小児耳 2011; 32(3): 329334 原 著 乳児喉頭血管腫に対して b 遮断薬が著効した例 今 井 直 子1),安達のどか2),浅 沼 聡2),鍵 本 聖 一3), ) 4 二 藤 隆 春 ,坂 田 英 明5) 1) 虎の門病院 2) 埼玉県立小児医療センター 耳鼻咽喉科 3) 埼玉県立小児医療センター 耳鼻咽喉科 4) 東京大学医学部耳鼻咽喉科 総合診療科 5) 目白大学保健医療学部言語聴覚学科 乳児喉頭血管腫は急速に気道閉塞など重篤な障害をきたしうる疾患であり,これまではス テロイド,ビンクリスチン,インターフェロン a,レーザー焼灼術,気管切開術,外切開手 術などの治療が試みられてきた。今回我々は,喉頭血管腫に対し,b 遮断薬投与が著効した 症例を 2 例経験した。症例 1 では呼吸苦を繰り返していた声門下血管腫に対して投与し,急 速な呼吸苦の改善を認めた。症例 2 では比較的広範に及んだ声門上血管腫に対して投与し, 腫瘍の良好なコントロールを得ている。乳児血管腫に対する b 遮断薬による治療は2008年に L áeaut áe-Labr àeze らが発表して以来,海外では報告があるが本邦での喉頭血管腫に対する報告 はない。b 遮断薬は即効性があること,経口投与可能で低侵襲であること,副作用が少ない ことなどから今後,本邦でも新しい乳児血管腫の治療法の選択肢となりうると考えられる。 キーワード小児,血管腫,b 遮断薬,プロプラノロール はじめに 乳児の上気道に発生する腫瘍の中で,声門下 血管腫は頻度の多い疾患である。これまでステ ロイド,ビンクリスチン,インターフェロン a,レーザー焼灼,気管切開術,外切開手術な どの治療が試みられてきたが,いずれも高いリ スクを伴うものであり,効果も十分とは言えな かった。今回我々は,喉頭血管腫に対し,b 遮 断薬(プロプラノロール)投与によって著明な 効果を認めた症例を 2 例経験したので報告する。 症例 10 歳 3 ヶ月男児 既往歴在胎 41 週 0 日 正常分娩にて 3340 g で出生。1 ヶ月健診異常なし。 家 族 歴 兄 は 頸 部 巨 大 血 管 腫 ・ KasabachMeritt 症 候 群 ・ 気 道 狭 窄 ・ 心 不 全 で 加 療 中 現病歴 虎の門病院 耳鼻咽喉科(〒1058470 生後 38 日頃より喘鳴,陥没呼吸が出現し, 徐々に増悪を認めていた。呼吸状態悪化のた め,生後 49 日に前医小児科で入院となり経鼻 挿管が施行されプレドニゾロン 2 mg / kg / day 投与が開始された上で生後 57 日当院血液腫瘍 科へ転院となった。 入院時,当科での診察にて披裂部に強い喉頭 軟弱症は認めたものの声門下腫脹は認められず 明らかな気道狭窄もなかったためそのまま抜管 された。翌日喉頭軟弱症の管理目的に総合診療 科へ転科となった。吸気性喘鳴は徐々に改善 し,プレドニゾロンは減量中止とし,生後 70 日で退院となった。 生後 77 日頃より再び喘鳴・陥没呼吸が出現 し,徐々に増悪傾向となった。数回呼吸状態が 悪化し,救急外来を受診することが続いてい た。喉頭軟弱症に上気道炎が加わり,クループ 様の病態となったと考えられ,生後 91 日加療 東京都港区虎ノ門 22 2) ― 95 ― ( 329 ) 小児耳 2011; 32(3) 今井直子,他 5 名 目的に当院総合診療科第二回目の入院となった。 入院後経過 補液とボスミン吸入が開始され,入院日にデ カドロン 0.6 mg/kg/day を投与した。入院後 2 日,吸気性喘鳴と陥没呼吸が悪化したが,再度 デカドロン0.6 mg/kg/day 投与したところ,呼 吸状態は徐々に改善した。入院後 11 日に再び 喘鳴の悪化があり,デカドロン0.6 mg/kg/day 投与された。入院後 18 日, MRI のために鎮静 したところ,陥没呼吸が著明となり,呼吸窮迫 状態となったため,気管支ファイバーガイド下 に経鼻気管挿管を行った。その際声門直下に両 側性やや左側優位に発赤を伴う粘膜腫脹を認 め,声門下は強度に狭窄していた(図 1 )。同 日撮影した MRI (図 2 , 3 , 4 )を提示する。 MRIT2 で高信号,造影 MRI で強く造影され る病変を声門下左側優位に認め,臨床所見と合 わせて声門下血管腫の診断となった。ステロイ ド頻回の使用による副反応も懸念されたため, 入院後 23 日より b 遮断薬(プロプラノロール) 2 mg/kg/day(分 3)内服を開始とした。投与 前の心電図,心エコーには異常を認めなかった。 b 遮断薬の投与前,投与 1 時間後に毎回血圧測 定,ミルク注入前に血糖測定を行い,心拍モニ ターを装着とした。