プログラミング入門2 第7回

プログラミング入門2
第7回
情報工学科 篠埜 功
今日の内容
• 中間試験について
• 基本型、文字列について
中間試験について
• 演習室ではなく、通常教室で行います。
• 記述式にします。穴埋めや選択ではなく、白紙の答案
用紙にプログラムが書けるようにしておいてください。
これまでに講義で説明した構文のみを組み合わせて
書ける問題のみを出題します。(まだ説明していない
構文を使っても構いませんが。)
• 各回の基本課題のプログラムを何も見ずに書けるよう
にしておいてください。予想問題を次ページ以下に置
いています。
• 試験範囲は今日の内容まで。
• 持ち込み不可。
中間試験問題例1
整数1 からn までの和を計算する関数をC 言語で定義
せよ。(例えば、n が4 の場合は、1,2,3,4 の和で、10 が
結果となる。) 関数名はsum とする。ただし、関数sum
は、n をint型の引数として受け取り、計算結果をint 型
の値で返す関数として定義せよ。
int sum (int n) {
…
}
引数に0 以下の値が与えられた場合は0 を結果として
返すようにせよ。効率のよい計算方法((1+n)n/2 など)
は使わず、最も素朴な、1 から順にn まで足していく方
法で定義せよ。main 関数の定義は不要である。
解答例
解答例1
int sum (int n) {
int sum=0, i=1;
while (i<=n) {
sum = sum + i;
i = i + 1;
}
return sum;
}
解答例2
int sum (int n) {
if (n<=0)
return 0;
else
return n + sum (n-1);
}
中間試験問題例2
3つの整数の最大値を求める関数を定義せよ。関
数名はmax3 とする。ただし、関数max3 は、3つの
int 型の引数n1, n2, n3 を受け取り、そのうちの最
大値をint 型の値で返す関数として定義せよ。
int max3 (int n1, int n2, int n3) {
…
}
main 関数の定義は不要である。
解答例
解答例1
int max3 (int n1, int n2, int n3) {
int max;
max = n1;
if (max < n2)
max = n2;
if (max < n3)
max = n3;
return max;
}
解答例2
int max2 (int n1, int n2) {
if (n1 > n2)
return n1;
else
return n2;
}
int max3 (int n1, int n2, int n3) {
return max2 (n1, max2 (n2, n3));
}
中間試験問題例3
配列を使うC 言語のプログラムを自由に定
義し、その意味を説明せよ。
解答例
#include <stdio.h>
int main (void) {
int a[3];
int i=0, sum=0;
while (i < 3)
scanf (“%d”, &a[i]);
i = 0;
while (i < 3)
sum = sum + a[i];
printf (“sum=%d\n”, sum);
return 0;
}
(説明)
これは、キーボード
から3つの整数を受
け取り、それらの和
を計算して表示する
プログラムである。
中間試験問題例4
以下のプログラムを、
continue文を使うことに
より、goto文を使わない
プログラムに書き換えよ。
#include <stdio.h>
int main (void) {
int x;
x = 1;
while (x <= 10) {
if (x == 5) {
x=x+1;
goto aaa;
}
printf (“羊が%d匹\n", x);
x=x+1;
aaa:
;
}
return 0;
}
解答例
#include <stdio.h>
int main (void) {
int x;
x = 1;
while (x <= 10) {
if (x == 5) {
x=x+1;
continue;
}
printf (“羊が%d匹\n", x);
x=x+1;
}
return 0;
}
基本型
• これまでに紹介した基本型はint型、double型
である。その他にもさまざまな基本型があり、
整数型、浮動小数点型に分類できる。
整数型
整数型は 、char型, short int型, int型, long int型の4
種類に分かれる(C99ではlong long int型が加わり、5
種類)。char型が一番小さく、long int型が一番大きい
(具体的に何バイトかは定められておらず、処理系
によって異なる)。
それぞれの型は、符号付きと符号無しでそれぞれ2
つずつある。 型指定子(signedかunsigned)で指定す
る。char型以外は、型指定子を与えない場合は符号
付きになる。char型は、型指定子を与えない場合は、
符号付きか符号無しかのいずれかである(処理系依
存)。
扱う数の範囲に応じて適切な型を選択して用いる。
char型が符号付きかどうか判定
(打ち込んで確認)
#include <stdio.h>
#include <limits.h>
