ)活動の概要 ・ 消火活動 ・ 救助活動 ・ 救急活動 (エ)活動の範囲 ・ 活動の範囲は、事業所を中心に半径 (4) 関係機関との協力体制の構築 1㎞を目安とし、各隊が保有してい 大規模災害発生に備え、近隣消防機関及 び自衛隊などの防災関係機関と実践的な合 同訓練を行い、各種の災害実態に対応でき るよう応援・受援時の協同活動体制の確立 に努めています。 る資機材を使って行います。 № 企 業 名 1 株式会社岡村製作所追浜事業所 2 独立行政法人海洋研究開発機構 3 株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン 4 株式会社京急ファインテック久里浜事業所 5 住友重機械工業株式会社横須賀製造所 (5) 企業による協力体制 6 相模運輸倉庫株式会社 ア 『消防協力隊』 (PONY) 7 一般財団法人電力中央研究所横須賀運営センター 平成 10 年(1998 年)7月 17 日に、企業 内防護のために組織されている、企業の自 衛消防隊による消防協力隊を発足しました。 消防協力隊は、本市と「消防協力隊の災 害活動に関する協定」を締結しています。 8 東京電力(株)西火力事業所横須賀火力発電所 9 東京ファインケミカル株式会社横須賀工場 10 東芝ライテック株式会社 11 東邦化学工業株式会社追浜工場 12 日産自動車㈱追浜工場 13 株式会社バンテックセントラル 大規模災害発生時に企業内対応が終り余 力があるときには、消火活動などを行うこ - 25 - 14 株式会社やまびこ横須賀事業所 表4-3 登録企業一覧 イ 『消防防災協力隊』 (EAGLES) ウ 平成 12 年(2000 年)4月 17 日、市内各 企業の賛同を得て、消防防災協力隊を発足 しました。 消防職・団員OBによる支援体制 『防災支援隊』 (BEARS) 平成9年(1997 年)5月1日に消防職・ 団員OBで構成する横須賀市防災支援隊を 消防防災協力隊は、本市と「消防防災協 発足しました。 力隊の災害活動に関する協定」を締結して 防災支援隊は、大震災等の大規模災害発生 います。大規模災害発生時に企業内対応が 時に、これまで培ってきた防災の知識を活か 終わり余力があるときには、企業のもつ組 して、消防職・団員が行う災害活動等をボラ 織力を活用して消防防災活動を行うことに ンティアとして後方支援することにより、災 より、大規模災害発生時の消防力強化を図 害活動体制の一層の強化を図り、迅速な市民 るものです。 対応と安全な市民生活を確保するものです。 (ア)消防防災協力隊の消防力 登録企業数 (ア)防災支援隊員 45 社 ・ (イ)対象災害 登録隊員 69 名 (イ)対象災害 ・ 大規模な地震等による火災、救急及び ・ 救助などが必要な災害 市内に震度5以上の地震が発生し、 かつ市内全域に被害が拡大している ・ その他大規模な災害のうち消防局長が 必要と認めた災害 と予想される場合。 (ウ)活動概要 (ウ)活動の概要 ・ 庁舎管理及び資機材等の管理 ・ 初期消火活動 ・ 市民への器材の貸出し ・ 救急救助活動 ・ 避難者の応急手当及び避難地への ・ 一時避難地の提供 案内 ・ 避難誘導活動 ・ 支援物資の管理 ・ 避難所運営への協力 ・ 自宅周辺の被害状況の報告及び住 ・ 災害情報の提供 民からの情報収集 ・ 備蓄物資の提供 ・ (エ)活動の範囲 広域応援部隊の誘導 ・ 活動中の消防職員・団員への食料及 活動範囲は、事業所を中心に半径 500m を目安とし、各隊が保有している資機材 を使って行います。 - 26 - び飲料水等の供給 よる演奏を楽しんでいただくとともに、 第 5 章 火災予防マスコット犬(バーナード)に よる住宅用火災警報器の設置等を呼びか け、住宅防火広報を実施しました。 市民と共に築く安全な暮らし 1 さまざまな広報活動 ● 全市一斉防火広報 春・秋の火災予防運動週間中に 、婦人防 火クラブ、危険物安全協会及びこども防災 博士(こども防災大学修了児童)の協力の もと、全市一斉に防火広報を実施しました。 防火ふれあいコンサート 市内の主要駅前やショッピングセンター で、防火に関するチラシ、ポケットティッ シュを配布し、広く火災予防を呼びかける 活動を行いました。 ● より多くの市民へ火災予防を発信 より多くの市民へ火災予防を呼びか け、火災による被害を軽減するため、次 の広報により、火災予防について情報を 発信しています。 (1) 市内巡回広報 資源循環部の協力を得て、市内全 域を巡回している定日ごみ収集車か ら、「住宅防火」、「住宅用火災警報器 の設置」に係る広報を行い、市民へ 駅 前 広 報 の啓発活動を実施しています。 また、消防機関においても、火災 ● 「防火ふれあいコンサート」の実施 予防運動中や年末・年始等、消防車 春の火災予防運動期間中に大型ショッピ ングセンターにおいて、 「 防火ふれあいコン サート」 ・ 「こども防火衣の着用」等を行い、 火災予防をPRしました。 