【輸血に用いられる針の太さと輸血速度について】

NO.
NO . 3
2008.
2008 . 7
【輸血に
輸血 に用 いられる針
いられる針 の太 さと輸血速度
さと輸血速度について
輸血速度 について】
について】
針 の 太 さの規定
さの 規定はありません
規定 はありません。
はありません。 輸血速度は
輸血速度 は 、 血液製剤の
血液製剤 の 質 を 落 とすことなく、
とすことなく 、 有
効 に 投与する
投与 する速度
する 速度が
速度 が 必要です
必要 です。
です。
輸血に
輸血 に 用 いられる注射針
いられる 注射針
1 ) 材質
留置針の
留置針 の 針部分 には、
には 、 スチール製
スチール 製 の 翼状針と
翼状針 と 、 フッ素樹脂製
フッ 素樹脂製の
素樹脂製 の サーフロ針
サーフロ 針 があります。
があります 。 スチール製
スチール 製 の 翼状針では
翼状針 では、
では 、 上肢
の 動 きなどにより血管外露出
きなどにより 血管外露出(
血管外露出 ( 点滴漏 れ ) するリスク
する リスクが
リスク が 高 いため、
いため 、 現在では
現在 ではサーフロ
では サーフロ針
サーフロ 針 が 主流 となっています。
となっています 。
2)針 の太 さ
輸血 に 関 する書籍
さは 16~
16 ~ 18G
18 G ( ゲージ)
ゲージ ) という太
という 太 い 針 サイズが
サイズ が 記載されています
記載 されています。
されています 。 確 かに、
かに 、 16~
16 ~ 18G
18 G は 、
する 書籍 には「
には 「 針 の 太 さは16
急速・
急速 ・ 大量輸血に
大量輸血 に 適 したサイズ
した サイズとして
サイズ として広
として 広 く 認 められています。
められています 。 ( 小児で
小児 で は 21G 以上)
以上 )
20 ~ 22G
22G の
しかし、
しかし、 血液疾患 を 有 する患者
する 患者さんの
血管 が 細 く 、 必 ずしも16
ずしも16~
18G が 挿入できるとは
挿入 できるとは限
りません。 20~
患者 さんの場合
さんの 場合、
場合 、 血管が
16 ~ 18G
できるとは 限 りません。
針 であっても、
であっても 、 通常 の 速度であれば
速度 であれば、
であれば 、 溶血等の
溶血等 の 問題もなく
問題 もなく輸血
もなく 輸血されているのが
輸血 されているのが現状
されているのが 現状です
現状 です。
です 。
3 ) 針 サイズ選択
サイズ 選択
針 サイズ選択
サイズ 選択の
選択 の 基本として
基本 として重要
として 重要なのは
重要 なのは「
なのは 「 指定された
指定 された流速
された 流速において
流速 において、
において 、 自然落下によって
自然落下 によって、
によって 、 規定通り
規定通 り 輸血が
輸血 が 実施できること
実施 できること」
できること 」
です。
です 。 スムーズに
スムーズ に 輸血が
輸血 が 実施されていることは
実施 されていることは、
されていることは 、 余分な
余分 な 圧 がかかっていないことを意味
がかかっていないことを 意味します
意味 します。
します 。 すなわち、
すなわち 、 溶血の
溶血 の リスクがき
リスク がき
わめて低
わめて 低 いのです。
いのです 。 英国血経標準化委員会(
英国血経標準化委員会 ( BCSH)
BCSH ) の ガイドライン
ガイ ドラインでは
ドライン では、
では 、 針 の 太 さには最小
さには 最小 も 最大 もないとされています。
もないとされています 。
また、
また 、 小児輸血の
小児輸血 の 研究では
研究 では、
では 、 21~
21 ~ 27G
27 G の 針 で 輸血速度20
輸血速度 20~
20 ~ 100ml
100 ml/
ml / 時 の 範囲であれば
範囲 であれば、
であれば 、 溶血の
溶血 の 程度は
程度 は 針 の 太 さに依
さに 依
存 しないことも報告
しないことも 報告されています
報告 されています。
されています 。
