ADOX床版防水工法 ADOX床版防水工法 水元建設株式会社 ~高機能エポキシ樹脂による補修技術研究会~ (事務局:日本アドックス株式会社) 床版防水工法 ○ 加熱型アスファルト塗膜系防水(現行の防水) アスファルト舗装 ・施工効率が良い ・舗装のブリスタリングの発生が少ない 舗装のブリスタリングの発生が少ない ⇒ 使用実績が多い 硅砂 加熱型アスファルト防水材 プライマー コンクリート床版 ○ ・加熱型アスファルト塗膜系防水と施工性 がほぼ同じ ・防水効果が高い ⇒ 寒冷地での採用が増えている 複合防水(二重防水) アスファルト舗装 加熱型 アスファルト 硅砂 塗膜系防水 加熱型アスファルト防水材 エポキシ樹脂 浸透系防水 ADOX1380W」 アスファルト舗装 加熱型 アスファルト 硅砂 塗膜系防水 加熱型アスファルト防水材 硅砂 浸透系防水 硅砂 アクリル樹脂 コンクリート床版 コンクリ ト床版 ADOX床版防水工法 ADOX 床版防水工法 コンクリート床版 浸透系防水材の品質比較 試験項目 粘度 試験条件 (mPa・s) エポキシ樹脂 アクリル樹脂 規格* ADOX1380W デッキコート 23℃ 100~1000 250 - 5℃ - - 550 20℃ ・100g 30以上 13 - 5℃・50g - - 25 試験方法 JIS K 6833 可使時間 (分) 硬化収縮率 (%) 23℃ 3以下 1 - 引張強さ (N/mm2) 23℃ 15以上 60.1 8以上 引張破壊伸 23℃ 10以下 2 10以下 23℃・1日 - 19.5 11.8 JIS K 6850 23℃ 2.0以上 以 2.54 2以上 以 JHS429 (%) 引張せん断接着強さ (N/mm2) ひび割れ含浸 曲げ強度 (N/mm (N/ 2) 温度上昇法 JIS A 6024 JIS K 7113 *赤字:建築補修用注入エポキシ樹脂(JIS A 6024)のうち、硬質低粘度形エポキシ樹脂の品質 6024)のうち 硬質低粘度形エポキシ樹脂の品質 青字:NEXCO「構造物施工管理要領」のうち、エポキシ樹脂系ひび割れ注入材の品質規格 黄字:NEXCO「構造物施工管理要領 はく落防止」のうち、ひび割れ含浸性能の判定値(JHS429) 浸透系防水材の評価試験 (大阪大学発表論文) RC床版供試体 (1000×1600 (1000×1600mm、床版厚t=60mm) 床版厚t 60 ) 小型輪荷重走行試験機 <性能評価方法> ①RC床版供試体に防水工を施す前に、小型輪荷重 走行機によって動的負荷を与え、床版内部に貫通 ひび割れを再現。負荷はDRY状態で40000往復、 載荷荷重は19 3kN 載荷荷重は19.3kN。 ②RC床版供試体上面に以下の防水工を実施 記号 防水工 塗布量 (kg/ 2) (kg/m 弾性率 (N/ 2) (N/mm N-3 なし - - L-A アクリル樹脂(デッキコート) 0.15 500 LL-BB メタクリル樹脂 0 2 0.2 2200 L-C エポキシ樹脂(ADOX1380W) 0.4 2000 ③常時水張り(WET)状態で載荷(19.3kN)を実施。 記号 負荷後寿命 寿命増加率 N-3 27229 1.00 L-A 76207 2.80 L-B 44751 1.64 L-C 316226 11.61 複合防水の 般的仕様及び工程 複合防水の一般的仕様及び工程 エポキシ樹脂 浸透系防水 アクリル樹脂 材料 使用量 (kg/m2) 材料 使用量 (kg/m2) ADOX1380W 0 25 0.25 デッキコート デッキコ ト 0 35 0.35 硅砂4号 0.50 硅砂4号 0.7 - 加熱型 アスファルト 塗膜系防水 タフシール or セロシールSS-B 1.2 硅砂4号 0 7 0.7 養生(30分養生) アスファルト舗装 *タフシール:東亜道路工業(株)製品 セロシールSS-B:ニチレキ(株)製品 養生(30分養生) タフシール or 1.2 セロシールSS-B 硅砂4号 0 7 0.7 - - アスファルト舗装 - 複合防水の品質規格及び試験結果(((財)土木研究センター) 複合防水の品質規格及び試験結果( 浸透系防水材:エポキシ樹脂「ADOX1380W」 加熱型アスファルト塗膜系防水材:セロシールSS-B 試験項目 測定項目 単位 規格値 試験結果 防水性(Ⅰ) 減水量 ml 0.2以下 0.0 0.8以上 1.30 0 15以上 0.15以上 0 26 0.26 0.5以上 1.80 1.0以上 1.73 