売上高総額は2期連続で増加 - 帝国データバンク

2014/2/4
東京都港区南青山 2-5-20
TEL: 03-5775-3073
URL:http://www.tdb.co.jp/
特別企画: 菓子メーカー主要 485 社の経営実態調査
売上高総額は2期連続で増加
~9割近くが黒字を確保、さらに4社に3社が「2期連続黒字」~
はじめに
2 月 14 日のバレンタインデーを目前に百貨店やスーパーではバレンタイン商戦が本格化、色と
りどりの菓子が並び、売り場は活気を帯びる。バレンタインデーはカップルにとどまらず、周り
の人へ日ごろの感謝を表す機会として定着し、チョコレートに限らず菓子や品物を贈る人が増加。
菓子メーカー各社にとっては、バレンタイン向け商品の投入や期間限定での出店など商品PRの
絶好の機会を得て、繁忙期を迎える。
そこで帝国データバンクでは、2014 年 1 月時点の企業概要データベース「COSMOS2」
(144
万社収録)の中から、2012 年度(2012 年 4 月~2013 年 3 月期)の売上高が判明した菓子メーカー
485 社(売上高 10 億円以上、一部推定値含む)を抽出。売上高総額の推移、売上高規模別、損益
状況、地域・業歴別に分析した。同調査は 2013 年 2 月に続き 3 回目。
調査結果(要旨)
1.主要 485 社のうち、2010~2012 年度の 3 期連続で比較可能な売上高が判明した 462 社をみると、
2012 年度の売上高総額は 2 兆 6194 億 9100 万円で前年度比 1.5%増、2011 年度が同 0.7%増で
あったことから、2 期連続で増加した。
「増収」企業(260 社)は構成比 56.3%を占め、このう
ち「2 期連続増収」(139 社)は同 30.1%となった。
2.2012 年度の売上高規模別では、「500 億円以上 1000 億円未満」が 2 社(構成比 0.4%)、「1000
億円以上」が 6 社(同 1.2%)となった。
3.2011 年度と 2012 年度の損益が判明した 396 社のうち、2012 年度の「黒字」企業は 344 社(構
成比 86.9%)
、「2 期連続黒字」は 297 社(同 75.0%)となった。
4.地域別では「関東」が社数、売上高合計ともにトップ。売上高合計が前年度比で増加したのは、
「北陸」「中部」「四国」を除く6つの地域で、なかでも「北海道」「東北」「関東」が堅調に推
移した。
5.業歴別では「50 年以上 100 年未満」が 221 社(構成比 45.6%)と半数を占めた。また、「100
年以上」が 83 社(同 17.1%)あり、業歴 50 年以上の企業が全体の6割を占めた。
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2014/2/4
特別企画: 菓子メーカー主要 485 社の経営実態調査
1. 売上高総額の推移 ~売上高総額は 2 期連続で増加
主要 485 社のうち、2010~2012 年度の 3 期連続
で比較可能な売上高が判明した 462 社をみると、
2012 年度の売上高総額は 2 兆 6194 億 9100 万円で、
前年度比 1.5%増。2011 年度が同 0.7%増であった
ことから、2 期連続で増加した。
2012 年度が「増収」となった企業は 260 社(構
成比 56.3%)、このうち「2 期連続増収」となっ
た企業は 139 社(同 30.1%)であった。
「減収」となった企業は 177 社(構成比 38.3%)、
このうち「2 期連続減収」となった企業は 91 社(同
2010年度
2011年度
2012年度
売上高総額
(百万円)
2,561,734
2,579,745
2,619,491
2012年度売上高
増 収
2期連続増収
減 収
2期連続減収
横ばい
合計
社数
260
139
177
91
25
462
前年度比
(%)
0.7
1.5
構成比(%)
56.3
30.1
38.3
19.7
5.4
100.0
19.7%)で、
「増収」企業数は「減収」企業の 1.5 倍となった。
2. 売上高規模別 ~「500 億円以上」が 8 社
主要 485 社の 2012 年度売上高を規模
