富山県交通指導員制度の運営につ - 富山県警察

富山県交通指導員制度運営要綱の改正について(例規通達)
富山県交通指導員制度の運営については、
「交通指導員制度の実施について」
(昭和 36
年 7 月 19 日富交第 1001 号例規通達)の中で定める「富山県交通指導員制度実施要綱」に
より実施してきたところであるが、その後の交通事情の変化やその運営の実情などからみ
て、その運営の明確化と指導の強化を図る必要性が認められたので、道路交通法の改正を
機会として、全面改正することとした。
要綱の要点および運用・指導上の留意事項はつぎのとおりであるから、より効果的な運
用をはかるよう努められたい。
記
1 要綱改正の要点
(1) 新規規定
ア 指導員を解任できる場合を明確にした。
イ 指導員の行なう交通の整理誘導対象に自転車走行者を含めた。
ウ 警察署長の行なう任務を明確にした。
(2) 改正規定
ア 指導員の選任母体を明確にした。
イ 指導員の委嘱手続きを明確にした。
ウ 指導員の任期を明確にした。
エ 指導員の任務遂行上留意すべき事項の内容を整備した。
オ その他用語の統一と内容の整備を図った。
2 要綱の内容
(1) 指導員の委嘱
ア 選任母体
要綱第2に掲げる団体は例示的に定めたものであり、それ以外の団体の構成員で
あっても選任され得ることは当然である。
イ 委嘱手続き
(ア) 推せん者および推せん手続
指導員の推せんは従来警察署長のみとされていたが、この範囲を拡大し地方公
共団体等機関および地域あるいは職域団体からも推せんできることとした。しか
し、指導員の定数は「各警察署別交通指導員定員表」
(別紙)の定めるところによ
るので、その定員表の数の限度に留めるために、各警察署長は地域または職域団
体からの推せんと、警察署長において適任であると考慮するものについて、第3
の2に定める審査基準(以下審査基準という。
)に従い予備審査を行なったうえで
警察本部長に上申すること。
(イ) 委嘱者
警察本部長は、警察署長から上申された者について、審査基準に従い審査し適
任者であると認められる者に対しては「委嘱状」
(様式第2号)および「交通指導
員之証」
(様式第3号)を交付して委嘱するものとする。
審査基準のうち
「人格・識見」とは、交通に関する違反・事故前歴がないことはもちろん、人
格・識見が他にすぐれていることをいい、単に有力者であるというだけではその
対象となり得ない。
「指導力および行動力の有無」とは、単に交通事故防止についての理解と熱意
があるだけでなく、指導力と行動力があることが必要なのであり、行動力に富む
年代の者を選任するよう配意すべきである。
この要綱により、警察本部長から指導員として委嘱された者は、非常勤の富山
県の職員とみなされることになっているので、もし交通指導員としての任務従事
中に不幸にして交通事故など公務上の災害に遭遇した場合には「地方公務員災害
補償法」(昭和 42 年法律第 121 号)第 69 条および第 70 条の規定に基づき制定
された「富山県議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償に関する条例」
(昭
和 42 年富山県条例第 41 号)の適用を受け、療養補償・休業補償・障害補償・遺
族補償および葬祭補償などの補償を受けることができることになっているので、
そのような事案が発生したときには、前記「富山県議会の議員その他非常勤の職
員の公務災害補償に関する条例」に定める手続きをとるためにも、警察本部長に
即報する手続きを怠らないように留意すること。
(2) 指導員の解任
第4に掲げる理由あるときは、指導員を解任できることとした。
「指導員としてふさわしくない行動のあったとき」とは、悪質な交通違反や交通事
故をおこしたときや、私行上他から指摘されるような非行のあったときもこれにあた
る。
「指導員の住所または職域が任命時の警察署管内から他の警察署管内に移転したと
き」とは、指導員の住所または職域が移転したときをいい、このような場合は、活動
の本拠地を失なうことになるので解任することとした。
「指導員としての任務遂行が困難になったとき」とは、健康上の理由や職務上の地
位などの関係から交通指導員としての活動ができなくなった場合をいう。
「指導員が辞意を表明したとき」とは、辞意を表明したときはもちろん、死亡した
ときも含まれる。
また、指導員を解任したときには、
「身分証明書」の返納を受けることとした。
(3) 指導員の任期
指導員の任期を4月1日から翌年の3月 31 日までの1年間としただけでなく、4
月1日以降に任命された者については、その残期間とすることとしてその在任期間を
明確にした。
任期を1年に限ったのは、
解任の明確な理由はないが、
その活動が低調であるとか、
