~三井住友信託の経済・市場情報~ Contents 経済振り返り 市場振り返り 10月の市場動向まとめ 国内債券・国内株式 主な経済指標(国内) 米国債券・米国株式 経済振り返り(国内) 為替 主な経済指標(海外) 経済・市場見通し 経済振り返り(海外) 内外経済 日本・米国・アジアのGDP成長率 国内資産・海外資産・為替 ご参考 市場環境の推移 2012年11月作成 経済振り返り 10月の市場動向まとめ 主な経済指標(海外) 主な経済指標(国内) 経済振り返り(海外) 経済振り返り(国内) 日本・米国・アジアのGDP成長率 10月の市場動向まとめ 10月の国内株式市場は中国リスクに対する警戒感と日銀による追加金融緩和への期待感から一 進一退の動きとなり、米国株式市場は景気指標には改善が見られたものの、決算で発表された 企業業績が軟調に推移したことから下落しました。 主要国の株価動向 ロシア(RTS指数) ↓ -2.83% イギリス(FTSE) ↑ 0.71% 中国 (上海総合指数) ドイツ(DAX) ↑ 0.62% ↓ -0.83% アメリカ(NYダウ) ↓ -2.54% 日本 (TOPIX配当除き) ↑ インド(SENSEX30) ↓ -1.37% 0.67% オーストラリア (S&P/ASX 200) ↑ MSCI World MSCI 欧州 MSCI エマージング ブラジル 2.96% (ボベスパ指数) ↓ -0.76% 0.62% -0.60% 年度収益率 月次収益率 G-REIT 円/ユーロ J-REIT Citi世界国債 円/ドル MSCI-KOKUSAI 英国(FTSE) TOPIX(配当込み) 日経平均 ドイツ(DAX) NOMURA-BPI NOMURA-BPI(国債超長期) HFRX Index MSCI-Emerging 中国(上海総合指数) ダウ平均 金先物 CRB指数 ナスダック WTI原油 + 3.76% + 3.48% + 3.38% + 3.11% + 2.74% + 2.19% + 0.71% + 0.67% + 0.66% + 0.62% - 0.02% - 0.29% - 0.42% - 0.60% - 0.83% - 2.54% - 2.94% - 4.35% - 4.46% - 6.45% -9% -6% -3% 0% -3.56% 3% 6% J-REIT G-REIT ドイツ(DAX) 金先物 NOMURA-BPI(国債超長期) NOMURA-BPI 英国(FTSE) Citi世界国債 MSCI-KOKUSAI ダウ平均 HFRX Index MSCI-Emerging 円/ドル ナスダック CRB指数 円/ユーロ 中国(上海総合指数) 日経平均 TOPIX(配当込み) WTI原油 + 9.61% + 4.69% + 4.52% + 2.98% + 2.65% + 1.54% + 0.25% - 0.25% - 0.87% - 0.87% - 1.03% - 2.16% - 2.87% - 3.70% - 4.09% - 5.49% - 8.57% - 11.46% - 12.08% - 16.29% -25% -20% -15% -10% -5% (注) J-REIT:東証REIT指数(配当込み)、G-REIT: S&P Citigroup World REIT (日本除き、円ベース) 0% 5% 10% 15% (出所)Bloomberg 2 主な経済指標(国内) 10月1日 10月1日 10月1日 10月1日 10月1日 10月1日 10月5日 10月5日 10月9日 10月9日 10月9日 10月9日 10月9日 10月9日 10月11日 10月11日 10月11日 10月12日 10月12日 10月15日 10月15日 10月17日 10月19日 10月19日 10月19日 10月22日 10月22日 10月22日 10月22日 10月26日 10月26日 10月30日 10月30日 10月30日 10月30日 10月30日 10月30日 10月30日 10月31日 10月31日 10月31日 経済指標 7-9月期 日銀短観 大企業製造業業況判断 7-9月期 日銀短観 大企業非製造業業況判断 7-9月期 日銀短観 大企業製造業先行き 7-9月期 日銀短観 大企業非製造業先行き 7-9月期 日銀短観 大企業全産業 