福水地すべり災害 - 石川県地質調査業協会

福水地区地すべり
国道415
国道
415号
号
大規模地すべりの初動体制について
宮谷川
飯山川
~福水地区地すべり災害を題材に~
既設砂防堰堤
地すべりブロック
石川県土木部砂防課
砂防・地すべり整備グループ 染谷 秀晴
概 要
■位置図
地すべり発生状況 1
はくいし
ふくみずまち
発生場所:石川県羽咋市福水町
発生日時:平成17年4月1日 21時頃
発生規模:長さ400m、幅200m
被害概要:北陸電力鉄塔倒壊により能登地域
およそ11万世帯が停電(8分間)
宮谷川下流での状況
送電線
福水地区
地すべり発生箇所
既設砂防えん堤
二級河川飯山川
至 氷見市
宮谷川
国道415号
福水町
至 羽咋市街
国道の状況
地すべり発生状況 2
↑倒壊した鉄塔
↑頭部滑落崖
垂れ下がった電線
地すべり土塊により
破壊された奥宮 →
防護・切断作業状況
発生後数日間の初動体制について
4月1日
21時19分
23時10分頃
23時40分
23時56分
14時頃
16時00分
16時30分
4月6日
10時00分
19時30分
至 氷見
長さ約400m
至 羽咋
仮えん堤
羽咋土木事務所が現地調査した結果、福水町地内の砂防河川宮谷川沿い
に大規模な地すべりの発生を確認
金沢工大教授(防災アドバイザー)、羽咋市助役、土木部長、砂防課長が、県消
防防災ヘリにより上空から地すべり調査を実施
国道415号通行止め解除
羽咋市役所と土木事務所が、地元に状況説明し、理解を得る。
幅約200
200m
4月2日
早朝から
能登地方で停電発生
北陸電力により羽咋市福水町地内の国道415号を横断する送電線鉄塔の損
壊、送電線の垂れ下がりを確認
国道415号通行止め
志賀原発停止捜査開始(4月2日4時36分停止)
応急対策
鉄塔
地すべりブロック
崩落土砂
凡例
仮排水路
地盤伸縮計
羽咋土木事務所と北陸電力が、羽咋市議会全員協議会に概要、監視体制、
応急対応、今後の対応等を説明
羽咋土木事務所と北陸電力が、羽咋市福水町町会に概要、監視体制、応急
対応、今後の対応等を説明
既設砂防えん堤
GPS計測器
水位計
ポンプ排水管
雨量計
ポンプ2台
4月8日
4月9日
応急工事 大型土のうによる仮えん堤に着手
応急工事 ポンプによる強制排水に着手
地すべり発生状況・応急対策平面図
応急対策工の状況
地すべり活動の監視
GPSによる地すべり観測
地盤伸縮計
↑湛水池からの
ポンプ排水
↑大型土のうによる
仮えん堤
←仮排水路
自動観測による伸縮計データ監視
監視体制
GPSデータ監視(WEB画面)
データ監視
監視基準
出先事務所での監視状況
・データ監視
・地すべりによる土石流監視
パトロール
・緊急時の関係機関への連絡
避難基準
↓伸縮計データ(事務所監視)
羽咋市長が発表する
↑事務所からの報告
(移動量・湛水池水位:当初)
羽咋市周辺での災害事例に基づく降雨量などにより決定
監視カメラ
地すべり発生のメカニズム
地質状況
・当該斜面の節理面は、約10度の流れ
盤の構造をしています。
・地質は、固結度の低い砂岩からなっ
ており、ボーリング調査の結果、非常
に脆弱な砂岩層が深度30m程度まで
分布していることが判明しました。
平年より多い降雨により斜面の
末端部で地すべりが発生
発生原因
・平年より約2割多い冬期間の降水量に
より砂岩層のゆるみが進行し、斜面の
末端部分で地すべりが発生したと考え
られます。
・斜面下部の不安定化により、地すべり
は斜面上部へ波及したものと推察され
ます。
斜面下部の不安定化により、
地すべりは斜面上部に波及
陥没帯
70m
地すべりの活動により頭部には
幅70mの陥没帯が形成
監視カメラ映像(事務所で監視)
地すべり対策工
すべり面
地すべり移動方向
地すべり対策平面図
地すべり対策断面図
主な対策工
恒久対策の内容について
○全体事業内容
頭部排土工
:V=91,000m3
押え盛土工
:V=108,800m3
堰堤工
:N=1基(H14.5m、L=75m)
集水井工
:N=6基
