社会保障費班 前期最終研究成果発表 〜社会保障費の削減の可能性〜 Shimane.K Ikehara.K Matsumoto.D 2006.7.20 大前提 基礎的財政収支改善 プライマリーバランス改善 競争力 持続的経済成長の補助 生産性向上 歳出削減 制約から社会保障費に絞って論ずる 問題点1:社会保障費は削減可能であろうか 現状分析:社会保障費の大幅な削減•不可能 社会保障費の削減の可能性 問題点2:負担のあり方とは。 結論:個人負担に移行することに よって小幅な削減が期待できる。 問題点1 社会保障費の削減•不可能 現状分析 社会保障費の削減の可能性 医療 年金 1 賦課方式の問題 2 現役世代の問題 1 医療制度改革 少子高齢化 2 薬価の見直し 3 「数理的公正」の確保 3 今後の見通し 4 今後の見通し 4 介護を重視 歳入面•加 現状分析の結果:負担額の削減は望めない ↓ よって国の財政悪化 ↓ 果たして負担のあり方とは。 ⇩ 問題点2 負担サイドの適正な あり方とは 結論 負担額は大幅な削減が望めな いものの、負担のあり方を個人 負担へと移行することで負担の 小幅な削減は期待できる。 第1章 社会保障費の現状 ○ 社会保障費の内訳 金額(億円) 社会保障費年次推移 500,000 450,000 400,000 350,000 300,000 250,000 200,000 150,000 100,000 50,000 0 医療 年金 業務災害 失 業・雇 用対策 家族手当 生活保護 社会福祉 19 69 19 72 19 75 19 78 19 81 19 84 19 87 19 90 19 93 19 96 19 99 20 02 その他 年(西暦) 出所:国立人口問題•社会保障研究所 今後の見通し 少子高齢化→社会保障費•増 出所:国立人口問題研究所 高齢化からの社会保障費推計 →高齢化から今後も増える見通し 年金 医療 福祉等 社会保障費推計 兆円 70 60 50 40 30 20 10 0 2004年度 2010年度 2015年度 2025年度 出所:国立人口問題社会保障研究所 〜第1章 まとめ〜 社会保障費の大幅な削減不可能 ○ 社会保障:国民生活のセーフティネット ↓ 大幅な削減→セーフティネットとしての 機能の確保困難 ○ 今後社会保障費増える見込み ↓ 歳出増加 では歳出削減は不可能であろうか 第2章 年金 • 現行の年金方式制度の問題の検証 →問題点の是正から削減につながるか。 ※削減は現状だと難しい。 • 改革が行われた時の削減の可能性 →改革内容からの推計から検証。 ※削減の可能性は少からずある。 現行の年金方式制度の問題の検証 仮説:賦課方式が年金増大の要因ではないか。 → 賦課方式=人口変動に弱い。 ex)高齢化→負担額増・公平感減 ※ 数理的公正の確保困難 ↓ 積立て方式への移行 →「二重負担」の問題 所得再分配効果の低下 ○ 数理的公正の確保 数理的公正とは 年金の給付と拠出の比率が等しく、個人が支 払った掛金が適切な利回りを伴って給付として 返ってくること。 ○ 数理的公正が確保される理由 給付額<負担額 →保険料支払う意欲低下 資源配分上に悪影響 給付額=負担額 →資源配分上に影響なし ※モデル世帯‥1.12 女性単身者‥1.09 男性単身者‥0.92 共働き者‥0.86 ⇒数理的公正確保されない場合も ○ これからの年金制度 賦課方式の下で数理的公正が確保される年金制度 =賦課方式を維持しつつ、個人が支払った保険料に 見合った年金の給付 ↓ 「見なし拠出立て賦課方式」 現在ある積立金の切り崩しによって支払う 年金制度改革内容 •保険料引き上げ →国民年金‥毎年月額280円 厚生年金‥毎年0.354% •基礎年金の国庫負担率の引き上げ →現在‥支給額の1/3 改正後‥1/2 •年金支給開始年齢引き上げ →60歳から65歳へ 改革が行われた時の削減の可能性 基礎年金支給額推移 金額(億円) 400000 350000 300000 250000 200000 150000 改革後 公的負担 改革前 100000 50000 60 57 54 51 48 45 42 39 36 33 30 27 24 21 18 15 12 0 年度(平成) 出所:国立社会保障・人口問題研究所 改革が行われた時の削減の可能性2 金額(億円) 厚生年金支給額推移 1000000 900000 800000 700000 600000 500000 400000 300000 200000 100000 0 改革後 改革前 12 13 14 15 16 17 22 27 32 37 42 47 52 57 62 年度(平成) 出典:国立社会保障人口問題研究所 〜第2章 まとめ〜 年金から見た削減の可能性 ○ 年金制度の問題 →現状維持のため、賦課方式+積立金取り崩し ○ 改革が行われたときの削減の可能性 →かなりの削減が望める。 