入院後 24 日に事故抜管が あったが,吸気性喘鳴はあるものの多呼吸,頻 脈, SpO2 低下は認めず,喉頭ファイバー所見 にても声門下の狭窄所見はなかったため,再挿 管はせず経過観察とした。その後呼吸状態は安 定しており,入院後 29 日施行した気管支鏡で は声門下の腫脹は認めず,レントゲン上も狭窄 の改善を認めた。啼泣時の喘鳴は残存していた が喉頭軟弱症によるものと考えられ呼吸状態は 落ち着いていたため入院後 39 日で退院となっ た。生後 7 ヶ月(治療開始 4 ヵ月後)の喉頭 所見はほぼ正常であった(図 5 )。 1 歳 3 ヶ月 現在,b 遮断薬内服を継続しているが,副作用 は認めていない。血管腫の増大もなく,内服中 止時期を検討中である。 症例 27 ヶ月女児 既往歴在胎 39 週 正常分娩にて 3706 g で出 生。1 ヶ月健診異常なし。 家族歴兄血管腫(鼻周囲,眉間,眼瞼)自 ( 330 ) ― 96 ― 図 症例 1 入院18日喉頭所見(声門下の腫脹 と粘膜の発赤を認めた) 図 症例 1 MRIT2(気管挿管中)声門下に 高信号を認める(→) 図 症例 1 造影 MRI(水平断) 声門下病 変は強く造影されている(→) 乳児喉頭血管腫に対して b 遮断薬が著効した 2 例 図 症例 1 造影 MRI(冠状断) 変(→) 図 症例 1 治療 4 ヵ月後喉頭所見 消失している(→) 小児耳 2011; 32(3) 図 症例 2 治療前喉頭所見 脹を認める(→) 図 症例 2 造影 MRI (水平断) される腫瘍を認める(→) 発赤を伴う腫 声門下病 腫瘍は 然消退 現病歴 生後 7 カ月時に喘鳴,陥没呼吸を主訴に前医 耳鼻科を受診し,喉頭血管腫の疑いにて当院当 科初診となった。喉頭ファイバーでは喉頭蓋右 側から右披裂部,右仮声帯から声門に突出する やや発赤を伴う腫脹(図 6)があり,造影 MRI で同部位に強い造影効果を伴う腫瘍性病 変(図 7, 8)を認め,血管腫の診断となった。 血管腫はやや増大傾向にあり,治療目的に生後 10カ月時に入院となった。 入院後経過 入院時胸部レントゲン,心エコー,心電図に は異常を認めなかった。b 遮断薬(プロプラノ 強く造影 ロール)2 mg/kg/dayの内服を開始し, 1 週間 後には血管腫の縮小傾向を認め 13 日後にはさ らに縮小していた(図 9)。副作用も出現せず, 退院となった。1 歳 8 ヶ月時(治療開始10ヵ月 後)に b 遮断薬内服終了とし,今後経過観察 の方針である。 考 察 症例 1 では数回の喉頭内視鏡での観察を行っ たにもかかわらず,声門下血管腫が確認できず 診断に苦慮した。当初,血管腫が観察できなか った理由としてはステロイド投与直後に診察し たために一時的に縮小していたこと,挿管チ ューブによって圧排されていたことで粘膜の腫 脹が目立たなかったこと,体位によって血流が ― 97 ― ( 331 ) 小児耳 2011; 32(3) 図 図 今井直子,他 5 名 症例 2 造影 MRI(矢状断) 症例 2 治療 1 週間後喉頭所見 縮小を認める(→) 腫瘍の 減少し腫瘍が確認しづらい状態であったことな どが考えられる。声門下血管腫は喉頭内視鏡検 査を施行しても診断をつけるのが難しいといわ れており1),原因不明の乳児の喘鳴や陥没呼吸 があった場合は繰り返し内視鏡下の観察を行 い,場合によっては早期の画像評価が必要と考 えられる。 乳児血管腫は小児の腫瘍で最も多く,出生児 の約 1 2 に生じると言われている2) 。通常生 後 2 ヶ月以内に生じ,生後約 1 年間の増殖期 を経て幼小児期の間にゆっくりと消退していく が,上気道に生じた場合は気道閉塞などの重篤 な障害をきたしうる。これまではステロイド, ビンクリスチン,インターフェロン a ,レー ザー治療,気管切開術,外切開手術などの治療 が試みられてきた。しかし,ステロイド・ビン クリスチン・インターフェロン a の全身投与 ( 332 ) は副作用が多いのに比して効果は一定せ ず35) ,レーザー治療は大きな血管腫には効果 は薄く,声門下狭窄のリスクもある5,6) 。気管 切開術や外切開手術は大きな手術侵襲を伴うも のであり4),いずれの治療も決定的とは言えな かった。 2008 年に L áeaut áe-Labr àeze らは,ステロイド 治療中の乳児鼻腔血管腫患児の閉塞性肥大型心 筋症に対する治療として b 遮断薬(プロプラ ノロール)を用いたところ血管腫が消退するこ とを発見し,その後 10 例の乳児血管腫に対し てプロプラノロールを投与して良好な治療成績 を収めたことを報告した7)。以後,さまざまな 部位の乳児血管腫に対して b 遮断薬を使用し た報告が出ており36,911,12) ,即効性があるこ と,経口投与可能で低侵襲であること,副作用 が少ないことなどから新しい乳児血管腫の治療 法として期待されている。