両から火災予防を呼びかけています。 (2) 広報幕等による広報 市役所、各消防署等において、大 型 広 報 幕 等 を 掲 出 し 、「 火 災 予 防 」、 屋内センターステージで行なった「防火 ふれあいコンサート」は、消防団音楽隊に - 27 - 「住宅用火災警報器の設置」等をP Rしています。 (3) 火災予防ポスター・リーフレッ 方を教え、また、火の恐ろしさを理解さ トの作成配布 せることで、子供たちの火あそびの防止 防火ポスターを市内の事業所等へ配 を図り、将来における火災予防の成果を 布し、より多くの市民へ火災予防をP 期待するとともに、園児から家庭へと防 Rしています。 火意識の高揚と拡大を図っております。 また、平成 23 年度から住宅用火災警 報器の設置及び適正な維持管理につい ● 防火意識の育成・・・ て、小学児童用のリーフレットを作成 児童の防火教育 配布し、児童から各家庭への啓発を目 小学生の防火教育の一環として防火ポ 的に広報を実施しています。 スターの募集や防火教室を実施していま す。 (1) 防火ポスターの募集 平成 25 年度の応募数は、1,821 の作 品が応募されました。 応募されたポスターのうち優秀作 品については、 「あんしんかん」 (市民 防災センター)で実施する防火ポスタ ー展に掲出し、市民の皆様から好評を いただきました。 小学児童用リーフレット (4) また、優秀作品の中から、「住宅用 消防局テレホンガイド 火災警報器設置推進ポスター」、 「 放火 ℡ 046-825-0119 に よ り 火 災 予 防 を 広報しています。 防止ポスター」及び「春季火災予防運 動ポスター」の原画として作成を行い、 市内の掲示板等に掲出し、市民への火 2 市民指導 ● 防火意識のめばえ・・・ 災予防の啓発に活用しています。 幼児期の防火教育 幼稚園・保育園児を対象に防火教室を開 催しました。 幼児期は、何にでも興味を持ち始め、色々 なことをしてみたくなる時期です。この時 期に直接子供たちとふれあい、火の取扱い - 28 - (2) 小学校防火教室 社会科教育の一環として、小学4 年生を対象に、火災予防に関する知 識を培い、将来における火災予防の 成果を期待するとともに、防火の輪 を学校から家庭へと広げることを目 的に防火教室を開催しました。 本 教 室 は 、「 あ ん し ん か ん 」( 市 民 防災センター)で、「地震」・「煙」体 験や「消火器の取扱い」等をはじめ、 消防施設見学による、防火教育、消 住宅用火災警報器設置推進ポスター 防車の説明等を通じて防火意識の育 成を図っています。 ● 防火防災意識の向上 安心して暮らせる地域づくり 婦人防火クラブ 婦人防火クラブは、 「家庭・地域から火事 を出さない」と い う 基 本 理 念 に 基 づ き 、 防火・防災のため幅広い活動をとおし「災 放火防止ポスター 害に強い地域づくり」に取り組んでいま す。 平成 24 年4月には船越町婦人防火ク ラブが新たに設立され、市内 17 クラブ約 500 名のクラブ員が、防火・防災に関す る知識と技術を習得するとともに、急病 人等への迅速な対応を行なうため救命講 習の受講など、地域の実情や特性を活か した活動を行っています。 また、地域への防火思想の啓発を目的 に広報活動にも積極的に取組んでいます。 春季火災予防運動ポスター こ の よ う な 活 動 が 評 価 さ れ 、 平 成 26 年2月、公益財団法人日本消防協会主催 - 29 - による定例表彰で「優良婦人消防隊」とし とりが住宅防火対策について意識を高め、 て、汐入婦人防火クラブが、 「優良婦人消防 これからますます進展する高齢化社会の 隊員」として、吉倉婦人防火クラブ会長が 中、安全・安心対策を積極的に推進して 表彰されました。 いきます。 ● 火災による死者の発生を防ぐ 住宅火災による死者の発生を防止する ため次の施策を推進しています。 (1) 住宅用火災警報器の設置及び適 正な維持管理の推進 住宅火災で亡くなられる方の多く は逃げ遅れによるものです。 日本消防協会定例表彰式 ● 住宅用火災警報器は、火災の発生 空地・空家の適正な管理指導 を 早 期 に 知 ら せ 、 大 切 な 「 命 」、「 財 空地及び空家の管理が適正に行われてい 産」を火災から守る有効な機器であ ない場合、放火される危険性や火災が拡大 ることから設置を推進し、また、設 するおそれがあるため、枯草の刈取り状況、 置後の適正な維持管理についても次 空家の施錠管理等について調査を行い、管 により推進しています。 理が不十分なものについては所有者等へ適 ・ 各種イベント・防災訓練等での 正な管理を行うよう指導しています。 