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全天X線監視装置(MAXI)搭
載用CCDカメラのエンジニアリ
ングモデルの性能評価
冨田洋、片山晴善、松岡勝(JAXA)
常深博、宮田恵美(大阪大学)
これまでのCCDカメラとMAXIのCCDカメラ
MAXI用CCDカメラの開発の流れ
MAXI用CCDカメラの現状
X線CCDとこれまでのCCDカメラ
CCDの特徴(photon counting)
エネルギー分解能、位置分解能、
時間分解能のどれをとっても欠点
なくバランスの取れたデバイス。
ASCA/SISで初めてX線天文に登
場後、望遠鏡の焦点面検出器とし
て標準的な地位を得る。
ChandraのCCDカ
メラ で見たSNR
http://chandra.
harvard.edu/ph
oto/ より
これまでの宇宙用X線CCDカメラ
(photon counting)
Mission / camera
year 素子数
ASCA / SIS
1993
Chandra / ACIS
1999
XMM-Newton / EPIC 1999
MOS
PN
HETE-II / SXC
2001
Swift / XRT
2004
Hayabusa / XRS
2003
ASTROE / XIS
2005
MAXI / SSC
2008
8
10
14
1
2
1
5
4
32
MAXI用CCDカメラの特徴
CCDカメラ完成予想図
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浜ホトCCD(24x24um、1024x1024 スリット
ピクセル)搭載
0.5-12keVに感度
CCD
16素子 x 2 カメラ (32素子)
有効面積200cm2
ペルチェ素子とラジエター+ヒートパ
イプシステムパイプで冷却 (目標60℃以下)
8usec/pixelで読み出し。
縦方向加算読み出し(P-sumモード) 断熱足 アルミブロック
1カメラ(16素子)で読み出しは1つ
MAXIのCCDカメラでは
駆動電圧は1カメラで共通
電荷注入可能(耐放射線性向上) 低エネルギー領域でのモニター
暗電流低減モードをサポート
コリメータ+スリットをカメラに内蔵 CCDで初の全天サーベイ
CCDとカメラ
コリメータシート
25mm
EMカメラ内部CCDアレイ
カメラ内に組み込まれる
黒クロムメッキ済み
浜ホトCCD
表面アルミコート
プリアンプ基板
マルチプレクサ基板
25cm
可視光反射対策でカメラ表面は黒色加工。
マルチプレクサで駆動、読み出しCCDを切り替え。
カメラ全体が -20℃程度に冷却される。
校正源( Fe55) 内蔵
CCDカメラ開発
CCD素子
カメラ(回路)
素子は1990年代前半から阪大、京
大、浜松ホトニクスで研究開発。
EMの評価中。1ヶ月以内にFM設計
を終える
MAXI用CCDの開発、製造、評価(ス
クリーニング)は終了(大阪大学)。Bad
pixelほとんどなし。読み出しノイズ10e
以下
今後2年でFM製作、評価、試験を行
う。
放射線試験も終了
その他 : 機上ソフトウェア、コリメータ
はFM設計済み
EMカメラの性能評価

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16CCDを搭載。FMと同じ(スクリーニング落ち)CCDは
8個。残り8個はEM-CCD。
カメラを真空チャンバー内で冷却 (-20℃)。ペルチェで さ
らに-60℃へ。
評価内容
暗電流低減モードの確認
電荷注入が可能か?
EMカメラでのFM型CCD
の評価
CCDカメラ(EM)をチャンバーにマウ
ントした図
低暗電流モード
高い検出効率をえるための厚い
空乏層がほしいので正バイアス
が必須
暗電流が定常に流れるまでには
100msec以上の時間が必要。
基本的に正バイアスをかけ、周期的
(100msec)に短い時間(10msec)だ
け負バイアスにすればいい。
低暗電流(とくに Si-SiO2境界)
を得るためにはinversion(つまり
負バイアス)が良い。
暗電流ノイズ 暗電流
CCD単体では確認済み
Flip mode OFF
ON
電流、ノイズともに10%以下
に低減された!!
温度で 10℃程度に相当
運用では標準で使用予定
時間
電荷注入・CCDスペクトル・他
電荷注入
Mn-k X線スペクトル
放射線性能劣化による電荷の吸い込
み口をX線信号以外の電荷で埋めてし
まう (Tomida et al 1996)
電荷を注入しすぎて通常ピクセルにまで電荷
があふれすぎた場合のイメージ
電荷は問題なく注入されるこ
とを確認した。
駆動電荷を最適化すれば
150eVはクリア
問題点
ゲインが大きく取れない。
全16CCDだと負荷容量が予想より大きい。
解析方法(レスポンス)確立
など
まとめ
 EMカメラ(回路)+FM型CCDの組み合わせ
でエネルギー分解能146[email protected]を達成
 暗電流低減モード、電荷注入も行えることを
確認した。
 コリメータ、機上ソフトも設計FIX。
 今後16素子で性能を出し、FMを製作する。