乳児以外での使用は 59 歳男性の脈絡膜血管腫に対して良好な治療 成績を収めた報告が 1 例あるのみで,成人の血 管腫に対する効果は不明である8)。 プロプラノロールは非選択的 b 遮断薬であ り,b1,b2 受容体を共に遮断する。 b1 受容体 は主に心臓に分布しており,活性化されること で心収縮力が増強される。 b2 受容体が活性化 されると各種平滑筋が弛緩し,糖代謝が活性化 される。そのため,b 遮断薬使用の際の副作用 として,徐脈,血圧低下,低血糖が起こりう る3)といわれている。血管腫に対するプロプラ ノロールの作用機序については未だ明らかでは ないが,血管収縮を起こすこと,血管腫の増殖 に寄与すると言われている bFGF (basic ˆbroblast growth factor),VEGF (vascular endothelial growth factor)の発現を抑えること, 内皮細胞のアポトーシスを引き起こすことなど が考えられている3,7,9)。 乳児血管腫に対する使用量としては 2 mg / kg/day(8 時間ごとの投与)としている報告が 多いが,当初から full dose で投与する,低容 量から漸増する,など施設によって投与法はさ まざまであり,いまだ確立していない(表 1)。 投与期間についても議論がなされている段階で あるが,血管腫の増殖期が終わる生後 1 年を目 安に終了するのが望ましいとされつつある10,12)。 ― 98 ― 小児耳 2011; 32(3) 乳児喉頭血管腫に対して b 遮断薬が著効した 2 例 表 症例 数 プロプラノロールの投与方法・期間 血管腫の部位 容 量 用 法 投与期間 投与終了 年齢 L áeaut áeLabr àeze C et al. 1 例 顔面 20087) 2 mg/kg/day 記載なし 7 カ月 Sans V et al. 20099) 15例 種々の部位 23 mg/kg/day 分 2 また 6.2カ月 9.4カ月 は分 3 (平均) (平均) Denoyelle F et al. 20094) 1 例 皮膚,声門下 (PHACEs 症候群) 3 mg/kg/day 記載なし 7 カ月 1 例 声門下,顔面 2 mg/kg/day 記載なし 記載なし 記載なし 1 例 声門下 1.8 mg/kg/day 分3 7 カ月 1 例 右側頭部,耳周囲,後頸 1 mg/kg/day 部,右上眼瞼,声門下 分3 記載なし 記載なし 1 例 上胸部,耳,顎下部, 声門下 分3 4 カ月 Rosbe KW et al. 20106) 2 mg/kg/day 9 カ月 18カ月 13カ月 5 カ月 Siegfried EC et al. 200811) 記載 種々の部位 なし 0.5 mg/kg/day→2 mg/kg/day 分 3 (漸増) 記載なし 記載なし Lawley LP et al. 20093) 記載 種々の部位 なし 0.5 mg/kg/day→1 mg/kg/day 分 3 →2 mg/kg/day (2回投与ごとに漸増) 記載なし 記載なし Jephson CG et al. 20095) 1 例 声門下 1 mg/kg/day→2 mg/kg/day (1週間で増量) 8 カ月 Maturo S et al. 201010) 1 例 声門上 0.5 mg/kg/day→1 mg/kg/day 分 2 →2 mg/kg/day (24時間かけて増量) 記載なし 記載なし 1 例 声門下 0.5 mg/kg/day→1 mg/kg/day 分 2 →2 mg/kg/day (24時間かけて増量) 記載なし 記載なし 25例 種々の部位 0.5 mg/kg/day→1 mg/kg/day 分 3 →2 mg/kg/day (→3 mg/kg/day) (2 日ごとに増量) 8.5カ月 12.5カ月 (平均) (平均) Fuchsmann C et al. 201112) Fuchsmann らの報告12) によると, 1 歳以内で プロプラノロール治療を開始した 33 名中,治 療を終了した 25 名のうち 6 名で再治療を要す る再発をきたしたが,投与終了時年齢が全体で は平均生後12.5ヶ月であるのに対し,これら再 発症例では平均 9.5 ヶ月であった。しかし再発 症例でもプロプラノロール再投与が効果的であ ったとしている。副作用の報告はまれである10) が, Lawley らは生後 8 週, 36 日の 2 症例で低 血糖,血圧低下をきたしたと報告している3)。 そのため,健康な乳児でも治療開始前の詳細な 心機能の評価(血液学的検査,心電図,心エ コー),投与開始後の血圧・心拍・血糖値のモ ニタリングは不可欠であり,特に月齢の低い乳 児(生後 6 ヶ月以下)についてはより注意深い 分3 12カ月 観察が望ましい3,5,11)。 