広報 また、平成 24 年 10 月から「横須賀市空 ・ 春・秋季火災予防運動中の住宅 き家等の適正管理に関する条例」が施行さ れたことから、関係部局等と協働して管理 防火訪問及び駅前広報 ・ 共同住宅等への立入検査による 不全な空家の対応等も行っています。 設置指導 ・ 「広報よこすか」への掲載 3 住宅防火対策の推進 ・ 定日ごみ収集車からの広報 ・ 小学生防火ポスターを活用した 建物火災のうち、住宅火災の占める割合 は高く、また、住宅火災で亡くなられる方 広報 ・ 市内掲示板等へのポスター掲示 の多くが 65 歳以上の高齢者となっており、 及び各消防署等での広報幕等の掲 急速に進展する高齢化社会を考慮すると切 出 実な問題です。 (2) このような現状を踏まえて、市民一人ひ - 30 - 高齢者の防火指導 一人暮らし高齢者家庭を防火訪問 し、火災予防を呼びかけるとともに、 防火・防災について指導をしています。 ものを置かない ・ 外灯などで家の周りを明るくす また、安全で安心して暮らせるよう、 る 近隣の協力体制の充実を推進していま ・ 車庫、物置、空家等の施錠管理 す。 ・ ゴミは定められた日の朝に出す (3) ・ 安全な生活環境の実現 ・ 喫煙管理の徹底 (2) ・ 安全調理器具、安全暖房器具の普 自治会等各団体が実施する防火 座談会、防災訓練等の行事を通じて 及推進 放火防止対策を広報 ・ 防炎製品の普及推進 (3) ・ 避難が容易な就寝場の確保 連続放火等が発生した際、近隣自 治会等への情報提供及び広報依頼 (4) 4 隣近所と話し合い、連携強化 放火防止対策の推進 事業所の自衛消防訓練等を通じ て、放火防止対策の広報と協力依頼 「放火及び放火の疑い」による火災は、 平成3年以来連続して火災原因のワースト (5) 講習会等で放火防止対策を指導 (6) 小学生防火ポスターを活用した 放火防止ポスターの作成・掲出 第1位を占めており、このような状況から、 今後もこの傾向が続くものと思われます。 放火を防ぐためには、一人ひとりが防火 対策を心がけるだけでなく、地域全体とし て放火されない環境づくりを行っていくこ とが重要です。 ● 防止対策として 放火された場所について調べると、軒下、 外壁など建物外部等が多く、このことから 放火防止対策で重要なことは、 「 放火されな い環境づくり」です。この実現には市民、 事業所、行政の三者協働による対応が不可 欠であり、平常の対策として次の事項を実 施しています。 (1) ・ 放火されない環境づくりの推進 家の周りは整理整頓し、燃え易い - 31 - 放火防止ポスター ● 第 6 大規模建築物・高層ビル等の 章 防災管理 大規模建築物・高層ビル等は大地震の 際に、建物内において同時多発的に被害 防火・防災安全対策の推進 が発生する恐れがあります。 このような大規模建築物等では、火災 1 複雑・多様化する建築物の 以外の地震災害等に対応した自主防災体 防火・防災管理 制を構築するため、防災管理業務を行う 防災管理者を選任しなければなりません。 ● 統括防火・防災管理体制の強化 また、防災管理者を中心とした自衛消防 平成 13 年に発生した新宿区歌舞伎町の 組織を設置し、火災及び地震等による災 ビル火災をはじめ、複数のテナントが入居 害の被害軽減に努めていく必要がありま するビルでの火災が全国的に相次いで発生 す。 していることや、東日本大震災の激しい揺 れにより、高層ビル等において人的、物的 ● 自主防火・防災管理体制の促進 被害が発生したことを踏まえて、これらの 防火対象物における自主防火・防災管 ビル全体の防火・防災管理業務を行う「統括 理体制を構築するためには、建物所有者 防火・防災管理者」の選任と、その旨を消防 や事業所の法人代表者により選任された、 機関へ届け出ることが消防法で義務付けられ 防火・防災管理者が作成する消防計画に ました。 おいて、火災予防対策及び火災や地震等 「統括防火・防災管理者」には、建物の廊下、 階段など共用部の防火管理を行うことを義務 の災害発生時における対策を樹立する必 要があります。 付けるとともに、各テナントの防火・防災管 具体的には、火災予防対策として、日 理者に対して、消防訓練への参加、廊下、階 常的な火気管理業務や建物に設置されて 段など共用部の物件の除去等、防火・防災管 いる消防用設備等の定期的な点検を行う 理上の必要な措置を指示できることとなりま 維持管理業務などがあります。 した。また、建物全体についての消防計画を 作成する役割もあります。 また、火災や地震等の災害発生時の対 策として、自衛消防組織による迅速かつ このように、防火・防災管理が複数になり がちなテナントが入居するビル等では、 「統括 統一的な初期活動や、災害時を想定した 消防訓練の実施などがあります。 