自然言語処理2009 -平成21年11月30日(No9)東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 亀田弘之 意味に関して • (今日の話は難しいです。良く考えながら聞い てください。) Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 2 意味論(基礎理論) 1. 2. 3. 4. モンタギュー意味論 状況意味論 メンタルスペース 言葉を理解するための3つの世界 Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 3 モンタギュー理論 • モンタギュー文法が元になっている • 内包論理に基づいている (内包と外延) • 意味を述語論理式で表現し、計算(推論)する。 • 非古典的論理学 – 様相論理・λ式・可能世界(possible world) Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 4 状況意味論 • 文:「時間です」 の意味は? • 個体、関係、時空的位置 を利用して意味論 を構成 • 時空間的位置における対象間の関係=事態 • 状況=事態の集合 Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 5 メンタルスペース理論 • 「指示、記述、同一指示の研究は長い間、言語学、言語哲学 研究で中心的位置を占めてきた。本書はこれらのトピックに 関する研究を大きく進展させた。従来の伝統的理論では、自 然言語の意味論は、形式論理学の道具だてにより研究する のが適切であるとされるが、フォコニエは、自然言語のすべ ての現象を扱おうとすると、形式論理学の道具だてではうま くいかないことに気がついた。必要なのは形式論理ではなく 、認知的理論、つまり、論理学者がたまたま使っている数学 体系の能力ではなく、人間の心の能力にもとづいた理論であ る。」(引用文章) Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 6 • 「フォコニエの提示した理論では、指示は全く独自の 構造的広がりをもち、この構造は、メンタル・スペー ス、スペース間のコネクター、および少数の一般原 則により簡単に表示できる。複雑性の原因は、主と して原則同士の相互作用、および解釈原則に取り 込まれる文脈の構造にある。こうした簡単な構造に より、フォコニエは複雑な論理学的理論では扱うこと のできない例を扱うことができる。」 (引用文章) • トリガー、ターゲット、コネクタ • 意図理解への応用も検討されている。 Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 7 3つの世界 • 言葉の世界 • 現実の世界 • 概念の世界 (注)「概念」とは何か? Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 8 意味表現理論 Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 9 意味表現理論 1. 2. 3. 4. 5. 意味ネットワーク(semantic network) フレーム理論 スクリプト理論 格文法 古典的述語論理 Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 10 意味ネットワーク • キリアンが提唱 • 概念体系、個体間の意味的関係をネットワー ク形式で表現(実際は木構造) Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 11 フレーム理論 • ミンスキーが提唱 • 現在でも利用されている • フレーム(frame)、スロット(slot)、 ファセット(facet) Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 12 スクリプト理論 • シャンクが提唱 • 概念依存関係理論を発展させたもの • 話(事態・状況)の流れには典型例がある Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 13 格文法 • • • • フィルモアが提唱 現在の意味処理の基本的な理論 比較的多くの人たちに支持されている 深層格に関する理論 (表層格) Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 14 表層格と深層格 • 表層格 – 主格・所有格・対象格・目的格・奪格・前置詞格 など – 日本語の場合:ガ格、ヲ格、ニ格、カラ格、ヘ格、 ト格、ヨリ格、マデ格、デ格 • 深層格 – 動作主格(Agent)、経験者格(E)、道具格 (Instrumnt)、対象格(Object) 、源泉格(S) 、目標格 (Goal) 、場所格(L)、時間格(T) Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 15 関連事項 • • • • • オントロジー (Semantic Web) Semantic Computing Project UNL(Universal Networking Lnaguage) 談話理論 意図理解 Natural Language Processing 2009 (Tokyo Univ. of Tech.) 16
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