4.1 IPはインターネット層の プロトコル 4402062 原田卓郎 IP protocol 1 IPとは OSI基本参照モデルの第3層(ネットワーク 層)に位置する ネットワークに参加している機器の住所付 け(アドレッシング)や、相互に接続された 複数のネットワーク内での通信経路の選 定(ルーティング)をするための方法を定義 している IP protocol 2 ルーティング TCP/IPネットワークにおいて、目的のホストまでパケッ トを送信するとき、最適な経路を選択して送信すること ネットワークの境界で、外部からのパケットを自分の ネットワークにあるホストへ転送したり、自分のネット ワークからのパケットを別のネットワークへ転送すること ルータと呼ばれる機器がこの役目を担っている場合が 多い 経路の情報をあらかじめネットワーク機器に設定してお くスタティックルーティングと、経路情報を動的に更新す るダイナミックルーティングの2つがある IP protocol 3 ルータ ネットワーク上を流れるデータを他のネットワークに中 継する機器 OSI参照モデルでいうネットワーク層(第3層)やトラン スポート層(第4層)の一部のプロトコルを解析して転送 ネットワーク層のアドレスを見て、どの経路を通して転 送すべきかを判断する経路選択機能を持つ 自分の対応しているプロトコル以外のデータは破棄 複数のプロトコルに対応したルータをマルチプロトコ ルルータと呼ぶ IP protocol 4 ネットワーク層(第3層) OSI参照モデルの第3層に位置する データリンク層以下のプロトコルを使用して接続 されているネットワーク同士の通信を行うための 方式を定めたもの ネットワーク上の全コンピュータに一意なアドレス を割り当て、データの伝送経路選択、パケットサ イズの変換などが行われる IP(インターネットプロトコル) がネットワーク層に 属し、ルータなどの製品がネットワーク層をカ バー IP protocol 5 データリング層(第2層) OSI参照モデルの第2層に位置する ネットワーク上で直結されている機器同士 での通信方式を定めたもの 電気信号の誤り訂正や再送要求などがこ の層で行われる PPPなどの規格がデータリンク層に相当し ており、スイッチングハブなどの製品が データリンク層をカバー IP protocol 6 IPアドレス ネットワーク層であるIPで利用されている アドレス インターネットに接続されるすべてのホスト やルーターは、必ずこのIPアドレスを設定 しなければならない IPアドレスの形式は、どのようなデータリン クでも同じ形式のものが利用される IP protocol 7 4.2 IP基礎知識 4402093 渡辺唯一 IP protocol 8 IPの三つの役割 IPアドレス 終点ホストまでのパケット配送 IPパケットの分割処理と再構築処理 IP protocol 9 IPアドレス ネットワーク層であるIPで利用されている アドレス インターネットに接続されるすべてのホスト やルーターは、必ずこのIPアドレスを設定 しなければならない IPアドレスの形式は、どのようなデータリン クでも同じ形式のものが利用される IP protocol 10 経路制御(ルーティング) (1) 宛先のIPアドレスのホストまでパケットを届 けるための機能 途中経由するルータにデータの行き先を 教えてもらいながら最終的な相手先のコン ピュータに到達することになる 始点のホストは終点のホストまで経路を知ら ない IP protocol 11 経路制御 (2) 宛先のホストまでパケットを送るため、すべ てのホストやルーターはルーティングテー ブルと呼ばれる情報を持っている ルーティングテーブル:IPパケットを次にどのルー ターへおくればよいかが示されている IP protocol 12 データリンクの抽象化 IPにはデータリンクの特性を抽象化して、 上位層から細かいネットワークの構造を見 えなくするやくわりがある 分割化処理を行うことで、データは途中の データのMTUにかかわらず、送信したパ ケット長のままでIP層に届くことができる 分割化処理:IPパケットを小さな複数のIPパケットに分割 化する処理 IP protocol 13 IPはコネクションレス型 (1) ネットワークのデータの伝送にはコネクション型とコ ネクションレス型の2種類があり、 IPはコネクション レス型である コネクション型:コンピュータ間でデータの送受信を行う 前に確認を事前に行うデータ伝送方式 