第2回高速増殖炉サイクル実用化研究開発 (FaCT - 経済産業省

資料4-2
第 2 回 FaCT 評価委員会
平成 22 年 12 月 16 日
2010 年 12 月 16 日
株式会社東芝
電力システム社
原子力事業部
G1-2010-021 Rev. 0
PSN-2010-1459
第2回高速増殖炉サイクル実用化研究開発
(FaCT)プロジェクト評価委員会
FaCTプロジェクトに対する産業界の見解
項
目
1.原子炉システムの主要革新技術に対する評価
2.燃料サイクルの主要革新技術に対する評価
3.添付資料
(1)1 次系ポンプ基数の比較
(2)各国 FBR のコアキャッチャ
(3)組網線入り二重管蒸気発生器
(4)原子炉容器と一次主冷却系
(5)高温電磁ポンプ
(6)各再処理プロセスの特徴
(7)電解還元ウラン抽出法による高除染 U 回収
(8)シュウ酸沈殿法による Pu 及び MA の回収
頁
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・・・ 10
主要革新技術
評価
ベンチマ-ク
課題解決のための提案
冷却系2ル-プ化(2
台ポンプ)
●報告要点
・2台ポンプシステムはポンプ軸固着対策に課題を持つ。これに対して次の対策、①反応度係数の不確かさを
小さく見積もる、②安全保護系信号応答をもんじゅの60%に短縮する、③健全ポンプのトリップを遅らせるタ
イマ-を設ける、④原子炉入り口配管ノズルに大きな逆流抵抗を与える、がはたらくとして被覆管最高温度は
850℃(制限値900℃)にとどまる。(原子力研究開発作業部会(第10回) 資料10-1 H18.6.14 MEXT)
・2ループに対応するため崩壊熱除去系は、PRACSを2系統、原子炉ホットプールに浸漬させたDRACSを1
系統とする。空気冷却器では機械的な起動操作を必要とするダンパ-を50%×2基に分割する。(同上)
・主冷却系のポンプ基数は主要な安全設計仕
様である。原子炉出力との関係で各国FBRの仕
様とPWRの仕様をまとめる(添付1)。1000MWe
を越えると4基ポンプが世界の軽水炉、FBRの
基本仕様である。
・ポンプ基数を2基としているのはインドの
500MWePFBRである。この場合、安全設計条
件は同時に2基のポンプの機械的損傷を想定し
ている。なおインドの1000MWeのポンプ基数は
未決定である。
・特に安全上重要な計測制御機器は冗長性だ
けでは共通原因の可能性を排除できないためさ
らなる対策を求める動向である。
・ポンプ基数を4基とする。
・コールドレグ配管を2本に分割(全体で4本のコ-ル
ドレグ配管)してポンプを4基設置する(APR1400)方
法と原子炉容器に4基ポンプを一体化させる方法(イ
ンタ-ナルポンプ型)がある。
・原子炉容器内に単段のコアキャッチャ-を設置する
ので(コアキャッチャ-径は12m以上必要)、原子炉
容器に4基のポンプを一体化させるほうが合理的で
ある。さらに、原子炉容器に設置するDRACS必要基
数に柔軟に対応できる。
・インタ-ナルポンプ型原子炉一次系概念および主
要技術の高温電磁ポンプの実証状況を示す(添付4、
添付5)。
●評価
・850℃は制限値に対して余裕が少ない(2ポンプの実験炉常陽では軸固着時に約800℃)。安全設計の考え
方詳細が不明だが、①2台ポンプ停止に対する裕度、②タイマ-の信頼度の妥当性、③第二スクラム信号に
よるスクラム、④重要な安全系統の共通原因故障、が近年の許認可では課題とされよう。この場合に、最高
温度は制限値に近づきさらに余裕はなくなる。
・浸漬型のDRACS容量は小さく、炉停止直後の崩壊熱を除去する容量は250%と評価される。もんじゅと同
程度の崩壊熱除去系の信頼性を確保するためにはDRACS容量または基数を増大させる必要がある。
・したがって、許認可上の課題が残る。
経
済
性
向
上
ガス巻
き込み
防止構
造
●報告要点