int main (void) {
printf ("この処理系のchar型は");
if (CHAR_MIN)
printf("符号つきです。\n");
else
printf("符号無しです。\n");
return 0;
}
整数型
整数型は、結局、
–
–
–
–
–
–
–
–
signed char型
unsinged char型
signed short int型
unsigned short int型
signed int型
unsigned int 型
signed long int型
unsigned long int型
の8個となる。(long long intを入れれば10個。)
符号について(1)
符号無し整数型(unsigned char, unsigned short int,
unsigned int, unsigned long int)においては、ビット
列を普通の2進数として解釈する。
符号について(2)
符号付き整数型(signed char, signed short int, signed
int, signed long int,)においては、符号を表すために1
ビットを用いる(符号ビットという)。符号ビットが0の場
合には、残りのビットを普通の2進数として解釈する。
符号ビットが1の場合の解釈は以下の3通りのいずれ
かである(処理系依存)。
• 符号ビットを0に変えた場合のビット列が表す数
にマイナスを付けた数を表す
• 2の補数表現
• 1の補数表現
例外について
演算の結果が、表現可能な値の範囲を超え
る場合(overflow)や、0での除算などの場合、
例外(exception)が発生する。
例外が発生したときの挙動は処理系によって
異なる。
ただし、符号無し整数型の演算では、表現可
能な値の範囲を超えた場合、表現可能な最大
値+1で割った余りになると定められている(の
でオーバーフローは発生しない)。
文字について
プログラム中では、1文字をクォートで囲むと、その
文字に対応するint型の数を表す。
(例) ‘a’ はaという文字に対応するint型の数を表す。
(char型ではないことに注意。C++ではchar型だ
が。)演習室の環境では、’a’はint型の97を表す。
(補足)文字はchar型で表すと無駄がないが、int型で表
しておくと、例えばファイルから文字を1文字ずつ読み
取って変数に代入する場合、ファイルの終端に来た時
にEOF(int型、値はどの文字とも異なる。普通は-1。)が
返され、それを変数に代入し、その値がEOFと等しいか
どうか判定するといったプログラムを書けるというメリッ
トがある。
(補足)文字列はchar型の並びである(後述)。
printfでの文字の表示方法
(打ち込んで確認)
printf関数で文字を表示する場合、変換指定を%cにする。引数に
はint型を受け取り、それをunsigned char型に変換(256で割った
(非負の)余りに変換)し、それに対応する文字を表示する。
#include <stdio.h>
int main (void) {
printf ("%c\n", 'a');
printf ("%d\n", 'a');
printf ("%c\n", 97);
printf (“%c\n”, 97 + 256);
printf (“%c\n”, 97 – 256);
return 0;
}
a
97
a
a
a
が表示される。
文字の8進表記
ある文字に対応する数が分かっているとき、そ
の数で直接書きたい場合がある。その時に使う
のが文字の8進表記である。
たとえば、’a’と書く代りに、(演習室の環境で
は)’\141’と書くことができる。ただし、プログラ
ムの可搬性が低下するので使わない方がよい。
よく使うのは、ヌル文字を表す場合で、’\0’と書
く。’\0’は、対応する数が0である文字(ヌル文字
という)に対応する数(すなわち0)を表している。
0と直接書いても同じ意味だが、0よりも’\0’の方
が、文字を表している数だということが見た目
に分かりやすい。
8進逆斜線表記の構文
8進逆斜線表記の構文1
\ octal-digit
8進逆斜線表記の構文2
\ octal-digit octal-digit
8進逆斜線表記の構文3
\ octal-digit octal-digit octal-digit
ただし、octal-digitは0 1 2 3 4 5 6 7のいずれかを表す。
つまり、バックスラッシュのあとに1桁から3桁の8進数を書いた
ものが8進逆斜線表記である。
8進逆斜線表記はクォートおよびダブルクォートの中でのみ用
いる。8進逆斜線表記をクォートで囲んだとき、それは、その8
進数の表している数(int型)を表す。つまり、文字を表すための
数であるということを見た目に分かりやすくするために用意さ
れている構文である。
変数への格納(打ち込んで確認)
#include <stdio.h>
int main (void) {
int x;
x = 'a';
printf ("%c\n", x);
printf ("%d\n", x);
x = x+1;
printf ("%c\n", x);
printf (“%d\n”, x);
return 0;
}
文字は通常、int型の変数