防火・防災管理者」を中心に建物全体の統一 このように、消防計画に基づいた防 的な防火・防災管理体制を構築していく必要 火・防災管理体制を構築し、関係者が一 があります。 体的な防火・防災管理を推進していくた - 32 - め、立入検査や講習会等あらゆる機会を通 認及び避難施設等の維持管理について関 じて、防火・防災管理の重要性について教 係者に対し、周知徹底を図りました。 示しています。 また、本火災を契機に平成 26 年度から は、消防法令や建築基準法令に基づき定 ● 建物の用途特性に応じた められた防火基準に適合しているホテ 防火・防災管理体制の構築指導 ル・旅館等に表示マーク(適マーク)を 防火・防災管理体制は、建物の営業形 掲出することができる「表示制度」が全 態や利用者の特性等を勘案し、出火、延 国的に開始されます。 焼拡大の危険性、さらに煙や避難経路か この制度は、平成 15 年度をもって廃止 ら見た逃げ遅れの危険性等、あらゆる角 となった「旧適マーク制度」を再構築し 度から危険予測を行い、必要な体制を構 た制度で、ホテル・旅館等の関係者から 築していくことが求められます。 の申請により、消防機関が防火基準の適 本市では、こうした建物の用途特性に 合状況を審査し、その結果、適合してい 応じた防火・防災管理体制が消防計画に ると認められるホテル・旅館等に対して、 より定められ、自主消防訓練等で検証を 表示マーク(適マーク)を交付するとと 行い、実効性のあるものとなっているか、 もに、利用者への安全情報の提供を目的 立入検査等の機会を通じて関係者に確認 として防火基準に適合しているホテル・ を行い、効果的な防火・防災管理体制の 旅館等を本市のホームページに掲載する 構築指導を行っています。 ことになります。 この「表示制度」により、ホテル・旅 館等の関係者に防火意識の高揚を促し、 2 防火安全対策の徹底 ● ホテル・旅館等の 更なる防火安全体制の促進を図ります。 防火安全対策 平成 24 年 5 月に発生した広島県福山市の ホテル火災では、火災の初期消火、通報、 避難誘導等が適切に行われなかった事や、 建物構造上の不備等が要因となり、多数の 死傷者を出す大惨事となりました。 本市では同様の被害を防止するため、市 内にあるホテル・旅館等の立入検査を実施 し、出火防止対策、火災時の初動体制の確 - 33 - ● 小規模社会福祉施設等の 事となりました。 防火安全対策 この火災を受け、市内の入院施設を有す 近年、比較的小規模な社会福祉施設におい る診療所や病院等に対して緊急の立入検査 て、多数の死傷者を伴う火災が相次いで発生 を実施し、防火管理の徹底について教示し しています。長崎県大村市の認知症高齢者グ ました。また、これらの施設には定期的な ループホーム火災(平成 18 年1月:死者 7 名) 立入検査を実施しており、関係者に対し出 以降も、全国的にグループホーム等の小規模 火防止、避難経路の確保、消火・通報・避 社会福祉施設での火災が繰り返されています。 難誘導訓練の実施等の重要性を教示し、火 また、同様の施設は、近年の社会情勢により 災危険の排除と火災予防意識の高揚を促し 増加の一途をたどっており、その利用者の多 ています。 くが自力での避難が困難とされています。 これらの状況を踏まえ、小規模社会福祉施 ● 夜間における防火管理体制の構築 設等においては、スプリンクラー設備や自動 ホテルや小規模社会福祉施設、入院施 火災報知設備などの消防用設備の設置が義務 設を有する診療所等の火災で多数の死傷 化され、防火安全対策の強化が図られていま 者が発生した直接の原因は様々ですが、 す。また、本市においても市内にあるグルー 共通した潜在的な危険要因として、夜間 プホーム等に立入検査を実施すると共に、関 に火災が発生した際に、被害が拡大する 係部局と連携し、施設の関係職員に対し、出 傾向にあることが挙げられます。夜間は 火防止対策をはじめ、初期消火要領や避難誘 日中に比べ施設の従業者も減り、宿泊客 導訓練を重点とした防火安全対策の徹底を呼 や入所者等も就寝しています。そこで火 びかけています。 災が発生した場合、適切な初動対応が行 われなければ、重大な結果を招くおそれ があります。 これらの施設では、夜間における防火 管理体制において、特に重要となる火災 の発見、通報、初期消火、避難誘導、防 火区画の形成等の初動体制が、消防計画 小規模社会福祉施設の消防設備確認 で樹立され実効性のある体制になってい るか立入検査等の機会を捉えて確認を行 ● 入院施設を有する診療所等の い、必要な防火管理体制の構築が図られ 防火安全対策 るよう指導しています。 