1/38 H -> ZZ (combined) spin/CP測定 織田 勧 (九州大学大学院理学研究院) 2014-03-25, 東京大学 テラスケール研究会 2/38 SM-like Higgsの生成と崩壊 𝑡𝑡 主にgluon fusion過程で生成される。 フェルミオンによる生成 ボソンによる生成 ZZへの崩壊分岐比は 高質量では30%程度、 低質量では数%。 3/38 Zの崩壊 • 𝐵 𝑍 → 𝑒 + 𝑒 − = 3.363% • 𝐵 𝑍 → 𝜇+ 𝜇− = 3.366% • 𝐵 𝑍 → 𝜏 + 𝜏 − = 3.370% • 𝜈=𝜈𝑒 ,𝜈𝜇 ,𝜈𝜏 𝐵 𝑍 → 𝜈 𝜈 = 20.00% • フェルミオンの電荷と弱アイソ • 𝑞=𝑢,𝑑,𝑐,𝑠,𝑏 𝐵 𝑍 → 𝑞𝑞 = 69.91% スピン、ワインバーグ角でほ • 𝐵 𝑍 → 𝑏𝑏 = 15.12% ぼ決まっている。 2 2 𝑠 = sin θw Coupling (left) ne, nm, nt e, m, t u, c d, s, b 1 + 2 1 − + 𝑠2 2 1 2 2 + − 𝑠 2 3 1 1 2 − + 𝑠 2 3 Coupling (right) Relative factor for decay 0 + 2 1 − + 𝑠2 2 2 2 2 + − 𝑠2 3 2 3∙ 1 2 + − 𝑠2 2 3 2 1 + + 𝑠2 3 2 3∙ 1 1 − + 𝑠2 2 3 +𝑠 2 2 2 − 𝑠 3 1 2 + 𝑠 3 1 2 + 𝑠2 2 BF with 𝒔𝟐 = 𝟎. 𝟐𝟑𝟏𝟐 Measured BF value 6.8% 6.7% 3.4% 3.4% 11.8% 11.6% 15.2% 15.6% 4/38 崩壊チャンネル • llqq • 大きな崩壊分岐比 • ジェット対の質量がZの 質量に近いことを要求 する。 • Zの横運動量が大きく、 ブーストされると、1つ のジェットに見えてしま う。 • llnn • 大きな崩壊分岐比 • 2つのニュートリノがあ るので、完全に再構成 はできない。 • 4l • 完全に再構成できる。 • 低質量で有効 • 小さな崩壊分岐比 5/38 解析で使うオブジェクト • 孤立(=isolate)している レプトン • 電子 (e) • 𝑍 → 𝑒+𝑒− • ミューオン (m) • 𝑍 → 𝜇+ 𝜇− • タウ (t) • 𝑍 → 𝜏 +𝜏 − • タウニュートリノを含む 終状態に崩壊してしま う。 • 大変な割に、ゲインが 少ない。 • ATLASは使わず。 • CMSは4lの以前の結果 では使っていたが、最 新の結果では使わず。 • ジェット • クォーク、グルーオン • 𝑍 → 𝑞𝑞 • 4lのVBFのforward jets のタグ • 4lのVHの𝑊/𝑍 → 𝑞𝑞の タグ • bタグして、bジェットを選 べば、QCDによるグルー オンジェットのバックグ ラウンドを低減できる。 • 𝑍 → 𝑏𝑏 • 消失横エネルギー • ニュートリノ • 𝑍 → 𝜈𝜈 6/38 信号事象・背景事象 4l ZZ (qqZZ) llnn llqq ttbar Z+jets 断面積はそれなりに大きい ZZ (ggZZ) bジェットとからのレプトンが 孤立していないと間違えると 4lの背景事象になる。 断面積は小さい 始状態も終状態も同じなので、信号事象と干渉する ジェットをレプトンと間違えると 4lの背景事象になる。 7/38 Signal strength m=s/sSM • 観測された断面積を標準模型のヒッグス粒子の場 合に予測される断面積で割った量。 • m=1なら、標準模型のヒッグス粒子と一致する量の信号 があるということ。 • m=0なら、背景事象しかないということ。 • 既にmH~125 GeVのSM-likeなヒッグス粒子が見つ かっている。 • 1 TeV以下の高質量の新粒子を探す時に、SM-like なヒッグス粒子を考えるのはベンチマーク的な意 味。 • ~125 GeV Higgs+EW singlet, 2HDM, … • 断面積×崩壊分岐比(s x BR) (の上限値)で結果を 出す方がよりふさわしい。 8/38 Complex Pole Scheme • SM-like Higgsの全崩壊幅GHは MH>400 GeVで非常に大きくなる。 • Breit-Wignerだとoff-shellの成分を考 慮していないし、gauge invarianceを 破ってしまう。 • この問題を解決するのがComplex Pole Scheme (arXiv:1112.5517)。 • ggZZとの干渉も正しく取り扱える。 