情報の処理が複雑で管理も大変である コネクションレス型:事前に確認せずにコンピュータ間で データの送信を行うデータ伝送方法 IP protocol 14 IPはコネクションレス型 (2) 上位層に発信すべきデータが発生したら、 すぐにデータを詰めて発送する 問題点 無駄な通信をする可能性がある 利点 機能の簡略化と高速化 IP protocol 15 4.3 IPアドレスとは 4402011 市橋 拓也 IP protocol 16 IPアドレスとは ホストには必ず割り当てる必要がある インターネットに接続やLANでネットワーク を作るときに必要 32ビットの正数値でできている(IPv4) IP protocol 17 ネットワーク部とホスト部 ネットワーク部 データリンクごと アドレスが重ならないように データリンクがいっしょのホストは同じネット ワークアドレス ホスト部 同一リンクないで重ねない IP protocol 18 IPアドレスのクラス クラスA, B, C, Dの違い 先頭から4ビットまでのビット列の組み合わせ により識別 割り当てられるホストアドレスの数 ホストアドレス割り当て時の注意 すべてが0の場合 ⇒ IP不明の時に使用 すべてが1の場合 ⇒ ブロードキャストアドレス IP protocol 19 クラスA 先頭1ビットが0 先頭から8ビットがIPネットワークアドレス クラスB 先頭2ビットが10 先頭から16ビットがIPネットワークアドレス クラスC 先頭3ビットが110 先頭から24ビットがIPネットワークアドレス クラスD 先頭4ビットが1110 先頭から32ビットがIPネットワークアドレス IP protocol 20 ブロードキャストアドレス (1) 同一リンクに接続されたホストにパケットを 送信するためのアドレス ローカルブロードキャストとダイレクトブ ロードキャストの二つ IP protocol 21 ブロードキャストアドレス (2) ローカルブロードキャストアドレス 同一リンク内でブロードキャスト ダイレクトブロードキャストアドレス 異なるIPネットワークでブロードキャスト IP protocol 22 4.3後半 IPアドレスの基礎知識 4402002 浅野 淳一 IP protocol 23 クラスの問題点 ネットワーク部が同じコンピュータは、すべて 同一のリンクに接続する必要がある。 同一ネットワーク内のホストが多すぎて無駄 ネットワークアドレスが不足 クラスB 255.255.0.0 2^16=65534個 24 サブネットワーク ネットワークアドレスを拡張する方法 ネットワークの数を増やす ネットワーク アドレス部 ホスト部 ネットワーク サブネット ホスト アドレス部 ワーク 部 アドレス部 IP protocol 25 サブネットマスク サブネットワーク部を規定しネットワーク部 の長さを表す識別子 クラスに縛られずにIPアドレスのネットワー ク部を決められる IP protocol 26 サブネットマスクの表示 26ビットネットワークアドレスの場合 IPアドレス 172.20.100.52 ネットマスク 255.255.255.192 IPアドレス 172.20.100.52/26 IP protocol 27 サブネットマスクの例 IPアドレス(172.20.100.52/26) 172. 20. 100. 52. 10101100000101000110010000110100 クラスによるネットワーク部 サブネットマスクで拡張され るネットワーク部 26桁をマスク ホスト部 28 CIDRについて クラス分けをなくした、IPネットワークアドレ ス、IPホストアドレスの考え方 連続する複数のクラスアドレスを、1つの 大きなネットワークとして扱える 同じ拡張方法としてVLSM方式がある IP protocol 29 CIDRの例 203.183.224.0/23 11001011.10110111.11100000.00000001 ネットワークアドレス部 ホスト部 11001011.10110111.11100001.11111110 23桁 (203.183.224.1) 510個 (203.183.225.254) 9桁 2^9-2=510個のホスト IP protocol 30 プライベートIPアドレス 外部との通信をしない私的なネットワーク 内で利用するIPアドレス ただし、通信する範囲内ならユニークに割 り当てる必要がある NATやアプリケーションゲートウェイで外部 と通信が可能 IP protocol 31 