放送論 テレビ放送と視聴者 担当者:有馬 明恵 1.授業の目標と概要 2.授業スケジュール 3.授業の進め方と受講上の注意 4.成績評価の方法 5. テレビ放送について学ぶ意義 1 1.授業の目標と概要 ・テレビ産業の構造的特徴を理解する。 ・そのうえで、テレビ番組の内容とその影響を 考察する。 ・特にテレビが構築する「集合的記憶」につい て検討する。 ・以上を踏まえ、テレビとどう付き合っていけ ばよいかを考えてほしい。 2 2.授業スケジュール ※基本的にシラバスにしたがって授業を行う。 第1回:ガイダンス+テレビ放送について学ぶ 意義 第2~5回:放送産業の特徴(産業構造、制度、技 術、視聴率他) 第6~7回:日本のテレビ放送の歴史 ⇒中間テスト 第8~14回:テレビと記憶 ⇒期末テスト 3 3.授業の進め方と受講上の注意 ・基本的にシラバス記載のスケジュールを教科書 『新現場からみた放送学』(学文社) 『テレビという記憶』(新曜社) に依拠しながら進める。 ・ただし、プリント教材、ビデオ・DVD教材なども 活用する。 ・講義形式が主となるが、履修者が積極的に授業に 関われる課題も授業中に適宜行う。 ・受講時は、①周囲への迷惑行為(e.g. おしゃべ り)、②大学生としてあるまじき行為、は慎むこ と。 ・上手に“ノート”をとること。ノート備忘録として http://lab.twcu.ac.jp/arima/を参照してもよい。 4 4.成績評価の方法 ◆授業時に行う課題と中間・期末テストを総合 的に評価する。 課 題 = 20% 中間・期末テスト=80% ※60点以上が単位取得の条件となる。 ※授業や教科書の内容を自分自身の体験や社会 的出来事に関連づけ、日ごろから考えるよう にしてほしい。 ※授業で取り上げた内容で興味を持ったものに ついては、図書館で関連文献等を調べるよう にしてほしい。 5 5.テレビ放送について学ぶ意義 Q1:1日にどれぐらいの時間テレビを視ています か? 平日:3時間28分(89%) 土曜:3時間44分(88%) 日曜:4時間9分(89%) 行為者率・接触時間とも突出している(図1・図2参 照)。 →詳しくはNHK放送文化研究所(編)「日本人の生活時 間・2010」を参照 ガーブナーら(1986)は、「テレビは我々の日常生 活の一部となっている」と述べた。 実際、日常性の極めて高いメディアとなってい る。 6 7 表1 各メディアの接触時間 平 日 テレビ 土 曜 3時間28分 3時間44分 日 曜 4時間9分 ラジオ 20分 19分 15分 新聞 19分 21分 19分 ビデオ,DVD 15分 20分 20分 7分 8分 10分 雑誌・漫画・本 13分 14分 15分 インターネット 23分 29分 31分 CD,MD,テープ 8 Q2:どんなときにテレビを視ますか? 世の中の出来事を知るため(=道具的) 語学などの勉強のため(=道具的) 好きな俳優が出るドラマを見るため(=快 楽・欲求) 暇つぶし? 友人と会話するため(=対人関係) つまり、テレビは ①我々が社会的現実を構成するために利用でき る手っ取り早い装置。 ②社会化や日常的な情報の情報源。 ③労力や高度な能力がなしに情報を得られるメ ディア。 9 したがって、 “テレビがある生活”においてテレビが私たち に及ぼす影響は大きいと考えられる。 “テレビがない生活”ではなく“テレビがある 生活”の良い点・悪い点を考え、テレビと上 手に付き合っていく方法や姿勢を考案してい くことは、非常に意義のあるではないか。 10 参考文献 Gerbner, G., Gross, L., Morgan., M. & Signorielli, N. (1986) Living with television: The dynamics of the cultivation process. In J. Bryant & D. Zillman (Eds.), Perspectives on Media Effects. Hillsdale, NJ: Lawrence Erlbaum Associates, Ppublishers. Pp. 17-48. Gerbner, G., Gross, L., Morgan., M., Signorielli, N. & Shanahan, J. (2002) Growing up with television: Cultivation Perspective. In J. Bryant & D. Zillman (Eds.), Media Effects; Advances in Theory and Research (2nd ed.). Mahwah, NJ: Lawrence Erlbaum Associates. Pp. 43-67. 小林利行・諸藤絵美・渡辺洋子 (2011) 日本人の生活 時間・2010~減少を続ける睡眠時間、増える男性の 家事~ 放送研究と調査 61(4), 2-21. NHK放送文化研究所 (2011) 2010年国民生活時間調 査報告書 (http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/yoron/lifetime/pdf/ 110223.pdf) 11
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