RMI ソフトウェア特論 第6回 / 2004-06-04 お知らせ 6月11日 (金) の講義は休講となります。 きょうの目標 RMI の基本を復習する。 RMI とは何か RMI とは Remote Method Invocation (遠隔メソッド 呼び出し) の略 違う Java Virtual Machine 上のメソッドを 呼び出す仕組みのこと Java Virtula Machine は、別のホスト上に あってもよい。 クライアント・サーバモデルとなる。 通常のJavaプログラムの場合 Hello クラスのインスタンスを作成する。 このインスタンスの sayHello メソッドを実 行する。 RMIの場合 RMI の場合 クライアントで Hello クラスのインスタンス を作成する。 クライアントで、このインスタンスの sayHello メソッドを実行する。 Hello クラスの実装はサーバ側にある。 サーバで sayHello メソッドが実行され、返 値がクライアントに返される。 RMI だと何がうれしいのか Hello クラスの実装はサーバ側にあるので、 クライアントはサーバ側を呼び出すだけで よい。 このときクライアントは、メソッドを実行する だけでサーバを呼び出せる。 RMIのしくみ サーバとクライアント サーバでは、クライ アントから呼び出さ れるメソッドを実装 する。 クライアントでは、 サーバを見つけだ して、メソッドを実行 する。 スタブとスケルトン RMI では、通信に 必要な処理は「スタ ブ」と「スケルトン」 というクラスに記述 される。 スタブとスケルトン は、サーバのプロ グラムからツール で生成される。 rmiregistry サーバの情報を登 録しておくための 「ネームサーバ」 クライアントは rmiregistry にアク セスしてサーバの プログラムを探す RPC (Remote Procedure Call) RMI の原型となった技術 Sun Microsystems によって開発された。 別のマシン上にある手続きを実行するた めのしくみ。 Unix, Windows で広く普及している。 RMI を構成するプログラム Remoteインタフェース (1) import java.rmi.Remote; import java.rmi.RemoteException; public interface Hello extends Remote { public String sayHello() throws RemoteException; } Remoteインタフェース (2) クライアントから呼び出せるメソッドを定義 する。 サーバは、このインタフェースを実装する。 このインタフェースをサーバとクライアント で共有する。 java.rmi.Remote を継承する。 それぞれのメソッドは、RemoteException を発行できるようにする。 サーバ側のプログラム (1) クラスの定義 public class HelloImpl extends UnicastRemoteObject implements Hello { ...... } サーバ側のプログラム (2) クラスの定義 Hello インタフェースを実装する。 UnicastRemoteObject を継承する。 サーバ側のプログラム (3) コンストラクタとメソッド public HelloImpl() throws RemoteException { super(); } public String sayHello() throws RemoteException { return "Hello world!"; } サーバ側のプログラム (4) コンストラクタとメソッド RemoteException を発行するようにする。 そのため、必ずコンストラクタを用意しなけ ればならない。 インタフェースで用意されたメソッドを実装 する。 サーバ側のプログラム (5) mainメソッド (1) // 許可されてない操作を行わないために if (System.getSecurityManager() == null) { System.setSecurityManager( new RMISecurityManager() ); } サーバ側のプログラム (6) mainメソッド (2) // インスタンスを生成 HelloImpl obj = new HelloImpl(); // rmi://localhost/HelloServer といった // URIを生成する StringBuffer url = new StringBuffer(); url.append("rmi://"); url.append(args[0]); url.append("/HelloServer"); サーバ側のプログラム (7) mainメソッド (3) // rmiregistry に // HelloImpl を // rmi://localhost/HelloServer という名前で // 登録する Naming.rebind(new String(url), obj); クライアント側のプログラム (1) // rmi://localhost/HelloServer といった // URIを生成する StringBuffer url = new StringBuffer(); url.append("rmi://"); url.append(args[0]); url.append("/HelloServer"); クライアント側のプログラム (2) // rmiregistry から // rmi://localhost/HelloServer という名前の // オブジェクトを探し、Hello にキャストする Hello obj = (Hello)Naming.lookup( new String(url)); クライアント側のプログラム (3) // Hello オブジェクトの // sayHello メソッドを実行する System.out.println(obj.sayHello()); RMI を動かす プログラムのコンパイル javac Hello.java javac HelloImpl.java javac HelloClient.java スタブとスケルトンの生成 rmic HelloImpl このコマンドによって、次の2つのクラスが 生成される。 HelloImpl_Stub.class HelloImpl_Skel.class rmic –keep HelloImpl を実行することで、 スタブとスケルトンのソースファイルを残す ことができる。 サーバ側とクライアント側で 用意するプログラム サーバ側 Hello.class HelloImpl.class スタブ スケルトン policy.txt (後述) クライアント側 Hello.class HelloClient.class policy.txt (後述) rmiregistry の起動 start rmiregistry このコマンドで rmiregistry を起動 起動するフォルダにはクラスファイルを置 かない サーバの起動 (1) コマンドライン java -Djava.rmi.server.codebase= file:///C:\Home\rmi\ -Djava.security.policy=policy.txt HelloImpl localhost サーバの起動 (2) codebase (1) java.rmi.server.codebase= file:///C:\Home\rmi\ codebase プロパティでスタブの位置を指 定する。 この場合は、C:\Home\rmi\ にスタブを置 いておく。 サーバの起動 (3) codebase (2) C:\Home\rmi\ 最後の \ を忘れない Codebase には Web上の URL を指定す ることもできる。 http://www.wakhok.ac.jp/~tomoharu/ この URL にスタブを置いておく サーバの起動 (4) codebase (3) クライアントが起動されると、codebase で 指定された URL からスタブがダウンロード されて、クライアントプログラムからスタブ を利用できるようになる。 サーバの起動 (5) ポリシーファイルの設定 java.security.policy=policy.txt policy.txt というファイルでアクセス権を指 定できる。 サーバの起動 (6) policy.txt の内容 grant { // Allow everything for now permission java.security.AllPermission; }; すべての人にすべてのアクセス権を与える クライアントの起動 java -Djava.security.policy=policy.txt HelloClient localhost 注意点 Cygwin を使うとうまく動かない (原因は不 明)。 プログラムを起動するときには、クラスパス を設定しないこと。 クラスパスを設定していると、もしクラスパ ス中にスタブがあった場合、クライアントプ ログラムはそのスタブをロードするから。 参考文献・URL JavaTM Remote Method Invocation (RMI) http://java.sun.com/j2se/1.4/ja/docs/ja/gui de/rmi/ Sun Microsystems による RMI の解説です。
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