1.2以上 2.54 0.6以上 1.01 強度 せん断接着性 変形性 引張接着性 水浸引張接着性 ひび割れ追従性(Ⅱ) 耐薬品性試験 強度 -10℃ 23℃ -10℃ 23℃ -10℃ 強度維持率 23℃ 23℃ 追従限界ひび割れ幅 耐アルカリ性 耐塩水性 N/mm2 % N/mm2 % 50以上 85.3 mm 0 3以上 0.3以上 1 3 1.3 - 異常がな いこと 異常なし 備考 水浸7日後の 引張接着強度 0.86N/mm2 *試験方法及び規格値:「道路橋床版防水便覧」((社)日本道路協会H19.3) 複合防水試験施工の引張接着強度試験結果 (室内試験) (日本アドックス((株)、電気化学工業 (日本アドックス 電気化学工業((株)で実施) エポキシ樹脂 浸透系防水 加熱型 アスファルト 塗膜系防水 引張接着強度 (N/mm2) アクリル樹脂 材料 使用量 (kg/m2) 材料 使用量 (kg/m2) ADOX1380W 0 2 0.2 デッキコート デッキコ ト 0 3 0.3 硅砂4号 0.7 - タフシール 1.5 タフシール 1.5 硅砂4号 1.0 硅砂4号 1.0 アスファルト舗装 - アスファルト舗装 - 1 0 95 0.95 1 0 78 0.78 2 0.94 2 0.77 3 1.05 3 0.75 平均 0.98 平均 0.77 *引張接着強度の規格値:0.6(N/mm2)以上 複合防水の引張接着強度試験施工結果 (現場試験) (首都高速道路((株)) (首都高速道路 試験施工面積:13.5m×3.5m=47.25m2 コンクリート床版の平均含水比:1.4% 施工開始時の温湿度:10.7℃、42% <施工性能> 浸透系防水 加熱型 アスファルト 塗膜系防水 工程 所要時間 「ADOX1380W」塗布準備 9分15秒 「ADOX1380W」塗布 」 布 15分55秒 分 秒 500m2施工時の換算時間 500 (ADOX床版防水工法) ⇒ 約2時間50分 6分50秒* アスファルト舗装まで全体で セロシールSS-B塗布 硅砂塗布 養生 30分 約3時間20分 *浸透系防水工と同時施工が可能 <付着性能> 引張接着強度 (N/mm2) ⇒ 1 0 36* 0.36* 2 0.78 3 0.92 4 0.52* 平均値 0.85 *アスファルト破壊のため除外 *引張接着強度の規格値:0.6(N/mm2)以上 浸透系防水材:エポキシ樹脂「ADOX1380W 浸透系防水材:エポキシ樹脂「 ADOX1380W」の特徴 」の特徴 寒冷地 寒冷地用エポキシ樹脂コンクリート補修材 ポキ 樹脂 補修材 「ADOX1380W」 「 NETIS登録番号;HK-110016-A <特徴> -5℃までの低温作業環境下において、ひび割れ注入材やひび割れ含浸材、 5℃までの低温作業環境下において ひび割れ注入材やひび割れ含浸材 プライマー等として、保温養生を行わずに使用することが可能 寒冷地性能試験結果 環境 条件 環境 温度 養生 期間 標準 23℃ 低温 氷点下 5℃ -5℃ 1.0mmのひび割れ部に注入 曲げ接着強さ(MPa) 試験結果 規格値 7日間 8.6 6以上 7日間 8.3 - 14日間 7.3 3以上 7日間 8.8 - 曲げ強度試験結果 判定基準 14日間 9.7 - 2.54MPa 2.0MPa以上 前養生(24時間),注入作業,養生,試験 ⇒ 各環境条件 ・実施場所:国立大学北見工業大学 実施場所:国立大学北見工業大学 工学部 社会環境工学科 三上研究室 ・試験内容:JIS A 6024 「建築補修用注入エポキシ樹脂」に準拠 曲げ接着強さ用試験体 曲げ接着強さ試験状況 ひび割れ含浸性能試験結果 0.2mm程度以下のひび割れを再現したコンクリート 0 2 程度以下のひび割れを再現した ンクリ ト はり(断面:100×100mm)の下面に、上向き施工で 0.2kg/m2塗布し、7日間の養生(温度20℃、湿度 65%)後に曲げ試験を行った結果。 ・実施場所:(財)日本塗料検査協会 ・試験内容: NEXCO「構造物施工管理要領 はく落防止」 のうち、ひび割れ含浸性能の判定試験(JHS429) 浸透系防水工の札幌市施工単価(1 浸透系防水 の札幌市施 単価(1 浸透系防水工の札幌市施工単価( 単価(1m2当たり) エポキシ樹脂 ポキシ樹脂 「ADOX1380W」 (ADOX床版防水工法) 材工単価 (円/m2) 2,450 (平成26年度 札幌市実勢価格調査単価) アクリル樹脂 「デッキコート」 ADOX床版防水工法の実績 ADOX 床版防水工法の実績 発注者 施工場所 施工数量 (m2) 施工年月 精進場橋 川越市 埼玉県川越市 460 2007年3月 丹生大橋 関西電力(株) 福井県三方郡 2 500 2,500 2010年7月 西国跨線橋 京都府・乙訓土木事務所 京都府日向市 888 2010年7月 猿橋 静岡県・沼津土木事務所 静岡県伊東市 350 2010年12月 開源橋 青森県・西北地域県民局 青森県西津軽郡 300 2011年10月 清滝橋 青森県・西北地域県民局 青森県西津軽郡 377 2011年10月 天城大橋 静岡県・沼津土木事務所 静岡県伊豆市 507 2011年10月 清月橋 北海道・オホーツク総合振興局 北海道北見市 105 2011年11月 第124号橋 川越市 埼玉県川越市 30 2012年2月 富士見橋 川越市 埼玉県川越市 56 2012年2月 井戸沢橋 中部地方整備局・多治見砂防国道事務所 岐阜県中津川市 230 2012年2月 大日橋 富山県・立山土木事務所 富山県富山市 120 2012年8月 南19条大橋 札幌市 北海道札幌市 7 150 7,150 2012年8月 林橋 青森県・西北地域県民局 青森県つがる市 65 2012年10月 中堤橋 青森県・三八地域県民局 青森県三戸郡 150 2012年10月 水源地通跨線橋 札幌市 幌市 北海道札幌市 海道 幌市 3,800 2012年11月 年 曲長通跨線橋 札幌市 北海道札幌市 2,700 2012年12月 橋 名 ADOX床版防水工法の実績 ADOX 床版防水工法の実績 発注者 施工場所 施工数量 (m2) 施工年月 厚別跨線橋 札幌市 北海道札幌市 4,470 2013年8月 西発寒跨線橋 札幌市 北海道札幌市 3 980 3.980 2013年9月 宮の沢跨線橋 札幌市 北海道札幌市 6,900 2013年9月 手稲跨線橋 札幌市 北海道札幌市 572 2013年12月 環状北大橋 札幌市 北海道札幌市 1,980 2013年10月 橋 名 ADOX床版防水工法の施工状況 ADOX 床版防水工法の施工状況 既設床版 研掃状況 既設床版 研掃状況 ADOX床版防水工法の施工状況 ADOX 床版防水工法の施工状況 浸透系防水材(1380W) 塗布状況 浸透系防水材(1380W) 塗布状況 路面温度測定 浸透系防水材(1380W) 塗布状況(冬期) 浸透系防水材(1380W) 塗布状況(冬期) ADOX床版防水工法施工後の塗膜系防水施工状況 ADOX 床版防水工法施工後の塗膜系防水施工状況 浸透系防水材 ADOX1380W を用いた複合防水 (ADOX 床版防水工法) ADOX1380W NETIS 登録商品(HK-110016A) 技術名称【寒冷地用エポキシ樹脂コンクリート補修材「ADOX1380W」】 平成 24 年 10 月 日本アドックス株式会社 ・複合防水層の概念図 浸透系防水材 ADOX1380W を用いた複合防水層概念図 ・複合防水層の仕様 浸透系防水材 ADOX1380W を用いた複合防水層の仕様 (アクリル樹脂との比較) ・複合防水層の品質 浸透系防水材 ADOX1380W を用いた複合防水層の品質 (アクリル樹脂との比較) 試験項目 防水性試験 試験 温度 23℃ 規格値 減水量 0.2mℓ以下 Ⅰ:床版防水材の折損が -10℃ ひび割れ 生じないこと Ⅱ:追従ひび割れ限界 0.3mm 以上 追従性試験 Ⅰ:床版防水材の折損が -20℃ 生じないこと(暫定値) Ⅱ:追従ひび割れ限界 引張接着試験 水浸引張接着 試験 23℃ - 折損無し 注1 〃 1.3 - - - 〃 〃 2.54 1.62 〃 - - 〃 強度 0.15N/mm 以上 0.26 0.40 〃 変位量 1.0%以上 1.73 1.60 〃 強度 0.8N/mm2 以上 1.30 1.47 〃 変位量 0.5%以上 1.80 1.50 〃 強度 0.8N/mm2 以上(暫定値) - - 〃 変位量 0.5%以上(暫定値) - - 〃 85.3 60.1 〃 2 -20℃ 0.0 0.83 -10℃ 強度 1.2N/mm 以上 -10℃ 0.0 試験方法 1.01 強度 0.6N/mm2 以上 -20℃ 強度 1.2N/mm2 以上(暫定値) せん断試験 デッキコート - 2 23℃ ADOX1380W - 0.3mm 以上(暫定値) 23℃ 浸透系防水材 水浸前の 50%以上 注 1)「道路橋床版防水便覧」 ((社)日本道路協会 H19.3)表-4.2.2 基本照査試験。