別にみると「10 億円以上 50 億円未満」
が 375 社(構成比 77.3%)で、全体の
8 割を占めた。
売上高規模の大きい「500 億円以上
2012年度売上高
10億円以上50億円未満
50億円以上100億円未満
100億円以上500億円未満
500億円以上1000億円未満
1000億円以上
合計
社数
375
62
40
2
6
485
構成比(%)
77.3
12.8
8.2
0.4
1.2
100.0
1000 億円未満」が 2 社(構成比 0.4%)
、「1000 億円以上」が 6 社(同 1.2%)となった。
3. 損益状況 ~4 社に 3 社が「2 期連続黒字」
主要 485 社のうち 2011 年度と 2012 年度の
損益が判明した 396 社をみると、2012 年度は
「黒字」が 344 社(構成比 86.9%)で、9 割
近くが「黒字」を確保した。また、297 社(構
成比 75.0%)が「2 期連続黒字」となった。
2012年度損益
黒 字
2期連続黒字
赤 字
2期連続赤字
合計
社数
構成比(%)
344
86.9
297
75.0
52
13.1
23
5.8
396
100.0
損益状況が好調な理由として、食品製造業全体のなかでも菓子製造業は原価率が低く、高い付
加価値を付けられる業態であることが挙げられる。帝国データバンク発行の『全国企業財務諸表
分析統計』によると、粗利益率は食料品・飼料・飲料製造業が 25.81%であるのに対し、パン・菓
子製造業は 31.88%と、6ポイントも高い。
「赤字」となった企業は 52 社(構成比 13.1%)で、このうち「2 期連続赤字」となった企業は
23 社(同 5.8%)。この 23 社のうち「北陸」と「中部」が各 5 社、「業歴 50 年以上」が 18 社であ
った。昔からの看板商品を抱える地方の老舗メーカーが、新たな人気商品の開発を課題に抱えて
いたり、OEM元やグループ企業を主力得意先に持ち、利幅の薄い体質から脱却できない姿が見
られた。
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2014/2/4
特別企画: 菓子メーカー主要 485 社の経営実態調査
4.地域別 ~北日本が前年度と比べ好調
主要 485 社を地域別でみると、「関東」が 154 社(構成比 31.8%)
と最も多かった。
3 期連続で比較可能な売上高が判明した 462 社の 2012 年度売上高
地域
社数
構成比(%)
北海道
27
東北
25
5.6
5.2
関東
154
31.8
北陸
23
4.7
合計も「関東」が1兆 1292 億 8600 万円(構成比 43.1%)でトップ
中部
90
18.6
近畿
99
20.4
となった。大手企業の本社が「関東」に多くあることが要因と考え
中国
14
2.9
四国
15
3.1
九州
38
7.8
合計
485
100.0
られる。
「北陸」「中部」「四国」を除く 6 つの地域で売上高合計が前年度
比で増加、特に「東北」(前年度比 3.1%増)、「関東」(同 3.0%増)、「北海道」(同 2.0%増)が好
調であった。理由として、東日本大震災の影響(工場被災、原材料調達が困難、交通の混乱、国
内外からの観光客減少)による 2011 年度の売り上げ悪化の反動が考えられる。
社数
地域
増収
北海道
27
東北
24
関東
146
北陸
23
中部
81
近畿
95
中国
14
四国
15
九州
37
合計
462
【地域別売上高上位3社】
TDB
企業コード
減収
17
17
82
9
38
60
7
8
22
260
10
6
58
12
36
27
6
7
15
177
商号
1 010851052 株式会社 ロイズコンフェクト
2 030003362 六花亭製菓 株式会社
3 090100751 株式会社 ケイシイシイ
1 160003151 株式会社 でん六
東北
2 100424188 株式会社 菓匠三全
3 190316568 株式会社 三万石
1 985814507 株式会社 明治
関東
2 600009030 カルビー 株式会社
3 985821600 森永製菓 株式会社
1 360003441 株式会社 ブルボン
北陸
