退教互問題レポート 1 鷲見 裕彦 財政悪化を理由に、掛金UP+期間5年延長と医療給付の大幅切り下げ 愛知県退職教職員互助会の会費と医療給付の変遷 ・僅か3年での制度改悪に、抗議や疑問の声続出 ・医療給付=(自己負担- 3000 円)× 0.6 ⇒ 1ヶ月 3000 円以下なら、給付は0円。 ・20 年間の原資分(私の妻の退会金は 778,000 円 だった)が医療補助として返ってくるのか疑問。 ・会費負担増大 年間 約 2.4 万円⇒約 2.9 万円 生涯 約 48 万円⇒約 73 万円 2 愛教労退職者の会 2011.2.19 2006年まで 2007年 現職会員の ・1000分の ・1000分の 掛金額と期 8 10 間 ・20年間 ・20年間 自己負担の 退職会員の すべて 医療給付 (10割) 2010年 ・1000分の12 ・25年間 (2011年4月から段 階的に実施) 毎月3000円を超え 自己負担の た分の6割 8割 (2010年9月実施) デタラメな説明…医療給付増が資産取り崩し(毎年5億円)の原因ではない ・退教互の会報 116 号(H22.7.1)の説明 会員数と資産・医療給付の変遷(H22年度親睦連絡会資料より) は次の通り。「ここ数年、医療補助につ 現職会員数 退職会員数 資産 医療給付額 いては、年5億円程度資産を取り崩しなが 2005年 27,816 26,639 104億300万円 9億1400万円 ら行ってきました。このままいけば、退教 2006年 28,051 27,428 99億2500万円 9億7500万円 互事業の存続そのものが危ぶまれるという 2007年 27,777 28,397 94億6300万円 9億6500万円 状況にあります。」 2008年 27,474 29,503 89億2500万円 9億4200万円 ・退職会員は増えているが、医療給付は毎年 2009年 27,307 30,713 85億2300万円 9億5600万円 9 億円程度で、大きく増えていない。資産 を毎年約5億円程減らした原因とは言えない。 ・説明の間違いを退教互事務局は認めたが、会員向けの訂正は拒んだまま。 3 宇佐見事務局長が新説明…「原因は会費収入の減少。それに退職者増で退会金・退職返戻金が増 えたこと」…しかし、資産減少(4年で19億円)には程遠い ・会費収入の減は、05 年の比べて 06 年から 会費収入・退会金・退職返戻金・事業費の推移 単位 万円 09 年の 4 年間で合計で 1 億円弱。大きな原 事業費 会費収入 事業費の増 因とはいいにくい。 退会金 退職返戻金 事業費合計 ・退会金(退職会員にならない場合…掛金の 2005 67,784 4,856 10,898 109,654 05年を基準に 全額)と退職返戻金(配偶者が退職会員に 2006 63,903 7,365 10,538 117,960 8,306 ならない場合…半額)も増えたが、辞めた 2007 68,022 7,372 12,918 122,160 12,506 会員に積み立てたお金を返すのは当たり前 2008 65,136 6,571 15,590 121,546 11,892 で、いつでも払い戻しできるよう準備して 2009 64,694 7,424 17,771 123,459 13,805 おかねばならない金だ。団塊の世代が退職 を迎えるこの時期に、払い戻しが増える事を見込んでおくのは経営者としての常識だ。退会金と返 戻金は 4 年間で合計2億 2500 万円増えた。 ・退会金と退職返戻金に医療給付などを合わせた事業費は、総支出の 92 %~ 94 %を占めている。こ の事業費は、2005 年を基準にすると 4 年間で総額 4 億 6500 万円の増加(内退会 金と返戻金は 4 年間で合計2億 2500 万円増加)したが、資産減少(4 年間で 19 億円)に遠く及ばない。 4 景気の悪化で資産運用収入が減ったのか? H15(2003)から資産の取り崩しが始まったが、必要な手を打たなかった! 退教互収支の変遷(03年から09年) 単位は万円(会報等から作成) 主な収入 年度 主な支出 運用財産 会費収入事業収入 運用収入 合計 事業費 管理費 合計 収支差 運用資 産取崩 2003 13,702 76,480 2,291 92,473 90,221 7,199 97,420 -4,947 5,042 2004 13,271 71,388 2,301 86,960 102,360 7,031 109,391 -22,431 22,661 2005 12,057 67,784 2,300 82,141 109,654 7,154 116,808 -34,667 34,783 2006 11,240 63,903 2,283 77,426 117,960 7,076 125,036 -47,610 47,628 2007 10,296 68,022 2,272 80,590 122,160 6,995 129,155 -48,565 46,493 2008 9,764 65,136 2,271 77,171 121,546 7,148 128,694 -51,523 49,093 2009 10,607 64,694 10,265 85,566 123,459 7,009 130,468 -44,902 136,833 *2009年度の運用資産取崩収入はとびぬけて多いが、「特定預金」として92,363万円支出していて、実質44,470万円の取崩 収入となっている。(何故このような処理をしたのかは不明) *2009年度の事業収入も多くなっているが、互助年金事務手数料が1億円計上されていた。O8年までは2千万円。 ・収支の差額分だけ運用資産を取り崩してきた。