試験温度 -20℃については暫定値。ひび割れ追従性試験Ⅰ、Ⅱは、いずれかの方法によってよい。 注 2)添付資料① ・浸透系防水材の品質 浸透系防水材 ADOX1380W の品質 (アクリル樹脂との比較) 浸透系防水材 項目 ADOX1380W 比重 粘度 MPa・s 硬化時間 デッキコート 規格値 試験方法 規格値 試験方法 1.10±0.1 JIS K 7232 0.9~1.2 JIS K 5600 350±200 JIS K 7233 400~600 JIS K 6833 温度上昇法 12~17 2 50 以上 JIS K 7161 8 以上 JIS K 7113 % 2 以上 JIS K 7161 10 以下 JIS K 7113 引張せん断接着強さ N/mm2 10 以上 コンクリート付着力 N/mm2 硬化後の引張強さ N/mm 硬化後の引張伸び ひび割れ含浸深さ ひび割れ含浸曲げ強度 標準使用量 1.5 以上又は 母材破壊 (100g・20℃) JIS K 6850 (鉄/鉄 1 日強度) JIS A 6909 30 以内 発熱法 分 10 以上 1.5 以上又は 母材破壊 (50g・5℃) JIS K 6850 (鉄/鉄 1 日強度) JHS 412 mm 20 以上 - 20 以上 - N/mm2 2.0 以上 JHS 426 2.0 以上 JHS 426 0.25 - 0.4~0.6 - 0~30 - 0~40 - Kg/m 使用温度 注1)添付資料②、③ 2 ℃ ・浸透系防水材 ADOX1380W を用いた複合防水層の特長 ① 浸透系防水材 ADOX1380W の優れたひび割れ含浸性能 0.1mm から 0.3mm 程度のひび割れへの含浸性能はもちろん、深さ 60mm 程度にある目視で 確認できない微細なひび割れへも含浸する性能を有している。 <確認試験> 0.1mm 程度と、0.2∼0.3mm のひび割れを発生させたコンクリート平板(含水率 6%)の 表面に浸透系防水材 ADOX1380W を 0.25kg/m2 塗布し、硬化後に塗布面に対して垂直に切断 し、ひび割れの含浸性能を確認。 塗布面 塗布面 切断面 切断面 ひび割れ幅 0.1mm ひび割れ幅 0.2~0.3mm ② 天候による施工リスクの低減 (浸透系防水材と塗膜系防水材の連続施工が可能) 浸透系防水材 ADOX1380W(エポキシ樹脂)の成分の一部には、塗膜系防水材(アスファル ト分)と親和力のある材料が含まれているため、ADOX1380W の硬化前に塗膜系防水材を塗布 しても一体化が可能である。 浸透系防水材塗布面に水分がある場合には、塗膜系防水材との接着に影響を及ぼす可能 性があるため、水分の除去作業が必要となる。浸透系防水材 ADOX1380W は、塗布後の養生 は不要であり、連続して塗膜系防水材を塗布することができるため、突発的な雨や雪など の天候による施工リスクを低減できる。 ③ 機械化施工 浸透系防水材 ADOX1380W の塗布は、主剤(A 剤)と硬化剤(B 剤)の体積比が 2:1 になるよう に二液連続自動計量混合(ギアポンプ及びミキシングブロックを使用)しながら,ノズル で散布(0.25kg/m2)し,ローラで均す方法を採っている。そのため、計量混合が確実に行 われ、また急速施工が可能である。 システム図 添付資料①:床版防水品質基準試験 (ADOX1380W を用いた複合防水層の品質) ~財団法人 土木研究センター~ 添付資料②:試験結果報告書 (浸透系防水材としての ADOX1380W の品質) ~財団法人 日本塗料検査協会~ 添付資料③:試験成績書 (浸透系防水材としての ADOX1380W の品質) ~自社試験~ ADOX 1380W試験結果 平成22年9月 財団法人 土木研究センター 1.はじめに 日本アドックス株式会社製「ADOX 1380W」とニチレキ(株)製「セロシール SS-B」を用いた防水層について防水層の試験を行った。 本報告書はその結果を報告するものである。 2.試験方法 防水層の構成と材料の塗布量を下記に示す。 混合物 塗布量 珪砂 4号 1.0 kg/㎡ セロシールSS-B 1.5 kg/㎡ アドックス ADOX1380W 0.25 kg/㎡ コンクリート平板 図-1 防水層の構成 試験方法は「道路橋床版防水便覧 平成19年3月 社団法人 日本道路協会」に準じ て行った。 3.試験項目 試験は下記の項目で行った。 ① 防水性試験Ⅰ ② ひびわれ追従性試験Ⅱ ③ 引張接着試験 -10℃、23℃ ④ せん断試験 -10℃、23℃ ⑤ 水浸引張接着試験 ⑥ 耐薬品性試験 1 3.試験結果 試験結果を表-1に示す。 表-1 試験項目 単位 ml 防水性試験Ⅰ ひび割れ追従性試験Ⅱ mm 23℃ 引張接着試験 N/mm2 -10℃ 水浸引張接着試験 % 強度 N/mm2 23℃ 変位 mm せん断試験 2 強度 N/mm -10℃ 変位 mm 耐アルカリ性 耐薬品性試験 耐塩水性 37.1 1.2 0.97 2.27 90.8 0.26 2.0 1.57 1.8 試験結果 試験値 37.1 36.6 0.3 2.4 1.01 1.04 2.61 2.75 97.1 68.1 0.25 0.27 1.5 1.7 1.58 1.30 1.8 1.8 異常なし 異常なし 36.6 - 平均値 目標値 0.0 0.2以下 1.3 0.3 以上 1.01 0.6 以上 2.54 1.2 以上 85.3 50% 以上 0.26 0.15 以上 1.73 1.0 以上 1.3 0.8 以上 1.8 0.5 以上 異常の ないこと - 全ての試験において目標値を満足している。 4.まとめ 防水層の基本照査試験の結果、アドックス ADOX1380WとセロシールSS-B を組み合わせた防水層は目標値を満足していることが確認された。 2 データシート 3 防水性試験成績表 調査名・目的 防水層の品質基準試験業務 施 工 場 所 ニチレキ㈱技術研究所構内 試 験 者 名 (財)土木研究センター 試 料 名 ADOX 1380W 試料番号 製 造 会 社 日本アドックス株式会社 試 験 条 件 試験温度 水 圧 試験場所 ニチレキ㈱技術研究所 試験期日 平成22年8月12日 報告期日 23℃ 0.1N/mm2 供 試 体 30cm×30cm×6cm 測定項目 減水量 33分 測定時間 30分 加圧時間 供試体№ 1 2 目盛りの読み 0分 ml 37.2 36.7 3分 ml 37.1 36.6 33分 ml 37.1 36.6 ml 0.0 0.0 3分から 33分まで の減水量 平均 ml 0.0 備 考 防水性試験規格値 減水量 0.2ml以下 4 引張接着試験・水浸引張接着試験成績表 調査名・目的 防水層の品質基準試験業務 施 工 場 所 ニチレキ㈱技術研究所構内 試 験 者 名 (財)土木研究センター 試 料 名 試 験 場 所 ニチレキ㈱技術研究所 ADOX 1380W 試料番号 試験期日 製 造 会 社 日本アドックス株式会社 試 験 条 件 試験温度 載荷速度 表中記載 0.1N/mm2/s 水浸条件 表中記載 供試体№ 最大荷重 kN 接着強度 N/mm2 養生条件 供試体№ 最大荷重 kN 接着強度 N/mm2 φ10cm供試体 測定項目 引張接着強度 -10℃気中養生 2 3 1 2 3 7.6 7.9 8.2 17.8 20.5 21.6 0.97 1.01 1.04 2.27 2.61 2.75 1.01 ③ ③ 2.54 ③ ③ ③ ② 20℃水中養生(7日間) ※ 破断状況 1 2 3 ①;コンクリートと防水層の界面剥離 7.2 7.7 5.4 ②;防水層の凝集破壊 ③;アスファルト混合物の凝集破壊 0.92 平均 強度維持率 % 破断状況※ 供 試 体 1 平均 破断状況※ 報告期日 23℃気中養生 養生条件 平成22年8月12日 0.98 0.69 ④;下地 0.86 85.1 ③ ③ ③ 備 考 引張接着強度の規格値 23℃ 0.6N/mm2以上 -10℃ 1.2N/mm2以上 23℃水浸養生 強度維持率50%以上 5 せん断試験成績表 調査名・目的 防水層の品質基準試験業務 施 工 場 所 ニチレキ㈱技術研究所構内 試 験 者 名 (財)土木研究センター 試 料 名 ADOX 1380W 試料番号 製 造 会 社 日本アドックス株式会社 試 験 条 件 試験場所 ニチレキ㈱技術研究所 試験期日 平成22年8月12日 報告期日 試験温度 表中記載 供 試 体 10×10cm 試験器具 万能試験機 測定項目 せん断強度、変形性 変位速度 1mm/min 測定時間 23℃養生 供試体№ -10℃養生 1 2 3 1 2 3 mm 99.64 99.35 99.77 99.28 99.20 99.60 供 長さ方向 試 長さ方向平均 体 寸 幅方向 法 幅方向 mm 99.70 99.28 99.82 99.82 99.59 99.05 mm 99.67 99.32 99.80 99.55 99.40 99.33 