ex)受給年齢の引き上げ →基礎年金8兆+厚生年金16兆削減予定 第3章 医療費 • 現在行われている医療制度改革の内容 から削減の期待検証 • 薬価の見直しとしてジェネリック医薬品への 期待検証 • 現在の状況を確認しながら諸外国との 比較から今後のあり方検証 医療制度改革による削減の可能性 ○ 診療報酬体系の改善 → 診療報酬体系の人頭配分方法 全体の予算の制約のもとで,実施主体の加入 者に関連づけて医療保障の財源を配分 ↓ 診療報酬の包括払い 医療の超過供給を防ぐ→医療費削減 医療費:「供給者の作り出す需要」である →供給者の判断によって決定される 供給者側への対策 → 効果的 医療制度改革からの小幅な削減も期待できる。 ○ 医療制度改革に伴う問題点 医療技術の高度化 →検査治療にかかる莫大な費用増加 病院の経営に影響を及ぼす 全国公私病院1178(平成11年度) → 黒字病院:31.4% 赤字病院:68.6% ※自治体病院では697病院のうち89.7%が赤字 しかし技術においては削減不可能。 薬品はどうなのか。 国民医療費にかかる医薬品の割合は約20% 国民医療費と医薬品出荷額推移 億円 350000 300000 250000 200000 国民医療費 医薬品出荷額推移 150000 100000 50000 0 平成15年 平成14年 平成13年 1平成12年 平成11年 平成10年 平成9年 平成8年 平成7年 出所:厚生労働省 ○ 薬価の見直し ジェネリック医薬品への期待 ジェネリック医薬品とは: 「先発医薬品」の20〜25年の特許期間が切れると、 他のメーカーも同じ成分、同じ効果の薬を製造できるように なった薬.また、新薬はその成分を開発し、有効性や安全性 を確認するために費用が150億〜200億円かかるが、 ジェネリック医薬品はそれらのコストが少ないので2〜8割 の価格に設定できる ジェネリック医薬品に医療費削減の期待 ジェネリック医薬品の売り上げ高推移 億円 4000 3500 3000 2500 ジェネリック医薬品の売り上げ高推移 普及率50%以上と仮定したときの推移 2000 1500 1000 500 0 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 出所:厚生労働省 ○ 薬価見直しの効果期待 現在使用されている医薬品 ↓ ジェネリック医薬品 =およそ1兆1億円の削減が見込まれる →薬品費としては約5%•減 しかし 医療費=約30兆 ジェネリック医薬品が普及したとしても 医療費自体の削減の割合は低い 老人医療費の現状 医療費の60%近く:65歳以上の高齢者 ↓ 介護の割合を増やすことでの削減への期待 ○ 各国の在宅介護への移行の改革 合理的、効率的な介護 1 デンマーク→ 要介護者のいる15万世帯を約3万1000人の ヘルパーで効率的に介護 ↓ 1:1→1:1/5 2 スウェーデン→エーデル改革と高齢者住宅建設 県の医療と自治体の在宅介護との連携 専門医療が必要な人でもスムーズに住宅介護 同時に、 政府→個人の住宅改造の促進 特別養護老人ホームの改造 高齢者特別住宅の建設 日本の介護施設は年々増加 介護施設の事業数 20000 18000 16000 14000 12000 10000 8000 6000 4000 2000 0 訪問介護 通所介護 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 出所:厚生労働省 〜第3章 まとめ〜 医療から見た削減の可能性 ○ 医療制度改革による削減の可能性 →供給超過を防ぐため、削減の可能性あり。 ○ 薬価の見直しによる削減の可能性 →医療費自体には大幅な削減は難 しかし小幅な削減であれば期待できる。 ○ 現状分析と比較からの削減の可能性 →介護を進めていく上で、削減の可能性あり。 第4章 負担のあり方は 負担額の大幅な削減 ↓ 現状では難しい ↓ では、負担のあり方は現状が適正であろうか ※ 本章でのポイント ○ 企業負担への移行は ○ 個人負担への移行は ○ 今後の負担のあり方について (結論) 企業負担への移行は 社会保険料を事業主が負担 ↓ 企業の人件費増加 ↓ 企業活力の低下 & 産業の空洞化 =保険料の引き上げ困難 となる恐れ ※日本での導入は難しい 個人負担への移行は ○ 年金 スェーデン方式(個人負担重視)へ ○ 特徴 ‥報酬比例年金 =賦課方式のままで拠出と給付を明確化 ‥自動安定化装置 =年金給付の抑制→年金財政安定 ○ 日本への導入に伴う問題点 ‥老後生活への影響 制度面の問題 結論 負担額は大幅な削減が望めな いものの、負担のあり方を個人 負担へと移行することで負担の 小幅な削減は期待できる。 参考文献 • プレゼン当日までには載せます。 • 申し訳ございません。
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