これまではステロイド,ビンクリスチンなど で難治であった場合での使用経験の報告が多か ったが,その効果・副作用の少なさから第一選 択としての b 遮断薬単独投与が提唱されつつ ある5,10,12)。 ま と め 乳児喉頭血管腫に対して b 遮断薬(プロプ ラノロール)が著効した 2 例を報告した。これ までの血管腫に対する治療法と比べて即効性が 高く,低侵襲で副作用の少ない治療法であり, 今後は乳児血管腫に対する新しい治療として期 待される。副作用の頻度は非常に少ないが,血 圧低下,徐脈,低血糖が起こりうるため,投与 ― 99 ― ( 333 ) 小児耳 2011; 32(3) 今井直子,他 5 名 前の心血管系の評価(心電図,心エコー),投 与後の血圧・心拍・血糖値のモニタリングは必 須であると考えられる。 文 献 1) 小熊栄二血管腫・血管奇形の画像診断 小児頭 頸部の血管腫・血管奇形の画像診断.臨床画像 2002; 18(12): 12621273. 2) Brown RL, Azizkhan RG: Pediatric head and neck lesions. Pediatr Clin North Am 1998; 45(4): 889905. 3) Lawley LP, Siegfried E, Todd JL: Propranolol treatment for hemangioma of infancy : risks and recommendations. Pediatr Dermatol 2009; 26(5): 610614. 4) Denoyelle F, Leboulanger N, Enjolras O, et al.: Role of propranolol in the therapeutic strategy of infantile laryngotracheal hemangioma. Int J Pediatr Otorhinolaryngol 2009; 73(8): 11681172. 5) Jephson CG, Manunza F, Syed S, et al.: Successful treatment of isolated subglottic haemangioma with propranolol alone. Int J Pediatr Otorhinolaryngol 2009; 73(12): 18211823. 6) Rosbe KW, Suh KY, Meyer AK, et al.: Propranolol in the management of airway infantile hemangiomas. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 2010; 136(7): 658 665. 7) L áeaut áe-Labr àeze C, Dumas de la Roque E, Hubiche T, et al.: Propranolol for severe hemangiomas of infancy. N Engl J Med 2008; 358(24): 26492651. 8) Sanz-Marco E, Gallego R, Diaz-Llopis M: Oral propranolol for circumscribed choroidal hemangioma. Case Report Ophthalmol 2011; 2(1): 8490. 9) Sans V, de la Roque ED, Berge J, et al.: Propranolol for severe infantile hemangiomas: follow-up report. Pediatrics 2009; 124(3): e423431. 10) Maturo S, Hartnick C: Initial experience using propranolol as the sole treatment for infantile airway hemangiomas. Int J Pediatr Otorhinolaryngol 2010; 74(3): 323325. 11) Siegfried EC, Keenan WJ, Al-Jureidini S: More on propranolol for hemangiomas of infancy. N Engl J Med 2008; 359(26): 2846; author reply 28467. 