4 ) 輸液ポンプ
輸液 ポンプと
ポンプ と 針 サイズ・
サイズ ・ 輸液速度 の 関係
針 の 太 さに関係
さに 関係 なく、
なく 、 輸液ポンプ
輸液 ポンプを
ポンプ を 使用 する場合
する 場合には
場合 には、
には 、 血管外露出や
血管外露出 や 溶血に
溶血 に 対 して注意
して 注意が
注意 が 必要です
必要 です。
です 。 個 々 の 輸液ポンプ
輸液 ポンプ
や シリンジポンプを
シリンジポンプ を 用 いた検討
いた 検討はされていないため
検討 はされていないため、
はされていないため 、 患者 さんごとに
さん ごとに、
ごとに 、 慎重に
慎重 に 輸血速度を
輸血速度 を 設定する
設定 する必要
する 必要があります
必要 があります。
があります 。
また、
また 、 加圧する
加圧 する場合
する 場合や
場合 や 急速輸血の
急速輸血 の 場合には
場合 には溶血
には 溶血が
溶血 が 生 じます。
じます 。 そのため、
そのため 、 患者さんごとに
患者 さんごとに輸血
さんごとに 輸血 ルートとしての
ルート としての針
としての 針 サイズを
サイズ を 決
定 する必要
する 必要があります
必要 があります。
があります 。 とくに、
とくに 、 新生児輸血に
新生児輸血 に 際 しては、
しては 、 24G
24 G より細
より 細 い 注射針を
注射針 を 用 いて輸液
いて 輸液 ポンプで
ポンプ で 加圧して
加圧 して輸血
して 輸血 すると、
すると 、
溶血を
溶血 を 起 こす危険性
こす 危険性があるので
危険性 があるので、
があるので 、 輸血速度を
輸血速度 を 遅 くし、
くし 、 溶血の
溶血 の 出現に
出現 に 十分な
十分 な 注意を
注意 を 払 う 必要があります
必要 があります。
があります 。
輸血速度
輸血を
輸血 を 開始 するときは、
するときは 、 まず輸血事故
まず 輸血事故を
輸血事故 を 考慮し
考慮 し 、 最初 の 10~
10 ~ 15分
15 分 は 1 ml/
ml / 分 程度の
程度 の 速度 でゆっくり落
でゆっくり 落 とします。
とします 。 即時型
の 輸血副作用がないことを
輸血副作用 がないことを確認
がないことを 確認したら
確認 したら、
したら 、 5 ml/
ml / 分 の 速度で
速度 で 輸血を
輸血 を 行 います。
います 。 計算上、
計算上 、 赤血球濃厚液赤血球濃厚液 - LR2
LR 2 単位で
単位 で 68分
68 分 、 濃
厚血小 液 1 0 単位 で 52分
52分 、 新鮮凍結血漿 FFPFFP- LR2
LR2 単位で
単位 で 60分
60分 かかります。
かかります。 心臓疾患等による
心臓疾患等 による心不全
による 心不全がある
心不全 がある患者
がある 患者さんの
患者 さんの
場合、
場合 、 容量負荷の
容量負荷 の 原因になるので
原因 になるので、
になるので 、 輸血速度を
輸血速度 を 落 とす必要
とす 必要があります
必要 があります。
があります 。 体重25
体重 25Kg
25 Kg 以下の
以下 の 小児では
小児 では、
では 、 濃厚血小液10
濃厚血小液 10単位
10 単位
を 3 ~ 4 時間かけて
時間 かけて輸血
かけて 輸血します
輸血 します。
します 。
※ 長時間を
長時間 を 有 する輸血
する 輸血の
輸血 の 場合であっても
場合 であっても、
であっても 、 赤血球濃厚液は
赤血球濃厚液 は 、 細菌増殖の
細菌増殖 の 危険が
危険 が 増 すため、
すため 、 血液バッグ
血液 バッグ開封後
バッグ 開封後 は 6 時間以
内 に 輸血を
輸血 を 完了し
完了 し 、 残余分は
残余分 は 破棄する
破棄 する。
する 。 FFPFFP - LR は 凝固因子活性が
凝固因子活性 が 失活するので
失活 するので3
するので 3 時間以内 に 輸血 する。
する 。
【参考
参考文献
参考文献】藤田浩
文献 藤田浩:
藤田浩:最新輸血の
最新輸血のケアQ&A
ケアQ&A .13~
13~14,照林
14,照林社
照林社,2006.