集排水ボーリング工:L=3,486m
山腹工
:A=49,380㎡
防止区域面積
頭部排土工
盛土工
:A=15.9ha
土留め堰堤工
宮谷川の付け替え水路工
盛土工・堰堤工
既設堰堤の下流側
盛土工
水路の途中の落差工
土留め堰堤工
地表面水排水路工・集水井工
地表面水排水路工
頭部排土工
集水井工
恒久対策の内容について
○災害関連緊急地すべり対策事業(H17)
事業費
概要
C=991.5百万円
堰堤工 N=1基(H14.5m、L=75m)
頭部排土工 V=91,000m3
押え盛土工 V=108,800m3
○特定緊急地すべり対策事業(H18~H20)
事業費
概要
C=300百万円
集水井工 N=5基
集排水ボーリング工 L=3,162m
山腹工 A=17,700㎡
○地すべり対策事業(H21~H22概成)
事業費 C=159百万円
概要
集水井工 N=1基
集排水ボーリング工 L=324m
山腹工 A=31,680m2
土砂災害防止法の一部改正について
土砂災害防止法の一部改正の
目的・背景・経緯
法改正による制定事項について
緊急調査について
河道閉塞に起因する土砂災害について
火山噴火に起因する土石流について
地滑りについて
■地滑り
〈都道府県が実施〉
・地滑りにより、地割れ
や建築物等に亀裂
が発生又は広がりつ
つある場合
・おおむね10戸以上の
人家に被害が想定さ
れる場合
地滑りによる集落の被災例
緊急調査の流れについて
土砂災害緊急情報について
土砂災害緊急情報の流れについて
本県の大規模地滑り発生時の対応について
1 背景
本年5月の土砂災害防止法一部改正により、市町の避
難勧告等を支援することが規定され、
地滑りで大規模な被害が想定される場合には、県が緊
急調査し、緊急情報を発表、
河道閉塞や火山噴火に起因する土石流などにより大規
模被害が想定される場合には、国が緊急調査・緊急情報
の発表を行うこととなった。
本県の大規模地滑り発生時の対応について
本県の大規模地滑り発生時の対応について
2 これまでの取組み
(1)事務所担当者に説明
市町防災・土木担当者に説明
(2)「石川県版緊急調査マニュアル(案)」の策定
緊急調査内容や情報伝達系統等について、実務者用に
具体的に示したマニュアルを策定。
(3)現地研修会の開催
県土木、国・他県の砂防実務者が、津幡町九折地区、羽
咋市福水地区で現地研修。
3 地滑り緊急調査等の実施(県)
(1)緊急調査
大規模地滑りにより、地割れや建築物等に亀裂が発生又
は広がりつつあり、おおむね10戸以上の人家に被害が想
定される場合に、土木(総合)事務所において速やかに「緊
急調査」を実施。
→ 調査内容:地滑りの恐れがあるブロック、被害想定範囲確定地表面
のクラック観測
本県の大規模地滑り発生時の対応について
緊急調査の流れ
本県の大規模地滑り発生時の対応について
3 地滑り緊急調査等の実施(県)
(2)土砂災害緊急情報
緊急調査の結果に基づき、事務所所長は、「土砂災害緊急
情報」を市町長に通知し、併せて、調査内容を随時市町に情
報提供。
→ 通知内容:地滑りの被害想定範囲、発生時期(移動量の危険値
明示)
→ 情報提供内容:地すべり移動量等
本県の大規模地滑り発生時の対応について
情報伝達の流れ
福水地区地すべりの初動体制の評価
1 連絡体制
・県、市、地元町会長、消防・警察等の緊急情報連絡体制を翌日に確立
2 現地調査
・防災ヘリにより専門家とともに上空からの状況調査を翌日に実施
・地表伸縮計を翌日に設置
3 監視体制
・天然ダムの水位上昇を常時監視(砂防課・中能登土木総合事務所)
・GPS観測計による継続監視体制をインターネットで18日後から実施(県内初)
4 住民避難
・避難勧告、避難指示につなげる被害想定範囲についての設定が課題
大規模地すべりの初動体制の確立
1連絡体制
2現地調査
・危機管理訓練の実施など、災害発生時の
迅速・的確な対応を行う
3監視体制
4住民避難
・早めの住民避難のために、ハザードマップの作成
・避難訓練や講習会の開催
・土砂法改正による緊急調査に向けマニュアルの作成