指導力にやや劣るところのある者を解任するときの便に供するためのものであり、再
委嘱を妨げる趣旨のものではない。
(4) 指導員の任務
指導員の任務を明確にした。
ア 広報活動
指導員の行なう広報活動の範囲を文書活動および宣伝活動ならびに交通安全教育
活動であるとしたが、これらはいずれも例示であり、これ以外の広報活動を妨げる
ものではない。
イ 街頭活動
指導員の行なう街頭活動の対象を従前の歩行者にいわゆる交通弱者である自転車
走行者を加え、その内容を正しい交通方法の実践についての指導啓蒙および交通の
整理・誘導活動とすることとした。
ウ 警察署長に対する勧告活動
指導員の警察署長に対する勧告の内容を単に悪質運転者や行為者の通報に留めず、
善行者の通報および交通安全対策推進上必要と認められる施策についても通報させ
ることとした。
(5) 指導員の任務遂行にあたっての留意事項
指導員がその任務を遂行するにあたって留意しなければならない事項を明確にした。
ア 服装等
任務を遂行する際には、制服を着用するとともに交通腕章をつけ身分証明書を携
行することを義務付けた。
イ 交通の整理・誘導の方法
指導員の行なう自動車に対する交通の整理誘導の方法は、自転車走行者および歩
行者の整理・誘導のために必要最小限度に留めるべきであることを明確にした。も
ちろん、その他に自動車運転者に対して、自転車走行者や歩行者が指導員の整理・
誘導に従って行動していることを知らせる意味をも含むものであることは当然であ
る。
ウ 交通秩序を乱す者に対する注意指導
指導員には、自動車の停止権・運転者に対する質問権など、強制的な権限は全く
ないので、いかに交通秩序を乱すものであろうとも強圧的・権力的な態度をとるよ
うなことができないので、行き過ぎのないよう、その旨明確にした。しかし、一般
私人の行なう任意的な注意指導を行なうことまでも禁止したものでないので、適切
な注意指導が行なわれるよう指導することが必要であろう。
エ 警察署長に対する勧告
警察署長に対する勧告方法の原則は文書で行なうこととし、急を要するものや、
簡単な内容のものについては電話または口頭で勧告できることとした。
(6) 警察署長の任務
警察署長の行なうべき任務を明確にした。
ア 指導員の指導教養指導員の交通に関する広報活動能力および街頭活動能力を高め
るための指導教養は警察本部でも年2回実施することとしているが、より密接な関
係にある警察署長にも指導教養の任務を付与したものである。
イ 指導員からの勧告の処理
旧要綱では、指導員からの勧告を処理する者が明らかでなかったので、これを警
察署長の任務として明確にした。
「その他必要と認められる措置」とは、警察署限りで処理できないものおよび対
他官庁と関連があり上申または通報を要するものについて、上申または通報などの
措置をとることをいう。
ウ 資料の提供
指導員の広報活動および街頭活動能力を向上させるために必要と認められる資料
を提供することを明確にした。
「必要な資料」とは、交通事故統計・法令解釈等の資料をいう。
エ 指導員連絡会の設置と運営
警察署に指導員相互の能力の向上および親睦を図ることを目的として「指導員連
絡会」を設置することと、その運営を警察署長の任務としたので、指導員制度の発
展のために最大限の努力をすること。
3 その他
(1) この要綱は、昭和 47 年6月1日から実施することとするとともに、富山県交通指
導員制度実施要綱(旧要綱)は廃止することとした。
(2) 旧要綱により交通指導員として委嘱された者の委嘱を有効なものとするために、委
嘱および委嘱状の効力を存続することとした。
別 添
富山県交通指導員制度運営要綱
第1 交通指導員制度の目的
この制度は、地域または職域団体および県民一般の交通安全意識の向上を図るために
適切な指導啓蒙を行なうとともに、地域において必要と認められる交通安全施設の整
備・交通安全教育の実施および交通の指導取締り上の施策を行政面に的確に反映させる
ために、地域または職域団体の有識者のなかから特に交通事故防止に関して深い理解と
熱意ある人を、交通指導員(以下「指導員」という。
)として委嘱することにより、交通
事故のない明るい社会を実現することを目的とする。
第2 指導員の委嘱
指導員は、おおむねつぎの各号に掲げる機関、団体等の構成員のなかから委嘱する。
(1) 機関
ア 地方公共団体
イ 官公庁(各種学校を含む。
)
(2) 地域・職域団体
ア 交通安全協会
イ 町内会・部落会・商工会
ウ 壮年団・青年団・少年団
エ ボーイスカウト・ガールスカウト
オ PTA・婦人会
カ 消防団・防犯団体
キ 会社・工場・事業場
ク その他地域団体および職域団体
第3 指導員委嘱の手続き
指導員は、地方公共団体等の機関および地域あるいは職域団体および警察署長の推せ