IPアドレスの決定機関 ICANN 全世界的にIPアドレスドメイン名を管理 JPNIC 日本国内のIPアドレスとドメイン名を管理 ISP プロバイダ IP protocol 32 IPアドレスの決定の流れ 申請者 ISP JPNIC非会員 JPNIC ISP JPNIC会員 IP protocol 33 4.4 経路制御(ルーティング) 4402067 姫島隆一郎 IP protocol 34 パケットを配送時 IPアドレスと経路制御表が利用される 「ここの宛先はここに送る」という情報 IP protocol 35 経路制御表 ・ダイナミックルーティング(動的経路制御) ルーターと他のルーターが情報を交換して自動的に作成する方法 ・スタティックルーディング(動的経路制御) 管理者が事前に設定する方法 IP protocol 36 4.4.1 IPアドレスと経路制御 (ルーティング) IPパケットは、IPアドレスのネットワークを 利用して経路制御が行われる。 経路制御表には、ネットワークアドレスと次に配送するべき ルーターのアドレスが書かれてとおり、一致するネットワーク アドレスを検索し、次のルーターに配送する。 IP protocol 37 デフォルトルート 経路制御表に登録されているどのアドレスに もマッチしない経路であり、表の無駄を省く。 ホストルート IPアドレスのネットワークではなく、ネットワーク インターフェースに付けたIPアドレスそのもので 経路制御が行える。 ループバックアドレス 同じコンピューター内部のプログラム間で通信 する場合に利用される。 IP protocol 38 4.4.2 経路制御表の集約 ネットワークの構築の仕方によって、経路 制御表を小さくできる。 これによりメモリ空間やCPUのパワーを小 さくできる。 IP protocol 39 4.5 IPの分割処理と再構築処理 4400066 IP protocol 鈴木大介 40 4.5.1 データリンクによってMTUは違う →データリンクが作られた目的ごとにMTUの大きさが 決められたから その中でもIPは、MTUの大きさに左右されることな く利用できなければならない IP protocol 41 4.5.2 IPデータグラムの分割処理 と再構築処理 送信ホスト 受信ホスト FDDI MTU=4352 ルーター イーサネット MTU=1500 IPヘッダ の識別子 にはユ ニークな 数字を設 定して送 信する UDP UDP UDP IP 8 20 IP データ ヘッダ ヘッダ 1472 8 20 データ ヘッダ ヘッダ 4324 UDP ルーター で分割処 理が行わ れる UDP UDP IP データ ヘッダ ヘッダ 1480 UDP 8 UDP 20 IP IPヘッダ の識別子 を参照し 再構築し てから上 位部に データ ヘッダ ヘッダ 1372 8 20 42 4.5.3 経路MTU探索 背景(分割化の欠点) ルーターの処理が重くなる。セキュリティー向上 のためのフィルタリングなどによる。 ネットワークの利用効率が悪い。 分割された断片が1つでも失われると、元 のIPデータグラムが全て失われるため、小 さなサイズで送信するから。 IP protocol 43 経路MTU探索とは 経路MTU(PMTU:Path MTU)とは宛先ホス トまでパケットを送信したときに分割化が 必要にならない最大のMTUのこと →送信ホストでデータを経路MTUの大きさに 分割してから送信する方法を、経路MTU探 索という IP protocol 44 UPDの場合の経路MTU探索 ①IPヘッダの分割禁止フラグの設定をして送信す る。ルーターでパケットは失われる。 ②ICMPにより次のMTUの大きさを知る ③アプリケーションが次のデータを送信するときに、 分割処理を行い送信する。IPにとってはUDPヘッ ダとアプリケーションのメッセージは区別されない。 ④受信ホストにおいて、全ての断片がそろったら、 IP層で再構築してUDP層へ渡す。 IP protocol 45 TCPの場合の経路MTU探索 経路MTCの大きさを基にして通信を行うデータ単 位を再計算し、その値を元に送信を行う ①②UDPの場合と共通 ③TCPの再送処理によってデータが再送される。 このとき、TCPがIPで分割されない大きさに区 切ってからIP層に渡す。IPでは分割処理は行わ れない。 ④再構築は不要。データはそのままTCP層へ渡さ れる。 