2014.01.07. 慈恵ICU勉強会 再考 晶質液と膠質液 遠藤新大 I appreciate their great jobs! 膠質液をめぐる論争 • • • • • SAFE (NEJM 2004) 4%アルブミン vs 生食 VISEP (NEJM 2008) HES 200/0.5 vs リンゲル 6S (NEJM 2012) HES 130/0.4 vs リンゲル CHEST (NEJM 2012) HES 130/0.4 vs 生食 CRISTAL (JAMA 2013) 膠質液 vs 晶質液 膠質液の立場はどんどん狭くなっている。 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 大橋 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 大橋 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 大橋 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 大橋 JAMA 2013: 310;1809-‐17 (CRISTAL trial) Design: RCT PaSents: ICU患者2857人(57施設) Methods:膠質液1414人 vs 晶質液1443人 Primary outcome:28日死亡 Secondary: 90日死亡、RRT、人工呼吸器、 昇圧剤 Result: 28日死亡有意差なし 90日死亡 晶質で増加、膠質で人工呼吸 器と昇圧剤増加 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 大橋 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 EGLに関してもう少し詳しく 2012年9月に腎臓内科のDr.白井が行った EGLの勉強会の内容を復習するとともに、 もう一度、新しい輸液理論をおさらいしたい。 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 Revised Starling equa1on and the glycocalyx model of transvascular fluid exchange: an improved paradigm for prescribing intravenous fluid therapy. Br J Anaesth 2012; 108:384-‐394 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 EGLに保護的に働くかも しれないものたち • • • • • N-‐acetyl cystein AnSthrombin Ⅲ HydrocorSsone Sevoflurene Infusion of the GAGs chondroiSn sulphate and hyaluronic acid 今後のさらなる研究が待たれる。 Revised Starling equaSon and the glycocalyx model of transvascular fluid exchange: an improved paradigm for prescribing intravenous fluid therapy. BJA 2012: 108;384–94 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 • 何を入れても低圧下ではJvがほぼ0ならば、 膠質輸液を入れる必要は無い。 • 敗血症の輸液は細胞外液で良い。 • ただし、入れすぎれば当然もれる。 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 引用:2012.9.11 慈恵ICU勉強会 Dr.白井 • 輸液のボーラス投与はそれ自体がEGLを傷害 する可能性がある。 • 急速輸液で血管内圧が上がるとJvが増える。 ボーラス投与は避けた方が無難。 Mortality a?er fluid bolus in African children with severe infec1on. N Engl J Med 2011: 364;2483-‐95 Design: RCT PaSents: 3141 children with severe febrile Methods: 1050 albumin-‐bolus group vs 1047 saline-‐bolus group vs 1044 control group (no-‐bolus) Primary outcome: 48hr mortality Secondary: pulmonary edema Intracranial pressure, mortality at 4 weeks Result: fluid-‐bolus群は48時間死亡率も、 4週間死亡率ともに上昇した。 The Endothelial Glycocalyx: Emerging Concepts in Pulmonary Edema and Acute Lung Injury Anesthesia & Analgesia 2013: 117;664-‐74 The Endothelial Glycocalyx: Emerging Concepts in Pulmonary Edema and Acute Lung Injury Anesthesia & Analgesia 2013: 117;664-‐74 仮説:EGLは管内の圧の上昇に反応してeNOSを産生させ細胞間のjuncSonに作用する。 Paradigm shig • 血液ガス平衡 Henderson–Hasselbalch equaSon →Stewart theory • 輸液 Starling equaSon →Glycocalyx model 人体という複雑なものを 部分的に単純化した結果 • • • • • 多くの症例で臨床応用された。 説明できない矛盾が起きてきた。 Minor changeでは対応できない。 理論の根底に問題がある Paradigm shigが必要。 Paradigm shig するためには • 今までの考え方は忘れないといけない。 • 混在が混乱を招く。 • 知らない事を学ぶより、習った事を修正 するのは遥かに難しい。 Paradigm shig を妨げる要因 • 新しい理論が難解で理解できない。 • 古い理論になじみすぎていて新しい物が受け 入れられない。 例:血圧管理 • 平均血圧は収縮期血圧よりも信頼性の高い データである。 • 収縮期血圧しか見ていない人がまだたくさん いる。 • 手動の血圧計で測っていた時代からの慣れ 親しんだ考え方を修正できない。 スターリングの法則が産んだ サードスペースという概念 サードスペースとは • 1st space: 血管内 • 2nd space: 血管外(血管内と行き来できる) • 3rd space: 血管内と行き来できない血管外? スターリングの法則で説明がつかない水の移動を 強引に説明するために生み出された架空の空間。 Revised 3rd space(造語) • 1st space: 血管内 • 2nd space: Glycocalyx • 3rd space: 間質 No absorpSon rule を当てはめれば、この方が自然。 スターリングの法則卒業への第一歩 • Glycocalyx modelを理解したら、今日からサー ドスペースという言葉を使うのをやめよう。 アルブミンとHESの違い Technical and physiological background of plasma volume measurement with indocyanine green: a clarifica1on of misunderstandings Journal of Applied Physiology, 2006 vol. 102 (3) pp. 1235-‐1242 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 引用:2013.12.27慈恵ICU勉強会 Dr. 佐藤 輸液療法の未来 • Glycocalyx をいかにして守れるのかが今後の 論点になっていきそう。 • 全く新しい治療戦略となる可能性を秘めてい る。 今できる事は • • • • 昇圧剤を早期から使用し、輸液過多を避ける。 積極的に膠質液を使用する根拠は無い。 ボーラス投与はしない方がいいかもしれない。 高Cl製剤は避けた方がいいかもしれない 有害な可能性があることをなるべくしない。 まとめ • 現時点でGlycocalyxが傷害されている患者の 血管内容量を保ちつつ、浮腫を予防する決定 的な手段はない。 • Glycocalyx model を理解し、輸液過多を避け る。 • 新しい治療の開発が期待される。
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