平成 25 年 10 月に発生した福岡市博多区の 整形外科医院の火災は、10 名が亡くなる大惨 - 34 - ● 関係部局との連携 ● 違反是正の徹底 不特定多数の方が利用する防火対象物に対 これまで消防法令違反などの火災予防 する立入検査において、十分な効果を上げる 上危険な状態を是正指導する場合は、関 ため、火災予防運動及び建築物防災週間等の 係者の自発的な改修、除去等の行動を促 期間中に、本市建築部局職員と合同での立入 すなどの行政指導を中心に行ってきまし 検査を行っています。 た。 こうした合同の立入検査を通じて消防法令 しかしながら、全国的な緊急特別査察 のみならず、建築関係法令に関する遵守状況 の結果、多くの防火対象物に何らかの消 も掌握し、相互の情報共有を図りながら効率 防法令違反があるといった実態が明らか 的に防火安全対策を推進しています。 となりました。 また、近年増加している社会福祉施設等の こうした防火対象物には、徹底した是 情報共有を図るため、福祉部などの関係部局 正追跡指導を行い、火災発生危険の有無、 とも連携を密にし、利用者の安全が確保され 関係者の違反是正の意思や能力の有無、 るよう、必要な指導を行っています。 違反処理のための代替手段の可能性など を総合的に確認した上で、時期を失する ● 大規模物品販売店舗への無通告検査 ことなく措置命令や使用停止命令、刑事 防火対象物の管理について実態を把握し、 告発等を発動し、迅速かつ効率的な違反 迅速かつ的確な指導を行なう必要があること 処理を進め、利用者が不測の事態を被る から、事前通告をすることなく立入検査を行 ことを防ぐことが必要とされています。 うことが消防法により認められています。 また、消防機関により措置命令等が発 平成 25 年度中は、秋季火災予防運動の一環 せられた防火対象物には、その事実をお として、不特定多数の方が利用し、火災時に 知らせする標識を設置し、利用者に情報 は大きな被害が予想される大規模物品販売店 提供を行っています。 に対して防火対象物自主点検表を送付し、そ のうち 3 店に対し、無通告による立入検査を 行いました。 立入検査では、通路、避難口及び階段等の 避難施設の管理状況を重点的に確認し、安全 に避難する上で支障となる箇所が認められた 場合に、その場で即時是正させるとともに、 防火管理の重要性及び再発防止について教示 しています。 - 35 - 標識による情報提供 又は取り扱う施設を設置する際は消防署へ 第 7 章 の届け出が必要であり、本市火災予防条例 で位置、構造及び設備並びに貯蔵・取扱い 方法について規制しています。 危険物行政の動き 平成 26 年(2014 年)4月1日現在、本市 には少量危険物施設が 911 施設あります(内 1 危険物施設の現況 訳は資料編 表 72 参照)。 私達の日常生活に深く関わり生活を支えて いるガソリン・灯油等の石油類や化学薬品な 2 石油コンビナート等 特別防災区域の状況 ど、引火・爆発等の火災危険を内在している 物品は、消防法で危険物に指定されています。 一定数量以上の石油や高圧ガスが大量に 指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱 集積されている地域は、石油コンビナート う施設を設置する際は市長の許可が必要であ 等災害防止法に基づき、石油コンビナート り、施設の位置、構造及び設備並びに貯蔵・ 等特別防災区域に指定されています。 取扱い方法について厳しく規制されています。 平成 26 年(2014 年)4月1日現在、本市に 本市では昭和 51 年に久里浜地区が指定さ れ、規制を受けています。 は市長の許可を受けて設置された危険物施設 当該区域における許可施設数は、屋外タ (以下「許可施設」という。 )が 696 施設あり ンク貯蔵所が 14 施設(特定屋外タンク貯蔵 ます(内訳は資料編 表 70 参照) 。これらのう 所は 13 施設、その内浮き屋根式のものは4 ち、石油製品を中心とする第4類の危険物を 施設)、一般取扱所が4施設、屋内貯蔵所が 貯蔵し、又は取り扱う施設が全体の 98%を占 1施設となっています。 めています(資料編 表 71 参照) 。 当該区域内に所在する事業所(特定事業 許可施設数については、平成 21 年度当初 756 所)は、自衛防災組織の設置、防災資機材 施設あったものが平成 26 年度当初には 696 施 の備え付け、防災管理者の選任、防災規程 設と、5年間で 60 施設が減少しています。危 の制定等が義務付けられています。 険物施設の増減には社会経済の動向が少なか 石油コンビナート等特別防災区域で発生 らず影響しているものと考えられ、減少傾向 する災害は特殊で大規模化の可能性が高い は今後も続いていくものと予想されます。 ことから、関係機関が合同で石油コンビナ ート等防災訓練を定期的に行っています。 ● 少量危険物施設の現況 また、特定事業所の防災業務が適正に実 指定数量の5分の1以上指定数量未満の危 施されているかどうか確認するため、定期 険物(以下「少量危険物」という。 )を貯蔵し、 的に神奈川県工業保安課や神奈川県警察本 - 36 - 部と合同で立入検査を実施しています。 設の所有者・管理者・占有者に課せられた 重要な責務です。 ● 大容量泡放射システムの配備 危険物施設で火災等の事故が発生した場 平成 15 年に発生した北海道十勝沖地震での 合には、公共一般に及ぼす危険が著しく大 屋外タンク全面火災を契機に、石油コンビナ きくなることが予想されます。総務省消防 ート等特別防災区域に所在する一定以上の規 庁が発表した統計によると、危険物施設で 模の事業所には、消火用の泡を大量に放射で 発生した事故の原因は大部分が人為的なも きる「大容量泡放射システム」を配備するこ のであるとされており、自主保安意識の向 ととされました。 上がより一層望まれているところです。 久里浜地区については、平成 20 年 11 月に 平成 25 年度中に実施した査察の際には、 京浜臨海地区、根岸臨海地区、清水地区の各 各事業所に対し自主保安体制を構築するよ 特定事業所と共同で大容量泡放射システムが う総合的指導を行ないました。 配備され、大規模タンク火災に備えた消防力 の充実強化を図っています。 ● 危険物施設に対する査察 平成 25 年度中における危険物施設に対す 3 危険物事故を防ぐ る査察実施状は、539 件です(内訳は資料編 表 72 参照)。 ● 危険物施設等における事故の状況 なお、査察時に指導を行った主な違反事 平成 25 年度中には本市の許可施設から6件 項は、表7-1のとおりです。 の事故が発生しました。危険物の流出が1件、 設備破損が2件、火災が2件、油種混入事故 主な違反事項 が1件発生したものの、人的被害はありませ ○危険物取扱者保安講習会未受講 んでした。 また、施設区分別では給油取扱所で設備破 損が2件、危険物の流出が1件、移動タンク 許 可 施 設 ○定期点検の未実施 ○配管の腐食 ○貯蔵容器の転落防止措置不適 貯蔵所で油種混入事故が 1 件、一般取扱所で ○不必要な物品の存置 火災が2件発生しました。 ○少量危険物取扱従事者講習会 全国的にも危険物施設での事故が多く報告 されており、事故防止対策が強く求められて いるところです。 ● 自主保安体制の推進 少 量 危 険 物 施 設 未受講 ○貯蔵容器の転落防止措置不適 ○貯蔵容器の表示不適 ○不必要な物品の存置 ○消火設備の未設置 危険物施設の維持管理・安全管理は、各施 - 37 - 表7-1 主な違反事項 また、秋季火災予防運動(11 月9日から 15 の防止や危険の排除などを目的として行う 日まで)の前後には、市内の各所で移動タン ものです。危険物施設における消防関係法 ク貯蔵所及び危険物運搬車両の査察を実施し 令違反のうち悪質なものや危険性の大きい ています。 ものに対しては、警告、命令、あるいは告 発などの手段により是正を図らなければな りません。 平成 25 年度中は警告を4件発しました。 その概要は以下のとおりです。 ・指定数量以上の危険物を無許可で貯蔵 ・無許可変更工事(2件) ・誤給油による油種混入事故 4 危険物運搬車両等の街頭検査 危険物安全週間 危険物関係事業所における自主保安体制 の確立を呼びかけるとともに、家庭や職場 平成 25 年度の危険物運搬車両等の査察実施 で危険物を取り扱う人々の意識の高揚及び 状況及び消防法令違反に対する指導状況につ 啓発を図るため、平成2年度から6月の第 いては、表7-2のとおりです。 2週が「危険物安全週間」とされ、全国の 平成 25 年度(2013 年度) 実 施 実施場所 場 所 数 合 計 13 道 路 上 移動タンク貯蔵所 危険物運搬車両 無 検 基 検 基 許 査 車準 査 車準 可 車 両不 車 両不 車 両 数適 両 数適 両 数 合 数 合 数 64 6 0 3 2 3 11 3 常 置 場 所 10 53 3 3 本市でも自主保安体制の強化を図るため、 毎年、危険物の取扱い作業に従事する方に 対する講習、研修会、消防訓練等を事業者 が自ら実施するよう促進指導しているほか、 平成 25 年度は、危険性の高い大規模事業所 の危険物施設やセルフスタンド、少量危険 2 物施設の集中査察を実施しました。 そ の 他 また、ポスター・パンフレットの配布等 表7-2 危険物運搬車両等の査察状況 ● 市町村で様々な取組みが行われています。 広報活動も合わせて実施しました。 危険物施設に対する違反処理 違反処理は、法令違反の是正を図り、事故 - 38 - 5 少量危険物取扱従事者講習会 本市では、少量危険物の貯蔵・取扱い作業 に従事する方を対象とした講習会を毎年開催 しています。この講習会は、危険物の正しい 貯蔵・取扱い方法及び運搬方法等を習得し、 少量危険物施設からの火災等を未然に防ぐこ とを目的とするものです。 