自然言語処理2009 -平成21年10月26日(No4)-

自然言語処理2009
-平成21年11月30日(No9)東京工科大学
コンピュータサイエンス学部
亀田弘之
意味に関して
• (今日の話は難しいです。良く考えながら聞い
てください。)
Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.)
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意味論(基礎理論)
1.
2.
3.
4.
モンタギュー意味論
状況意味論
メンタルスペース
言葉を理解するための3つの世界
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モンタギュー理論
• モンタギュー文法が元になっている
• 内包論理に基づいている
(内包と外延)
• 意味を述語論理式で表現し、計算(推論)する。
• 非古典的論理学
– 様相論理・λ式・可能世界(possible world)
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状況意味論
• 文:「時間です」 の意味は?
• 個体、関係、時空的位置 を利用して意味論
を構成
• 時空間的位置における対象間の関係=事態
• 状況=事態の集合
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メンタルスペース理論
• 「指示、記述、同一指示の研究は長い間、言語学、言語哲学
研究で中心的位置を占めてきた。本書はこれらのトピックに
関する研究を大きく進展させた。従来の伝統的理論では、自
然言語の意味論は、形式論理学の道具だてにより研究する
のが適切であるとされるが、フォコニエは、自然言語のすべ
ての現象を扱おうとすると、形式論理学の道具だてではうま
くいかないことに気がついた。必要なのは形式論理ではなく
、認知的理論、つまり、論理学者がたまたま使っている数学
体系の能力ではなく、人間の心の能力にもとづいた理論であ
る。」(引用文章)
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• 「フォコニエの提示した理論では、指示は全く独自の
構造的広がりをもち、この構造は、メンタル・スペー
ス、スペース間のコネクター、および少数の一般原
則により簡単に表示できる。複雑性の原因は、主と
して原則同士の相互作用、および解釈原則に取り
込まれる文脈の構造にある。こうした簡単な構造に
より、フォコニエは複雑な論理学的理論では扱うこと
のできない例を扱うことができる。」 (引用文章)
• トリガー、ターゲット、コネクタ
• 意図理解への応用も検討されている。
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3つの世界
• 言葉の世界
• 現実の世界
• 概念の世界
(注)「概念」とは何か?
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意味表現理論
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意味表現理論
1.
2.
3.
4.
5.
意味ネットワーク(semantic network)
フレーム理論
スクリプト理論
格文法
古典的述語論理
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意味ネットワーク
• キリアンが提唱
• 概念体系、個体間の意味的関係をネットワー
ク形式で表現(実際は木構造)
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フレーム理論
• ミンスキーが提唱
• 現在でも利用されている
• フレーム(frame)、スロット(slot)、
ファセット(facet)
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スクリプト理論
• シャンクが提唱
• 概念依存関係理論を発展させたもの
• 話(事態・状況)の流れには典型例がある
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格文法
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•
•
フィルモアが提唱
現在の意味処理の基本的な理論
比較的多くの人たちに支持されている
深層格に関する理論
(表層格)
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表層格と深層格
• 表層格
– 主格・所有格・対象格・目的格・奪格・前置詞格
など
– 日本語の場合:ガ格、ヲ格、ニ格、カラ格、ヘ格、
ト格、ヨリ格、マデ格、デ格
• 深層格
– 動作主格(Agent)、経験者格(E)、道具格
(Instrumnt)、対象格(Object) 、源泉格(S) 、目標格
(Goal) 、場所格(L)、時間格(T)
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関連事項
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オントロジー (Semantic Web)
Semantic Computing Project
UNL(Universal Networking Lnaguage)
談話理論
意図理解
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