mm 99.26 99.20 100.10 99.10 99.80 100.15 mm 99.71 99.32 99.68 99.34 99.30 99.87 幅方向平均 mm 99.49 99.26 99.89 99.22 99.55 100.01 mm2 9915.7 9858.0 9968.5 9877.4 9894.8 9933.5 2470 2510 2690 15540 15590 12900 0.25 0.25 0.27 1.57 1.58 1.30 長さ方向 断面積 最大荷重 せん断強度 平均 N 2 N/mm 0.26 2 N/mm 1.48 最大時の伸び mm 2.0 1.5 1.7 1.8 1.8 1.8 変形性 % 2.0 1.5 1.7 1.8 1.8 1.8 平均 破断面の状況※ 備 考 1.7 % ③ 1.8 ③ ③ ③ ③ ③ ※ ①;コンクリートと防水層の界面剥離 ②;防水層の凝集破壊 せん断接着試験の規格値 ③;防水層とアスコン面の界面剥 2 離 23℃ 強度:0.15N/mm 以上 変形性:1.0%以上 -10℃ 強度:0.8N/mm2以上 変形性:0.5%以上 6 ひび割れ追従性試験 調査名・目的 防水層の品質基準試験業務 施 工 場 所 ニチレキ㈱技術研究所構内 試 験 者 名 (財)土木研究センター 試 料 名 ADOX 1380W 試料番号 製 造 会 社 日本アドックス株式会社 試 験 条 件 試験場所 ニチレキ㈱技術研究所 試験期日 平成22年8月30日 報告期日 試験温度 23℃ 供 試 体 12cm×4cm×1cm 試験器具 引張試験機 測定項目 伸び 変位速度 5mm/分 測定時間 供試体№ 破断時の伸び mm 追従限界ひび割れ幅 mm 1 2 3 1.2 0.3 2.4 1.3 破断時の状態 ①防水層の破断 ②目視による防水層の一部破断 ③ ③ ③ ③チャート上でピークを示した時 備 考 ひび割れ追従性試験の規格値 追従限界ひび割れ幅 0.3mm以上 7 耐薬品性試験成績表 調査名・目的 防水層の品質基準試験業務 施 工 場 所 ニチレキ㈱技術研究所構内 試 験 者 名 (財)土木研究センター 試 料 名 試 験 場 所 ニチレキ㈱技術研究所 ADOX 1380W 試料番号 試験期日 製 造 会 社 日本アドックス株式会社 試 験 条 件 試験温度 水 圧 浸漬時間 試験液の種類 供試体No 23℃ 0.1N/mm2 平成22年8月30日 報告期日 供 試 体 15cm×3cm×0.5cm 観察項目 減水量 15日間 飽和水酸化カルシウム溶液 1 2 3%塩化ナトリウム溶液 1 2 試験後状況 異常の有無 異常なし 異常なし 備 考 防水性試験合否判定 異常のないこと 8 状況写真 9 1 防水性試験Ⅰ 試験状況 防水性試験Ⅰ 試験終了 10 ひび割れ追従性試験Ⅱ 試験状況 ひび割れ追従性試験Ⅱ 試験終了 11 1 引張接着試験 23℃ 試験状況 引張接着試験 23℃ 試験終了 引張接着試験 -10℃ 試験状況 12 引張接着試験 -10℃ 試験終了 水浸引張接着試験 試験状況 水浸引張接着試験 試験終了 13 1 せん断試験 試験状況 せん断試験 23℃ 試験終了 せん断試験 -10℃ 試験終了 14 耐薬品性試験 試験状況 耐薬品性試験 耐塩水性 試験終了 耐薬品性試験 耐アルカリ性 試験終了 15 Technical Bulletin ADOX1380W 低粘度のひびわれ注入接着剤、浸透性プライマ― ADOX 1380W 技 術 資 料 製品の種類 二液形の溶剤を含まない低粘度、常温硬化のエポキシ樹脂接着剤で、コンクリート構造物の微細なひびわれや隙間の注入、充 填に使用する目的でつくられた製品です。ADOX1380Wは、二液連続計量混合ポンプによる施工に適した粘度、可使時間 をもった製品です。また、プライマーとして使用した場合、微細なひびわれに浸透し被着面の補強と接着性が向上します。 特 徴 ■低温でひびわれの深部まで浸透する低粘度の液です ■硬化物は大きな機械的強度と靭性が優れています ■低温環境や湿潤状態での接着性が優れています ■自動計量混合注入装置に適した可使時間で速硬化性です 用 途 乾燥あるいは湿潤状態のコンクリート、煉瓦、石材、など構造物のひびわれの注入接着やグラウティング。0.2 ㎜以下の微 細なひび割れの含浸接着。コンクリートと鋼材の隙間の注入接着。乾燥した木材ひびわれの注入接着。コンクリート構造物 や多孔質材料の浸透性シールと補強。剛性な構造物のプライマー。 