arXiv:1305.2092 arXiv:1112.5517 赤がComplex Pole Scheme MH=800 GeV 9/38 + − ′+ High mass 𝐻 → 𝑍𝑍 → ℓ ℓ ℓ ℓ′ − ATLAS-CONF-2013-013 (7 TeV+8 TeV) CMS arXiv:1312.5353 (7 TeV+8 TeV) Complex Pole Scheme Complex Pole Scheme 4つのレプトンの 不変質量 m4l でピークを探す。 ggFで200<mH≲600 GeV, VBF+VHで200<mH≲300 GeV のSM-like Higgs bosonを棄却した。 114.5<mH<119.0 GeV、 129.5<mH<832.0 GeVを棄却した。 10/38 + − High mass 𝐻 → 𝑍𝑍 → ℓ ℓ 𝜈𝜈 ATLAS arXiv:1205.6744 (7 TeV) Relativistic Breit-Wigner 横質量mTや消失横エネルギーの分布で、 超過事象を探す。 𝑚2𝑇 = 𝑚𝑍2 + 2 𝑝𝑇ℓℓ + 𝑚𝑍2 + 2 𝑝𝑇miss 2 − 𝑝𝑇ℓℓ + 𝑝𝑇miss 2 CMS-PAS-HIG-13-014 (7 TeV+8 TeV) Relativistic Breit-Wigner 319<mH<558 GeVを棄却 248<mH<930 GeVを棄却 11/38 + − High mass 𝐻 → 𝑍𝑍 → ℓ ℓ 𝑞𝑞 2つのレプトンと2つのジェットの 不変質量 mlljjでピークを探す。 CMS-PAS-HIG-12-024 (7 TeV+8 TeV) Complex Pole Scheme ATLAS arXiv:1206.2443 (7 TeV) Relativistic Breit-Wigner ジェットをbタグしない場合 ジェットをbタグした場合 2つのジェットの 不変質量 mjj ジェットをbタグした場合 300<mH<322 GeV, 353<mH<410 GeVを棄却 275<mH<600 GeV を棄却 12/38 High mass Higgs search combination • CMSはmH=1000 GeVまでSM-like Higgs bosonを棄却した。 • 𝐻 → 𝑍𝑍 → ℓ+ ℓ− 𝜈𝜈が最も厳しい制限を与えている。 • ZZに崩壊する未知粒子が存在したとしても、その生成断面積と、ZZ への崩壊分岐比の積(s x BR)は小さいということ。 • ATLASは8 TeVのデータをまだ全部解析していないし、最近combine していないので、mH~600 GeVまで。 ATLAS arXiv:1207.7214 CMS-PAS-HIG-12-024 (7 TeV+8 TeV) (7 TeV+8 TeVの一部) https://atlas.web.cern.ch/Atlas/GROUPS/PHYSICS/PAPERS/HIGG-2012-27/ https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/CMSPublic/Hig12024TWiki 13/38 ∗ + − Low mass 𝐻 → 𝑍 𝑍 → ℓ ℓ 𝑞𝑞 ATLAS-CONF-2012-163 (7 TeV) ジェットをbタグした場合 ジェットをbタグしない場合 2つのジェットの不変質量 mjj 60< mjj <115 GeVで、on-shell Zであることを要求。 断面積の上限 mH=145 GeVでSMの3.5倍 mH=125 GeVでSMの23倍 2つのレプトンと2つのジェットの不変質量 mlljj 膨大なZ+jetsバックグラ ウンドのため、辛い解析 14/38 Low mass 𝐻 → (∗) ∗ 𝑍 𝑍 On-shell Z Z1, m12=mZ1 Off-shell Z Z2, m34=mZ2 → + − + − ℓ ℓ ℓ′ ℓ′ • 4つの終状態 • 4e, 2e2m, 2m2e, 4m • 2e2mと2m2eはon-shell Zから のレプトン対を前に書いて、 区別する。 • 終状態の粒子を全てとらえられるた め、ヒッグス粒子を完全に再構成でき る。 cosq1 cosq2 cosq* F F1 • とても良い質量分解能 • 高い信号・バックグラウンド比 • レプトンの角度分布からスピンとパリ ティを決定し得る。 • mH=125 GeVの標準模型ヒッグス粒子 で崩壊分岐比は1.25x10-4と小さい。 