運 用資産の取崩は 03 年からの 7 年間で約 25 億円。 ・運用資産の減少で収入も 2003 年を基準にすると 6年間で約1億 5000 万円減少。 *運用資産の実態はどうなっているのか -1- ・運用資産の3分の2が「公社債」(国債、地方 2004年度の退職互助事業の資産運用 (単位 円) 債など詳細は不明)。定期預金も銀行名、利率 (単位 円) 運用資産額 収益 利率 など詳細不明。以前は貸付信託もあった。 公社債 4,804,296,418 69,012,711 0.01436 *リーマンショックの影響はどうか 定期預金 5,676,500,000 63,684,102 0.01122 2008.9.15 のリーマンブラザーズ破産での運用利 運用資産計 10,480,796,418 132,696,813 0.01266 率は下がっていない。2009 年度には、利率上が り、資産減少にもかかわらず、収益は 850 万円も 2005年度の退職互助事業の資産運用 (単位 円) 増加。影響はほとんど認められない。 (単位 円) 運用資産額 収益 利率 *医療費の自己負担増加の影響は 公社債 5,103,463,266 75,905,890 0.01487 1981 年 10 月から 1 割負担に 定期預金 5,160,500,000 44,653,079 0.00865 1997 年 9 月から 2 割負担に 運用資産計 10,263,963,266 120,558,969 0.01175 2003 年 4 月から 3 割負担に ・資料が公開されず、影響は不明 2006年度の退職互助事業の資産運用 (単位 円) ・宇佐見事務局長は「H15 2003 年から収支が逆転 (単位 円) 運用資産額 収益 利率 した」と言うが、何故もっと前に手を打たなかっ 公社債 5,402,687,699 78,672,034 0.01456 たのか。経営者として、会員の資産を守るための 定期預金 4,385,000,000 33,658,932 0.00768 能力や責任感が欠如していないか。 運用資産計 9,787,687,699 112,330,966 0.01148 資産や収支の見直しの経緯 2007年度の退職互助事業の資産運用 98年に「原資検討委員会」 ⇒ 特になし (単位 円) 公社債 定期預金 運用資産計 03年に「原資検」 ⇒ 07年に「改定」 ・8割給付 ・掛金1000分の10 09年に「原資検」 ⇒ 10年に「改定」 ・6割給付(3000円脚きり) ・掛金1000分の12、 期間25年に延長 運用資産額 5,402,758,103 3,920,000,000 9,322,758,103 2008年度の退職互助事業の資産運用 (単位 円) 公社債 定期預金 運用資産計 運用資産額 5,402,823,734 3,429,000,000 8,831,823,734 (単位 円) 収益 74,435,129 28,363,312 102,798,441 利率 0.01378 0.00724 0.01103 (単位 円) 収益 72,728,945 24,743,170 97,472,115 利率 0.01346 0.00722 0.01104 *団塊の世代が辞めていく 2007 年以降の収支見通 しは、何時行なったのか。経過を見ると、必要な 2009年度の退職互助事業の資産運用 (単位 円) 時期に必要な手を打たなかったと言える。だから、 (単位 円) 運用資産額 収益 利率 こんなに急激な給付水準の引き下げや、掛け金の 公社債 5,097,492,825 82,437,376 0.01617 増額をしなければならなくなったのではないか。 定期預金 2,366,000,000 23,556,668 0.00996 *しかし、原資検討委員会や運営研究委員会、理事 運用資産計 7,463,492,825 105,994,044 0.01420 会や評議委員会などの議事録等の資料が公開され ておらず、真相は不明。 5 会計簿の公開、閲覧を拒否する事務局 ・会員の権利(運営規則 11 条4項「会計簿、及び、証拠書類を閲覧する権利」)に基づいて、関係帳 簿の公開・閲覧を請求 ・退教互の回答…・宇佐見事務局長「公開する必要はない」「個人の見解だ」(7/14) ・「内規があり、開示できない。内規のコピーも出せない」(9/21) ・「情報公開規定に該当しない」(11/12) ・「請求の資料は会計簿でない」(12/30) ・規則を曲げてでもかたくなに「帳簿の閲覧・公開を拒否」するのは何故か ①非民主的な役員選出規定(運営規則 31 条)…理事 校長会7 教頭会 1 愛教組 8 事務研 1。 退職校長の天下り機関で、3 年で交代する⇒「事なかれ主義」、既得権を守ろうとの意識。 ②過去の様々な資産運用の失敗?黒い支出?を明るみにされたくないのではないか。 6 今後のたたかい 目標は「毎年 5 億円もの資産取崩の真相究明」「医療給付を元に戻す」「退教互の民主化」 ・退教互の言う「会計簿」の閲覧請求を出し、真相を究明していく。 ・財団法人愛知県退職教職員互助会は、現在「公益法人」だが、制度改悪で 2013 年(H25)11 月ま でに「一般財団法人」へ。移行認可を申請を準備中。定款,規定,評議員,公益目的支出計画など、認 可を受けるためのハードルが高い。マスコミへ「情報公開しない秘密主義」 「非民主的な役員選出」 「公益法人として不適格」など訴えて、風穴を開けたい。 ・カンパを! 退職の会の有志(竹山・大島・後藤・吉田・鷲見)と愛教労(内田)でやってきたが、手弁当状 態。ぜひカンパを! -2-
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