IP protocol 46 4.6 ARP (Address Resolution Protocol) 4401037 小松俊介 IP protocol 47 4.6 ARP (Address Resolution Protocol) IPアドレスが決まれば、宛先IPアドレスに 向けてIPデータグラムを送信することがで きる。 しかし、実際にデータリンクを利用して通信 をするときにはIPアドレスに対応したMAC アドレスが必要になる。 IP protocol 48 4.6.1 ARPの概要 ARPはアドレス解決のためのプロトコルで、 具体的には、宛先IPアドレスを手がかりに して、次にパケットを受け取るべき機器の MACアドレスを知りたいときに利用される。 宛先のホストが同一リンク上にない場合は、 次に送信すべきルーターのMACアドレス をARPで調べることになる。 IP protocol 49 4.6.2 ARPの仕組み ARPにはARP要求パケットとARP応答パ ケットの2種類が存在する。 IP protocol 50 4.6.2 ARPの仕組み ホストA ホストB ARP要求パケット ARP応答パケット IP protocol 51 4.6.2 ARPの仕組み IPアドレスからMACアドレスを知るために ARP要求パケットを送信し、自分のMAC アドレスを教えるために返送するのがAR P応答パケットである。 ARPによってIPアドレスからMACアドレス を検索することができ、リンク内の通信を することが可能になる。 IP protocol 52 4.6.2 ARPの仕組み ARPによるアドレスの解決は自動的に行 われるので、TCP/IPによる通信ではMA Cアドレスを意識する必要はなく、IPアドレ スのみ考えればよい。 通常ARPによって取得したMACアドレス はキャッシュされます。 IP protocol 53 4.6.2 ARPの仕組み 一度ARPでMACアドレスを取得したら、し ばらくの間はそのMACアドレスを記憶して おき、そのMACアドレス宛のARPは実行 しないで、そのMACアドレスに直接パケッ トを送信します。 ARPによって取得したMACアドレスは キャッシュされますが、一定の時間が経過 すると捨てられます。 IP protocol 54 4.6.3 IPアドレスとMACアドレス は2つとも必要? ホストA ホストB ルーターD ルーターC IP protocol 55 4.6.3 IPアドレスとMACアドレス は2つとも必要? イーサネット上でIPパケットを送信するとき には、「次にどのルーターを経由してパケッ トを送信するか」という情報が必ず必要に なる。そして「どのルーターか」を表すため に「MACアドレス」が使われる。 上記のことから、IPアドレスとMACアドレス 2つのアドレスが必要になることが分かる。 IP protocol 56 4.6.3 IPアドレスとMACアドレス は2つとも必要? そしてARPというアドレスを検索するプロト コルが間に入ることによって、通信が可能 となる。 このような2段階の仕組みによって通信性 能が低下することを防ぐために、ARPでは 前述のようにIPアドレスとMACアドレスの 対応をキャッシュする機能が備えられてい る。 IP protocol 57 4.6.4 RARP (Reverse Address Resolution Protocol) RARPというのはARPの逆で、MACアドレス からIPアドレスを知りたいときに利用される。 通常のマシンは接続されているハードディ スクなどに自分のIPアドレスが格納されて いるが、ディスクレスマシンなどではIPアド レスが保存できない。 IP protocol 58 4.6.4 RARP (Reverse Address Resolution Protocol) しかしネットワークインターフェイスのROMに焼き 込まれているためMACアドレスは知っている。そ こでRARPが用いられる。 ホストA ホストB RARPリクエストパケット RARPレスポンス IP protocol 59 4.6.4 RARP (Reverse Address Resolution Protocol) RARPを用いる場合は、RARPリクエストの 応答を行うRARPサーバーを用意する必要 がある。 そのサーバーにはあらかじめMACアドレス とIPアドレスの対応表を入力しておく必要 がある。 IP protocol 60 4.6.5 代理ARP (Proxy ARP) 代理ARPは、サブネットワーク環境に、サ ブネットマスクを定義できない古いコン ピュータを接続するときなどに利用される。 