「JATA 国際観光会議 2009」(H21.9.17)金井会長開会の辞 JATA 会長の金井でございます。 「JATA 国際観光会議」の開催にあたりご挨拶を申し上げます。 海外各国の観光担当大臣・大使閣下のほか、観光庁長官本保芳明様のご臨席を賜わり、また内外か らこのように多数の皆様にご参加をいただいたことに、心から御礼申し上げます。誠に有難うござ います。 日本旅行業協会は、本年 6 月、その前身の「国際旅行業者協会」設立から数えて 50 周年を迎え ました。この間日本の旅行産業は大きく発展し、国際関係の面からもその役割はますます重要にな ってきております。昨年 10 月に観光庁が発足し間も無く 1 年を迎えようとしておりますが、その 間、JATA は会員の支援・協力を得て、昨年立ち上げたVWC2000 万人のさらなる推進と併せて、 国内旅行においても宿泊拡大推進行動「もう一泊、もう一度(たび)」を始めるなど、政府が定めた 観光立国推進基本計画の目的達成に向け、民間の先陣を切って新たな取り組みを開始しました。 昨年を振り返りますと、戦後初めて 2 年連連続して海外旅行者数が減少し、今年も残念ながら大 変厳しい状況と言わざるを得ない状況です。その幾つかの原因を挙げることは簡単です。しかしな がら、こうした中にあっても成長を遂げる企業やデスティネーションがあることも事実です。これ はお客様の「旅への熱き思い」は決して尽きることがないことの証でもあります。 明日から開催される世界旅行博のトークショーに出演される作家の沢木耕太郎さんは、その著 「旅する力」の中で、「旅をするには、その旅をするための力(適性・パワー)が必要である」と し、更に「旅にはその旅にふさわしい年齢がある」と述べています。バックパックの旅以外にもさ まざまな形の旅がありますが、それぞれの年齢に応じた「旅への熱き思い」が「旅する力」へと転 化することによって、その人にふさわしい旅の実践につながるのだと思います。 私たち旅行業に携わる者がなすべきことは、どのような状況下にあっても常に人間が抱いている 「旅への熱き思い」を「旅する力」へと転化するための引き金をセットし、それを爆発させること です。言い換えれば、旅の魅力を磨き上げることによって、真に「旅へと誘なう力」を強化・発揮 して「旅への熱き思い」に火を点け、燃焼させることこそが私達の果すべき役割なのです。 そのような思いをこめて、日本を含むアジアの経済成長と観光の発展を願い、今年の本会議のテ ーマを「アジアツーリズムの新しい潮流を検証」といたしました。基調パネルや航空プレゼンテー ション、5 つのシンポジウムの内容からもアジアを中心とするツーウエイツーリズム成長を目指し た日本の旅行業界の「熱」を感じとっていただき、「旅へと誘なう力」の涵養につなげていただけ れば幸いです。 本日の会議と明日からの旅行博を通じて、現下の厳しい状況を反転させるヒントやきっかけを掴 んでいただくことを大いに期待します。 最後になりましたが、国土交通省、観光庁、地元の東京都、関係者の皆様には、開催に当たり、 多大なご協力を賜りました。この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。 ご清聴ありがとうございました。
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