んする者について審査のうえ適任と認められる者を、警察本部長が委嘱する。
2 適任者の推せんは、警察署長が地域あるいは職域団体からの推せんを取まとめたうえ
で予備審査を行ない、適格と認められる者を「交通指導員適任者推せん書」
(様式第1号)
により毎年3月 10 日までに警察本部長に申請して行なうものとする。
3 適任者の審査は、つぎの各号に掲げる事項について行なうものとする。
(1) 人格・識見
(2) 交通事故防止についての理解と熱意の有無
(3) 指導力および行動力の有無
4 委嘱は、警察本部長が「委嘱状」
(様式第2号)および「交通指導員之証」
(様式第3
号)
(以下「身分証明書」という。
)を交付して行なうものとする。
第4 指導員の解任
警察本部長は、
つぎの各号に掲げる理由のあるときは、
指導員を解任するものとする。
(1) 指導員としてふさわしくない行動のあったとき。
(2) 指導員の住所または職域団体が、任命時の警察署管内から他の警察署管内に移転し
たとき。
(3) 指導員としての任務遂行が困難になったとき。
(4) 指導員が辞意を表明したとき。
(5) その他、解任が適当と認められる理由あるとき。
2 指導員を解任したときは、
「身分証明書」の返納を受けること。
第5 指導員の任期
指導員の任期は、4月1日から翌年3月 31 日まで(4月1日以降に指導員に委嘱さ
れた者は、その残期間)の1年間とする。ただし、再委嘱を妨げるものではない。
第6 指導員の任務
指導員の任務は、つぎの各号に掲げるものとする。
(1) 広報活動
地域住民または職域団体構成員に対する、交通安全に関する印刷物等広報資料の提
示・頒布・回覧等の文書活動および街頭または有線放送施設等を利用する宣伝活動な
らびに各種会合などにおける交通安全教育活動
(2) 街頭活動
街頭における歩行者と自転車走行者に対する正しい交通方法の実践についての指導
啓蒙および交通の整理・誘導活動
(3) 警察署長に対する勧告活動
つぎの各号に掲げる事項についての警察署長に対する勧告活動
ア 交通秩序をみだす悪質運転者または行為者
イ 交通事故防止上推奨すべき事項および善行
ウ 交通安全施設の整備・交通安全教育の実施および交通の指導取締り上必要と認め
られる施策
第7 指導員の任務遂行にあたっての留意事項
指導員は、その任務を遂行するにあたって、つぎの各号に掲げる事項について留意し
て行なうものとする。
(1) 広報活動および街頭活動を行なうときには、原則として制服を着用し、交通腕章(様
式第4号)を左腕に着用するとともに「身分証明書」を携行すること。
(2) 街頭活動において行なう交通の整理誘導は、自転車走行者および歩行者をその主た
る対象として行ない、自動車運転者に対して行なう交通の整理誘導は、自転車走行者
および歩行者を整理誘導するに必要な限度に留めること。
(3) 交通秩序を乱す悪質運転者または行為者に対して注意をするときは、強圧的・権力
的にならないようにすること。
(4) 警察署長に対する勧告は、原則として文書をもって行なうこと。ただし、交通事故
やひき逃げ事犯の目撃状況、その他警察官の現場措置を必要とする事案の通報等、急
を要するものおよびその内容が簡易なものである場合には、電話または口頭で勧告す
ることができる。
第8 警察署長の任務
警察署長の任務は、つぎの各号に掲げるものとする。
(1) 指導員の指導教養
指導員の交通に関する広報活動能力および街頭活動能力を高めるための指導教養を
実施する。
(2) 指導員からの勧告の処理
指導員からの勧告受理時における内容の審査と、勧告内容に従って指導・警告・交
通安全施設の整備・表彰およびその他必要と認められる措置をとる。
(3) 資料の提供
指導員が広報活動および街頭活動能力を向上させるために必要と認められる資料を
提供する。
(4) 指導員連絡会の設置と運営
警察署に、指導員相互の能力の向上および親睦を図ることを目的とした「指導員連
絡会」を設置し、その適正な運営にあたる。
第9 その他
1 この要綱は、昭和 47 年6月1日から実施する。
2 富山県交通指導員制度実施要綱(昭和 36 年富交第 1001 号以下「旧要綱」という。
)
は廃止する。
3 旧要綱により交通指導員として委嘱された者は、この要綱により委嘱され委嘱状の交
付を受けたものとみなす。
※ 別記様式:省略
別 紙
各警察署別交通指導員定員表
警察 署
定員
入
善
25
黒
部
22
魚
津
21
滑
川
14
上
市
23
富山 北
36
富山中央
68
富山 南
23
富 山 西
39
射
水
41
高
岡
84
氷
見
27
砺
波
21
南
砺
39
小矢 部
17
計
市
町
朝日町 10
入善町 15
上市町8
立山町 13
射水市 39
高岡市2
村
別
舟橋村2
500
定
数