設備投資 9月 自動車販売台数(前年比) 9月 外貨準備高 10月5日 日銀目標金利(無担保コール翌日物) 8月 国際収支-経常収支 8月 国際収支-経常収支(季調済) 8月 国際収支-貿易収支 9月 企業倒産件数(前年比) 9月 景気ウォッチャー調査-現状判断DI 9月 景気ウォッチャー調査-先行き判断DI 8月 機械受注(前月比) 8月 機械受注(前年比) 9月 消費者態度指数 9月 国内企業物価指数(前年比) 9月 国内企業物価指数(前月比) 8月 鉱工業生産(前月比) 8月 鉱工業生産(前年比) 9月 工作機械受注(前年比) 8月 全産業活動指数(前月比) 8月 景気一致CI指数 8月 景気先行CI指数 9月 通関ベース貿易収支 9月 通関ベース貿易収支(季調済) 9月 貿易収支-輸出総額(前年比) 9月 貿易収支-輸入総額(前年比) 9月 全国CPI(前年比) 9月 全国CPI(除生鮮/前年比) 9月 失業率 9月 有効求人倍率 9月 全世帯家計調査 消費支出(年比) 9月 鉱工業生産(前月比) 9月 鉱工業生産(前年比%) 9月 自動車生産(前年比) 10月30日 日銀目標金利(無担保コール翌日物) 9月 建設工事受注(前年比) 9月 住宅着工戸数(年率) 9月 住宅着工戸数(前年比) 実績 前回 -3 8 -3 5 6.40% -8.10% -1 8 1 6 6.20% 7.30% 1兆2,770億ドル 1兆2,732億ドル 0.10% 4,547億円 7,223億円 -6,445億円 -7.00% 41.2 43.5 -3.30% -6.10% 40.1 -1.40% 0.30% -1.60% -4.60% -2.80% 0.10% 93.5 93.2 -5,586億円 -9,803億円 -10.30% 4.10% -0.30% -0.10% 4.20% 0.81倍 -0.90% -4.10% -8.10% -12.40% 0.10% 3.60% 86.6万戸 15.50% 0.10% 6,254億円 3,354億円 -3,736億円 -5.80% 43.6 43.6 4.60% 1.70% 40.5 -1.90% 0.20% -1.30% -4.30% -3.00% -0.60% 93.6 93.6 -7,638億円 -4,619億円 -5.80% -5.30% -0.40% -0.30% 4.20% 0.83倍 1.80% -1.60% -4.60% 4.50% 0.10% 8.70% 88.8万戸 -5.50% (出所)Bloomberg 3 経済振り返り(国内) 失業率と求人倍率(9月): 失業率:4.20% 求人倍率:0.81倍 CPI(消費者物価指数)(9月): 前年比▲0.10% (%) <CPI(除生鮮食品)の推移> <失業率と求人倍率の推移> (%) (倍) 6 1.2 5 1 1 4 0.8 0 3 0.6 -1 2 3 CPI(除生鮮食品)(前年比) 2 0.4 完全失業率 -2 1 0.2 有効求人倍率(右軸) -3 0 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 12/09 9月の消費者物価指数(除生鮮食品)は前年比 ▲0.10%となり、5ヶ月連続のマイナスとなりました。 テレビ、プリンターなどの家電製品の値下がりによ る価格下落が物価全体を押し下げる結果となりま した。 (%) 0 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 12/09 9月の完全失業率は4.2%と、前月(4.2%)から横 ばいとなりました。有効求人倍率は0.81倍(前月 0.83倍)となり、前月比では3年2ヶ月ぶりの悪化と なりました。 鉱工業生産指数(9月): 前月比▲4.10% 景気ウォッチャー調査(9月): 現状判断DI:41.2 先行き判断DI:43.5 <鉱工業生産指数の推移> <先行きDI・現状DIの推移> 10 60 5 50 0 40 -5 30 -10 20 鉱工業生産指数(前月比・季調済) -15 10 -20 0 現状DI 先行きDI 08/02 08/08 09/02 09/08 10/02 10/08 11/02 11/08 12/02 12/08 9月の鉱工業生産指数は事前予想(▲3.10%)より も悪化して、前月比▲4.10%と3ヶ月連続でマイナ スとなりました。