12) Fuchsmann C, Quintal MC, Giguere C, et al.: Propranolol as ˆrst-line treatment of head and neck hemangiomas. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 2011; 137(5): 471478. 原稿受理 2011年10月26日 別刷請求先 〒1058470 東京都港区虎ノ門 222 虎の門病院耳鼻咽喉科 今井直子 Two cases of laryngeal hemangioma of infancy successfully treated by b-blocker 1) 2) 3) 4) 5) Naoko Imai1), Nodoka Adachi2), Satoshi Asanuma2), Seiichi Kagimoto3), Takaharu Nitou4), Hideaki Sakata5) Division of Otorhinolaryngology, Toranomon Hospital Division of Otorhinolaryngology, Saitama Children's Medical Center Division of General Pediatrics, Saitama Children's Medical Center Department of Otorhinolaryngology, Tokyo University Department of Speech, Language and Hearing Therapy, Faculty of Health Sciences, Mejiro University Laryngeal hemangioma of infancy is a life-threatening disease with airway obstruction. Previously, it was treated with steroids, vincristine, interferon-a, laser, tracheostomy, and open surgery, but responses were not satisfactory. We report two cases of laryngeal hemangioma of infancy successfully treated by a b-blocker (propranolol). Patient 1 was a three-month-old male with subglottic hemangioma. He demonstrated recurrent respiratory discomfort, but after propranolol administration was initiated, the hemangioma diminished immediately. Patient 2 was a 7-month-old female with a large supraglottic hemangioma. Due to wheezing and increasing size of the hemangioma, propranolol administration was initiated. After three months, the size of her hemangioma was well controlled and she had no symptoms. L áeaut áe-Labr àeze et al. ˆrst reported b-blocker therapy for hemangiomas of infancy in 2008, and additional reports have been published abroad since then. b-blocker therapy is eŠective for hemangiomas of infancy and superior to previous therapies in terms of its immediate eŠect with few side eŠects. We expect that it will become the standard therapy for laryngeal hemangioma of infancy. Key words: hemangioma of infancy; laryngeal hemangioma; b-blocker ( 334 ) ― 100 ―
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