「圏外」にケバイ女が、いる? ー化粧のダーウィニアン社会学序説ー 桜井芳生(鹿児島大学法文学部) 現代メディア文化論 [email protected] http://member.nifty.ne.jp/ysakurai/ 2002年12月2日著作権保持 要約 • 女(ひと)はなぜ、お化粧をするのでしょう か?。 • 男にもてるため?。もちろん、最大の理由の 一つは、そう、でしょう。 • しかし、この回答は、最近の「男うけしない 化粧」現象を説明してくれません。 • ダーウィン生物進化論をふまえた社会学の視 点で、この「謎」にアタックしてみたいとお もいます。 ダーウィン進化論、と、社会学? • ダーウィン進化論の視点からみても、化粧の 起源はかなり自明です。 • すなわち、化粧とは、性的淘汰(両性がたが い選びあうこと)の産物としてオトコがオン ナにたいしてもつ異性選好(セックスアピー ルへの好み)を、オンナの側が逆用(ただ乗 り、だまし)している戦略の一つといえるで しょう。 • しかし、子細に現実をみるとこの視点では説 明しきれない化粧現象がみいだされます。 • すなわち、おじさんウケしない化粧、です。 • 本発表はこのような一見反証的であるかのよ うに見える化粧現象をも、ダーウィニズムの 視点で説明することができることを示します。 • また、本視点から、女性のパターン分類と化 粧諸戦略との対応を導出し、それをふまえる ことで検証可能な予測を出力することができ ることを示します。 • つぎにわれわれ自身の調査結果から、この仮 説の検証をおこないます。 • 核になる設問はたとえば以下のものです。 • 「最近一部の女性がつけている『暗い色の口 紅』について、好きですか?。それとも、明 るい色の口紅の方がすきですか。」 • 「最近の鹿大の女子大生の「化粧」は『全般 的にいって』、ちょっと、濃すぎる、とかん じませんか?。」 • 「では、『少なくとも一部には』化粧の濃す ぎる女子学生がいる、とおもいません か?。」、などなど、、、、。 • 調査結果から、われわれの枠組みが 実在していることを示す状況証拠をい くつか拾い出すことができました。 • のみならず、現実社会においては、わ れわれの枠組みをさらに発展させたよ うな現象が生起していることがデータ から示唆されました。 • (要約終わり) 化粧=公然の秘密? • ダーウィン進化論からみると、化 粧現象の起源はかなり自明であ る。 • すなわち、化粧とは、性淘汰の産 物としてオトコがオンナにたいして もつ異性選好を、オンナの側が逆 用(フリーライド・フェイク)している 戦略(の一つ)である。 と。 容姿の改善(バス、より、 引用) • 女性の誘惑戦術もまた、男性側の好み に左右される。うまく男性を誘惑できる 女性は、若さや肉体の魅力をあらわすょ うな身体的・行動的指標を見せつけるこ とによって、自分に繁殖的価値があるこ とを示す。 • 男性は女性の容姿をもっとも重視する ので、必然的に、男性を惹きつけようと する女性どうしの競争は、いかに身体的 な魅力を増し、自分を若く健康的に見せ るかという点が中心になる。 (引用つづき) • 美容産業の隆盛はその証拠だろう。 • 美容産業を支えているのは主に女性であ り、女性は平均して、男性よりもはるかに 多くの時間と労力を容姿の改善に費やす。 • 女性誌には化粧品の広告が山のように掲 載される 女性は、男性に正しい情報を伝えようとして競争し ているわけではない。そうではなく、、、、、 • 女性は、男性に正しい情報を伝えようとし て競争しているわけではない。 • そうではなく、女性の若さと健康を重視す るという、男性が進化させてきた美の判断 基準に訴えようとしているのだ。 • 血色のいい頼や生気に富んだ顔色は、 男性が女性の健康を判断する際の基準 であり、 • だからこそ女性たちは頬を人工的に赤く 塗って、男性を惹さつけようとする。 • 男性が、なめらかでしみひとつない肌を 好む傾向を進化させてさたからこそ、女 性たちはしみを隠し、モイスチャー・ク リームを使い、顔のシワをとる。 • 豊かな真紅の唇が男性の欲望に火を点 けるからこそ、入念に口紅を塗り、唇を ふっくらとさせるためにコラーゲン注射ま で行なう。 『顔を直してから』 • 配偶者のいない女性は、容姿の重要性を よく理解している。 • シングルズ・バーを研究した研究者は、次 のように結論している。 • 「多くの女性が、 • 『顔を直してから』 • バーヘ出かけると答えている」と。(引用お わり) しかし、、、 • はたして、それ、だけ、 • でしょうか? Yoshio SAKURAI (Faculty of law and humanities,Kagoshima University ,Japan) (Cultural studies on modern media) つまらないホームページが多いと、嘆いているアナタに。 桜井芳生( 鹿児島大学現代メディア文化論教員) ホームページ Eメール[email protected] http://member.nifty.ne.jp/ysakurai/ (リンクはご自由におはりください。) FAX099-285-7544 (長文)ダーウィニアン社会学へのイントロダクション-それは、「何でない」のか?- 地方未婚女性のための、「出会い系をつかわずに」、お得な男性とお 近づきになる、方法。Ver.2002-(「メールで一本釣り」×10)+(おむすびころり ん)戦略-(ワード文書)http://member.nifty.ne.jp/ysakurai/tukawazu.doc 「ウチの親にかぎって!」(メール不倫なんか、、、) (ワード文書)http://member.nifty.ne.jp/ysakurai/uchioya.doc 980401【「就職メイク」は『美しいキモノ』(婦人画報社)で】 桜井芳生(著作権保持) [email protected] http://member.nifty.ne.jp/ysakurai/ 【主要命題】就職用の化粧は、婦人画報社の(季刊)『美しいキモノ』を、手本にするといい。 ++++++++++ 昨日、研究室に学生さん(女性)がやってきて、就職についていろいろ話した。 話題が就職での「化粧」になったので、わたしは例によって「口紅は、もっともっと赤く(明るく)、ファンデーシ ョンは、もっともっと、白く。とくに最近流行の、黒め(暗め)の口紅は、オジサン受けしない」と強く主張した。 http://ac3.aimcom.co.jp/~sakurai/akuma.htm参照 が、いまひとつ、オジサン受けする化粧がわかってもらえなかったようだ。で、「ホステスさんの化粧」とか「鹿 大そばの、ソバ屋『御用』の店員の化粧」とか言ってみた。 学生さんが帰ったあとで、本屋で立ち読みしていたら、いいモノが見つかった。 婦人画報社の季刊『美しいキモノ』である。いわゆる女性雑誌だが、殿方もついパラパラ立ち読みしてしまっ たことがあるヒトも多いだろう。神保町あたりの古本屋では、バッグナンバーがプレミアつきで売られている( 男性マニアが買うのだろう)(わたしではありません!)。 オジサン受けする化粧の手本としては、この『美しいキモノ』の化粧がかなりいいのではないか。 (ただし、最近はやりの大正ロマン?的な「渋い・暗いキモノ」に対応した渋い暗い化粧は、みならわないこと )。 桜井芳生ホームページに戻る つまり、、、 • 就活支援と、化粧、を、かんがえているうちに、 • • • • • • 男(とくにおじさん)受け、する、化粧と、 若い女性がやりたがる化粧とが、 かなり、ことなっている、と感じたのです。 これは、上記のダーウィニズムに視点では、 【一見すると】説明できません。、、、、 、、、、、が、、、、、 第二のベクトル!! • どうも、化粧には、 • 「もう一つのベクトル」があるのではないか? • (そして、それも、じつは、ダーウィニズムに よって説明可能になるのでは、、、?) 「子育ての大誤解」より引用 (ピンカーによる「まえがき」) • 三年前、サイコロジカル・レヴユーに掲載された ある論文が子ども時代と子どもに関する私の考 え方を一変させた。 • 私も多くの心理学者同様、人がもって生まれた 遺伝子と親の育て方との相関的な役割について 議論を展開してきた。遺伝子に起因しないものは 親に起因するに違いない、と皆が当然のことのよ うに考えていた。 • ところが目の前には、所属大学名の併記されて いないジュデイス・リッチ・ハリスという名の人物 の書いた論文があり、 • そこには親は重要ではないと書かれてい るではないか。 • 遺伝子以外で重要なものとは、子どもの仲 間集団なのだという。 • はじめはなじめなかったが、ハリスは事実 をもって私を説き伏せた。 • 私は言語発達、専門的な言い方をすれば「子どもは親の インプットからどのように文法体系を身につけるのか」を 研究している。真実だが都合が悪いものファイルには、 奇妙な事実らしきものが保管されている。 • 子どもは親ではなく仲間の言語や訛りを身につけるとい う現象だ。心理言語学者の中にはこの事実に着目した者 も、ましてや説明を試みた者もいない。 • ところが、それを説明する理論がそこにあったのだ。 • 親が子どもに対してあまり話しかけない多くの文化にお いてですら、子どもたちは言語を習得する。 • わずかに年上の仲間たちの会話を聞くだけで十分なのだ。 ハリス自身による記述 • 文化を改変できるのは十代後半から二十代前半 で独自集団をもつ人々だ。 • 集団性により、親や教師の世代とは一線を画し たいという気持ちが駆り立てられる。 • 自分たちは一世代前とは違った存在でありたい という気持ちがあまりに強いため、両者の違いは 改善する方向へ向かうとは限らない。 • 実際、改善ではない場合がほとんどだ。 • 彼らは違う行動、違う思想を受け入れ、新語を造 語し、斬新なファッションも生み出す。 • さらにこれらの行動、思想などを携えたまま 成人になる。 • 彼らは自分の子どもに差別化を図る新たな 方法を生み出すという重圧を残すのだ。 • ママとパパはマリファナを吸っていたらしい。 • 嫌だ嫌だ、私たちは別のものを吸いましょ う! ここで、ロビン・ダンバーが、おも しろいことをいっている、、、 • 方言にはもう一つの長所がある。少なくとも世代 という尺度からみれば、比較的短期間のうちに 変化することができるのだ。 • 移住した群れは、一世代くらい経つと、同じ言葉 を使っていても話し方やアクセントを変化させて いる。 • オーストラリア移住者のはとんどが過半二〇〇 年の間にそこへ移ったという事実にもかかわらず、 オーストラリア人と英国人のアクセントが現在ど れはど異なっているか、考えてみよう。 • そうすると、明らかに提唱できるのは、 • 方言はフリーライダー問題に対処するため の適応形態だということだ。 • 群れは新しい話し方、まったく同じことがら に関する新しい言い方を絶えず開発するこ とによって、 • その一員を確実にたやすく見分けられるよ うにしている。(引用終わり) 仲間集団準拠と 「パスワード=改訂」仮説 • 以上の、ハリスの「仲間集団影響説」と、 • ダンバーの、「よそ者峻別マーカー」として の「方言変異」説、 • とを、総合して、若者文化について、以下 のように仮説をたてることができるのでは ないでしょうか? すなわち、、、 • 若者は同世代の仲間集団の影響を強くう けるのだが、 • 「なかま/そとま?」の峻別マーカーとして、 • 「変な、流行、や、ファッション」を無意識に 「利用」している。と。 「パスワード=改訂」仮説 • 男うけ(特に、おじさん受け)しない化粧とは、 • この現象の一例である、と。 • これが、「なかま/そとま」マーカーとしてはたらく ためには、「予想もできないような方向に変化」し なければならない。(そうでないと、「外部者」峻 別としてつかえない)。 • ★「パスワード」はたえず「予期せぬ方向に、 改訂」しないと、パスワードとして、はたら かない。 化粧のダーウィニアン社会学の 「二つのベクトル」 • こうして、化粧のダーウィニアン社会学とし ては、化粧現象をめぐって、二つのベクト ル(方向性)を、枠組みとして措定すること ができるでしょう。