・原子炉容器断面全体を覆う水平板により、カバ-ガスの冷却材中への巻き込みを防止できた、としている。
●評価
・水平版に部分的開口が生じると、巻き込まれたカバ-ガスは、円錐型炉心支持構造の下部に蓄積される。
蓄積しうるガス量は多く、炉心を通過すると反応度事故が生じる。
・もんじゅでは巻き込み防止のための水平板を設置しているが、ガス巻き込みを仮定し高圧プレナム上部に
蓄積したガスの炉心通過を考慮している。
・したがって、許認可上の課題が残る。
・日本では「高速増殖炉の安全性の評価の考え
方(昭和55年 原子力安全委員会決定)」にお
いて、正の炉心ボイド反応度ゆえ、カバ-ガス
巻き込みの対策と巻き込み後の安全評価が重
視されている。
・ドイツの原型炉SNR300では、ガスが混入して
も炉心には空間的に均一に流入するようにガス
セパレ-タを設置した。
・米国CRBRPは、安全解析対象として、ボイド
反応度の大きい領域へのガス巻き込みを仮定
している。
・原子炉容器径に適切な余裕を与えること、ホットレ
グ配管の吸い込み流速を低減させること、局所的な
噴出し流を抑制することにより、ガス巻き込みのポテ
ンシャルを低減する。
・大量に蓄積するガスだまり部を一次冷却系から排
除する。
デブリ
冷却構
造
●報告要点
・3段の炉内コアキャッチャ-にて溶融後の炉心デブリを再臨界を排除しつつ除熱する。
●評価
・炉心デブリを原子炉容器内で保持・冷却する構造は、再臨界排除と熱除去の観点から十分な表面積をもつ
単段の構造とすべきである。
・したがって、許認可上の課題が残る。
・各国FBRの設計例をまとめる(添付2)。
・単段構造とする。
防護管つき伝熱管蒸
気発生器
●報告要点
・Naと水反応の発生頻度を低減するために開発を目指した二重管伝熱管のかわりに、Naと水が反応した場
合に隣接伝熱管への破損伝播を防止するために防護管を設置した。
●評価
・二重管伝熱管によるNa水反応の発生頻度低減という設計の考え方が変更されているので代替案とはいえ
ない。これまでどおり発生頻度の低減を目標とすべきである。
・伝熱管と防護管のNaギャップは0.4mmである。この狭いギャップ中のNaは主流路でないため、プラント起
動初期の純化は十分ではない可能性が高い。また、ある伝熱管の水の小リ-ク後の再利用時に、Na中の
ギャップだけでなく反応生成物が存在するカバ-ガス中のギャップを純化することは容易ではない。このため
ギャップ中には腐食性の不純物が滞留している可能性が高い。不純物は伝熱管の腐食原因になるため狭い
Naギャップは、伝熱管の信頼性を低下させる。
・したがって、信頼性上の課題が残る。
・SUS保護管の熱抵抗により伝熱面積は、これまでより増大するので蒸気発生器はより大型化する。この結
果、管板重量は鍛鋼品製造限界の100トンを越える。実証炉規模でも同様な課題をもつ場合に、蒸気発生
器基数を増やす必要がある。
・カバ-ガス空間からの腐食が原因で水の漏洩
を生じた事例として英国原型炉PFRの事故が教
訓となる。
・Na・水反応後にプラントの運転再開のために、
反応生成物の純化を行なうが、PFRでは、カバ
-ガス空間の純化が不十分なために、カバ-ガ
ス空間の溶接部に漏洩が生じた。カバ-ガス空
間の純化の重要性が指摘される。
・Na水反応の発生頻度を低減することを目標とし、
Na水反応が発生する前に内管の漏洩を検出するシ
ステムを備えた二重管蒸気発生器伝熱管とする。
・このために、内管と外管の間に、伝熱管材料と同じ
組網線を入れ、内外管ギャップ0.4mmを確保しギャッ
プ中には腐食性のないヘリウムを充填する。
・内管の漏洩検出は、ヘリウム中の湿分の連続監視
をもっておこなう。
・製造性および伝熱性実証を経て、米国のNaループ
にて運転実績を得ている。
・課題とされた、ギャップのある二重管伝熱管の外管
の欠陥検査方法を開発した。また、伝熱管と伝熱管
の溶接技術を開発しており、長尺の伝熱管を製造す
る技術を確立している(添付3)。
・この組網線入りギャップ部のヘリウムの良好な通気