に格納する。
1を足したものを%cで表示す
るとbが表示される。
整数型の範囲について
(打ち込んで確認)
C言語の処理系は、limits.hにおいて、それぞれの
型の最大値、最小値をマクロとして提供する。
#include <stdio.h>
#include <limits.h>
int main (void) {
printf ("char : %dから%dまで\n", CHAR_MIN, CHAR_MAX);
printf (“short int : %dから%dまで\n", SHRT_MIN, SHRT_MAX);
printf ("int : %dから%dまで\n", INT_MIN, INT_MAX);
printf ("long int : %ldから%ldまで\n", LONG_MIN, LONG_MAX);
return 0;
}
long intの変換指定には%ldを用いる。
整数型のまとめ
• 整数型はある一定の範囲の整数を表現する
ための型である。
• 扱う数値が負にならないことが分かっていれ
ば、符号無しの型を使うと、同じビット数で、よ
り大きな範囲の数を扱うことができる。
浮動小数点型
浮動小数点型は小数を表すための型であり、
– float型
– double型
– long double型
の3つがある。今回は詳しくは説明しない。
文字列とは(1)
文字(char型)の並びであって、‘\0’(ヌル文字 null
character、値は0。ナル文字と読む場合もある。)までを文
字列と呼んでいる。
‘L’
‘i’
‘n’ ‘\0’ ‘u’
‘x’
‘L’
‘i’
‘n’ ‘\0’ ‘u’
‘x’ ‘\0’
‘\0’ ‘L’
‘i’
‘n’ ‘\0’ ‘u’
‘x’ ‘\0’
これらは文字(char型)の並びである。文字列は、文字
の並びの中で、’\0’が最後(だけ)にあるものである。
文字列とは(2)
‘L’
‘i’
‘n’ ‘\0’ ‘u’
‘x’ ‘\0’
この部分は文字列である。
‘L’
‘i’
‘n’ ‘\0’ ‘u’
‘x’ ‘\0’
この部分も文字列である。
一番右端が’\0’であり、それ以外に’\0’を含ん
でいなければそれは文字列である。
文字列とは(3)
‘L’
‘i’
‘n’ ‘\0’ ‘u’
‘x’ ‘\0’
この部分は文字列である(空文字列という)。
‘L’
‘i’
‘n’ ‘\0’ ‘u’
‘x’ ‘\0’
この部分も文字列である。
一番右端が’\0’であり、それ以外に’\0’を含ん
でいなければそれは文字列である。
char型の配列
文字列はchar型の配列を宣言し、各要素に文
字を1文字ずつ格納して最後にヌル文字を格
納することによって作成できる。
char型の配列型の変数は
char a [7];
のように宣言する。これはchar型の要素を7個
持つ配列aを宣言している。
printf関数での文字列の表示方法
(打ち込んで確認)
#include <stdio.h>
int main (void) {
char a [7];
a[0] = ‘L’;
a[1] = ‘i’;
a[2] = ‘n’;
a[3] = ‘\0’;
a[4] = ‘u’;
a[5] = ‘x’;
a[6] = ‘\0’;
printf (“%s\n”, &a[0]);
return 0;
}
文字列の表示には、変
換指定として%sを用い、
引数にchar型へのポイ
ンタ(詳しくは後日説明)
を与える。そのポインタ
が指しているところから、
ヌル文字の手前までを
画面に表示する。
&a[0]は配列aの先頭要素
へのポインタを表す。先頭
要素は’L’であり、Linが表
示される。
printf関数での文字列の表示方法
(打ち込んで確認)
#include <stdio.h>
int main (void) {
char a [7];
a[0] = ‘L’;
a[1] = ‘i’;
a[2] = ‘n’;
a[3] = ‘\0’;
a[4] = ‘u’;
a[5] = ‘x’;
a[6] = ‘\0’;
printf (“%s\n”, &a[1]);
return 0;
}
&a[1]は配列aの2番目
要素へのポインタを表
す。2番目の要素は’i’
であり、inが画面に表
示される。
注意
• 文字列の表示にはprintfの変換指定で%sを
使う。このとき、引数に与えられるポインタが
指す先はchar型の並びであることが前提なの
で、もしint型の配列に文字列を入れていた場
合には正常に表示されなくなる。
間違った例(打ち込んで確認)
#include <stdio.h>
int main (void) {
int a [7];
a[0] = ‘L’;
a[1] = ‘i’;
a[2] = ‘n’;
a[3] = ‘\0’;
a[4] = ‘u’;
a[5] = ‘x’;
a[6] = ‘\0’;
printf (“%s\n”, &a[0]);
return 0;
}
このプログラムだと、意
図した通りには表示され
ない。(具体的にどう表
示されるかはint型の表
現に依存。)
(さらに補足)
&a[0]はintへのポインタ型であ
り、char型へのポインタではな
いので、
$ gcc -W -Wall test.c
のようにオプションを付けてコン
パイルすればwarningが出る。
