電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 2(2014年4月) 本実験DのWebpage: http://www.smapip.is.tohoku.ac.jp/~kazu/ECEI-ExperimentD/2014/ 東北大学 大学院情報科学研究科 田中 和之 [email protected] http://www.smapip.is.tohoku.ac.jp/~kazu/ April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 1 本講義の参考文献 田中和之著: 確率モデルによる画像処理技術入門, 森北出版, 2006. 田中和之著: ベイジアンネットワークの統計的推論の数理, コロナ社, 2009. 田中和之編著: 臨時別冊・数理科学SGCライブラリ「確率的情報処理と統計 力学 ---様々なアプローチとそのチュートリアル」, サイエンス社,2006. 安田宗樹, 片岡駿,田中和之共著 (分担執筆): ---CVIMチュートリアルシリー ズ--- コンピュータビジョン最先端ガイド3(八木康史,斎藤英雄編), 第6章.大 規模確率場と確率的画像処理の深化と展開,pp.137-179, アドコム・メディア 株式会社, December 2010. Kazuyuki Tanaka: Statistical-mechanical approach to image processing (Topical Review), Journal of Physics A: Mathematical and General, vol.35, no.37, pp.R81-R150, 2002. C. M. Bishop: Pattern Recognition and Machine Intelligence, Springer, 2007. M. Opper and D. Saad: Advanced Mean Field Method, MIT Press, 2001. H. Nishimori: Statistical Physics of Spin Glasses and Information Processing, --An Introduction---, Oxford University Press, 2001. M. J. Wainwright and M. Jordan: Graphical Models, Exponential Families, and Variational Inference (Foundations and Trends® in Machine Learning), Now Publishers, 2008. M. Mezard and A. Montanari: Information, Physics, and Computation, Oxford University Press, 2009. April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 2 Contents 1. 2. 3. 4. 5. 6. April, 2014 序論:確率的情報処理とベイジアンネットワーク 確率の基礎知識 確率的計算技法の基礎 ---マルコフ連鎖モンテカルロ法と確率伝搬法--確率的画像処理とベイジアンネットワーク ---マルコ フ確率場と確率伝搬法--確率推論とベイジアンネットワーク---グラフィカルモ デルと確率伝搬法--まとめ 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 3 試行と標本空間と事象 試行 (Experiment) :ある操作を行って得られる可能性のあ る結果の全体はわかっているが,そのうちのいずれかが得ら れるかは予知できない操作 標本点 (Sample Point):試行の結果得られる可能性のある 個々の結果 標本空間 (Sample Space):標本点の全体集合 事象 (Event):標本空間の部分集合 根元事象 (Elementary Event):1個の標本点だけからなる事象 空事象 (Empty Event):標本点がない事象 April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 4 試行と標本空間と事象 「サイコロを1回振る」 という試行の例 April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 5 全事象・余事象と差事象 「3の目がでない」 という事象は 「3の目がでる」 という事象の余事象 「3の目がでない」 という事象は 全事象と「3の目がでる」 という事象の差事象 April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 6 和事象 「奇数の目がでる」 という事象は 「1の目がでる」 という事象と 「3または5の目がでる」 という事象の和事象 April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 7 積事象 「3または4の目がでる」 という事象は 「4以下の目がでる」 という事象と 「3以上の目がでる」と いう事象の積事象 April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 8 空事象 「3以下の目がでる」 という事象と 「4以上の目がでる」と いう事象の積事象は空 事象である. 