ATLAS arXiv:1307.1427, arXiv:1307.1432 CMS arXiv:1312.5353 (7 TeV+8 TeV) (7 TeV+8 TeV) 15/38 事象選別 (1) ほぼ同じだが、CMSの方が凝ったことをしている。 ATLAS • 電子 • pT>7 GeV • カロリメータのエネルギー • |h|<2.47 • カットによる識別 CMS • 電子 • pT>7 GeV • カロリメータのエネルギーと飛跡検出 器の運動量のコンビネーション ATLASもやろうとしています。 |h|<2.5 • • ミューオン • 多変量解析による識別 • pT>6 GeV ATLASもやろうとしています。 • ミューオン • |h|<2.7 • pT>5 GeV • Isolation cut • |h|<2.5 • Track isolation (DR=0.2)<15% • Isolation cut • Calorimeter isolation • DR=0.4のコーン内の荷電トラックと (DR=0.2)<20% (30%) for e (m) 中性粒子のpTの和がレプトンのpT の40%以下であること • Impact parameter cut • IP significance (2D) <6.5s (3.5s) • Impact parameter cut • IP significance (3D) <4s for e (m) 16/38 事象選別 (2) ATLAS • 4レプトンの候補 • pT>20, 15, 10, 7 GeV • 4番目のレプトンがミューオ ンならpT>6 GeV • 50 < m12 < 106 GeV • 12 < m34 < 115 GeV • ジェット • Anti-kT DR=0.4 • pT>25 GeV for |h|<2.5 • pT>30 GeV for 2.5<|h|<4.5 • 積分ルミノシティ • 4.6 fb-1 at s=7 TeV • 20.7 fb-1 at s=8 TeV CMS • 4レプトンの候補 • pT>20, 10, 7, 7 GeV • 3, 4番目のレプトンが電子 ならpT>5 GeV • 40 < m12 < 120 GeV • 12 < m34 < 120 GeV • ジェット • Anti-kT DR=0.5 • pT>30 GeV, |h|<4.7 • 積分ルミノシティ • 5.1 fb-1 at s=7 TeV • 19.7 fb-1 at s=8 TeV 17/38 シミュレーションでの不変質量分布(m4l) ATLAS (mH=125 GeV) CMS (mH=126 GeV) 4e 4m エネルギー分解能の良い電磁カロリメータ(鉛タングステン vs 液体アルゴン)、 強いソレノイド磁場(3.8 T vs 2.0 T)、E-p combinationなどのために、ATLASより CMSの方が質量分解が良い。 18/38 背景事象 (1) • Z(*)Z* di-boson production: irreducible, 減らしにくい • シミュレーションを使った。 • PowHeg (qqbar->Z(*)Z*)とgg2ZZ (gg->Z(*)Z*) • 生成断面積はMCFMのNLOに基づく。 • Z+jets, ttbar: reducible, 減らしやすい • 低質量領域(m4l<2mZ)ではZ(*)Z*と同程度の 量になる。 • 軽い方のレプトン対のフレーバーによって、 成分が違うので、 ll+eeとll+mmで別々に評 価した。 • データを使って推定した。 • 軽い方のレプトン対に対するカットを緩め るか、反転させて、統計量を増やす。 • バックグラウンドの成分を求める。 • シミュレーションに基づいて、信号領域へ 外挿する。 軽い方のレプトン対へのisolation とimpact parameter significance を要求しない時の、 重い方のレプトン対の不変質量 (m12)分布。 データと予測される背景事象は 良く一致している。 19/38 背景事象 (2) • CMSはさらに質量分布と角度分布を使っ て、信号事象と背景事象を区別するための ATLASもやろうとしています。 変数Dkinbkgを構築。 • MadGraphのLOのmatrix elementを使った likelihood。 