解説
この演習室の環境では、’L’はint型の76であり、
さきほどのint型の配列aは、メモリ上では
76
0
a[0]
0
0 105 0
0
0 110 …
a[1]
…
のように並んでいる。すなわち、
‘L’ ‘\0’ ‘\0’ ‘\0’ ‘i’ ‘\0’ ‘\0’ ‘\0’ ‘n’
…
ということである。つまり、この演習室の環境では’L’し
か表示されなくなる。
ポインタについて
(後日、ポインタの回にも説明する)
番地
100
101
102
‘L’
‘i’
‘n’ ‘\0’ ‘u’
‘x’ ‘\0’
a[2]
a[5]
a[0] a[1]
103
a[3]
104
a[4]
105
106
a[6]
&a[0]は配列aの先頭要素へのポインタを表
す。&a[0]の値は、配列aの先頭要素の番地
である。この場合、100である。&a[1]は配列
aの2番目の要素へのポインタであり、101
である。&a[2]は102である。以下同様。
printf関数の変換指定の%sについて
番地
100
101
102
‘L’
‘i’
‘n’ ‘\0’ ‘u’
‘x’ ‘\0’
a[2]
a[5]
a[0] a[1]
103
a[3]
104
a[4]
105
106
a[6]
printf (“%s”, &a[1]);
が実行されると、101番地から、ヌル文字の
1つ手前までの文字が画面に出力される。
つまり、inが表示される。
printf (“%s”, &a[4]);
だと、uxが表示される。
補足
printfの変換指定で%cを使う場合、引数の型はint型と書い
たが、char型でもよい。もしchar型の式が与えられ場合は、
規定の実引数拡張(default argument promotion)により、自
動的にint型に変換される(printfの引数の個数は可変なの
で)。これは本講義の範囲外とし、説明はしない。
printfの変換指定でfloat型用のものがないのも規定の実引
数拡張による(第2回のスライド参照)。
文字列リテラル
ダブルクォート ” で囲んだものを文字列リテラルという。
(例)”abc”など。
これは、char型の並び(配列)であり、最後にヌル文字
が追加されたものである。
(例)“abc\0de”は文字列リテラルである。最後にヌル文
字が追加されるので、以下のchar型の並び(長さ7の
char型の配列)となる。
‘a’
‘b’
‘c’ ‘\0’ ‘d’
‘e’ ‘\0’
例(打ち込んで確認)
#include <stdio.h>
int main (void) {
printf ("abc\0de");
return 0;
}
これを実行すると、abcが表示される(deは表示さ
れない)。
文字の読み込み
1文字の読み込みは、scanf関数で変換指定とし
て%cを用いて行う。
#include <stdio.h>
int main (void) {
char a;
printf ("Input characters: ");
scanf ("%c", &a);
printf ("%c\n", a);
return 0;
}
文字列の読み込み(打ち込んで確認)
文字列の読み込みは、scanf関数で変換指定とし
て%sを用いて行う。
#include <stdio.h>
int main (void) {
char a[7];
printf ("Input characters: ");
scanf ("%s", &a[0]);
printf ("%s\n", &a[0]);
return 0;
}
scanfは、入力文
字に空白がある
と、そこまでが配
列に格納される。
scanf関数の変換指定の%sについて
番地
100
101
102
103
104
105
‘a’
‘b’
‘c’
‘d’
‘e’ ‘\0’
a[0] a[1]
a[2]
a[3]
a[4]
a[5]
106
a[6]
scanf (“%s”, &a[0]);
が実行されると、例えばabcdeを入力した場合、100番地
から104番地までa,b,c,d,eが順番に格納され、105番地
にヌル文字が格納される。最後にヌル文字が格納され
るので、配列のサイズ-1の長さを超えて入力してはいけ
ない。それ以上入力したらあふれた部分も書きこまれる
(バッファーオーバーフロー)。 これは攻撃の対象になる
ので対処が必要だが、本講義の範囲外とする。
gets関数
空白がある文字列はgets関数を用いると読み込ませることが
できる。gets関数は改行まで読み込み、改行文字をヌル文字
に置き換えて配列に格納する。これも配列のサイズを超えた
場合にも書きこまれる。(fgets関数を用いるとこれに対処でき
るが、本講義の範囲外とする。)
#include <stdio.h>
int main (void) {
char a[10];
gets (&a[0]);
printf ("%s\n", &a[0]);
scanf ("%s", &a[0]);
printf ("%s\n", &a[0]);
return 0;
}
基本課題1
空白がある(かもしれない)文字列をキーボードから受け
取り、表示するプログラムをgets関数を使用せずに作成せ
よ。
[実行例]
文字列を入力して下さい: This is a test.