IP protocol 61 4.6.5 代理ARP (Proxy ARP) IP protocol 62 4.6.5 代理ARP (Proxy ARP) 他のホスト宛へのARP要求に対して返事を することを代理ARP(Proxy ARP)という。 代理ARPの設定は手作業で行わなければ ならないため、管理は大変になる。 IP protocol 63 4.7 ICMP (Internet Control Message Protocol) 4402017 小畠 大樹 IP protocol 64 ICMPとは ◆IPのエラーメッセージや制御メッセージを 転送するプロトコル ◆ TCP/IPで接続されたコンピュータやネット ワーク機器間で、互いの状態を確認するた めに用いられる ( ネットワーク診断プログラムpingが使う) IP protocol 65 主なICMP メッセージ ◆ICMPには大きく 分類すると2種類 のメッセージがある Errorメッセージ Queryメッセージ タイプ コード 内容 分類 0 0 エコー応答 Quer y 3 0-12 到達不能 Error 4 0 始点抑制 Error 5 0-3 リダイレクト Error 8 0 エコー要求 Quer y 9 0 ルータ通知 Quer y 10 0 ルータ選択 Quer y 11 0-1 時間超過 Error 12 0 パケットパラメータにおけるエラー Error 13 0 タイムスタンプ保持要求 Quer y 14 0 タイムスタンプ保持要求への返答 Quer y 15 0 情報請求(未使用) Quer y 16 0 情報応答(未使用) Quer y 17 0 アドレスマスク要求 Quer y 18 0 アドレスマスク応答 Quer y 66 ICMP到達不能メッセージ(タイプ3) ◆ICMP Destination Unreachable Message ◆IPルーターがIPデータグラムを宛先に配 送 できない場合、送信ホストに対して、 ICMP到達不能メッセージを送信します. ◆このメッセージはさらにどのような原因で 配送することが出来なかったかを示すよう になっています. IP protocol 67 ホストA ルーター1 ルーター2 ホストB 電源 OFF ① パケット送信 ② ルーター2はホストBのMACアドレスを 入手しようとARP発信 ③ ARPリクエスト ④ ARPリクエスト(再送) (しかしホストBは電源OFF) ⑤ 何度かリトライ(再送)する ⑥ ICMP Destination Unreachable をホストAに返す 図. ICMP到達不能メッセージの流れ 68 表. ICMP到達不能メッセージ コード番号 ICMP到達不能メッセージ 0 Network Unreachable 1 Host Unreachable 2 Protocol Unreachable 3 Port Unreachable 4 Fragmentation Needed and Don't Fragment was Set 5 Source Route Filed 6 Destination Network Unknown 7 Destination Host Unknown 8 Source Host Isolated 9 Communication with Destination Network is Administratively Prohibited 10 Communication with Destination Host is Administratively Prohibited 11 Destination Network Unreachable for Type of Service 12 Destination Host Unreachable for Type of Service 69 ICMPリダイレクトメッセージ(タイプ 5) ◆ ICMP Redirect Message ◆ルータが送信元ホストが最適でない経路 を使用しているのを検出した時、そのホス トに対して送信. ◆送信元ホストへよりよい経路を教える. IP protocol 70 図. ICMPリダイレクトメッセージ ホストB 192.168.1.1 192.168.1.0/24 ホストC 192.168.2.1 ルータ1の経路制御表 192.168.1.0/24ルータ1 192.168.2.0/24ルータ2 192.168.3.0/24ルータ3 192.168.2.0/24 ルータ2 ルータ1 ② 192.168.3.0/24 ① ③ ④ ホストAの経路制御表 ホストA 192.168.3.1 0.0.0.0/0 ルータ1 192.168.3.0/24ホストA ③で追加される経路 192.168.2.1/32 ルータ2 ①.