欧州や米国向けの自動車が減少 したほか、反日デモが広がった中国向けの自動車 部品などが落ち込んだことから低下となりました。 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 12/09 9月の現状判断DIは、41.2となり、前月の43.6を下 回り2カ月連続で低下しました。先行き判断DIも、 43.5となり、前月の43.6を下回り5か月連続で低下 しました。現状判断DI、先行き判断DI共に、横ばい を示す50を下回った水準で推移しています。 (出所)Bloomberg 4 主な経済指標(海外) <米国> 10月1日 10月1日 10月3日 10月3日 10月3日 10月5日 10月5日 10月11日 10月12日 10月12日 10月15日 10月15日 10月15日 10月16日 10月16日 10月16日 10月16日 10月16日 10月24日 10月25日 10月26日 10月26日 10月26日 10月29日 10月29日 10月30日 10月30日 10月31日 経済指標 9月 ISM製造業景況指数 8月 建設支出(前月比) 9月 自動車販売台数総計(年率換算) 9月 ADP雇用統計 9月 ISM非製造業景況指数(総合) 9月 非農業部門雇用者数変化 9月 失業率 8月 貿易収支 9月 生産者物価指数(前月比) 9月 生産者物価指数(前年比) 9月 小売売上高 9月 小売売上高(除自動車・ガソリン) 8月 企業在庫 9月 消費者物価指数(CPI)(前月比) 9月 CPI(除食品&エネルギー/前月比) 9月 消費者物価指数(CPI)(前年比) 9月 CPI(除食品&エネルギー/前年比) 9月 鉱工業生産 8月 住宅価格指数(前月比) 9月 耐久財受注(前月比) 7-9月期 GDP(前期比/年率) 7-9月期 個人消費 10月 ミシガン大学消費者信頼感指数 9月 個人所得 9月 個人支出 8月 S&P/ケース・シラー総合-20(前月比%/季調済) 8月 S&P/ケース・シラー総合-20(前年比) 10月 シカゴ購買部協会景気指数 実績 前回 51.5 -0.60% 1,488万台 16.2万人 55.1 11.4万人 7.80% -442億ドル 1.10% 2.10% 1.10% 0.90% 0.60% 0.60% 0.10% 2.00% 2.00% 0.40% 0.70% 9.90% 2.00% 2.00% 82.6 0.40% 0.80% 0.49% 2.03% 49.9 49.6 0.20% 1,446万台 8.2万人 53.7 14.2万人 8.10% -425億ドル 1.70% 2.00% 1.20% 0.30% 0.80% 0.60% 0.10% 1.70% 1.90% -1.40% 0.10% -13.10% 1.30% 1.50% 83.1 0.10% 0.50% 0.32% 1.20% 49.7 <ユーロ圏> 10月1日 10月1日 10月2日 10月3日 10月4日 10月12日 10月12日 10月16日 10月24日 10月24日 10月30日 経済指標 9月 PMI製造業 8月 ユーロ圏 失業率 8月 ユーロ圏 生産者物価指数(前月比) 8月 ユーロ圏 小売売上高(前月比) 10月4日 欧州中央銀行 発表金利 8月 ユーロ圏 鉱工業生産(前月比/季調済) 8月 ユーロ圏 鉱工業生産(前年比/季調前) 9月 ユーロ圏 CPI-コア(前年比) 10月 PMI Composite 10月 PMI 製造業 10月 ユーロ圏 消費者信頼感 実績 前回 46.1 11.4% 0.90% 0.10% 0.75% 0.60% -2.90% 1.50% 45.8 45.3 -25.7 46.0 11.5% 0.30% 0.10% 0.75% 0.60% -2.80% 1.50% 46.1 46.1 -25.7 (出所)Bloomberg 5 経済振り返り(海外) 米雇用統計(9月): 非農業部門雇用者数 前月比+11.4万人 ISM景況指数(9月): 製造業51.5 非製造業55.1 <ISM景況指数の推移> (万人) <非農業部門雇用者数変化と失業率の推移> (%) 65 60 12 60 40 11 55 20 