性を試験にて確認済みである。
実用炉への連続性
●報告要点
・実証炉と実用炉は「相似形」として革新技術を選定する。
●評価
・「相似形」でも実用炉要件を満たすことを示すだけでなく、世界的な開発動向を将来取り入れることができる
実証炉戦略が適切である、と考える。
・世界の実用炉動向としてのタンク型炉、あるいは二次系削除、に柔軟に対応できる一次系構成が好ましい。
・フランスはMA(マイナアクチニド)の燃焼を実証
炉の大きな役割としている。
・実証炉として、インタ-ナルポンプ型の一次系構成
が柔軟性に優れる。
・インタ-ナルポンプ型の実用炉が見通せる。
・一方、中間熱交換器を原子炉に一体化すればタン
ク型であり、中間熱交換器を新型の発電システム用
熱交換器に置き換えれば2次系削除につながる。
原子炉容
器コンパク
ト化
信
頼
性
向
上
実
証
炉
・コアキャッチャ-の設計条件(再臨界評価のた
めに考慮する堆積形状、保持する溶融炉心の
量)は各国で異なる。しかし、すべての国で単段
構造のコアキャッチャ-としている。
1/10
主要革新技術
経
済
性
向
上
評価
ベンチマ-ク
課題解決のための提案
晶析による効率的U回収
●報告要点
・CsとBaの除染係数向上を目的として、結晶精製により、Csの除染係数(DF)は100、Baは10までの
改善を見通した。
●評価
・報告された試験はPu模擬物質を使っており、使用済燃料を対象とした実証性あるデ-タとはいえない。
また、精製プロセス後の最終的なウラン回収率についての知見が不足している。
・したがって、DF、ウラン回収率について不確かさが大きく、性能に課題が残る。
・仏国で開発中の、ウラン分離を溶媒抽出で行な
うGANEX法(添付6)は、従来のPurex法と異な
る新しい溶媒を使用し、高いDFを達成できること
を使用済燃料試験で実証している。
・国内機関で開発している電解還元ウラン抽出法
は、Purex法(添付6)と同じ溶媒を用いて、実使
用済燃料試験で高いDFを確保している(添付7) 。
・ウラン分離には、Purex法(添付6)で実績ある溶媒
を使用し、あわせて使用済燃料試験で高いDFの得
られた電解還元ウラン抽出法を適用する(添付7)。
抽出クロマト法によるMA
回収
●報告要点
・U+Pu+Npを回収した後の抽出残液から、抽出クロマト法によりMA(Am,Cm)を回収する技術を開
発しているが、MA回収率およびFPのDFは未達成。
●評価
・抽出クロマト法は多孔質シリカ充填材を使用しており、多孔質の空孔内部に水が存在するため、放射線
分解により水素が発生する。水素はMAの多孔質表面への接触を阻害するため吸着機能が低下する。
また、水素爆発の危険性を有する。このため、吸着剤を頻繁に抜出す必要があり、かつ吸着剤の再利用
は容易ではないので、経済性向上は望めない。
・MAの目標回収率99%を目指す場合に廃液の発生量が多い。
・したがって、経済性の課題が残る。
・MAを回収するプロセスとして、仏国はGANEX
法の中でDIAMEX-SANEXプロセス(添付6)を、
米国はUREX+法の一環でTRUEX-TALSPE
AK法(添付6)を開発中であり、いずれも新しい溶
媒の開発を行っている。
・米国および日本では溶融塩中のプルトニウムと
MAをカドミウム陰極で電気化学的に回収する方
法でMA回収率99%を達成している。
・国内機関では、シュウ酸沈殿法により、高レベ
ル廃液からMAを回収するプロセスを開発してお
り、MA回収率99%を達成する目処を得ている
(添付8)。
・ウラン、プルトニウム、MA回収技術としては、経済
性向上が重要である。
・このため、U+Pu+MAを同時に回収できるシュ
ウ酸沈殿法を採用する(添付8)。
金属電解法
●報告要点
・200t/yの処理能力をもつ再処理プラントのコスト費評価において、先進湿式法(建設費:2900億円、
再処理単価:0.22円/kWh)、金属電解法(建設費:4800億円、再処理単価:0.28円/kWh)、の
