経済原論IA 第11回 西村「ミクロ経済学入門」 第12章 市場機構の限界 京都大学経済学部 依田高典 1 1. 市場の失敗 ・ 限界費用価格形成ができない ・ 市場以外の相互依存 (1) (2) (3) (4) (5) 独占(および寡占) 平均費用逓減 技術的外部性 公共財 情報の不完全性 (13章) 2 2. 独占 π(y)=p1(y)y-c1(y) ∂π(y)/∂y=(p1’y+p)-MC1=0 (p1’y+p1)=MC1 p1=MC1/(1-1/Ed)>MC1 p2=MC2 P1/P2>MRT 市場価格比≠限界変形率 3 3. 平均費用逓減 固定費用巨額 平均費用の逓減産業 自然独占傾向 独占企業 生産量を過小に 価格を高めに 政府規制 公企業 赤字補助金 4 4. 外部効果 ある経済主体の経済活動が、他の経済主体の状態に及ぼす効 果 好ましい効果:外部経済 好ましくない効果:外部不経済 市場価格を経由した外部効果:金銭的外部効果 他の経済主体の効用関数や生産関数に直接影響:技術的外部 効果 高速道路と地主にとっての地価上昇:金銭的外部経済 高速道路と地域住民の環境悪化:技術的外部不経済 5 5. 社会的限界費用 企業A 工場排水を川に放出 水質悪化 企業B 水の浄化費用発生 企業Aの私的費用 MCA 企業Bの社会的費用 SMCA 私的均衡点:E DDとMCAの交点 社会的均衡点:E* DDとSMCAの交点 厚生損失 E*CE 6 7 7. 政府の介入、外部効果の内部化 政府がt=E*Fだけ課税 社会的最大化生産量YA*達成 私的限界費用MCA+tと社会的限界費用SMCAが一致 政府がt=E*Fだけ補助金 社会的最大化生産量YA*達成 私的機会費用MCA+tと社会的限界費用SMCAが一致 コースの定理:自発的交渉の結果、外部経済の発生者あるい は受け手のどちらが相手に貨幣を支払うとしても、社会高 精細代価生産量を達成可能 発生者Aが受け手Bに対価を支払う 課税と同じ効果 受け手Bが発生者Aに対価を支払う 補助金と同じ効果 「取引(交渉)費用」の問題 8 A (pA - t)YA - C A (YA ) B pBYB - C B (Y B ,YA ) tYA FOC : A pA - t MC B PB MC pA MC t MC MRT* B B pB MC MC A A 9 8. 公共財 消費の外部効果: ・友人のビデオへの羨望 ・近所の庭の観賞 ・隣家のクーラーの騒音 公共財: ・非競合性:全員が同時に同じ量を消費できる ・非排除性:他の人の消費を排除できない 「フリーライダー問題」 純公共財と準公共財: ・高速道路:排除可能性 ・公園:競合性 10 u A u A (y1A , y2A ), u B u B (y1A , y2B ) MAX W(u A (y1A ,y2A ), u B (y1A ,y2B )) A A B 1 , 2 2 )0 s.t. F(y y y FOC : u A (y1A , y2A ) / y1A u A (y1A , y2A ) / y1A F(y1A ,y2A y2B ) / y1A A A A A A A A B u (y1 , y2 ) / y2 u (y1 , y2 ) / y2 F(y1A ,y2A y2B ) / (y2A y2B ) MRS MRS MRT A B 11
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