10 0 9 -20 8 製造業 -40 7 非製造業 -60 50 45 40 35 6 非農業部門雇用者数変化(前月比) -80 30 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 12/09 5 失業率(右軸) -100 4 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 12/09 9月のISM景況指数は、製造業は51.5となり、事前 予想(49.7)を上回り、製造業活動の拡大と縮小の 境目となる50を4ヶ月ぶりに上回りました。非製造 業は、55.1となり、事前予想(53.4)を上回り改善し ました。 9月の非農業部門雇用者数は、前月比+11.4万人 となり、事前予想(+11.5万人)を下回りましたが、 失業率が安定するとされる約10万人は上回りまし た。失業率は7.8%と、前月(8.1%)から改善しまし た。 米小売売上高(9月): 前月比+1.1% CPI(米消費者物価指数)(9月): 前年比+2.0% (%) <小売売上高の推移> (%) 3 6 2 5 1 4 0 3 2 -1 1 -2 -3 -4 <CPIの推移(前年比)> 小売売上高 自動車・ガソリン除き(コア) -5 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 12/09 9月の米小売売上高は、前月比+1.1%となり、事 前予想(+0.8%)を上回り、3ヶ月連続のプラスとな りました。特に自動車やガソリン、電気製品の売上 高の増加が全体を押し上げました。 自動車・ガソリ ンを除く売上高については、前月比 +0.9%とプラ スとなりました。 0 -1 -2 CPI CPI(食品・エネルギー除き) -3 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 12/09 9月のCPI(米消費者物価指数)は、前年比+2.0% となり、前月(同1.7%)に続き3ヶ月連続の上昇とな りました。食品とエネルギーを除いたコア指数は、 前年比+2.0%となり、前月(同+1.9%)と同水準と なりました。 (出所)Bloomberg 6 日本・米国・アジアのGDP成長率 米国 日本 米国:実質GDP成長率(前期比年率%) 日本:実質GDP成長率(前期比年率%) 15 6 予想 強気 平均 10 予想 弱気 4 5 0 2 -5 出所:内閣府(実績値のみ)、 公益社団法人 日本経済研究センター、 強気 -10 0 Bloomberg 、 平均 出所:米国商務省、ブルーチップ、 予想期間の実線値は弊社予測値 予想期間の実線値は弊社予測値 弱気 -2 -15 11年4-6月 10-12月 12年4-6月 10-12月 日本の4-6月期の実質GDP(改訂値)は、前期比年 率+0.7%となり、速報値(+1.4%)から下方修正さ れました。設備投資は前期比+1.4%と速報値 (+1.5%)から引き下げられました。個人消費は前 期比+0.1%と速報値(+0.1%)から横ばい。公共投 資は前期比+1.8%と速報値(+1.7%)から引き上げ られました。 10-12月 12年4-6月 10-12月 13年4-6月 米国の7-9月期の実質GDP(速報値)は、前期比年 率+2.0%となり、事前予想(+1.8%)を上回りました。 国防支出と個人消費の伸びに支えられ4-6月期 (+1.3%)から改善しました。 Note アジア アジア:実質GDP成長率(前年同期比%) 12% 8% 4% 中国 香港 韓国 出所:Bloomberg 0% 7-9月 11年1-3月 7-9月 12年1-3月 12年7-9月 中国の7-9月期の実質GDPは、前年同期比+7.4% となり、事前予想(+7.4%)と一致しました。韓国の 7-9月期の実質GDP(速報値)は、前年同期比 +1.6%となりました。 