陰極近傍での空間電荷効果 のシミュレーション 高輝度・高周波電子銃研究会 2011年1月11-12日 @広大東広島キャンパス 京都大学エネルギー理工学研究所 増 田 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 開 1 50 kV 300 mA は ま 『エミッタンスって,こんなに減ったり増えたりするの?』 ますだ 『・・・』 は ま 『・・・。 新竹ガン計算してみてよ』 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 2 500 kV 1A その後の変化も カソード近傍で受けた影響で決まっている? カソードのごく近傍でエミッタンスが急激に増大? 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 3 カソード近傍での鏡像の効果 自由空間では... Er r ビームは広がっても エミッタンスは増えない カソードがあると... Er が r に比例しない 正電荷の鏡像 電子ビーム(負電荷) パルスビームだと... Er Er Er 鏡像の影響がヘッドとテイルで異なる 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 4 発 表 内 容 1. コードの概要 ・ 2-D time-domain code ・ 2-D time-independent code 2. DCビームへの鏡像の影響 ・ 課題5-1,5-2 3. パルスビームへの鏡像の影響 ・ 課題5-3 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 5 Basic Equations and Formulations (1/2) charged particle dynamics dK q u E dt dp q E u B dt K m0 c 2 1 : kinetic energy 2 1 1 u c2 p m0 u : momentum 2 p m0 c 2 1 KUBLAI 0 dK qu E dt P r p qA const. u z u cos ur u sin 2 d 1 m0u cos qu B qEz u Br sin qEr u Bz dt m0 u r KUAD2 0 t P r p qA const. W K q const. d 1 dt m0 u 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 u z u cos ur u sin 2 m0u qu B q E u B sin q E u B cos r z z r r 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 6 Basic Equations and Formulations (2/2) beam-induced electromagnetic fields B E t D H J t D B 0 KUBLAI A i 1 E G i c t B H i A i 0 KUAD2 E B H i A i 1 1 2 A i A i s 2 0 J i 2 c t s 1 1 1 2 H i H i s 2 J J i c t 2 s s 1 A i 0 J i s 1 1 H i J J i s s 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 G i 0 s 増田 0 t 開 1 H i c t 7 Common Features in KU-Codes (1/3) FEM with with quadratic curvelinear elements linear elements yi r [m] 1 curvelinear elements highly reproducible of curved boundaries r i z i non-physical beam filamentation z [m] linear quadratic elements r [m] 1 i e-beam yi yj quadratic 0.5 j 0 j i z [m] 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 e-beam 8 Features of KUAD2 Code dc beam only (in electromagnetostatic fields) much faster than KUBLAI for dc beam simulations deal with space-charge limited flow (Child law) electron trajectories input vacuum fields, particle injection particle trajectories beam-induced fields particle injection currents (optional) space-charge-limited current from cathodes secondary electron yield from electrodes rms emittance convergence check output 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 9 Comparison between KUAD2 and KUBLAI much faster convergence by KUAD2 for dc beam simulation KUBLAI time-domain 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 ~1/30 CPU time 京都大学エネルギー理工学研究所 KUAD2 electro-magnetostatic (iterative calc.) dc beam only 増田 開 10 発 表 内 容 1. コードの概要 ・ 2-D time-domain code ・ 2-D time-independent code 2. DCビームへの鏡像の影響 ・ 課題5-1,5-2 3. パルスビームへの鏡像の影響 ・ 課題5-3 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 11 平行平板電極 平行平板電極 2R0 = 2mm @ z = 0 拡大 40 A/cm2 5 MV/m 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 12 40 A/cm2 5 MV/m 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 13 加速 → 密度が進行方向に非一様 → Er がr に非線形 電極ありの場合より むしろ増えている 40 A/cm2 5 MV/m 電極なし 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 14 40 A/cm2 0 MV/m 電極なし 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 (10 keV入射) 15 鏡像によるエミッタンス 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 40 A/cm2 0 MV/m 電極あり (10 keV入射) 16 陰極のごく近傍でエミッタンスが増大 (加速+鏡像) ・・・互いに影響を打ち消す? → ベンチマーク課題5-2 鏡像(陰極=dirichlet境界)が無くても, ゼロエネルギーから加速するだけで増加 (→ ベンチマーク課題2) 加速しなくても,dirichlet境界があると,増える (鏡像のみによるエミッタンス増) → ベンチマーク課題5-1 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 17 課題5-1 加速電界なしで、DCビームへの鏡像の影響を調べる。 ・カソード z=0平面、完全導体 ・加速電場 ・ビームサイズ ・エネルギー なし φ2mm table top @ z=0 10 keV @ z=0 (値に特に意味はない) ・電流密度 40 (, 80, 160) A/cm @ z=0 2 ◆ 0 < z < 10 mm のエミッタンスの発展 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 18 課題5-1の結果 ~エミッタンスの定義~ J0 = 40 A/cm2 norm. rms emittance [ mm mrad] 0.05 エミッタンスの定義 [ m rad] 0.04 n,r 2 0.03 [ m rad] 0.02 0.01 0.00 [rad] r 2 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 longitudinal distance, z [mm] 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 軸対称の場合 増田 開 19 課題5-1の結果 2.00 5 1.75 radial beam size, R [mm] norm. rms emittance, <>r/2 [ mm mrad] ~電流密度による変化~ 1.50 1.25 160 A/cm2 1.00 0.75 0.50 80 0.25 0.00 40 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 京都大学エネルギー理工学研究所 80 2 40 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 longitudinal distance, z [mm] longitudinal distance, z [mm] 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 3 0 10 160 A/cm2 4 増田 開 20 課題5-2 DCビームへの、陰極近傍での空間電荷効果を調べる。 ・カソード z=0平面、完全導体 ・加速電場 ・ビームサイズ ・エネルギー 10, 20, 40, 80 MV/m (DC、一様、z成分のみ) φ2mm table top @ z=0 0 eV @ z=0 ・電流密度 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 2 10, 20, 40, 80, 160 A/cm @ z=0 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 21 20 MV/m 10 A/cm2 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 22 20 MV/m 20 A/cm2 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 23 20 MV/m 40 A/cm2 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 24 20 MV/m 80 A/cm2 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 25 20 MV/m 160 A/cm2 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 26 norm. rms r-emittance, n,r 2 @ z = 1 mm [ mm mrad] 10 20 A/cm2 05 MV/m 0.11 0.22 40 80 0.43 S.C.L. S.C.L. 10 0.056 0.11 0.22 0.44 0.82 20 0.028 0.056 0.11 0.23 0.45 40 0.014 0.029 0.057 0.11 0.23 80 0.0074 0.015 0.029 0.059 0.12 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 160 27 陰極近傍(z<1 mm : 2R0=2mmの場合)でエミッタンスが増大 (エミッタンス@z=1mm) ∝ (電流密度)/(電界) ? 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 28 5 MV/m 40 A/cm2 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 29 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 30 5 MV/m 40 A/cm2 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 31 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 32 5 MV/m 40 A/cm2 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 33 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 34 陰極近傍(z<1 mm)の空間電荷効果で, 電流密度分布 が 一様ではなくなり, 陰極を離れた後の エミッタンスの増減 に影響 ? 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 35 課題5-2 DCビームへの、陰極近傍での空間電荷効果を調べる。 ・カソード z=0平面、完全導体 ・加速電場 ・ビームサイズ ・エネルギー 10, 20, 40, 80 MV/m (DC、一様、z成分のみ) φ2mm table top @ z=0 0 eV @ z=0 2 ・電流密度 10, 20, 40, 80, 160 A/cm @ z=0 ◆ 電流密度と加速電界の20通りの組み合わせについて,z=1mmで のエミッタンス 2 ◆ 160 A/cm で 20, 80 MV/m のときの,0<z<50 mm のエミッタンス の発展 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 36 課題5-2の結果 norm. rms r-emittance, r 2 @ z = 1 mm [ mm mrad] 10 20 A/cm2 10 MV/m 0.056 0.11 40 80 160 0.22 0.43 0.74 20 0.028 0.056 0.11 0.22 0.44 40 0.014 0.029 0.057 0.11 0.23 80 0.0074 0.015 0.029 0.059 0.12 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 37 norm. rms emittance, <>r/2 [ mm mrad] 課題5-2の結果 J0 = 160 A/cm2 0.25 0.20 20 MV/m 0.15 0.10 0.05 0.00 80 MV/m 0 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 longitudinal distance, z [mm] 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 38 発 表 内 容 1. コードの概要 ・ 2-D time-domain code ・ 2-D time-independent code 2. DCビームへの鏡像の影響 ・ 課題5-1,5-2 3. パルスビームへの鏡像の影響 ・ 課題5-3 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 39 time-domain code 20 MV/m 160 A/cm2 DCビーム 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 40 time-independent code 20 MV/m 160 A/cm2 DCビーム 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 41 課題5-3 パルスビームへの、陰極近傍での空間電荷効果を調べる。 ・カソード z=0平面、完全導体 ・加速電場 ・ビームサイズ ・エネルギー 20 MV/m (DC、一様、z成分のみ) φ2mm table top @ z=0 0 eV @ z=0 ・パルス長 5, 10, 20, 40 psec @ z=0 ・電流密度 / 電荷 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 2 160 A/cm @ z=0 0.1 nC @ z=0 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 42 20 MV/m 160 A/cm2 20 psec (0.1 nC) 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 43 全粒子 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 @ z = 50 mm 44 #1 / 8 (先頭) 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 @ z = 50 mm 45 @ z = 50 mm #2 / 8 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 46 @ z = 50 mm #3 / 8 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 47 @ z = 50 mm #4 / 8 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 48 @ z = 50 mm #5 / 8 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 49 @ z = 50 mm #6 / 8 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 50 @ z = 50 mm #7 / 8 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 51 #8 / 8 (最後尾) @ z = 50 mm 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 52 全粒子 @ z = 50 mm 中 後 先 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 53 パルスの先頭と最後尾が受ける鏡像の効果は異なるが, カソードを離れた後の空間電荷効果の影響の方が大き い? 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 54 課題5-3 加速電界なしで、代わりに初速度を持たせて、DCビームへの鏡像の 影響を調べる。 ・カソード z=0平面、完全導体 ・加速電場 ・ビームサイズ ・エネルギー 20 MV/m (DC、一様、z成分のみ) φ2mm table top @ z=0 0 eV @ z=0 ・パルス長 5, 10, 20, 40 psec @ z=0 ・電流密度 / 電荷 160 A/cm @ z=0 0.1 nC @ z=0 2 ◆ 各計算条件で,z=50mmでのエミッタンス ◆ 20psec,0.1nCで,z=50mmでの位相空間分布 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 55 norm. rms r-emittance [ mm mrad] 課題5-3の結果 20 MV/m 2.0 2 160 A/cm 0.1 nC 1.5 1.0 0.5 2 DC, 160A/cm 0.0 0 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 10 20 30 pulse length [psec] 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 40 56 課題5-3の結果 中 後 先 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 57 ま と め 陰極近傍(z<1mm:2R0=2mmの場合)でエミッタンスが増大. (エミッタンス@z=1mm) と (電流密度)/(電界) の関係 同時に,横方向の電流密度分布が一様ではなくなり, カソードを離れた後のエミッタンスの発展に影響する. パルスの先頭と最後尾が受ける鏡像の影響は異なるが, カソードを離れた後の空間電荷効果の影響の方が大きい. パルスだと,DCに比べて最大で約3倍,エミッタンス増 (0.1nC,20MV/m) 高輝度・高周波電子銃研究会2011/1/11-12 京都大学エネルギー理工学研究所 増田 開 58
© Copyright 2024 ExpyDoc