製品の構成 ADOX1380Wは、主剤(A剤) 、硬化剤(B剤)の二成分で構成されています。A剤とB剤は体積比で2:1の割合 で加え、均一になるまで混合してからご使用ください。両成分の混合が不十分な場合は、十分に硬化しないことがあり大幅 な性能低下を起こすことがあります。 製品の性状*1 状 態 二成分の低粘度液 色 相 A 剤: 薄い黄色 B 剤: 濃い褐色 混合液: 薄い褐色 比 重 A 剤: 1.16 ± 0.1 B 剤: 0.95±0.1 混合液: 1.10±0.1 粘 度 mPa・s, 20℃ A 剤: 520±200 B 剤: 60±50 混合液: 260±100 混合比(体積比) A 剤 :B 剤 = 2 : 1 使用温度範囲*2 ℃ 0 ~ 35 最低硬化温度 ℃ -4 [重量比 A剤:B剤=2.49:1] 有効貯蔵期間 1年間(32℃以下、密閉状態の容器で貯蔵) 荷 27,54リットル/セット(18 リットル石油缶入り) 姿 可使時間と温度の関係*3 可使時間: 10℃ 20℃ 30℃ 分、100 g 40 14 6 分、300 g 37 13 10 4 7 5 薄層タックフリー時間 時間、0.2 mm 完全硬化時間 日 20℃ (品質改良のため、予告なく記載事項を変更することがあります) *1 標準的な性状を示すもので規格値として保証するものではありません。 *2 硬化樹脂の性状については使用温度の上限はありませんが、使用温度範囲を超えると可使時間が極端に短くなり、 また硬化反応時の温度上昇による被着体に影響がでることがありますので、施工する前に十分ご検討ください。 *3 硬化の時間は表示された条件での代表的な数値を示したもので、施工条件により異なる結果を示すことがあります。 -1- Technical Bulletin ADOX1380W 硬化物の性状* N/mm2 引張り強さ 引張り伸び率(破断点) % JIS K 7161 50 以上 JIS K 7161 3 以上 70 以上 圧縮強さ 2 N/mm JIS K 6911 圧縮弾性率 N/mm2 JIS K 6911 2 JIS K 7171 曲げ強さ 硬 度 N/mm 2×103 ショアーD 以上 70 以上 78 以上 * 20℃において7日間硬化養生後20℃で試験 使用上の注意 ADOX1380Wは、主剤と硬化剤の体積比が2:1の割合になるように計量し、電動ミキサーで均一になるまで撹拌 した後使用してください。ひびわれの注入に、二液形の連続計量混合ポンプを使用する場合は、体積比が2:1の割合で送 ることのできる装置でなければなりません。二液を混合した後に手動式ポンプによる注入では、製品の可使時間が短く低温 の環境における施工のほかおすすめできません。 製品は指定された温度範囲内で使用してください。使用温度範囲外で施工する場合は、あらかじめ実施工の条件で試験し 確認した後使用してください。施工温度の低いところでは、粘度が高くなり作業性が低下し、硬化の時間も長くなります。 凍結温度以下で施工する場合は、接着面が完全な乾燥状態で着霜や水分の氷結がないことを確認した後作業に着手してくだ さい。 ADOX工法による施工は、指定された代理店で行っております。施工についての詳細は、弊社までご連絡ください。 取り扱い上の注意 この資料は製品には添付されておりません。取り扱いの注意、応急処置は、容器に貼り付けてあるラベルの説明をよく読 んでください。含有するエポキシ樹脂は、労働省通達による変異原性が認められた化学物質です。吸入したり皮膚に触れた りすると中毒やかぶれなどの炎症、その他の健康を害する恐れがありますので作業の際は保護具を着用し十分注意して行っ てください。取り扱いは換気のよいところで行ってください。狭い室内や通気の不十分なところでは強制換気が必要です。 皮膚を保護するため、ケロデックスクリームなど保護クリームの使用をおすすめします。手や腕などに樹脂が付着するのを 防止するため、ゴム手袋や使い捨てのポリエチレン手袋を着用してください。皮膚に付着した場合は、直ちに石鹸と水で洗 い流してください。目に入った場合は、直ちに清浄な流水で15分以上洗い、速やかに専門医の手当てを受けてください。 作業終了後は石鹸と水でよく洗い、十分うがいをしてください。 製品の性質や取り扱いについて詳細な内容が必要な場合は、製品安全データシート(MSDS)を参照して下さい。 