7 市場振り返り 国内債券・国内株式 米国債券・米国株式 為替 市場振り返り ~国内債券・国内株式~ 国内債券 直近1年間の推移 (%) 1.1 10月の推移 (%) 10月 0.80 1.045 0.79 1.0 0.778 0.78 0.775 0.9 0.77 0.8 0.775 0.76 10年国債利回り 10年国債利回り 0.75 0.7 11/10 12/01 12/04 12/07 9/30 12/10 10/5 10/10 10/15 10/20 10/25 10/30 【10月の振り返り】 国内10年債利回りは、序盤は中国景気の減速や日中関係悪化を受けて投資家のリ スク回避姿勢が高まったため債券が堅調に推移し、金利は低下基調で推移しましたが、中旬にはスペイ ンの財政問題に対する懸念が和らいだことや、米国の経済指標が堅調な結果となったことから0.794%ま で上昇しました。その後は、日銀の追加金融緩和期待が高まり債券が堅調に推移したことから金利は下 落基調となり、月末は0.775%で終えました。 国内株式 (ポイント) 直近1年間の推移 1000 10月 950 10000 8928.29 900 850 (円) 10500 (ポイント) 9000 780 800 8500 760 750 8000 740 700 650 7500 764.06 600 742.33 TOPIX(配当除き)(左軸) 日経平均(右軸) 6500 6000 12/01 12/04 12/07 9200 8928.29 8870.16 9000 8800 742.33 737.42 8600 720 8400 7000 550 11/10 9400 800 9500 8988.39 (円) 10月の推移 820 12/10 700 TOPIX(配当除き)(左軸) 日経平均(右軸) 680 9/30 8200 8000 10/5 10/10 10/15 10/20 10/25 10/30 【10月の振り返り】 国内株式市場は、序盤は中国景気の減速や日中関係悪化を受けた警戒感から軟調 に推移したものの、日銀の追加金融緩和期待を背景とした円安進行をうけて上昇し、日経平均は19日に 9,000円台を回復しました。下旬は中間決算に対する懸念を背景に利益確定や戻り待ちの売りが優勢と なったことから下落に転じ、日経平均は8928.29円、TOPIXは742.33で終えました。なお、30日に日銀が 金融政策決定会合で追加金融緩和を決定したものの、予想の範囲内であったことから市場の反応は限定 的となりました。 (出所)Bloomberg 9 市場振り返り ~米国債券・米国株式~ 米国債券 直近1年間の推移 (%) 2.6 10月の推移 (%) 10月 2.0 2.4 1.9 2.2 2.114 1.8 2.0 1.7 1.8 1.691 1.691 1.6 1.6 1.634 1.4 1.5 1.2 米国10年債利回り 米国10年債利回り 1.4 1.0 11/10 12/01 12/04 12/07 9/30 12/10 10/5 10/10 10/15 10/20 10/25 10/30 【10月の振り返り】 米国10年債利回りは、9月の失業率が2009年1月以来の低水準まで改善したことを受 けて上昇しましたが、その後は反落しました。中旬には小売売上高や住宅着工戸数などが堅調な個人消 費を示唆する結果となったことから1.834%まで上昇しました。しかしその後は下落基調で推移し、月末は 1.691%で終えました。 米国株式 直近1年の推移 (ドル) 14,500 2977.23 10月の推移 (ドル) 10月 (ポイント) 3,250 14,100 14,000 (ポイント) 3,200 3116.23 3,000 13,950 2,750 13,800 3,100 13,000 2,500 13,650 3,050 12,500 2,250 13,500 13,500 2684.41 13096.46 12,000 11,500 11,000 11955.01 ダウ平均(左軸) ナスダック(右軸) 10,500 11/10 12/01 12/04 12/07 12/10 2,000 13,350 1,750 13,200 1,500 13,050 1,250 12,900 3,150 2977.23 13437.13 3,000 2,950 2,900 ダウ平均(左軸) ナスダック(右軸) 13096.46 2,850 2,800 9/30 10/5 10/10 10/15 10/20 10/25 10/30 【10月の振り返り】 米国株式は、9月の失業率が2009年1月以来の低水準まで改善したことから上昇して 始まりました。