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大阪府介護保険の広域化に関する研究会
報告書
平成24年8月
Ⅰ 介護保険制度の現状と課題
1
Ⅰ-1 現行の介護保険制度における役割分担
市町村を主とした現行の介護保険制度
市町村・特別区
(制度の運営主体)
主な役割 ①介護保険事業の実施(特別会計、
都道府県
(市町村の支援)
国
(ナショナルスタンダードの設定)
①保険者に対する助言・指導
保険料設定(事業計画策定) 、要介護認定、 ②財政安定化基金の設置、審査請求の処理
保険給付、保険料賦課・徴収等)
③介護サービス(施設・居宅)の基盤整備
②介護サービス(地域密着型)の基盤整備
(指定・指導・補助金誘導)
③費用負担
財源負担
(指定・指導・補助金誘導)(政令中核市も同様)
①制度全体の仕組みの設定
②基準の設定(一部地方公共団体へ)
③安定的な財政運営の支援
④費用負担
④費用負担
介護給付費:12.5%
財政安定化基金:1/3
地域包括ケアシステムの構築
介護給付費:12.5%(※17.5%)
財政安定化基金:1/3
※は施設等給付の場合の負担割合である。
*高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、
医療・介護・介護予防・生活支援・住まいのサービスを適切に組み合わせ提供する
体制(地域包括ケアシステム)を構築するには、日常生活圏域(概ね中学校区単位)
のニーズを保険者が把握し、それに基づきサービス供給を定めることとなっている。
介護給付費:25%(※20%)
財政安定化基金:1/3
※は施設等給付の場合の負担割合である。
・どの圏域に
・どのようなニーズをもった高齢者が
・どの程度生活しているのか
地域の課題や必要となるサービスを把握・分析
して、介護保険事業計画を策定
保険者の権限強化・地方分権による権限移譲
*介護保険法の改正により、市町村による主体的な取組が強化
*大阪版地方分権制度に基づく権限移譲(居宅サービス等の指定・指導等)
*地域主権一括法に基づく大都市特例制度による権限移譲
日常生活圏域
府市統合の動き
*大阪府・大阪市にあっては、新たな大都市制度の検討が進められているが、その場合、
新たに設置される特別区が介護保険の保険者としての役割を担うこととなる。
*超高齢社会を見通し、より強固な財政基盤による運営や高齢者の居住流動に適応できるよう、
新たな大都市制度における介護保険制度の運営を見直す必要。
2
Ⅰ-2 現行の介護保険制度における課題
今後の制度の持続可能性が大きな課題
保険料や財政負担の増加
*高齢化の進展に伴い保険料や財政負担が増加の一途をたどっており、今後さらに伸びる見込み。
*8割以上の人が介護サービスを利用していない現状で、将来も保険料が上昇し続けると、住民の負担感が大きい。
*交通網が整備され生活圏・経済圏に大きな差が無い大都市圏では、市町村間で保険料に格差があることや、
地域密着型サービスなどの利用できるサービスに制限があることに不公平感がある。
*特養の入所申込者は増加しつづけているが、在宅サービスより1人当たり費用がかかる特養等の整備は保険料の急激な増加に
つながるため、市町村によっては域内への立地が困難な場合がある。
全国・大阪府の65歳以上人口及び要介護認定者数・介護サービス利用者数の見込み
65歳以上人口、要介護認定者数、介護サービス利用率
第1期
第2期
第3期
第4期
第5期
第6期
第7期
第8期
第9期
(平成12-14年度) (平成15-17年度) (平成18-20年度) (平成21-23年度) (平成24-26年度) (平成27-29年度) (平成30-32年度) (平成33-35年度) (平成36-38年度)
全
国
大
阪
府
65歳以上人口(万人)
2,393
2,588
2,832
2,977
3,293
3,498
3,590
3,621