2 340100241 亀田製菓 株式会社
3 340342073 株式会社 三幸
1 968364052 株式会社 シャトレーゼ
中部
2 671001004 井村屋 株式会社
3 470046641 株式会社 おやつカンパニー
1 580020051 江崎グリコ 株式会社
近畿
2 530104331 株式会社 ユーハイム
3 530038405 モロゾフ 株式会社
1 610011819 カバヤ食品 株式会社
中国
2 690181381 壽製菓 株式会社
3 610120681 株式会社 源吉兆庵
1 740096604 株式会社 あわしま堂
四国
2 740086582 ルナ物産 株式会社
3 740044902 株式会社 ハタダ
1 810159303 株式会社 森田あられ
九州
2 800001073 株式会社 石村萬盛堂
3 850122012 有限会社 和泉屋
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
北海道
横ばい
0
1
6
2
7
8
1
0
0
25
所在地
北海道
北海道
北海道
山形県
宮城県
福島県
東京都
東京都
東京都
新潟県
新潟県
新潟県
山梨県
三重県
三重県
大阪府
兵庫県
兵庫県
岡山県
鳥取県
岡山県
愛媛県
愛媛県
愛媛県
福岡県
福岡県
長崎県
2011年度
売上高合計
(百万円)
114,170
73,896
1,096,624
286,128
276,309
528,791
65,129
43,026
95,672
2,579,745
2012年度
売上高
(百万円)
18,000
14,400
7,494
18,265
7,900
4,748
693,810
141,684
138,339
100,602
68,881
46,135
40,573
26,763
16,000
143,247
32,668
27,333
26,859
7,164
6,323
11,299
4,613
4,376
9,513
6,245
5,350
2012年度売上高合計
(百万円)
前年度比
構成比
(%)
(%)
116,423
2.0
4.4
76,207
3.1
2.9
1,129,286
3.0
43.1
282,724
△ 1.2
10.8
275,809
△ 0.2
10.5
533,385
0.9
20.4
66,216
1.7
2.5
42,563
△ 1.1
1.6
96,878
1.3
3.7
2,619,491
1.5
100.0
主な製品・ブランド
生チョコレート、ポテトチップチョコレート
マルセイバターサンド
LeTAO(ルタオ)
でん六豆
萩の月
ままどおる、エキソンパイ
ミルクチョコレート、カール、キシリッシュ
ポテトチップス、じゃがりこ、かっぱえびせん
チョコボール、おっとっと、ハイチュウ
ルマンド、エリーゼ、味ごのみ
海苔ピーパック、ハッピーターン、亀田の柿の種
雪の宿、チーズアーモンド
シャトレーゼ
水ようかん、あずきバー
ベビースター、フランスパン工房
ポッキー、ビスコ
ユーハイム
モロゾフ
ゴールドチョコレート、ジューC
因幡の白うさぎ
福渡せんべい、陸乃宝珠
あわしま堂
OEM商品(チルドデザートなど)
ハタダ栗タルト、御栗タルト
餅のおまつり
鶴乃子
綺麗菓、五三焼カステラ、長崎しよこらあと
※一部推定値あり
3
2014/2/4
特別企画: 菓子メーカー主要 485 社の経営実態調査
5. 業歴別 ~業歴 50 年以上が6割と老舗企業が多い
主要 485 社を業歴別でみると、
業歴
10年未満
10年以上30年未満
30年以上50年未満
50年以上100年未満
100年以上
合計
「50 年以上 100 年未満」が 221 社
(構成比 45.6%)、
「100 年以上」が
83 社(同 17.1%)であったことか
ら、業歴 50 年以上が全体の6割を
占め、全業種の中でも老舗企業の多
社数
12
71
98
221
83
485
構成比(%)
2.5
14.6
20.2
45.6
17.1
100.0
い業種と言える。
「100 年以上」の長寿企業には、井村屋(株)(三重県津市、1896 年創業)、森永製菓(株)(東
京都港区、1899 年創業)、