ホストAがホストCと通信しようとする場合、ホストAの経路制御表には 192.168.2.0/24の情報がないため、デフォルトルートのルータ1にパケットを送る ②.ルータ1は、192.168.2.0/24のサブネットがルータ2の先にあることを知っている ので、パケットをルート2に転送する ③.192.168.2.1宛のパケットは直接ルータ2に送る方が効率が良いと考え、 ホストAにICMPリダイレクトメッセージを送る ④.ホストAの経路制御表に情報が追加され、次のパケットからはルータ2に送る IP protocol 71 ICMP時間超過メッセージ(タイプ 11) ◆ICMP Time Exceeded Message ◆TTL(Time To Live)がルータを1つ通過す るたびに1ずつ減らし、0になるとIPデータ グラムが破棄される ◆パケットが永久にネットワークを回り続け る状態を防ぐため IP protocol 72 ホストA ルーター1 ルーター2 ルーター3 ルーター4 ホストB 異常 経路にループ が発生 TTLが0になると “ICMP Time Exceeded” を返す 図. ICMP時間超過メッセージ IP protocol 73 ICMPエコーメッセージ(タイプ 0,8) ◆ICMP Echo Message(タイプ8) ◆ICMP Echo Reply Message(タイプ0) ◆通信したいホストやルータなどに、IPパ ケットが到達するかどうか確認する (pingコマンドで使用されている) IP protocol 74 ホストA ルーター1 ルーター2 ルーター3 ホストB ① ICMP Echo Request ② ICMP Echo Reply 図. ICMPエコーメッセージ IP protocol 75 ping コマンドの例 IP protocol 76 その他のICMPメッセージ ◆ICMP始点抑制メッセージ(タイプ4) ・低速回線上にあるルータのキューの残りが0に なった際、送信されるメッセージ ◆ICMPルータ選択メッセージ(タイプ9,10) ・自分がつながっているネットワークのルータを 見つけたい時に利用されるメッセージ ◆ICMPアドレスマスクメッセージ(タイプ 17,18) ・サブネットマスクを調べたいホストやルータが ある場合に利用されるメッセージ IP protocol 77 4.8 IPマルチキャスト 4402033 高野 蓉功 IP protocol 78 4.8.1 同時送信で効率アップ マルチキャスト機能 特定のグループに所属するすべてのホス トへ同じデータを同時送信 1対N、N対Nの通信に適している IP protocol 79 ブロードキャスト マルチキャスト ホストA ホストA ホストB ホストD ホストB ホストC すべてのコンピュータ ホストD ホストC 特定のグループ間の通信 IP protocol 80 4.8.2 IPマルチキャストとIGMP IPマルチキャストはクラスDのIPアドレスを使用 先頭から4ビットが “1110” 残りの28ビットがグループ番号 IP protocol 81 IPマルチキャストアドレス 224.0.0.0~239.255.255.255までの範囲 224.0.0.0~224.0.0.255までは経路制御されない 224.0.0.0~224.0.0.255は同一セグメント内へ送 出するマルチキャストパケット それ以外のアドレスは全ネットワークのグルー プのメンバーに到達 IP protocol 82 IGMP 所属しているグループを特定するためのプ ロトコル マルチキャストの経路制御情報の伝達方 法までは決めていない IP protocol 83 マルチキャストアドレスの中には、 用途が決められているものがある 224.0.0.1 : サブネット内のすべてのシステム 224.0.0.2 : サブネット内のすべてのルーター IP protocol 84 4.9 IPヘッダ 4401481 早田有規子 IP protocol 85 IPヘッダからわかること データにはIPヘッダが付けられて送信される IPヘッダにはパケットの配送を制御するとき に必要な情報が格納されている ⇒IPが備えている機能の詳細を知ることが