3,637
要介護認定率(%)
14.4%
16.1%
16.0%
17.3%
17.7%
18.8%
20.0%
21.9%
24.1%
介護サービス利用率(%)
11.1%
12.8%
13.0%
14.4%
15.0%
16.3%
17.8%
20.0%
22.6%
65歳以上人口(万人)
148
165
187
200
225
236
242
241
240
要介護認定率(%)
16.2%
18.4%
17.7%
19.2%
19.9%
21.4%
23.2%
25.4%
27.2%
介護サービス利用率(%)
11.5%
13.9%
13.7%
15.1%
16.3%
18.1%
20.2%
22.8%
25.2%
<65歳以上人口は国立社会保障・人口問題研究所「日本の都道府県別将来推計人口」(平成19年5月推計)より>
3
要介護認定者数及び介護サービス利用者数
第1期
全
国
大
阪
府
要介護認定者数(万人)
介護サービス利用者数(万人)
要介護認定者数(万人)
介護サービス利用者数(万人)
344
265
24
17
第2期
417
331
30
23
第3期
452
369
33
26
第4期
515
428
38
30
第5期
582
494
45
37
第6期
656
569
51
43
第7期
718
640
56
49
第8期
794
725
61
55
第9期
878
822
65
60
4
介護保険給付費の推移(府内合計)
(単位:億円)
14,000
第1号
被保険者
保険料
給付費が約2倍に
(第5期比)
12,000
10,000
第2号
被保険者
保険料
8,000
6,000
12,014
10,497
市町村
負担
8,972
4,000
都道府県
負担
7,598
6,308
2,000
3,738
4,037
4,816
2,863
国庫負担
0
介護保険料
(月額)
第1期
第2期
第3期
第4期
第5期
第1期
第2期
第3期
第4期
第5期
(現在)
大阪府
3,134
3,397
4,675
4,586
5,303
府内最高
3,381
3,876
5,529
4,979
5,897
府内最低
2,862
2,896
3,698
3,670
4,159
(参考)全国
2,911
3,293
4,090
4,160
4,972
第6期
第7期
第8期
第9期
第9期には、介護保険料も
現在の約2倍になることが想定される
※第6期以降の数値については、現行制度がそのまま継続することを前提に大阪府福祉部高齢介護室において試算したものです。
5
高齢者の人口動態による介護給付等への影響
*高齢者向け住宅の普及などによる想定外の高齢者人口の流入に伴う介護給付の伸びにより、
保険者によっては財源不足になることも想定される。
*サービス付き高齢者向け住宅をはじめとする高齢者向け住宅には、介護事業所等が併設していることが多いことから要介護高齢者
等が多数居住し、また、他市町村等からの転入の割合が一定数あるが、有料老人ホームに該当しないものはもとより、有料老人
ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅のうち賃貸借方式のもの(特定施設入居者生活介護の指定を受けているものを除く)には住所地
特例(※)が適用されない。
※住所地特例制度:被保険者が他市町村の施設に入所・入居して、施設所在地に住所を変更した場合には、現住所地(施設所在地)の市町村ではなく、
元の住所地(施設入所直前)の市町村の介護保険被保険者となる制度。(介護保険法第13条)
全体の平均要介護度:2.4
(参考:住宅型有料老人ホームの平均要介護度2.8)
「高齢者向け住宅」:ここでは、サービス付き高齢者向け住宅及び旧高齢者専用賃貸住宅を指します。
6
地域包括ケアシステムの構築 ・ 効果的な介護予防事業の重要性
*地域包括ケアの構築には、地域の実情を把握している市町村での取組みとともに、府と市町村が連携して取り組むことが必要。