すなわち、 • 第一のベクトル:「男受け」 • 第二のベクトル:「仲間集団受け」 男受け 強 しかも、以下のように、左上から右下 へと、シフトしているのではないか、と。 旧来の化粧、ならびに オトナたちの化粧への意識 現代日本若者の化粧 仲間受け 弱 強 • 上述のような問題意識でもって、過日鹿児 島大学の学生と一緒におこなった社会調 査において、 • 化粧に関わる設問をいくつか、まじえてみ た。 • 核になる設問は以下の四つである。 • 【ag(男女ともにうかがいます)。最近一部の女性 がつけている【暗い色の口紅】について、好きで すか?。それとも、明るい色の口紅の方がすきで すか。 • 6.口紅は明るい色の方が、いい。 5.まあ、明 るい色の方がいい。 4.どちらかというと、明る い色の口紅の方がいい。 3.べつに、暗い色の 口紅でもいい。 2.まあ、暗い色の方がいい。 1. 口紅は、暗い色の方がいい。】(以下、【明紅好】 と略す)。 • 【bg(男女ともにうががいます)。最近の鹿大の女 子大生の「化粧」は【全般的にいって】、「ちょっと、 濃すぎる」とかんじませんか?。 • 6.濃すぎる、と思う。 5.まあ、濃い。 4.どちら かというと、濃い。 3.それほど、濃いとは感じな い。 2.まあ、濃いとは感じない。 1.まったく、 濃いとは感じない。】(以下、【化濃過】と略す)。 • 【bhでは、【少なくとも一部には】化粧の濃 すぎる女子学生がいる、とおもいません か?。 • 6.そう、感じる。 5.まあ、感じる。 4.ど ちらかというと、そう感じる。 3.それほど、 感じない。 2.まあ、感じない。 1.まった く、感じない。】(以下、【一化濃】と略す)。 • 【dm女性にのみうかがいます。あなたは化 粧をしっかりしていますか。 • 6.とてもしっかり化粧をしている。 5.まあ、 しっかりしている。 4.だいたい毎日やって いる。 3.化粧しないときもけっこうある。 2.あまり化粧しない。 1.化粧はしない。】 (以下、【化しっか】と略す)。 • まず、注目にあたいするとおもわれるのが、「明 るい口紅への選好」である。 • 上記の進化論的にはいわば「もともとは」男は、 明るい唇の女を好むことがありそうである。 • が、上記の、ダンバー=ハリス的メカニズムから すると、そこから「予期しない方向に、変異」する ことがありうる。 • そして、それは、同世代集団への準拠性の高さ に正の相関をしているだろう。 • 男性において、上記の【明紅好】をいくつか の同世代・異世代との準拠性をしめす設問 とかけあわせてみた。 • たとえば設問【mあなたは、「同世代」の他 人の目が気になる方ですか?。6.けっこう、 気になる。、、、、、】である。 • 比較的強い、負の相関 相関係数 -.312** が、でた。 • 興味深いのは、これに対応する「女性」の相関で ある。 • 女性においては、 • 【明紅好】と「同世代の他人の目が気になる」とは、 あまり相関がない(相関係数 .077)であるのに、 • 【明紅好】と「同世代の異性の目が気になる」と、 よわいが「正」の相関をしている(相関係 数 .121)のである。 女と男の、すれ違い? • すなわち、男においては、同世代同性への準拠性が強い ほど、ダンバー=ハリス的変異メカニズムによって、 • 「明るい口紅をすき」「ではない」傾向が出てくるのにたい して、 • 女においては、同世代「異性」に準拠している人たちは、 「やはりおとこたちは、明るい口紅がすきだろう」とかんが えて(?)、明るい口紅を選好するのである。 • • このあたり、同世代への準拠現象と、男と女の「思い違 い」が交錯していてとても興味深いだろう。 「古い男」は、明るい口紅が、す き? • 他方、男性において【明紅好】を選好するような 人は、いわば、旧来型の(?)親密性・異性選好 と親和的であるようで興味深い。 • たとえば、「口紅は明るい色の方が好き」な男性 ほど、 • 「セックスには愛が必要だ」とかんがえ、 • 「人間を遺伝子機械をかんがえるのを忌避」し、 • 「相手が浮気をするのをいやがり」、 • 「恋人になるさいに、こちらから電話をしている」 傾向があり、 • 「早く結婚したい」と考えている。 • 現代若者の同世代への準拠というよりも 旧来型(本来型?)の男女関係への志向・ 嗜好が高いといえそうである。 「古い女」は、薄化粧が好き? • 女性において、また、「現代の若者の文化は浅 薄だとおもいますか」という設問と【一化濃】との 相関が、.209* とでている。 • いわば、気分的に「おとな(おばさん?)」のわか ものほど、一部に化粧の濃い女子大生がいると かんじているのだろう。 • ↓ • これに、対応して、男性においては、【一化濃】よ りも、【化濃過】にたいして「若者文化を浅薄とお もう」が相関をしめしている( .152)。傾向として は同種であるとみなしていいだろう。 • ↓ • ただし対比的にいうと、「当事者」である若 者女性にあっては、(いわば、「私の他に」) 「一部化粧の濃すぎる女子大生がいる」と 回答しているのに対して、 • 男性は化粧の当事者でないので、「全般的 言って、濃すぎる」と回答しているのだろう。 「口説く女(対象)」は、ケバく、な い? • 次に興味深いのが、 • 「男性」における「恋人関係になるさいに、 先方からケータイ電話がかかってきた度合 い」である。 • 【化濃過】との相関は、相関係数 .318 、 • 【一化濃】との相関は、逆に、-.274 であっ た。 • この「先方からかかってきた度合い」はもともと女 性を念頭に文言化したものであり、度数分布を みても、男性においては、「自分からかけた」の 方が、過半数である。 • であるから、以上二つの相関係数を正負逆転さ せて、「自分からケータイをかけた男性ほ ど、、、、」として解釈したほうがわかりやすい。 • すなわち、、、、、、 すなわち、、、 • 「恋人になるさいに、自分からケータイ電話 をかけた男性ほど、 • ↓ • 鹿大の女子大生は★全般的には★化粧 が濃すぎるとはおもわない」 • が • 「★一部に★化粧の濃い女性がいる」とみ なしているわけである。 • おそらく、彼がかんがえるところの「一部化粧の 濃い女性」とは、彼の彼女(恋人)「ではない」だ ろう。 • とすると、女性にたいして積極的な男性の集合に ほぼかさなるように、その男性がアプローチする ような女性たちの集団があり、 • その女性たちにたいしては、彼(男性)たちは、と くに化粧が濃すぎるとはかんじていない • のだが、いわばその、「サークル」の「外」に、「化 粧の濃すぎる」女たちがいて、 • その女性たちには、彼らはかならずしも、アプ ローチしてない、、、、、といった図式が示唆され るだろう。 一部に化粧の濃い 女性がいる、、、 ケータイかける 全般的には 化粧が濃すぎる とは思わない • (この点は、女性のほうのデータからも傍証でき る。 • 女性にあっては、【一化濃】と「先方からケータイ がかかってきた」が、正の明らかな相関( .363*) を、示している。 • いわば、男から、ケータイ電話でくどかれるような 女性 は、 • 自分の「他に」もっと化粧の濃い女子大生 いる、とおもっているのだろう。) が • 上記の「図式」は別の相関からも、支持されると おもう。 • 男性のみの「ケータイをチェックする度合い」にか んする設問と、この【一化濃】とが、正の相関をし ている( .232*)。 • これは、男性たちが、ケータイをネットワークして いるいわば「外」に、 • 自分たちがアプローチするには「化粧が濃すぎる 女たちがいる」という図式を示唆しないだろうか。 恋人のいない男性には、、、 • さらに、この推測は、別の相関からも示唆される。すなわち、 【一化濃】をめぐる「いま恋人いる男性」と「それ以外の人々(男 性)」との差違である。 • • 以下は「いま恋人がいる男性」と「それ以外の男性」で、それぞ れ、【明紅好】、【化濃過】、【一化濃】の回答の「平均値」を算出 したものである。 • 以下のように、わずかながら、「恋人のいない男性」のほうが、 「明るい口紅がすき」「化粧を濃いと思っている」のに対して、 • それとは、【逆に!】、「恋人のいる男性」のほうが、「一部に化 粧の濃い女性がいる」と回答している!!。 