結果を得ている(JAEA Research 2006-043)。
・一方、再設計の結果、先進湿式法の再処理単価は0.28円/kWhと評価された。
●評価
・研究の進捗を反映するとともに運転性を考慮した設計により、再処理単価は金属乾式法と同等となった。
この結果、200t/yの大規模な再処理施設においても(50t/yでは金属電解法が建設費小)、先進湿
式法の金属電解法に対する建設費の優位性は失われた。
・したがって、再処理方式の選定根拠を再整理する必要がある。
・金属電解法(添付6)は米国で開発された。
・2014年の韓米原子力協定改定に向けた両国の
合意事項として、米韓で金属燃料乾式法の共同
研究を行う。
・インドの将来炉、1000MWeFBRでは金属燃料を
採用する計画としている。
・日本においても金属電解法を開発中である。
・FBR再処理方式の選定根拠に不確かさが増大し
ているので、再処理方式の選定には別の角度から
の視点を導入する必要がある。
・このために、軽水炉から高速炉への移行期への対
応を考慮する。
ウラン回収
・FaCTでは、移行期は検討されていないが、軽水炉と高速炉が併用される時期が長く続くと想定される
ことから、移行期に適したプロセスの検討が重要である。
・移行期には、回収したウランを軽水炉でリサイクルすることが資源の有効利用のために重要である。こ
の場合、燃料加工施設の作業者の被ばくに係る制約から、再処理工場で必要となる回収ウランの除染
係数DF=105が必要である。
・単独でDF=105を達成するウラン回収法として
国内機関では、 電解還元ウラン抽出法を開発中
で、Purex法と同じ溶媒を用いて、実使用済燃料
試験で高いDFを確保している。
・移行期のプロセスとして別な国内機関ではフッ
化物によりウランを粗取りするFLOUREX法(添
付6)を開発中である。
・軽水炉でウランをリサイクルする上で、ウランを高
い除染係数で回収可能なプロセスが必要である。
・このために、抽出の多段化により、DF=105が達
成可能な添付7の方法を採用する。
・なお、添付7の方法は、下流工程に種々のプロセ
スを組合わせることが可能である。
プルトニウム+MA回収
・移行期以降、環境負荷低減及び燃料資源の有効利用の観点から、Pu+MA(Np、Am、Cm)を同時に
回収するプロセスが必要である。
・仏国では、Purex法をベースとして開発されてい
るCOEX法において、Npの回収及びDIAMEX-
SANEXプロセスの追加によるAm、Cmの回収
を検討している。
・米国ではUREX+法の一環で、MA回収を開発
中である(添付6) 。
・国内機関では、シュウ酸沈殿法により、U+Pu
+MAを回収するプロセスを開発している(添付
8)。
・ウラン、プルトニウム、MA回収技術としては、経済
性向上が重要である。
・このために、U+Pu+MAを同時に回収可能な添
付8の方法を採用する。
・回収したU+Pu+MA酸化物は溶融塩電解(添付
6:金属電解または酸化物電解)により、高速炉燃料
としてリサイクルする。
・また、回収したU+Pu+MA酸化物は中間貯蔵に
適した固体形態であるので、高速炉の実用化が遅
れる場合にも、移行期のシナリオに対して柔軟に対
応できる。
副
概
念
移
行
期
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添付1:1次系ポンプ基数の比較
1次系ポンプ
(基数)
ASTRID
(フランス)
AP-1000TM スーパーフェニックス
(フランス)
(米国)
4
VVER BN-1200 APR-1400 EPR-1600
(ロシア) (ロシア) (韓国)
(フランス)
フェニックス もんじゅ
(フランス) (日本)
BN-800
(ロシア)
3
:高速炉
:軽水炉
2
~
~
JSFR(日本)
PFBR(インド)※
0
400
800
1200
1600
出力
(MWe)