*市町村の福祉(高齢・障がい等)と介護保険の運営は密接に関連するので、十分な連携が必要。
*住民自らが介護予防や健康づくりに取り組むためには、高齢者に身近な市町村が引き続き事業を実施する必要。
一方、広域的な取組みがより効果的なものについては、府域全体での仕組みづくりを検討していく必要。
サービスの質の確保、保険者の事務負担の増加
*給付の適正化や地域密着型サービスの事業所指導等の事務に市町村が時間を割くことが困難な実態があり、
サービスの質の確保が困難。
*事業所の経営者から過剰なサービスを強いられるケースがないよう、ケアマネジメントの公正・中立性の確保が必要。
*要介護認定の件数が増加しており、認定手続にかかる事務負担や費用負担が大きい。認定手続の簡素化・効率化が必要。
【大阪府の要介護認定等 申請受付の推移】
(件数)
H12年度 H13年度 H14年度 H15年度 H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度
新 規
更 新
区分変更
合 計
82,431
90,040 100,616 100,692
99,742
98,211 100,623 102,047 101,656 104,619 117,986 121,907
206,195 232,336 239,204 275,261 295,746 209,063 279,570 256,151 282,161 273,533 312,703 289,471
7,389
9,087
14,905
19,621
22,375
25,942
27,288
29,141
34,384
31,725
26,638
29,518
296,015 331,463 354,725 395,574 417,863 333,216 407,481 387,339 418,201 409,877 457,327 440,896
7
Ⅱ
持続可能な介護保険制度の
確立に向けた検討事項
8
Ⅱ-1 持続可能な制度とするための対応策(案)
保険料の上昇抑制等に関する対応策
社会保障審議会介護保険部会で、両論併記・引き続き検討とされているもの
概要
第5期保険料への
効果(月額試算)
府及び市町村負担
(第5期中の3年間合計の試算。
府市町村それぞれの額)
①要支援者・軽度の要介
護者への給付の見直し
②ケアマネジメントへの
利用者負担の導入
③一定の所得がある者に対する
利用者負担割合の引き上げ
④被保険者の範囲
の拡大
要支援者に対する給付
を介護保険制度の対
象外とする
居宅介護支援・介護
予防支援に利用者
負担(1割)を導入
住民税課税者(第1号被保険者の約
35%)の負担割合を引き上げ
第2号被保険者を20
歳以上とする
2割負担
3割負担
(ケアマネジメントも負担)
(ケアマネジメントも負担)
△約280円
△約30円
△約190円
△約370円
△約1,700円
△約135億円
△約14億円
△約86億円
△約168億円
公費負担は変動なし
※上記の保険料及び公費負担への影響額は、「大阪府高齢者計画2012」における介護サービス量の見込み、平成22年度国勢調査の人口等基本集計
(全国)の値等から大阪府福祉部高齢介護室が試算した値です。
保険料に関するその他の対応策(例)
(府と市町村が共同で検討して国へ制度提言したもの及び研究会での意見)
①世帯ではなく個人単位の賦課制度の導入
②保険料算定に定額制と定率制を組み合わせた制度の導入
③資産の保有状況を保険料決定に反映する仕組みの導入
④一定の所得・資産がある者に対する高額介護(予防)サービス費の見直し
大阪府全域での介護予防事業等への取組み
介護予防事業により、要介護認定率等の低下などが見られている。
(例)埼玉県和光市:軽度(要支援)の人のケアプランが自立を目指すプランになっているかを詳細に検証するなどの取組みの結果、