Dkinbkg Higgs->ZZ の信号事象っぽい qq->ZZ, gg->ZZ の背景事象っぽい 20/38 不変質量分布 ATLAS m4l 125 GeV付近 に鋭いピーク m34 vs m12 CMS 21/38 事象数 ATLAS 120 < m4l < 130 GeV 4e 2e2m/2m2e 4m Total ZZ* 1.2 +/- 0.1 3.5 +/- 0.1 2.8 +/- 0.1 7.5 Z+jets, ttbar 1.1 +/- 0.3 2.1 +/- 0.4 0.6 +/- 0.2 3.8 Total background 2.3 +/- 0.3 5.6 +/- 0.4 3.4 +/- 0.2 11.3 Signal mH=125 GeV 2.6 +/- 0.4 7.0 +/- 0.9 6.3 +/- 0.8 15.9 Data 6 13 13 32 CMS 121.5 < m4l < 130.5 GeV 4e 2e2m/2m2e 4m Total ZZ* 1.1 +/- 0.1 3.2 +/- 0.2 2.5 +/- 0.2 6.8 Z+X 0.8 +/- 0.2 1.3 +/- 0.3 0.4 +/- 0.2 2.6 Total background 1.9 +/- 0.2 4.6 +/- 0.4 2.9 +/- 0.2 9.4 Signal mH=125 GeV 3.0 +/- 0.4 7.9 +/- 1.0 6.4 +/- 0.7 17.3 4 13 8 25 Data • ATLASとCMSは似たような信号事象数(15.9と17.3)と背景事象数(11.3と9.4) を期待していた。(S/N比は1を超えている。) • ATLASの方がCMSに比べやや多い事象数(32と25)を観測した。 22/38 背景事象に対する超過の有意性 • ATLAS: m4lに対する1次元フィット • mH=124.3 GeVで、6.6sを観測した。(期待は4.4s) • CMS: m4l, Dkinbkg, pT4l または Djetに対する3次元フィット • mH=125.7 GeVで、6.8sを観測した。(期待は6.7s) • m4lに対する1次元フィットだと5.0sを観測した。(期待は5.6s) • CMSの3次元フィットは統計的有意性を大幅に向上させている。 ATLAS ATLASもやろうとしています。 CMS 23/38 質量測定 次の田中さんのトークで説明・議論。 ATLAS CMS • ATLAS: m4lに対する1次元フィット mH 124.300..65 (stat) 00..53 (syst) GeV • CMS: m4l, 事象ごとの質量の不定性(Dm), Dkinbkgに対する3次元フィット mH 125.6 0.4(stat) 0.2(syst) GeV ATLASもやろうとしています。 • 系統誤差のほとんどはレプトンのエネルギー・運動量スケールの系統誤 差で占められている。 • 𝑍 → ℓ+ ℓ−, 𝐽/𝜓 → ℓ+ ℓ− , Υ → ℓ+ ℓ− を使って改善され続けている。 24/38 質量幅測定 ATLASもやろう としています。 • CMSのみが結果を公表している。 • 先ほどの3次元フィットで、幅の上限値も 次の田中さんのトークで説明・議論。 同時に直接測定。 • GH<3.4 GeV (95% C.L.) • 幅が広いと、高質量(mZZ)のggZZ事象 数が増加する。 • 角度分布を使って、qqZZと分離するこ とにより、幅の上限値を間接的に測定。 • GH<4.2xGHSM=17.4 MeV (95% C.L.) CMS-PAS-HIG-14-002 (8 TeV) 25/38 事象の分類 ATLAS • 少なくとも2つのジェットがある。 • 1番目と2番目にpTの大きなジェットが擬ラピディティ hで3以上離れていて、その対の質量が350 GeV以 上。 いいえ はい • pT>8 GeVのレプトンが少なくとも1つある。 いいえ はい 前後方領域に複数のジェッ トがある。 1事象 ggF-like category それ以外 31事象 CMS • 少なくとも2つのジェットがある。 いいえ VBF-like category VH-like category WもしくはZからのレプトン がある。 0事象 はい 約5%の信号事象が 0/1-jet category VBFによるもの 20事象 Dijet category 約20%の信号事象 がVBFによるもの 5事象 • 0/1-jet categoryでは, ggFからVBFとVHを区別するのにpT4lを使う。 • Dijet categoryでは, VBFに感度のあるpTの大きな2つのジェットの擬ラピディティ の差|Dhjj|とその対の質量mjjを用いて構築したDjet という変数が使われる。 26/38 Djetの分布 ATLASもやろうとしています。 ggFっぽい VBFっぽい 27/38 横運動量分布 • CMSのみが結果を公表してい る。 • 信号事象っぽさで重みづけをし ている。 • 事象数が少なく、定量的に何か 言うのは難しい。 • 小さい崩壊分岐比のせい。 • Hggの方が良さそう。 ATLASもやろうとしています。 28/38 Signal strength m=s/sSM (1) ATLAS CMS 1.45+0.89 −0.62 0.83+0.31 −0.25 ATLAS (mH=125.5 GeV) CMS (mH=125.6 GeV) • • • • 𝜇𝑖𝑛𝑐𝑙𝑢𝑠𝑖𝑣𝑒 𝜇𝑔𝑔𝐹+𝑡𝑡𝐻 𝜇𝑉𝐵𝐹+𝑉𝐻 𝜇𝑉𝐵𝐹+𝑉𝐻 𝜇𝑔𝑔𝐹+𝑡𝑡𝐻 1.43+0.40 −0.35 - - 0.6+2.4 −0.9 1.7+2.2 −2.1 - +0.13 +0.46 0.93+0.26 −0.23 (stat)−0.09 (syst) 0.80−0.36 標準模型の場合に期待される1と無矛盾。 まだ統計誤差が系統誤差の2倍程度。統計量が4倍になると同程度になる。 8 TeVから13 TeVで生成断面積は約2.3倍になる。 13-14 TeVのRUN2では、積分ルミノシティは7 TeV+8 TeVのRUN1の3-4倍の75-100 fb-1が目 標。 29/38 Signal strength m=s/sSM (2) ATLAS CMS 標準模型ヒッグス粒子の場 合に期待される値と無矛盾。 30/38 系統誤差 • 実験で大きいのは電子の再構 成・識別効率。 • 理論で大きいのはPDFやQCD スケール。 • 各カテゴリーでの各生成過程、 背景事象の量も問題。 CMS ATLAS 31/38 スピンとパリティの決定 • Z粒子やレプトンの角度分布とZ粒子の質量 分布はスピンとパリティに依存する。 • スピン0の時にパリティを調べるにはZ粒子 の偏極(~レプトンの角度分布)の情報が必要。 • 4レプトンチャンネルの利点。 スピン0の場合に2つのスピン1のゲージボソンに崩壊する不変振幅 arXiv:1001.3396 𝐴 𝐻 → 𝑉𝑉 ~ 𝑎1 𝑀𝐻2 𝑔𝜇𝜈 + 𝑎2 𝑞1 + 𝑞2 パリティ偶 qiはゲージボソンの4元運動量 eiはゲージボソンの偏極ベクトル emnabは完全反対称テンソル • 標準模型(JP=0+)では、 a1=1, a2=0, a3=0 • a1=0, a2=0, a3≠0だとJP=0• a1=0, a2≠0, a3=0だとJP=0+ だが標準模型のヒッグス ではない粒子(0+h) 𝜇 𝑞1 + 𝑞2 パリティ偶 𝛽 ∗𝜇 𝛼 ∗𝜈 𝜈 + 𝑎3 𝜖𝜇𝜈𝛼𝛽 𝑞1 𝑞2 𝜖1 𝜖2 パリティ奇 32/38 JP=0+とJP=0-の比較 • 多変量解析をすることで情報を最大限に引き出 す。 ATLAS CMS • JP=0-をATLAS (CMS) は97.8% (99.9%)の 信頼度で棄却。 • CMSはパリティ奇の 成分の割合fa3に対 して制限を付けた。 fa3<0.51 @95%CL ATLASもやろうとしています。 33/38 他のスピン・パリティ スピン0 arXiv:1208.4018 0+: a1のみゼロでない、0+h: a2のみゼロでない、0-: a3のみゼロでない スピン1 1-: b1のみゼロでない、1+: b2のみゼロでない スピン2 2+m: g1=g5のみゼロでない、2+b: g5のみゼロでない 2+h: g4のみゼロでない、2-h: g8のみゼロでない 34/38 他のスピン・パリティの場合のCLs JP 0- 生成過程 any 0+h 1- 1- 1+ 1+ 2+m 2+m 2+m 2+b 2+h 2 -h any 𝑞𝑞 any 𝑞𝑞 any gg 𝑞𝑞 any gg gg gg ATLAS 2.2% - - 0.20% - 6.0% 16.9% 2.6% - - - - CMS 0.09% 7.1% 0.001% 0.001% 0.03% 0.01% 1.9% 0.03% 1.4% 0.9% 3.1% 1.7% ATLAS • 1-CLsが棄却する信頼度。 • 多くの場合が99%以上で棄却された。 CMS ggのみ 𝑞 𝑞のみ 35/38 99.958%の信頼度 で2+(gg)を棄却 WWやggとのcombination ATLAS arXiv:1307.1432 CMS-PAS-HIG-13-005 ZZとWW合わせて99.4% の信頼度で2+(gg)を棄却 棄却の信頼度の高い順 ATLAS CMS CMS arXiv:1312.1129 (WW) CMS-PAS-HIG-13-016 (gg) 0- 1+ 1- 2+m(gg) 2+m(qq) ZZ 2 2 3 5 4 WW - 3 2 3 2 gg - - - 1 5 ZZ 1 1 1 2 1 WW 3 - - 4 3 gg - - - 6 6 これしかCMSの スピンの combinationの 結果は見当たり ませんでした。 