「3以下の目がでる」 という事象と 「4以上の目がでる」と いう事象は互いに排反 であるという. April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 9 様々の事象のまとめ 全事象: W 事象 A の余事象(Complementary Event): Ac=W╲A 事象 A と B の差事象: A╲B 事象 A と B の和事象 (Union of Event): A∪B 事象 A と B の積事象 (Intersection of Event): A∩B 事象 A と B が互いに排反 (Disjoint): A∩B=f 事象 A, B, C が互いに排反 (Disjoint): [A∩B=f]Λ[B∩C=f]Λ[C∩A=f] April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 10 確率の定義 Laplace による定義: 起こりうる標本点の総数が N 個あり, それらは同様に確からしい(Equally Likely)と仮定する. ある事象Aの標本点の個数が n 個であれば事象 A の起 こる確率(Probability) は p=n/N と定義する. 統計的定義: ある試行を R 回繰り返し行う.事象 Aの起 こる回数を r とする.試行の回数 R を増やしていくとき, r/R が一定の値 p に近づくならば,事象 A の起こる確率 (Probability) を p と定義する. r p R Pr A = p R April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 11 確率の定義 Kolmogorov による定義: 標本空間Ωから定義される任意 の事象 A に対して確率 (Probability) Pr{A} は次の3つの 公理を満たすものとして定義される. 確率の公理1. 任意の事象 A に対して PrA 0 確率の公理2. 全事象Ωに対して PrW = 1 確率の公理3. 任意の2つの互いに排反な事象 A, B に対して PrA B = PrA PrB April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 12 確率の定義 公理2. 全事象Ωに対して April, 2014 PrW = 1 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 13 確率の定義 公理3. 任意の2つの互いに排反な事象 A, B に対して PrA B = PrA PrB April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 14 結合確率と条件付き確率 事象Aの起こる確率 Pr{A} 事象 A と事象 B の結合確率 PrA, B = PrA B 条件付き確率と結合確率 PrA, B PrB A PrA PrA, B = PrB APrA April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] A B 15 結合確率と事象の独立性 事象 A と事象 B が互いに独立である PrA, B = PrAPrB 事象 A と事象 B が互いに独立であるときの 条件付き確率 PrB A= PrB April, 2014 A A B B 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 16 周辺確率 標本空間Ωが互いに排反である M 個の事象 A1,A2,…,AM によって Ω=A1∪A2∪…∪AM と表されるとき PrB = PrAj , B M j =1 結合確率 Pr{Ai,B} における事象 B の 周辺確率 (Marginal Probability) 簡略表記 PrB = PrA, B A Ai B 周辺化 A B 事象 A の取り得るすべての互いに排反な事象についての和 April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 17 結合確率と周辺確率 事象 B の周辺確率 PrB = PrA, B, C, D A 周辺化 April, 2014 C D A B C D 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 18 ベイズの公式の導出 PrA, B = PrA BPrB April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 19 ベイズの公式の導出 PrA, B = PrA BPrB PrA, B = PrB APrA April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 20 ベイズの公式の導出 PrA, B = PrA BPrB PrA, B = PrB APrA PrA, B PrA B = PrB April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 21 ベイズの公式の導出 PrA, B = PrA BPrB PrA, B = PrB APrA PrA, B PrB APrA PrA B = = PrB PrB April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 22 ベイズの公式の導出 PrA, B = PrA BPrB PrA, B = PrB APrA P rA, B P rB AP rA P rA B = = P rB P rB = PrB = A April, 2014 P rB AP rA P rA, B PrA, B A 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 23 ベイズの公式の導出 PrA, B = PrA BPrB PrA, B = PrB APrA P rA, B P rB AP rA P rA B = = P rB P rB = PrB = P rB AP rA = P rB AP rA P rA, B P rB AP rA PrA, B A A A April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 24 ベイズの公式の導出 PrA, B = PrA BPrB A PrA, B = PrB APrA B P rA, B P rB AP rA P rA B = = P rB P rB = PrB = P rB AP rA = P rB AP rA P rA, B P rB AP rA PrA, B A A A April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 25 ベイズの公式 (Bayes Formula) PrA B = PrB APrA PrB APrA 事前確率 (A Priori Probability) A 事後確率 (A Posteriori Probability) Bayes 規則 (Bayes Rule) とも言う. A B ベイジアンネットワーク April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 26 ベイズの公式による確率的推論の例 A 教授はたいへん謹厳でこわい人で,機嫌の悪いときが 3/4 を占め, 機嫌のよい期間はわずかの 1/4 にすぎない. 