要介護認定率:11.9%⇒10.2%、 保険料:全国平均より800円低い
兵庫県小野市:介護予防サポーターを育成するなど市民主体型の介護予防事業を展開するなどの取組みの結果、
介護予防参加者の要介護認定移行率2.7%(非参加者12.2%) など
オール大阪で府民の健康づくり、高齢者の介護予防に取り組み、介護給付費の抑制につなげる。
9
格差是正に関する対応策
介護保険の広域化
2025年(平成37年)に団塊の世代が75歳以上になり要介護認定者の大幅な増加が見込まれる中、
*介護給付の急速な伸びにも適応できる仕組みづくり
*保険料の格差による不公平感の解消
*介護保険施設や高齢者向け住宅による高齢者の居住の流動に適応できる介護保険制度の運営
*新たな大都市制度における介護保険運営のあり方の検討
財政基盤の安定、負担の公平化、事務の効率化など広域化によるスケール
メリットを勘案し、都道府県と市町村の役割分担を明確にした上で、法改正も
含めた検討を行う。
介護保険事業運営における2つの側面
介護保険財政
広域の方が安定、
スケールメリットにより
施設立地も一定は可能
バランス
が重要
要介護認定
福祉サービスとの
連携 等
狭域の方が
きめ細やかな
運営が可能
サービス付き高齢者向け住宅への住所地特例の適用
○サービス付き高齢者向け住宅の登録をした住宅で、有料老人ホームに該当するものについて、住所地特例の適用を検討する。
(サービス付き高齢者向け住宅の普及による高齢者の人口動態に伴う介護保険財政及び保険料への影響の軽減)
10
Ⅱ-2 介護保険制度の広域化についての検討
介護保険の広域化に関する主な意見
○積極的に評価する意見
・財政基盤を強化するため早急に検討する必要。
・財政は広域で、施策は各市町村で実施できる仕組みづくりが必要。
・制度の安定性や財政面、被保険者の負担の公平性から広域化が望ましい。
・広域化により保険料負担が同一化され、財政基盤が安定するが、サービス量や要介護認定者の割合の差など課題は多い。
・準備基金や保険料格差が少ないうちに広域化していくことが望ましい。
・地域包括ケアシステムもある程度広域で検討する方がよい。
・生活圏域を共有する自治体間での広域化は有効。範囲を広げすぎると、介護基盤の不均衡や所得階層のアンバランス等、
公平性に欠ける要素の出現を危惧。
・適正化や事業所の指導についても専門組織を広域で立ち上げ、取り組む必要がある。
○消極的に評価する意見
・市町村が地域包括ケアや地域支援事業を充実していくことと財政部分を別に考えることはできない。
・サービス内容、量とも大きな差がある現状において、財政部分のみ広域化することに市民の理解が得られない。
・保険料の上昇幅が大きければ避けたい(住民に説明できない)。
・財政の安定を図るといっても一過性にすぎず、制度そのものの見直しを検討すべき。
・財政の安定化については、財政安定化基金の仕組みで足りる。
・負担を均等化するとサービスも均等化する必要があり、市町村の行政運営の足かせとなり、地方自治の原則に反する。
・地域区分の設定があることから、広域化にはなじまない。
・市町村によっては地域密着型サービスへの事業者参入がないので、現在の保険料が安い場合には、
財政部分のみ広域化しても被保険者へのメリットが表に出てこない。
11
介護保険広域化の手法
方式案
案1 市町村が設立する広域連合が
保険者
概要
◯主な効果(メリット)
●主な課題等
◆市町村が広域連合を設立
○現行法の枠内で、保険料を統一できる
◆広域連合が連合議会の
議決により保険料を定める
○広域連合と市町村が適切な役割分担を
行うことで、安定した財政運営と
きめ細かな事務運営を執行できる
●全市町村が参加するには、全市町村議会
の議決が必要
*圏域ごとの広域化も可
●地域特性や各市町村の施策の違いによる
保険料設定でなくなる
案2 府が保険者
◆府が府議会の議決により
統一の保険料を定める
◆府が財政、市町村が保険
給付など、役割分担