平成 25 年度中の新規受講者は 38 名、更新 受講者は 66 名でした。 6 ガソリン携行缶の 適正な取扱いについて 平成 25 年8月 15 日に京都府福知山市の花 火大会会場で発生した火災は、多数の死傷者 を出す大惨事となりました。火災原因等につ いては、携行缶に貯蔵されたガソリン(露天 商の店主が発電機の燃料用として用意したも の)の不適切な取扱いにより、被害が拡大し たものと推定されています。このような事故 をうけ、本市においては、ガソリンスタンド や漁業協同組合及び農業協同組合等、ガソリ ン携行缶を取扱う機会の多い事業者等に対し、 ガソリン携行缶への貼付を目的とした、取扱 い方法に関する注意表示シールを配布しまし た。また、平成 26 年度以降は、一般市民の方 への配布を目的として、注意表示シールを増 刷し、各消防署に配置することを予定してい ます。 - 39 - 【 注意表示シール 】 時には、消防職員とともに災害防ぎょ活 第 8 動にあたり、非常に大きな戦力となって 章 います。 平成 25 年(2013 年)中には延べ、2,096 地域の消防リーダー消防団 人の消防団員が災害出動しました。 災害時以外は、各自の生業に従事しなが 1 消 防 団 ら地域住民の防災意識の普及や防火指導及 び火災の警戒パトロールなどを実施してい 本市の消防団は、1市1団9地区 41 個分団 ます。 が置かれ、消防団員 970 名で組織されていま す。 また、地域の防災リーダーとして、自主 防災組織の活動促進など地域に密着した幅 広い活動を実施しています。 ● 消防団の活動状況 平成 25 年(2013 年)中の消防団は、災害 出動件数 100 件を含め、訓練、警戒等延べ 11,057 人の消防団員が出動しました。 この人数は、1日あたり約 30 人の消防団 員が出動した計算になります。 消 防 団 員 平成 25 年(2013 年) 内 訳 件 数 人 員 災 害 100 2,096 消防団の任務は、 「消防組織法」の第1条に 訓 練 745 6,882 「消防は、その施設及び人員を活用して、国 警 戒 20 2,079 民の生命、身体及び財産を火災から保護する 合 計 865 11,057 ● 消防団の任務 とともに、水火災または地震等の災害を防除 表8-1 消防団出場状況 し、及びこれらの災害による被害を軽減する ほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行 うことを任務とする」と任務がはっきりと明 示されています。 ● 消防団の施設・装備 消防団の施設には、分団詰所、ホース 干場、サイレン等があり、分団詰所は、 この任務を遂行することが、消防団存立の 目的であり、消防団員の使命です。 昭和 55 年度以降、市費で耐震耐火構造の 分団詰所が建設され、現在 39 棟完成して また、広域的な災害や大規模な災害発生 - 40 - います。 装備としては、消防ポンプ自動車 11 台、小 型動力ポンプ付積載車 37 台が配置されてい ます。 受令機を配備 平成 16 年度~ ・各分団に救命浮環及 び救命胴衣を配備 平成 17 年度~ ・各分団に救急セット を配備 平成 18 年度~ ・携帯電話への一斉同報 メールシステム導入 平成 20 年度~ ・各分団にガス式発電 機一式を配備 (4ヵ年計画) 平成 23 年度~ ・市民安全部危機管理 課から応急対策用防 災資機材を保管替え 消防団詰所 平成 24 年度~ ・消防団幹部及び各分 団にデジタル簡易無 ● より迅速な出動のために 線機を配備 消防団へ災害等の情報をいち早く、確実 に知らせるために、 「 消防団災害情報システ 平成 25 年度~ ・各分団に震災対策物 品を配布 ム」として平成 14 年度(2002 年度)から 全消防団員(音楽隊員を除く)に対し、ポ ケットベルによる災害出動指令を行ってい ま し た が 、 機 能 の 充 実 を 図 る た め 平 成 19 年(2007 年)3月1日から新しく携帯電話 への電子メールによる災害出動指令を開始 しました。 ● 消防団装備等の変遷 平成 13 年度~ ・各分団にファクシミリ、 トランシーバーを配備 ・各分団に原子力災害 対 策用資器材を配備 平成 14 年度~ ・全団員にポケベルを配備 ・消防団各車両に車載用 - 41 - 震災対策物品 2 魅力ある消防団を目指して 消防団の広報を図るとともに、日頃の訓練 の成果を披露することにより、消防団のイ これからの消防団には、社会の変化に適 メージアップを図るよう努力しています。 合した新鮮で活力のある消防団が求められ ており、消防団の活性化を推進するために 広報の充実や処遇の改善などを行っていま す。 ● 消防団音楽隊 消防団音楽隊は、消防団の活性化の一施 策として女性消防団員を採用し、消防団の 存在を広く市民にPRし、消防団による広 消防団音楽隊定期演奏会 報を充実させるために平成3年(1991 年) 5月1日に発足しました。 ● ホームページ等による紹介 音楽隊は、自分の生業があり出場回数も 平成 13 年度(2001 年度)から市ホー 限度がありますので、消防の諸行事や本市 ムページで消防団の活動をPRしていま 主催の行事を主体に出場しています。 す。 また、市ホームページ内にある「よこ す か ム ー ビ ー チ ャ ン ネ ル 」 か ら 「 You Tube」に投稿した音楽隊の動画を視聴す ることができます。 ● 女性消防団員の活躍 平成 15 年(2003 年)から消防団員の 一員として、女性の消防団員が活躍して います。 衣笠さくら祭り 武者行列パレード 主にソフト面での防災・防火活動を行 います。女性団員の育成を図ることによ 平成 12 年度(2000 年度)から音楽隊定 期演奏会を開催し、文化会館やよこすか芸 術劇場を会場として、毎年 1,000 名以上の 来場者を記録しています。 り、消防団全体の活性化を推進していき ます。 平成 25 年度中には女性消防団員が 27 箇所の幼稚園・保育園に出向して紙芝居 音楽隊は演奏を通じて、防火思想の普及と - 42 - を使って園児に防火の指導を行いました。 3 消防団員の研修・訓練 消防団員の活動内容は多様化してきてお り 、市民 の期待に 十分応 えられ る専門技 術・専門知識をもった消防団員を育成する ために各種研修・訓練を行っています。 幼児防火教室 ・幹部研修 ・消防団員指導者講習 ● 消防団協力事業所表示制度 ・地震対策特別講習 本市では消防団の活動環境整備を図るた ・普通救命講習 めの制度として、市内の消防団に積極的に ・新任団員研修 協力している事業所等に対して、消防団協 ・消防団実務研修 力事業所表示証を交付する消防団協力事業 ・正副消防団長研修 所表示制度を平成 22 年度からスタートし ・消防操法競技大会 ています。 ・消防団総合演習 平成 26 年4月1日現在、19 事業所へ表 示証を交付しています。 NO. 横須賀市消防団協力事業所 ・女性消防団員及び婦人消防隊等合同研修 表示証交付日 1 東京電力㈱西火力事業所横須賀火力発電所 平成22年11月15日 2 (株)グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン 〃 3 独立行政法人 海洋研究開発機構 〃 4 社会福祉法人 湘南アフタケア協会 〃 5 東芝ライテック㈱ 〃 6 ㈱トラスト 〃 7 横須賀市大楠漁業協同組合 〃 8 ㈱岡村製作所追浜事業所 〃 9 学校法人 横須賀学園 横須賀若葉幼稚園 〃 10 住友重機械工業㈱横須賀造船所 〃 11 横須賀共済病院 〃 12 ㈱サガミ 〃 13 日産自動車㈱追浜工場 〃 14 京浜急行バス㈱衣笠営業所 〃 15 よこすか葉山農業協同組合 〃 16 宇内建設㈱ 〃 17 ㈱下浦石油 平成24年12月10日 18 ㈱富士オイル 平成25年3月19日 19 ㈱京急ファインテック久里浜事業所 平成25年9月24日 表8-2 ・消防団員確保のための普及・啓発研修 普通救命講習 消防団協力事業所一覧 - 43 - 4 消防団の広域連携 消防団は地域密着型の組織ですが、大 規模災害が発生した際は、消防相互応援 協定に基づき隣接市町と連携して活動を 実施します。東日本大震災においても被 災地近隣の消防団員が沿岸部へ応援出場 新任団員研修 ● し、消火救助活動を実施しました。 消防団消防操法競技大会 ● 第 47 回横須賀市消防団消防操法競技大 三浦半島消防団連絡協議会 横須賀市・鎌倉市・逗子市・三浦市・ 会を平成 25 年(2013 年)9月 29 日に市消 葉山町の4市1町で連絡協議会を組織し、 防総合訓練センターにおいて開催し、自動 関係市町消防団との緊密な連絡調整を図 車ポンプの部では第8分団(船越)が優勝 り、有事の際に円滑に活動できるよう普 し、小型ポンプの部では第 37 分団(久比里) 段から連携した活動を実施しています。 が2大会連続優勝に輝きました。 この大会は、消防団員が訓練の集大成と ・三浦半島消防団長会議 して消防操法を競い合うことにより、消防 ・三浦半島消防団員ソフトボール大会 技術の向上と危機管理意識を高め、災害の ・三浦半島消防団連絡協議会視察研修 対応力を養成するために隔年で実施してい ・春季・秋季火災予防運動 防火宣伝 ます。 優 勝 し た そ れ ぞ れ の 分 団 は 平 成 26 年 (2014 年)7月に開催予定の第 49 回神奈 川県消防操法大会に本市消防団の代表とし て出場します。 火災予防運動防火ポスター 消防団消防操法競技大会 - 44 -
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