6 5 4 3 2 恋人いる 恋人いない 1 0 AG口紅明 恋人いない BG化粧濃 BH一部濃 恋人いる 恋人いない 恋人いる AG口紅明 BG化粧濃 BH一部濃 4.606061 4.632653 3.090909 3.326531 5.121212 4.755102 一部には、、、、、 • 「「一部には」、化粧の濃「すぎる」女子学 生が「いる」」という、設問のニュアンスから は、 • 恋人のいる男性は、「自分の「カノジョ」「以 外」に、濃「すぎる」女子学生が、(べつに) 「いる」」という含意として回答するばあい が多いだろう。 「圏外」に、「ケバイ」女がい る、、、? • とすると、上記の平均の諸差異をまとめると、 • 恋人のいる男性も(そうでない男性とほぼ同じぐ らい)、「口紅の明るい女がすき」でありながら、 • 「(自分の恋人もふくめた?)鹿大の女子大生全 般の化粧を、濃すぎる」とは感じていない。 • そうでありながら、自分の恋人圏の「圏外」に、 • 化粧の濃すぎる(いわゆる「ケバイ」)女がいる、 とかんじていることが強く示唆されるだろう。 一部に化粧の濃い 女性がいる、、、(圏外) ケータイかける 全般的には 化粧が濃すぎる とは思わない 化粧をしっかりするような女性」 は、、、、、 • では、ふたたび、女性のほうにもどって、 「化粧をしっかりするような女性」はどのよ うな女性か見てみよう。 • 【化しっか】には、あるベクトルが指摘できる。 • まず、相関関係から、確認しておくと、 • 「ケータイ忘れても平気」とは強い負の相関( .440**)、 • 「流行に敏感」 • 「さびしがりや」 • 「まゆげコアラをさがしたことがある」などと、 • 正の相関 (それぞれ、.395**, .150 , .212*)をしめ している。 • ↓ • これらは、彼女たちは、彼女たちなりのネットワー クに準拠しているといえそうである。 • もし、これらの「化粧をしっかりやっている女性」 たちが、男性たちが「一部に化粧の濃すぎる女 性がいる」と考えていた人たちとかさなるとすると、 • 「「多数派の男性と彼らの対象とする女性たち」 の「圏外」に「化粧の濃い女性たち」が存在し、 • しかも、彼女らは彼女らなりに相互にネットワー クしあっている」 • という図式(モデル)を描くことができるだろう。 • • おそらく、後者の彼女らにとっては、 • 「厚化粧」は、むしろ「自分の望まない男を遠ざけ る」ようなスクリーニングの働きをしているともい えそうである。 相互ネットワーク ケータイかける 全般的には 化粧が濃すぎる とは思わない 一部に化粧の濃い 女性がいる、、、(圏外) まとめ? • 以上、化粧のダーウィニアン社会学の基 本的枠組み(仮説)を提示し、手持ちの調 査結果をその視点で、分析してみた。 • 調査結果から、完全に、われわれの仮説 が支持されたということはできなかった。 • が、現実社会においても、われわれの枠 組みが伏在している状況証拠をいくつか 拾い出すことができたとおもう。 「圏外にケバイ女がいる」 モデル? • のみならず、現実社会においては、われわ れの枠組みをさらに発展させたような現象 が生起していることがデータから示唆された。 • とくに「圏外にケバイ女がいる」とでも表記で きるモデルが示唆された。 • 今後は、仮説を精緻化し、他方で、実証的 調査の精緻化、ならびに、比較の広汎化を めざしたい。 • こうすることで、理論的にも、経験的にも、 守備範囲の広い「枠組み」を構築していきた い。 Special thanks to,,,,,, • 本発表は、化粧について研究している二人の鹿 大の学生さんとの議論におおくおっています。深 く感謝します。 • 被写体になってくださったみなさんに感謝します。 • (株)タカラ様に感謝いたします。 • 本発表の機会をあたえてくださった、鹿児島顔談 話会のみなさまに感謝します。 • ★ただし、本ファイルは、口頭発表時のものに、 加筆訂正を加えたものです。
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