https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/CMSPublic/Hig13005TWiki 36/38 今後の測定 質量、断面積 • 質量 • Hggに劣るのは主に統計誤差のせい。 • RUN2でもまだ統計誤差が支配的になるはず。 • 4レプトンだとCMSの方が質量分解能が良い。 • 同じ統計量だと勝ち目はない。 • 重要なパラメータなのでもちろん測り続ける。 • 断面積 • 微分断面積を測ろうと思うと数がない。測るけど。 • Hggの方が良いのでは。 • 4レプトンで特徴的なのはHZZのカップリングが測れること。 • ZH生成でも測れるが、S/Nの良さから4レプトンの方が良いだ ろう。 • Signal strength mがどれだけ1に近いか? • ATLASでは𝜇 = 1.43+0.40 −0.35 。このずれが本物なら。。 +0.13 • CMSでは𝜇 = 0.93+0.26 (stat) −0.23 −0.09 (syst)だけど。。 37/38 今後の測定 パリティ混合 ATL-PHYS-PUB-2013-013 • 見つかったヒッグス粒子の多くの割合がスピン0・パリティ偶であるのは 疑いがない。 • しかし、パリティ奇の成分も含まれ、パリティの混合状態である可能性は ある。 • ILCが出来るまでは、測定できるのは完全に再構成できる4レプトンチャ ンネルのみであろう。 パリティ偶 パリティ偶 パリティ奇 g3=0と仮定 38/38 まとめ • 1 TeV以下のSM-like Higgs bosonはmH~125 GeVの 粒子だけ。 • 質量 +0.5 • ATLAS: 𝑚𝐻 = 124.3+0.6 −0.5 stat −0.3 (syst) GeV • CMS: 𝑚𝐻 = 125.6 ± 0.4(stat) ± 0.2(syst)GeV • Signal strength • ATLAS: 𝜇 = 1.43+0.40 −0.35 +0.13 • CMS: 𝜇 = 0.93+0.26 (stat) −0.23 −0.09 (syst) • スピン・パリティJP=0+をとても強く支持。 • SM-like Higgs boson • 今後はパリティ混合の測定が面白いのではないか。 https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/AtlasPublic/HiggsPublicResults https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/CMSPublic/PhysicsResultsHIG 39/38 予備スライド 40/38 Search of invisible decay modes of a Higgs Boson Produced in Association with a Z Boson • ATLAS arXiv:1402.3244 • Signatures: Z and missing ET • In SM: BR(Hinv.)=1.2x10-3 by HZZ(*)4n • BR(Hinv.)<75% at 95% C.L. for mH=125.5 GeV In the Higgs-portal dark matter scenario (arXiv:hep-ph/0605188), in which the Higgs boson acts as the mediator particle between DM and SM particles, the limit can be interpreted in terms of a limit on the DM-nucleon scattering cross section. (arXiv:1109.4398). 41/38 ZH, Z->ll, H->invisible CMS-PAS-HIG-13-018 42/38 43/38 2HDM CMS-PAS-FTR-13-024 2HDM Neutral Higgs Future Analysis Studies 44/38 CMS arXiv:1304.0213 45/38 CMS-PAS-FTR-13-003
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