しかしながら、以降は決算で発表された企業業績が軟調に推移したことから、業績の先行き に対する不透明感が高まり、下落基調で推移しました。中旬には過度な警戒感が一時的に払拭され反発 する局面もありましたが下落基調は継続し、月末はダウ平均は13096.46ドル、ナスダックは2977.23で終え ました。なお、28日、29日はハリケーン「サンディ」の影響で米国株式市場は休場となりました。 (出所)Bloomberg 10 市場振り返り ~為替~ 為替 直近1年間の推移 (円) 10月 (円) 115 88 103.57 108.76 86 110 84 105 82 100 80 95 77.98 78 90 76 85 79.93 74 80 円ドル(左軸) 72 円ユーロ(右軸) 70 11/10 12/01 12/04 12/07 12/10 10月の推移 (円) (円) 83 81.0 105 106 103.57 104 103.57 104 102 103 100 79.93 102 79.93 98 101 96 80.5 82 100.09 80.0 81 79.5 100.09 80 79.0 79 78.5 78 78.0 75 77 77.5 70 77.0 76 77.80 77.80 9/30 9/30 10/5 10/5 円ドル(左軸) 円ドル(左軸) 円ユーロ(右軸) 円ユーロ(右軸) 94100 9299 9098 10/10 10/10 10/15 10/15 10/20 10/20 10/25 10/25 10/30 10/30 【10月の振り返り】 ドル/円は、米経済指標の改善による米景気回復期待や日銀による追加金融緩和観 測を背景に円売り・ドル買いが優勢となり、引き続き円安基調で推移しました。下旬には欧米株式市場の 下落を背景に円高となる局面もありましたが、月末は79.93円で終えました。 ユーロ/円は、上旬はECBによる政策対応に対する期待感から円売り・ユーロ買いが優勢となり、その後も 日銀による追加金融緩和観測を背景に円安基調で推移し、月末は103.57円で終えました。 【ご参考】 不動産・商品 東証REIT指数(配当込) CRB指数 1750 320 1700 310 1650 1672.76 1600 1618.08 300 309.30 295.84 290 1550 1500 280 9/30 10/05 10/10 10/15 10/20 10/25 10/30 9/30 10/05 10/10 WTI原油 10/20 10/25 10/30 金先物 96 93 10/15 1830 92.19 1800 1770 90 86.24 87 1740 1771.10 1719.10 1710 84 1680 81 1650 9/30 10/05 10/10 10/15 10/20 10/25 10/30 9/30 10/05 10/10 10/15 10/20 10/25 10/30 (出所)Bloomberg 11 経済・市場見通し 内外経済 国内資産・海外資産・為替 内外経済見通し 国内景気 <企業部門> 輸出鈍化や国内のエコカー補助金終了による自動車販売台数減少を背景に生産活動は低下傾向にあり、 設備投資の動きも鈍くなっています。しかしながら、潜在的な設備投資需要は根強いと想定します。 <家計部門> 雇用情勢は堅調であるものの、消費者心理の持ち直しに一服感が見られることから、個人消費は踊り場 となると見込みます。 金融・財政政策 日銀は今年2月の金融政策決定会合において、「中期的な物価安定の目途」を示しました。コア消費者物 価の前年比上昇率+1%を見通せるまで実質的なゼロ金利政策と金融資産買い入れ等の措置により、強 力に金融緩和を推進する方針を示し、同月、及び4月、9月、10月と資産買入基金の増額を行いました。10 月は貸出増加支援のための無制限資金供給も決めました。 政府と一体となったデフレ脱却を目指すこと、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入等の措置により 強力に金融緩和を推進すると共同文書に明記しており、今後も市場の緩和期待は維持される見込みです。 