○府と市町村が適切な役割分担を行う
ことで、安定した財政運営ときめ細かな
事務運営を執行できる
●法改正が必要
●地域特性や各市町村の施策の違いによる
保険料設定でなくなる
上記の案のほかに、現行法上の「市町村相互財政安定化事業」(統一保険料で保険料収入額が費用を上回る市町村が不足市町村に
交付する)を活用する方策があるほか、案2に関しては、府が市町村と共同の保険者となる案や、保険料については府が「標準保険料」
を定め、市町村がそれをもとに保険料を定める方法などが考えられる。
12
広域化した場合の役割分担(案)
項目
会計等に関わる事務
府 又は 広域連合
○特別会計の設置・予算・収入・支出
○費用負担、国・府・市町村負担分の収納
○保険料の収納
○財政安定化基金への貸付申請・借金返済
○統計事務
市町村・特別区 又は広域連合の支部
○費用負担
*計画策定に協力
保険料設定に関する ○介護保険事業計画の策定
○保険料の設定、第1号被保険者の保険料率の (地理的条件、現状の介護サービスの供給体制等を勘案し、
事務
設定
保険料徴収に関する ○市町村の支援
○介護保険審査会の設置
事務
最適な日常生活圏域設定、今後のサービス量見込について府等に提案。
日常生活圏域ニーズ調査の実施等)
○普通徴収(収納事務の私人委託、生保実施機関による直接納付の事務代行)
○特別徴収(対象者の確認・通知等)
○督促・滞納処分
被保険者の資格管理
○被保険者の資格管理、台帳の作成、被保険者証の発行等
要介護認定に関する事務
○要介護(支援)認定事務 ○介護認定審査会の設置
保険給付に関する
事務
うち給付適正化事業
○給付
○申請受付等の窓口業務
・ケアマネの資質向上に向けた取組等介護給付
の適正化に資する事業
・介護給付費通知(被保険者情報必要)
・要介護認定の適正化
・住宅改修の適正化 ・福祉用具購入・貸与調査
・医療情報との突合(医療の情報必要)
・指導・監査等介護給付の適正化に資する事業
ケアプラン点検 ・縦覧点検・給付実績の活用については、事業の内容により役割分担
地域支援事業に関す
る事務
介護サービス基盤整備
関連他制度に関する
事務
○市町村の支援
○広域的な取組の検討
○事業者指定・指導(一部補助金交付)
○地域支援事業の実施
○地域包括支援センターの設置運営
○事業者指定・指導(一部補助金交付)(地域密着型サービス)
○生活保護の介護扶助・生活扶助(保険料)等
財政の広域化とともに、事務の簡素化や広域処理なども検討
(事務受託法人制度の活用、要介護認定等の広域処理、機関の共同設置等)
13
介護保険を広域化した場合の地域包括ケアシステムのあり方
市 民
国保連
請求・
支払
介護支援専門員、
居宅サービス事業者
地域密着サービス事業者等
指定・指導
府又は広域連合
保険者としてサービス量、
保険料を決定
指定・指導
施設サービス
連携等
指定・指導等
研修等の実施
◆保険者機能
○保険会計等
○保険料設定
府医師会
府社協
事務
委託等
福祉行政と連携し、
事務を実施
◆保険者機能
○資格管理 ○要介護認定
○保険料の徴収
○サービス量等の見込み
○給付の窓口・給付適正化事業
○事業者の指定・指導
○地域包括支援センターの運営
○地域支援事業の実施
○介護予防事業の実施
↑
連 携
↓
◆市町村機能
○高齢者虐待対応 ○福祉の措置
○市区町村レベルの団体との連携
市区町村医師会
地域社会福祉協議会
校区福祉委員会 等
支援・
連携等
地域包括支援センター
市区町村
○介護保険事業計画策定
○保険給付・給付適正化事業
◆府機能
○施設・居住系サービスの
整備目標量の設定
○府全体の取組みの推進
地域の様々な担い手
・NPO・ボランティア団体
・当事者団体・社会福祉施設
・福祉サービス事業者・企業
・コミュニティ(ソーシャル)ビジネス 等
地域資源を活用し、
高齢者への総合支援を実施
○介護予防ケアマネジメント業務
(地域支援事業)
方針の共有 ○権利擁護業務
指導等