教授には美人の秘書がいるが,よく観察してみると,教授の機嫌の よいときは,8 回のうち 7 回までは彼女も機嫌がよく,悪いのは 8 回中 1 回にすぎない. 教授の機嫌の悪いときで,彼女の機嫌のよいときは 4 回に 1 回で ある. 秘書の機嫌からベイズの公式を使って教授の機嫌を確率的に推論 することができる. 甘利俊一:情報理論 (ダイヤモンド社,1970) より April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 27 ベイズの公式による確率的推論の例(2) 教授は機嫌の悪いときが 3/4 を占め,機嫌のよい期間はわずかの 1/4 にすぎない. 教授の機嫌のよいときは,8 回のうち 7 回までは彼女も機嫌がよく, 悪いのは 8 回中 1 回にすぎない. 教授の機嫌の悪いときで,彼女の機嫌のよいときは 4 回に 1 回である. April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 28 ベイズの公式による確率的推論の例(2) 教授は機嫌の悪いときが 3/4 を占め,機嫌のよい期間はわずかの 1/4 にすぎない. 1 Pr教授機嫌良い = 4 3 Pr教授機嫌悪い = 4 教授の機嫌のよいときは,8 回のうち 7 回までは彼女も機嫌がよく, 悪いのは 8 回中 1 回にすぎない. 7 Pr秘書機嫌良い 教授機嫌良い = 8 教授の機嫌の悪いときで,彼女の機嫌のよいときは 4 回に 1 回である. Pr 秘書機嫌良い 教授機嫌悪い = April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 1 4 29 ベイズの公式による確率的推論の例(3) Pr秘書機嫌良し Pr秘書機嫌良し 教授機嫌悪い Pr教授機嫌悪い = Pr 秘書機嫌良し 教授機嫌良し Pr教授機嫌良し April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 30 ベイズの公式による確率的推論の例(3) Pr秘書機嫌良し Pr秘書機嫌良し 教授機嫌悪い Pr教授機嫌悪い = Pr 秘書機嫌良し 教授機嫌良し Pr教授機嫌良し 1 Pr 教授機嫌良い = Pr教授機嫌悪い = 4 Pr 秘書機嫌良い 教授機嫌悪い = April, 2014 3 4 1 7 Pr 秘書機嫌良い 教授機嫌良い = 4 8 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 31 ベイズの公式による確率的推論の例(3) P r秘書機嫌良し P r秘書機嫌良し 教授機嫌悪い P r教授機嫌悪い = P r 秘書機嫌良し 教授機嫌良し P r教授機嫌良し 7 1 1 3 13 = = 8 4 4 4 32 1 Pr 教授機嫌良い = Pr教授機嫌悪い = 4 Pr 秘書機嫌良い 教授機嫌悪い = April, 2014 3 4 1 7 Pr 秘書機嫌良い 教授機嫌良い = 4 8 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 32 ベイズの公式による確率的推論の例(4) P r 教授機嫌良し 秘書機嫌良し 7 1 P r 秘書機嫌良し 教授機嫌良し P r教授機嫌良し 8 4 7 = = = 13 P r秘書機嫌良し 13 32 7 Pr 秘書機嫌良い 教授機嫌良い = 8 Pr教授機嫌良い = 1 4 13 Pr秘書機嫌良い = 32 April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 33 確率と確率変数 各事象に番号を割り 当て,その番号に対 する変数を導入する. この変数を確率変数 (Random Variable) という. 「奇数の目がでる」 という事象に「X=1」 という等式を対応さ せることができる. April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 34 確率と確率変数 標本空間から構成されたすべての事象 A に実数値 X(A) を1対1対応させる写像を考える.この写像 X(A) を 事象 A の確率変数 (Random Variable) という.通常, 確 率変数 X(A) は A を省略し,単に X と表される. 確率変数 X が実数値 x をとる事象 X=x の確率を Pr{X=x} と表す.このとき x をその確率変数の実現値ま たは状態 (State)という.