米国景気 <企業部門> 企業は緩やかながらも増益基調を維持し、潤沢なキャッシュを背景に設備投資は増加基調を維持する見 込みに加え、住宅投資も改善傾向が鮮明となってきました。 <家計部門> 雇用者数は緩慢な改善に留まり、労働所得も大幅な伸びは期待できないことから、個人消費は底堅くも緩 やかな伸びに留まると予想します。 金融・財政政策 9月のFOMCの声明で発表された量的緩和第3段(QE3)では、住宅ローン債権を買い入れ対象とし、月額 400億ドルのペースで、期限は設定せずに労働市場の見通しが大幅に改善するまで継続するとしていま す。また、事実上のゼロ金利政策の時間軸を15年半ばまで延長し、現在実施中のツイスト・オペもQE3と 並行実施されています。今後、労働市場の見通しが大きく改善しない場合には追加の資産購入やその他 の政策手段を講じるとしており、今後発表される景気指標次第では、更なる追加緩和策の実施が予想さ れます。 Note 13 国内資産・海外資産・為替 (今後1年間の見通し) 国内債券 ECBの政策対応などによる欧州債務問題の落ち着き、米国や中国の景気に対する悲観の後退などを背景 に、リスクオフ志向は徐々に弱まり、金利は上昇基調を辿ると予想します。一方で日銀の金融緩和スタン スは継続される見込みであること、FRBの追加緩和観測台頭から米国金利上昇ペースが緩慢になること が予想されることから、金利の上昇ピッチは緩やかなものになると予想します。 国内株式 国内株式は、不安定な市場動向を背景に割安な水準にあると見ています。今後は、主要国中央銀行によ る金融緩和や、欧州債務問題や米中の景気減速に対する懸念の後退を背景として、企業業績の下方修 正が一巡することで底堅く推移する展開を見込みます。一方で、米国財政問題や中国の反日問題の影響 が長期化することにより上値の重い展開となる可能性もあります。 米国債券 欧州債務問題の落ち着きや、米中景気減速懸念の後退を背景にリスクオフ志向は後退し、米国金利は上 昇基調を辿ると予想します。ただし雇用環境改善の遅れから、引続き金融緩和環境が継続することが想 定され、上昇ペースは緩やかなものに留まると予想します。 米国株式 主要中央銀行による金融緩和、欧州債務問題や米中の景気減速に対する懸念の後退を背景として、業 績の伸びに見合った緩やかな株価上昇を予想します。 為替 <ドル/円> 欧州債務問題の懸念後退や米国景気減速懸念の後退、日銀による追加金融緩和期待の持続などから、 引き続き円高には振れ難い展開を予想します。一方で、日本の金利水準の低下余地は限られており、米 国景気の回復ペースは緩慢であることから、日米金利差拡大を背景とした一段の円安は見込みにくく、当 面は小幅な動きとなることを想定します。 <ユーロ/円> 欧州債務問題の懸念は小康状態にあるものの、抜本的な解決策に向けた進展が見られず、今後も市場 の緊張の高まりとそれを受けた対症療法による緊張の緩和を背景に、方向感のない展開が続くものと予 想します。 2013月3月末予想値 新発10年国債利回り 0.85-0.95% TOPIX 790-870 米国10年国債利回り 1.85-2.05% 米S&P 1,470-1,630 円/ドル相場 円/ユーロ相場 76-84円 100-110円 適年概況、調年概況、マンスリーレポート等 注) コメントは今後1年程度の市場動向を予想するものです。 で期末の予想数値を出す場合は、総運から 来る金融変数のエクセルシートの(最高、最 低)を出すのではなく、中心値からプラスマイ ナス5%程度の数値を出すようにしてくださ 14 ご参考 市場環境の推移 【ご参考】市場環境の推移 1. 主要資産 12/03月 12/08月 12/09月 12/10月 前月比 前年度末比 国内債券 NOMURA-BPI総合 338.18 342.59 343.47 343.38 - 0.02% + 1.54% NOMURA-BPI(国債超長期) 198.01 202.81 203.86 203.26 - 0.29% + 2.65% 0.99 0.80 0.77 0.78 - - 1,109.28 951.73 968.82 975.30 + 0.67% - 12.08% 10,083.56 8,839.91 8,870.16 8,928.29 + 0.66% - 11.46% 305.17 292.94 295.21 304.40 + 