※2基のポンプが同時に機能喪失する事象を設計上考慮している。
1000MWeのポンプ基数は未定。
出典:Proceedings of ICAPP 2008&2010, FR09, etc.
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添付2:各国FBRのコアキャッチャ
国名
プラント名
日本
JSFR
コアキャッチャ概要
出力 炉容器径
(m)
(コアキャッチャ直径)
(MWe)
1500
出典
10.7
3段コアキャッチャ
(約5m×3)
JAEA ホームページ
J.Sibilio.et.al, "Generation IV Nuclear Reactors:Strategy and
Challenges of R&D program for improving inspection and
repair of sodium cooled systems”, ICAPP10
フランス
SFR-1500
1500
16
単段コアキャッチャ
(約13m)
フランス
ASTRID
600
未報告
単段コアキャッチャ
S.Beils et.al, "Safety for the futureSFR”, FR09
ロシア
BN-800
800
12.9
単段コアキャッチャ
IAEA TECDOC-1083 ”BN-800 reactor plant”, 1999
ロシア
BN-1200
1200
未報告
単段コアキャッチャ
V. Poplavsky,et.al, ”Advanced SFR Power Unit Concept”,
FR09
インド
PFBR
500
13
単段コアキャッチャ
S.Chetal, ”Status of FBR program in India”, ICAPP09
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添付3:組網線入り二重管蒸気発生器
ギャップ中ヘリウムの湿分を連続監視し、Na-水反応発生頻度を低減
●二重管外管の欠陥検出技術開発:リモートフィールド渦電流探傷試験
(RF-ECT:Remote Field Eddy Current Test)
●二重管の管-管溶接技術開発(組網線層を閉塞しない溶接)
【溶接工程】
外管用溶
接ヘッド
【溶接工程】
外管用溶
接ヘッド
外側からレーザ照射して溶接
外管
内管用溶
接ヘッド
内管用溶
接ヘッド
内管
回転
組網線層を有する二重管の外管微小欠陥を検出するため磁束ガイドにより磁場を強化する
渦電流の増加領域
外面欠陥
間接磁場
組網線層
内管
内管溶接
内管溶接
外管溶接
内管溶接方法
組網線層(0.4mm)
Heを充填(漏洩検出用)
直接磁場
(遮蔽対象)
励磁コイル
外管溶接
外管溶接方法
内部に溶接ヘッドを
挿入して溶接
レーザ
組網線層(0.4mm)
内管溶接手法
検出コイル
RF-ECT原理図
31.8mm
外管
内管
二重管溶接部断面
欠陥検出試験結果
外表面欠陥種類
組網線部の
閉塞を防止
組網線部
外管
試験結果
ピンホール
φ1mm×20%t(深さ)
○
20%スリット
(90度)
幅1mm×20%t×90度セクタ
○
20%減肉
(90度)
幅10mm×20%t×90度セクタ
○
基準値:350Hv以下
10%減肉
(360度)
幅10mm×10%t×周方向(360度)
○
20%減肉
(360度)
幅10mm×20%t×周方向(360度) *1
○
内管
内管
内管
外管
試験片 試験片 試験片 試験片
3
1
2
1
*1 軽水炉SGのECT自主判定基準
出典: ICONE18-29578”Procedings of the 18th International Conference on Nuclear Engineering”
外管の欠陥を検出可能
© TOSHIBA Corporation 2010, All rights reserved.