起こりうる状態の集合を状態空 間 (State Space)という. 2つの事象X=x および X=x’ が互いに排反であるとき状 態 x と状態 x’ は互いに排反であるという. April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 35 離散確率変数と連続確率変数 離散確率変数 (Discrete Random Variable): 離散的な状態空間をもつ確率変数 例:{x1,x2,…,xM} 連続確率変数 (Continuous Random Variable): 連続的な状態空間をもつ確率変数 例:(−∞,+∞) April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 36 離散確率変数と確率分布 標本空間Ωが互いに排反である M 個の事象 A1,A2,…,AM によって Ω=A1∪A2∪…∪AM と表され,確率変数 X がM 個 の状態 x1,x2,…,xM を用いて1対1対応の写像 X(Ai)=xi (i=1,2,…,M) により定義されるとき すべて事象 X=x1, X=x2,…, X=xM の起こる確率 が変数 x の関数 P(x) を用いて PrX = x = Px x = x1 , x2 ,, xM 確率変数 状態変数 状態 と表されるとき, P(x) を確率変数 X の確率分布 (Probability Distribution) ,x を状態変数 (State Variable) という. April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 37 離散確率変数の確率分布の性質 いずれも確率の公理1,2,3から導かれる. 0 Pxi 1 i = 1,2,, M M P x = 1 i =1 i 規格化条件(Normalization Condition) April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 38 離散確率変数の期待値と分散 確率変数 X の期待値 (Expected Value,平均: Average)μ M = E[X = xi Pxi i =1 確率変数 X の分散 (Variance) σ2 M = V [X = xi Pxi 2 2 i =1 σ:標準偏差 (Standard Deviation) April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 39 離散確率変数の結合確率分布 2種類の確率変数 X, Y に対して,事象 X=x と事象 Y=y 結 合事象 (X=x)∩(Y=y)の起こる確率 Pr{(X=x)∩(Y=y)}= Pr{X=x,Y=y} が関数 P(x,y) を用いて PrX = x, Y = y = Px, y と表されるとき, P(x,y) を確率変数 X と Y の結合確 率分布 (Joint Probability Distribution) という. X Y April, 2014 確率ベクトル変数 x y 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 状態ベクトル変数 40 離散確率変数の周辺確率分布 標本空間Ωが互いに排反である M 個の事象 A1,A2,…,AM によって Ω=A1∪A2∪…∪AM と表され,離散確率変数 X がM 個の実数値 x1,x2,…,xM を用いて1対1対応の写像 X(Ai)=xi (i=1,2,…,M) により定義 されるとき M 確率変数 Y の 周辺確率分布 (Marginal Probability Distribution) PY y = Pxi , y i =1 PY y = Px, y 簡略表記 x 状態空間における互いに排反な取り得るすべての状態 x についての和 P( x, y) = 1 x April, 2014 y 規格化条件 (Normalization Condition) 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 41 離散確率変数の周辺確率分布 より高次元への拡張 確率変数 Y の周辺確率分布 (Marginal Probability Distribution) PY y = Px, y, z, u x 周辺化 (Marginalize) April, 2014 z u X Y Z U 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 42 離散確率変数の独立性 確率変数 X と Y が互いに独立である: Px, y = PxP y 確率変数 X と Y の結合確率分布 確率変数 Y の 周辺確率分布 April, 2014 確率変数 Y の確率分布 確率変数 X の確率分布 PY y = Px, y = P y x 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 43 離散確率変数の共分散 確率変数 X と Y の共分散 (Covariance) Cov[X , Y = xi X y j Y Pxi , y j M N i =1 j =1 X E[ X ] = xi Pxi , y j Y E[Y ] = yi Pxi , y j M M N i =1 j =1 i =1 j =1 Cov[X , X ] = V [ X ] 共分散行列 (Covariance Matrix) April, 2014 N Cov[Y , Y ] = V [Y ] Cov[X , Y ] V[ X ] R = V[Y ] Cov[Y , X ] 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 44 離散確率変数の確率分布の例 expax x = 1 P( x) = 2 cosha E[X = tanha E[X] V[X = 1 tanha 2 April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 0 a 45 離散確率変数の結合確率分布の例 expaxy x = 1, y = 1 P ( x, y ) = 4 cosha E[X = 0 V[X = 1 Cov[X , Y ] = E[XY Cov[X,Y] 0 a = tanha April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 46 離散確率変数の条件付き確率分布の例 2元対称通信路の 条件付き確率分布 1 x , y P( y x) = p x = 1, y = 1 expaxy 1 p = 2 cosha x,y 1 1 p a ln 2 p April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 47 連続確率変数の確率 確率変数 X の状態空間 (−∞,+∞) において状態 