(株)石村萬盛堂(福岡市博多区、1905 年創業)、(株)ユーハイム(神
戸市中央区、1909 創業)といった、地域別の売上高上位にランクインする企業もみられる。
3 期連続で比較可能な売上高が判明した 462 社の 2012 年度売上高合計をみると、「10 年未満」
が前年度比 0.7%減、「10 年以上 30 年未満」が同 2.2%増、「30 年以上 50 年未満」が同 4.0%増、
「50 年以上 100 年未満」が同 1.0%増、「100 年以上」が同 1.4%増となった。
「10 年未満」だけが前年度比で悪化しているが、12 社中 10 社が増収となっている。さらにこ
のうち 6 社が 10%以上の伸び率を記録、7 社が 2 期連続増収と好調だ。
パンケーキ専門店「Butter」を展開する(株)スイーツデザインラボ(大阪市北区、2007 年 7
月設立、売上高前年度比 33.8%増)や、「五感~GOKAN~」のブランド名で黒豆マドレーヌなどの
焼菓子や生菓子を製造販売する(有)五感(大阪市中央区、2005 年 9 月設立、同 10.8%増)は、
消費者からの支持を得て売上高が伸長。また、海外の有名スイーツの日本展開や、百貨店および
鉄道ターミナル駅・空港内などへの出店が寄与し、業歴が浅いながらも売り上げを拡大した企
業がみられた。
社数
業歴
増収
10年未満
10年以上30年未満
30年以上50年未満
50年以上100年未満
100年以上
合計
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
12
65
95
211
79
462
10
44
68
102
36
260
減収
2
19
26
92
38
177
横ばい
0
2
1
17
5
25
2011年度
売上高合計
(百万円)
93,854
197,496
376,843
1,463,200
448,352
2,579,745
2012年度売上高合計
(百万円)
93,211
201,856
391,781
1,478,144
454,499
2,619,491
前年度比
(%)
△ 0.7
2.2
4.0
1.0
1.4
1.5
構成比
(%)
3.6
7.7
15.0
56.4
17.4
100.0
4
2014/2/4
特別企画: 菓子メーカー主要 485 社の経営実態調査
6. まとめ
菓子メーカー主要 485 社のうち、2010~2012 年度の 3 期連続で比較可能な売上高が判明した 462
社の売上高総額は 2 期連続で増加した。また、2011 年度と 2012 年度の損益が判明した 396 社のう
ち「2 期連続黒字」が 75.0%を占めるなど、業績の堅調な企業が多数を占めた。
総務省「家計調査」によると、2013 年の世帯あたりの菓子購入金額は前年同月比で増加する月
が続いている。アベノミクス効果が一部の高額商品におよんでいると明るい話題が報じられてい
るが、嗜好品である菓子もその恩恵を受けつつある。しかし、円安による原材料価格の高止まり
やエネルギーコストの上昇、消費増税、小売業からの値下げ要求など、業績は好調ながら依然と
して菓子メーカーを取り巻く環境は厳しいままとなっている。
こうしたなか昨年は「大人向け」を強調した商品が注目を集めた。菓子業界ではこれまで若い
女性や子供など年齢の低い層を顧客に想定してきたが、大人向けにアレンジした商品が多数開発
され人気が集まった。明治が 9 月下旬に売り出した「大人のきのこの山」はスーパーなどで品薄
の状態が続くなどヒット。
「きのこの山」というロングセラー商品に高い付加価値をつけ、
「大人」
をターゲットにしたことで、旺盛な購買意欲を持つシニア層などを掴んだ形だ。
厳しい環境のなか、既存のカテゴリーでは競争激化は避けられない。このため、シニア世代な
ど新たな需要を創造することで菓子市場の活性化を図っていくことが、今後も業績を伸ばしてい
くカギとなるだろう。
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(株)帝国データバンク
TEL 03-5775-3073
本社 産業調査部
伊藤
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