管-管継手部ビッカース硬さ試験結果
外管
試験片
2
外管
試験片
3
管-管継手部引張試験結果
内外管溶接後の硬度、引張強度は基準を満足
経済産業省: 平成20~22年度革新的実用原子力技術開発費補助事業「GNEPの中小型炉に適合
する高信頼性ヘリカル二重伝熱管蒸気発生器の研究開発」の成果を含みます。
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添付4:原子炉容器と1次主冷却系
JSFR
機械式ポンプ
インタ-ナルポンプループ型
中間熱交換器
中間熱交換器
1次主
冷却系
中間熱交換器
機械式ポンプ
電磁ポンプ
電磁ポンプ
中間熱交換器
(出典:METIホームページ;FaCTプロジェクト評価委員会(第1回)配布資料1-2)
原子炉容器
内径 10.7m
高さ 21.2m
原子炉容器
内径 13.2m
高さ 21.2m
原子炉
容器
3段コアキャッチャ
直径約5m×3
単段コアキャッチャ
直径約12m
(出典:JAEA ホームページ)
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添付5:高温電磁ポンプ
回転部がなく、原子炉システムの簡素化に寄与
実証炉及び実用炉への
高温電磁ポンプの適用性
高温電磁ポンプの実証試験(DOE-原電)
160m3/min電磁ポンプ実績
実証炉1次系ポンプ
実用炉1次系ポンプ
160m3/min電磁ポンプの実績=1
流量
2.5
2.0
1.5
1.0
米国DOEナトリウム施設に据付
0.5
0.5
8Hz
0.4
揚程(MPa)
160m3/mi
実証炉1次
実用炉1次
160m3/min電磁ポ
12Hz
16Hz
20.5Hz
23Hz
ポンプ外径
揚程
0.0
揚程は160m3/min電
磁ポンプのコイル数の
2倍とすることで対応
可能。
0.3
0.2
0.1
0.0
0
50
100
150
流量(m3/min)
200
流量160m3/min,
●目標性能達成:
揚程0.28MPa
(米国エネルギー技術工学センター, 2001年8月3日)
磁気レイノルズ数×すべり
磁気レイノルズ数×すべりは流動不安定回避の目安として
1以下の値とする。
実証炉ポンプ及び実用炉ポンプとも1以下に設定可能。
*1:日本原子力発電株式会社殿 「大容量浸漬型電磁ポンプの開発研究(その4)」(平成13年度)の内容を含みます。
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添付6:各再処理プロセスの特徴
PUREX (初期FP分離,Pu単離あり)
使用済燃料
溶解液
U,Pu
共除染
電解還元ウラン抽出
U,Pu
洗浄
U・Pu分配
U逆抽出
U精製
U
Pu精製
Np,Am,Cm,FP
Pu
使用済燃料
溶解液
出典:電力中央研究所報告,FBR移行期サイクルに適した再処理プロセス技術の調査と開発方針の検討,調査報告:L07014
先進湿式 (初期U分離,Pu単離なし,MA回収あり)