この資料に記載した事項は、弊社の経験から信頼できるものと確信しておりますが、ご使用になる方々の使用条件は、それ ぞれ異なると思われますので、これらの資料に基づいて得られる結果、および他社の特許上の制約については、十分ご検討 のうえご使用下さるようお願いいたします。 万一製品が不良であると認められた場合は、その製品のお取替え、または製品の返却により、購入代金をお返しいたしま すが、それ以上の責はご容赦いただきます。 ADOX 日本アドックス株式会社 本 社 〒107-0052 東京都港区赤坂4-9-9 TEL 03(5410)5866 FAX 03(3423)1380 事業所 〒243-0303 神奈川県愛甲郡愛川町中津4036-1 TEL 046(286)4147 FAX 046(286)7321 Rev.3.2012.8.ATB-412 -2- 寒冷地用エポキシ樹脂コンクリート補修材 「ADOX1380W ADOX1380W」 」 NETIS登録番号:HK-110016-A ~床版複合防水への適用~ 床版複合防水(二重防水) 床版防水工として使用実績の多い 加熱型アスファルト塗膜系防水 加熱型 アスファルト 塗膜系防水 (一重防水) アスファルト舗装 硅砂 浸透系防水 加熱型アスファルト防水材 アスファルト舗装 硅砂 加熱型アスファルト防水材 エポキシ樹脂 「ADOX1380W」 プライマー コンクリート床版 ADOX床版防水工法 ADOX 床版防水工法 コンクリート床版 コンクリ ト床版 「プライマーとして「ADOX1380W」を使用することにより、 複合的な防水効果と床版補修効果を同時に発揮」 ★ 加熱型アスファルト塗膜系防水と施工性がほぼ同じ ★ 特に寒冷地での採用が増えている技術 ★ アクリル樹脂に比べて、施工性が優位で低コスト ADOX床版防水工法の実績 ADOX 床版防水工法の実績 発注者 施工場所 施工数量 (m2) 施工年月 精進場橋 川越市 埼玉県川越市 埼 県川越市 460 2007年3月 年 月 丹生大橋 関西電力(株) 福井県三方郡 2,500 2010年7月 西国跨線橋 京都府・乙訓土木事務所 京都府日向市 888 2010年7月 猿橋 静岡県・沼津土木事務所 静岡県伊東市 350 2010年12月 開源橋 青森県・鯵ヶ沢道路河川事務所 青森県西津軽郡 300 2011年10月 清滝橋 青森県・鯵ヶ沢道路河川事務所 青森県西津軽郡 377 2011年10月 天城大橋 静岡県 沼津土木事務所 静岡県・沼津土木事務所 静岡県伊豆市 507 2011年10月 清月橋 北海道・オホーツク総合振興局 北海道北見市 105 2011年11月 第124号橋 川越市 埼玉県川越市 30 2012年2月 富士見橋 川越市 埼玉県川越市 56 2012年2月 井戸沢橋 中部地方整備局・ 多治見砂防国道事務所 岐阜県中津川市 230 2012年2月 橋 名 <お問い合わせ先> 水元建設(株) 工事部リニューアル事業課 担当 髙 野 章 彦 TEL:0157-25-6000 E-mail:[email protected] 寒冷地用エポキシ樹脂コンクリート補修材 「ADOX1380W」 ADOX1380W」 NETIS登録番号:HK-110016-A ~寒冷地の冬季コンクリート補修に~ (ひび割れ補修材((注入材や含浸材等 (ひび割れ補修材 注入材や含浸材等))として) 加熱養生なしで“-5℃ 5℃まで まで”使用可能 *一般的なエポキシ樹脂の推奨環境温度は5℃以上 般的な ポキシ樹脂 推奨環境温度は5℃ 上 寒冷地性能試験結果 環境 条件 環境 温度 養生 期間 標準 23℃ 低温 5℃ 氷点下 -5℃ 曲げ接着強さ(MPa) 試験結果 規格値 7日間 8.6 6以上 7日間 8.3 なし 14日間 7.3 3以上 7日間 8.8 なし 14日間 9.7 なし ★ 経済性向上 ★ 工程短縮 ★ 渇水期の補修が可能 1.0mmのひび割れ部に ADOX1380Wを注入 曲げ接着強さ用試験体 * 前養生(24時間),注入作業,養生,強さ試験 ⇒ 各環境温度で実施 ・実施場所:国立大学法人 北見工業大学 工学部 社会環境工学科 三上研究室 ・試験内容及び規格値: JIS A 6024「建築補修用注入エポキシ樹脂」に準拠 <お問い合わせ先> 水元建設(株) 工事部リニューアル事業課 担当 髙 野 章 彦 TEL:0157-25-6000 E-mail:[email protected] -5℃の恒温室内 曲げ接着強さ試験状況
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