○総合相談支援業務
○包括的・継続的ケアマネジメント業務
(地域の様々な担い手との連携)
(小地域)
地域レベル
市区町村社協
市区町村民児協
14
介護報酬の地域区分について
・介護報酬は、サービスの内容、事業所の所在する地域等を勘案し、サービス等に要する平均的な費用を勘案して設定するものとされて
おり、具体的には、地域ごとの人件費の地域差を調整するため、地域区分を設定し、地域別・サービス別に1単位当たりの単価を割り増し
・平成24年度から、原則として国家公務員の地域手当に準拠(平成24年度から26年度までは経過措置期間)
平成27年度からの大阪府内の地域区分
1単位当たりの単価(円)
2級地
3級地
4級地
5級地
6級地
その他
15%
12%
10%
6%
3%
0%
70%
訪問介護等
11.05
10.84
10.70
10.42
10.21
10
55%
訪問リハ等
10.83
10.66
10.55
10.33
10.17
10
45%
通所介護等
10.68
10.54
10.45
10.27
10.14
10
上乗せ割合
人
件
費
割
合
加算率変動による影響
保
険
料
負
担
の
上
昇
*今後の地域区分のあり方(主な意見)
・国の決定した区分どおりでやむを得ない
・府内同一(10%等)にすべき
・市町村よりも大きな単位で設定すべき
高
加算率
など
事
業
者
の
低 収
入
減
H24.7大阪府国家要望(抜粋)
大阪府は、交通網が広域的に整備されており、生活圏、経済圏にも
大きな差異は見受けられないなど、いわゆる大都市圏としての特性
を有する。(略)近接市町村間において区分率が大きく異なる場合が
あり、結果的に人材の確保・定着、福祉サービス提供基盤の整備促
進(事業者の参入促進)及びサービス水準に地域格差を引き起こす
おそれがある。
地域区分の設定にあたっては、地域の実情を十分に考慮し、こうした
課題の解消を図ること。
*国の決定した地域区分を前提として検討を進めることとする。
(地域の実情を考慮した地域区分の設定は引き続き国に提案する)
保険料・利用者負担の独自減免について
独自減免の状況(H23.4.1現在)
保険料
34保険者で実施
利用者負担
7保険者で実施
*広域化を検討するに当たっての主な意見
・法定減免以外不必要
・独自減免を廃止し、低所得者に配慮した保険料体系とする
・府内統一の制度とすべき
など
*現在の保険料・利用者負
担の独自減免を一旦廃止す
ることを前提として検討を進
めることとする。
15
Ⅲ
まとめ
16
Ⅲ 国への制度提言(案)
持続可能な介護保険制度とするためには、法改正等が必要であり、国への制度提言を行い、具現化を目指す。
提言事項案
課題
①高齢者向け住宅の普及等により他市町村から高齢
者が転入することで想定外の介護給付が発生し、保
険者によっては財源不足になる場合がある。
②大阪府は、交通網が広域的に整備されており、
生活圏、経済圏にも大きな差異は見受けられない
などの特性を有しており、近接市町村間で、保険料
等に差があることに対して住民の理解が得がたい。
③特養の入所申込者が増加しつづけているが、施設
の整備は保険料の急激な増加につながるため、保
険者によっては域内への立地が困難な場合がある。
市町村との適切な役割分担
のもと、「都道府県が保険者と
なり制度運営を担うことを可能
とする案」について検討された
い。
提言事項案
課題
④高齢化の進展に伴い、第9期には保険料や財政
負担が現行の約2倍になると想定され、住民や
地方自治体の負担が大きく、現行制度が持続可能か
どうか危惧される。
⑤保険料・利用料設定にあたり、高齢者の負担能力が
十分反映しきれていない。
低所得者に配慮した
利用者負担割合の見直しなど
「給付と負担のあり方」及び
将来の給付費の増加を見通し
た「安定した介護保険制度の運
営」について検討されたい。
大阪府・市長会・町村長会 連名の提言に向けての調整を行う。
17