共抽出
U精製
U抽出
U
酸化物転換
シュウ酸沈殿
U,Pu,Np,Am,Cm,FP(希土類)
金属電解、又は酸化物電解へ
NEXT:New Extraction System for TRU Recovery
金属電解 (初期U分離,Pu単離なし,MA回収あり)
U
U,Pu,Np,
Am,Cm,FP
電解還元
FP
晶析
U,Pu,Np
(初期U分離,Pu単離なし,MA回収あり)
U,Pu,Np,
Am,Cm,FP
(高レベル廃液)
使用済燃料
溶解液
提案プロセス
PUREX:Plutonium Uranium Extraction
逆抽出
U,Pu,Np
使用済燃料
電解精製
電解還元
使用済塩(TRU,FP)
再生塩(TRU)
抽出イオンクロマト
Am,Cm
還元抽出(TRU回収)
Am,Cm,FP
FP
(抽出残液)
U
U,Pu,Np,
Am,Cm
蒸留
(廃棄塩)
FP
出典:燃料サイクルの革新技術の採否判断,資料1-3,第1回FaCT評価委員会,日本原子力研究開発機構 次世代原子力システム研究開発部門
Co-Processing (初期FP分離,Pu単離なし)
使用済燃料
溶解液
U,Pu,Np
共除染
洗浄
酸化物電解 (初期U分離,Pu単離なし,MA回収あり)
U,Pu
U・Pu分配
U逆抽出
U
Np
使用済燃料
同時電解
U
塩素化溶解
U,Pu
貴金属除去
MOX共析
Np,Am,Cm,FP
(高レベル廃液)
MA回収
出典:電力中央研究所報告,FBR移行期サイクルに適した再処理プロセス技術の調査と開発方針の検討,調査報告:L07014
(廃棄塩)
COEX (初期FP分離,Pu単離なし,MA回収あり(新溶媒))
使用済燃料
溶解液
共除染
U,Pu,Np
洗浄
U,Pu,Np
(HDEHPDMDOHEMA溶媒)
U逆抽出
U・Pu分配
(高レベル廃液)
U,Pu,Np
UREX+ (初期U分離,Pu単離なし,MA回収あり)
使用済燃料
溶解液
U逆抽出
Pu,Np,Am,Cm,FP
逆抽出
洗浄
(DEHiBA溶媒)
Pu,Np,
Am,Cm,FP
注:開発中のためフローシートは概念を示す
U
DIAMEX+SANEX (HDEHP-DMDOHEMA溶媒)
Mo,Tc逆抽出
FP
Mo,Tc
アクチニド逆抽出
ランタニド逆抽出
FLOUREX (初期U分離,Pu単離なし)
使用済燃料
出典:①HA demonstration in the Atalante facility of the Ganex 1st cycle for the selective extraction of Uranium from HLW,Proceedings of Global2009.
②HA demonstration in the Atalante facility of the Ganex 2nd cycle for the grouped TRU extraction,Proceedings of Global2009.