できる IP protocol 86 バージョン(Version) バージョン 略称 プロトコル 4 IP Internet Protocol 5 ST ST Datagram Mode 6 IPv6 Internet Protocol version 6 7 TP/IX TP/IX: The Next Internet 8 PIP The P Internet Protocol 9 TUBA TUBA IP protocol 87 ヘッダ長(IHL) IPヘッダ自体の大きさ 単位は4オクテット(32ビット) オプションを持たないIPパケットでは 5 IP protocol 88 ヘッダ長の例 オプションなしのIPヘッダの長さ 4×5=20(オクテット) IP protocol 89 サービスタイプ(TOS) ビット 012 3 4 5 6 (3~6) 7 意味 優先度 最低限の遅延 最大限のスループット 最大限の信頼性 最小限の経費 最大限のセキュリティ 未使用 IP protocol 90 パケット長(Total Length) IPヘッダとIPデータを加えたパケット全体の オクテット長を表す 16ビット長の場合、IPが運べるパケットの最 大サイズは65535オクテット IP protocol 91 識別子(ID) フラグメントを復元する際の識別子 同じフラグメントでは同じ値 違うフラグメントでは異なる値 IPパケットを送信するたびに一つずつ増える IP protocol 92 フラグ(Flags) ビット 意味 0 未使用。現在は0 1 分割してよいか指示 0: 可能 1: 不可能 2 分割された場合、最後のパケットか 否かを示す 0: 最後 1: 途中 IP protocol 93 フラグメントオフセット(FO) 分割されたフラグメントがオリジナルデータ のどこに位置していたかを示す 0から始まり8192まで表現できる 単位は8オクテットなので、 最大は8×8192=65536オクテット IP protocol 94 生存時間(TTL) もとの意味 そのパケットがネットワークに存在してよい 時間(生存時間)を秒単位で示したもの 実際のインターネットでの意味 何個のルーターを中継してもよいか IP protocol 95 生存時間(TTL)の留意点 ルーターを通過するたびに TTLは一つずつ減らされ、 0になったらパケットは破棄される IP protocol 96 プロトコル(Protocol) 番号 略称 プロトコル名 1 ICMP Internet Control Message Protocol 2 IGMP Internet Group Management Protocol 4 IP IP in IP (encapsulation) 6 TCP Transmission Control Protocol 8 EGP Exterior Gateway Protocol 17 UDP User Datagram Protocol 41 IPv6 IPv6 IP protocol 97 ヘッダチェックサム(Header Checksu m) IPヘッダのチェックサムを表す チェックサムは IPヘッダが壊れていないことを保証する ためのもの IP protocol 98 チェックサムの計算 チェックサムのフィールドを0にする 16ビット単位で1の補数の和を求める 求まった値の1の補数をチェックサム フィールドに入れる IP protocol 99 IPアドレス 送信元IPアドレス(Source Address) 送信元のIPアドレスを表す 宛先IPアドレス(Destination Address) 宛先のIPアドレスを表す IP protocol 100 オプション(Options) 可変長である テストやデバックなどを行うとき使用される 例) セキュリティラベル ソースルート ルートレコード タイムスタンプ IP protocol 101 パディング(Padding) 詰め物とも呼ばれる オプションを付けたとき、ヘッダ長が32ビット の整数倍にならない場合がある この場合、詰め物として“0”を入れ32ビット の整数倍にする IP protocol 102 データ(Data) TCPやUDP、ICMPなどのプロトコルのヘッ ダとデータで構成されている IPの上位層のヘッダもすべてデータとして処 理される IP protocol 103
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