3.11% - 0.25% 米国10年国債利回り(%) 2.21 1.55 1.63 1.69 - - 英国10年国債利回り(%) 2.20 1.46 1.73 1.85 - - ドイツ10年国債利回り(%) 1.79 1.33 1.44 1.46 - - 1,215.12 1,153.76 1,178.80 1,204.56 + 2.19% - 0.87% 13,212.04 13,090.84 13,437.13 13,096.46 - 2.54% - 0.87% ナスダック総合指数 3,091.57 3,066.97 3,116.23 2,977.23 - 4.46% - 3.70% 英国(FTSE) 5,768.45 5,711.48 5,742.07 5,782.70 + 0.71% + 0.25% ドイツ(DAX) 6,946.83 6,970.79 7,216.15 7,260.63 + 0.62% + 4.52% 2,262.79 2,047.52 2,086.17 2,068.88 - 0.83% - 8.57% 1,925.64 1,787.12 1,895.32 1,884.01 - 0.60% - 2.16% 円/ドル相場(ロンドン16時) 82.30 78.30 77.80 79.93 + 2.74% - 2.87% 円/ユーロ相場(ロンドン16時) 109.59 98.70 100.09 103.57 + 3.48% - 5.49% 10年国債利回り(%) 国内株式 TOPIX(配当込み) 日経平均株価 外国債券 Citigroup世界国債(円ベース、日本除き) 外国株式 MSCI-KOKUSAI(GROSS、円ベース) ダウ平均(工業株30種) 中国(上海総合指数) MSCI-Emerging (ドルベース) 為替 2. その他資産 12/03月 12/08月 12/09月 12/10月 前月比 前年度末比 商品 CRB指数 308.46 309.59 309.30 295.84 - 4.35% - 4.09% WTI原油 103.02 96.47 92.19 86.24 - 6.45% - 16.29% 1,669.30 1,685.30 1,771.10 1,719.10 - 2.94% + 2.98% 101,938.67 100,965.53 101,319.20 100,890.33 - 0.42% - 1.03% 1,526.15 1,534.76 1,618.08 1,672.76 + 3.38% + 9.61% 433.61 442.77 437.48 453.95 + 3.76% + 4.69% 金先物 ヘッジファンド HFRX Global Hedge Fund JPY Index 不動産 東証REIT指数(配当込) G-REIT指数 (出所)Bloomberg、10年国債利回りは日本相互証券のデータを使用 16 本資料は、お客様の運用戦略や投資判断等の参考となる情報の提供を目的として作成された ものであり、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。投資等に係る最終的な決定 は、商品に関する詳細資料を参照の上、お客様ご自身のご判断で行なっていただきますようお 願い申し上げます。 シミュレーションやバックテスト等のデータ、運用実績やリスク・リターン等による商品分類図を含 めた本資料の内容は、将来の運用成果の向上を保証するものではありません。また、データの 一部は、弊社が信頼できると判断した各種情報源から入手した情報等に基づくものですが、そ の情報の正確性・確実性について弊社が保証するものではありません。なお、本資料は、作成 日において入手可能な情報等に基づいて作成したものであり、今後の金融情勢・社会情勢等の 変化により、内容が変更となる場合がございます。 本資料に関わる一切の権利は、他社資料等の引用部分を除き三井住友信託銀行に属し、いか なる目的であれ本資料の一部または全部の無断での使用・複製は固くお断り致します。 本資料の内容に関して疑問に思われる点、ご不明な点等がございましたら、弊社営業担当店部 等にご照会下さいますようお願い申し上げます。
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