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TALSPEAK
Am,Cm
FP
出典:電力中央研究所報告,FBR移行期サイクルに適した再処理プロセス技術の調査と開発方針の検討,調査報告:L07014
酸化転換/溶解
U,Pu,Np,Am,Cm
FOUREX:Fluoride Volatility and solvent extraction
UF6精製
Uフッ化
Pu,Np
Am,Cm
Ln
Pu,Np
(HDEHP溶媒)
(CMPO-TBP溶媒)
GANEX:Grouped Actinides Extraction
U逆抽出
抽出
TRUEX
U
Cs,Sr
逆抽出
抽出
出典: COEX process: cross-breeding between innovation and industrial experience,
WM’08 HIGH LEVEL AND SPENT FUEL Associated technology development and deployment(2.2)
U抽出
FP
UREX+:Uranium Extraction
U抽出
抽出
Am,Cm
GANEX (初期U分離,Pu単離なし,MA回収あり,新溶媒)
使用済燃料
溶解液
U
注:将来開発として、Np回収及び、DIAMEX-SANEXプロセスの追加によるMA回収を検討
FP
U,Pu,Np
Am,Cm
COEX:Co-extraction
シュウ酸沈殿
DIAMEX-SANEX
U,Pu
共除染
U
U・Pu精製
U,Pu
FP
出典:電力中央研究所報告,FBR移行期サイクルに適した再処理プロセス技術の調査と開発方針の検討,調査報告:L07014
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添付7:電解還元ウラン抽出法による高除染U回収
基本プロセス原理
特徴
電解還元法により使用済燃料溶解液中の
Puを「3価」に還元し、Uのみを溶媒に抽出
使用済燃料
溶解液
U Pu
Np FP
電解
還元
溶媒
UⅥ
Pu Ⅲ
U抽出
Np Ⅴ
FP
U Pu
Np
FP
Pu3+
U
(陰極)
2e + 4H+
O22+
VI
U4+
Pu4+
・Purex法で実績のある溶媒抽出により、ウランを
高い除染係数で回収することが可能
U
U精製
・脱硝へ
・PuはNp等のMA(マイナーアクチニド)と同時に
回収する
開発状況
シュウ酸沈殿
・酸化物転換へ
(添付8)
・実使用済燃料を使用した試験にて、高い除染係数
(DF=103オーダ)でウランの抽出を確認した
抽出されない
実使用済燃料を使用した試験状況
8000
U抽出装置
(遠心抽出機)
(水相)
7000
抽出開始後3分以降で
103オーダのDFを実現
6000
除染係数
U
Pu
Np
FP
(有機相)
溶媒
(30%TBP)
6 L/h
U
+
ホットセル内に設置した試験装置
0.6 L/h
電解還元装置
4000
3000
抽出処理の多段化により
105以上のDF実現が可能
2000
5.4 L/h
-
5000
実使用済燃料溶解液
燃焼度約65.9GWd/tU
UO2 0.5mol/L
HNO3 1 mol/L
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1000
0
1
2
3
4
5
Time / min
6
7
8
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添付8:シュウ酸沈殿法によるPu及びMAの回収
基本プロセス原理
特徴
・U+Pu+MAを一括同時回収
・添加したシュウ酸は酸化物転換工程にて熱分解するため、
2次廃棄物発生が無い
使用済燃料溶解液中から大部分のUを抽出除去した
残液にシュウ酸を添加し、U、Pu、MAをシュウ酸塩と
して、沈殿・回収する。その後、溶融塩中で酸化物に
転換する。
シュウ酸
U抽出より
(添付7)
U
Pu
Np
FP
溶融塩原料
シュウ酸
沈殿
酸化物
転換
開発状況
・U+模擬FP試験にて、U沈殿率99%を確認
・類似プロセス(下記)にて、高レベル廃液からのMA回収率
99%を確認(U+模擬FP試験、及びAmトレーサ試験)
中間貯蔵
U
Pu
Np
FP
溶融塩電解
高速炉燃料
Np,Am,Cm,FP
(希土類)
FP
【高レベル廃液からのMA回収】
シュウ酸沈殿
(高レベル廃液)
塩化物転換
【試験条件】
・(COOH)2量:1~2倍/化学量論量
・硝酸ウラニル濃度:1.4 mol/L
U及び模擬FPを使用した試験状況
シュウ酸
シュウ酸沈殿物
溶融塩
溶融塩中で
シュウ酸ウラニル
を酸化物に転換
酸化物
転 換
溶融塩原料
酸化ウラン
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沈殿率 (%)
(COOH)2
模擬溶液
(U+模擬FP)
Np,Am,Cm
FP(希土類)
FP
シュウ酸
沈 殿
溶融塩電解
100
99
98
97
96
95
94
93
92
91
90
89
88
87
沈殿率
>99%
(COOH)2/UO2=1
(COOH)2/UO2=1.5
(COOH)2/UO2=2
0
20
40
60
温度 (℃)
80
100
10/10