あなたが入力した文字列は、 This is a test.です。
(ヒント)
配列を使って、scanfで変換指定を%cとしてwhile文の中で
1文字ずつ順番に配列の各要素に格納させればよい。そ
の後、printfで変換指定%sを使って表示させればよい。(表
示部分も一文字ずつwhile文で表示させることもできる。)
基本課題2
英文をキーボードから入力し、その英文の長さを
表示するプログラムを作成せよ。ただし、空白やピ
リオド等も文字数にカウントする。
[実行例]
英文を入力して下さい: This is a pen.
あなたが入力した英文の文字数は14です。
発展課題1
キーボードから英語の文字列を1つ入力として
受け取り、その中に英語の大文字をすべて小
文字に変換したものを画面に表示するプログラ
ムを作成せよ。英語の大文字以外の文字はそ
のまま表示せよ。
[実行例]
文字列を入力してください: This is a pen.
this is a pen.
(注意)十分な長さの配列を宣言して用いること。
(補足)char配列の初期化について
char a [1000] = {‘\0’};
char b [1000] = {‘\0’};
のようにchar配列の初期化をすることによって、
すべての要素がヌル文字で初期化されるので便
利がよい。(文字列のコピーなどの場合に最後の
ヌル文字の扱いがやりやすくなるので)
大文字から小文字への変換
大文字から小文字への変換はtolower関数を用いる。
tolower関数は、int型を引数に受け取り、それが大文字
に対応する数の場合、その小文字に対応するint型の
数を返す。大文字以外の場合はそれをそのまま返す。
ctype.hを読み込む必要がある。
#include <ctype.h>
#include <stdio.h>
int main (void) {
printf ("%c\n", tolower ('A'));
printf ("%c\n", tolower ('a'));
printf ("%c\n", tolower ('+'));
return 0;
}
発展課題2
キーボードから英語の文字列を1つ入力として受け取り、
それが回文であるかどうかを判定するプログラムを作成
せよ。ただし、アルファベットの大文字小文字は区別せず、
かつアルファベット以外の記号(空白、エクスクラメーショ
ンマーク等)は無視するものとする。
(実行例)
英語の文字列を入力してください: So many dynamos!
So many dynamos! は回文です。
(補足)dynamoは発電機。dynamosはdynamoの複数形
(注意)十分な長さの配列を宣言して用いること。
アルファベットの文字の判定
アルファベットの文字の大小の判定は、islower, isupper
関数で行う。アルファベット文字かどうかは、islower,
isupperのいずれも偽になるかどうかで判定できる。
#include <ctype.h>
#include <stdio.h>
void hantei (int c) {
if (islower(c))
printf ("%cは小文字です\n", c);
else if (isupper (c))
printf ("%cは大文字です\n", c);
else
printf ("%cはアルファベットではありません。\n", c);
}
/* 続き */
int main (void) {
hantei ('a');
hantei ('A');
hantei ('+');
return 0;
}
発展課題3
1.文字列を2つキーボードから受け取り、1つ目
の文字列が2つ目の文字列の(連続した)部分文
字列になっているかどうかを判定するプログラム
を作成せよ。
[実行例1]
1つ目の文字列: def
2つ目の文字列: abcdefg
defはabcdefgの部分文字列です。
[実行例2]
1つ目の文字列: cef
2つ目の文字列: abcdefg
cefはabcdefgの部分文字列ではありません。