x が区 間 (a,b) にある確率 Pra X b = Pr X b Pr X a X の分布関数 F x Pr X x 確率変数 (Distribution Function) Pra X b = F b F a = x dx b a 確率変数 X の確率密度関数 (Probability Density Function) April, 2014 dF x x dx 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 48 連続確率変数の確率密度関数の性質 x 0 x x dx = 1 規格化条件(Normalization Condition) April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 49 連続確率変数の期待値と分散 確率変数 X の期待値 (平均) = E[X = x x dx 確率変数 X の分散 = V [X = 2 April, 2014 x x dx 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 2 50 連続確率変数の結合確率密度関数 確率変数 X と Y の状態空間 (−∞,+∞) において状 態 x と y が区間 (a,b)×(c,d) にある確率 Pra X b c Y d = d c b a x, y dxdy 結合確率密度関数 (Joint Probability Density Function) x, y dxdy = 1 April, 2014 規格化条件 (Normalization Condition) 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 51 連続確率変数の周辺確率密度関数 Y y = x, y dx 確率変数 Y の 周辺確率密度関数 (Marginal Probability Density Function) April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 52 連続確率変数の独立性 確率変数 X と Y が互いに独立である: x, y = 1 x2 y 確率変数 X と Y の 結合確率密度関数 確率変数 Y の 周辺確率密度関数 April, 2014 確率変数 Y の確率密度関数 確率変数 X の確率密度関数 Y y x, y dx = 2 y 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 53 連続確率変数の共分散 確率変数 X と Y の共分散 (Covariance) Cov[X , Y = x y x, y dxdy X X E[ X ] = Y E[Y ] = Cov[X , X ] = V [ X ] 共分散行列 (Covariance Matrix) April, 2014 Y x x, y dxdy y x, y dxdy Cov[Y , Y ] = V [Y ] Cov[X , Y ] V[ X ] R = V[Y ] Cov[Y , X ] 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 54 一様分布 U(a,b) 一様分布 (Uniform Distribution) の確率密度関数 b a x = 0 1 x a, b x ab E[ X = 2 2 b a V[X = 12 April, 2014 a x b p(x) (b-a)-1 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 0 a b x 55 ガウス分布(正規分布) N(μ,σ2) 平均μ,分散σ2 のガウス分布 (Gaussian Distribution) の確率密度関数 >0 1 2 x = exp 2 x x 2 p(x) 2 2 1 E[X = V[X = 平均と分散はガウス積分の公式 (Gaussian Integral Formula) から導かれる 2 0 μ x 1 2 exp 2 d = 2 April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 56 多次元ガウス分布 2次元ガウス分布 (Two-Dimensional Gaussian Distribution) の確率密度関数 1 x X 1 x, y = exp x X , y Y C y Y 2 2 det C 2 1 x , y 行列 C が共分散行列になる. 行列 C は正定 値の実対称行 列 Cov[X , Y ] V[ X ] = C V[Y ] Cov[Y , X ] d 次元ガウス積分の公式から導かれる 1 1 exp 2 C d = 2 d det C 一般の次元への拡張も同様 April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 57 大数の法則 X1,X2,...,Xn は平均 , 分散 2 の互いに独立な同一の確 率変数であるとき Yn 1 ( X 1 X 2 X n ) (n ) n 中心極限定理 X1,X2,...,Xn は平均 , 分散 2 の互いに独立な同一の確率 変数であるとき Yn 1 ( X1 X 2 X n ) n は n が大きいとき平均 , 分散 2/n の正規分布に従う. April, 2014 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 58 確率の基礎知識のまとめ a. b. c. d. e. f. g. h. i. April, 2014 事象と確率 結合確率と条件付き確率 ベイズの公式と事前確率,事後確率 離散確率変数と確率分布 連続確率変数と確率密度関数 期待値,分散,共分散 一様分布 ガウス分布 大数の法則と中心極限定理 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 2] 59
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