太陽系外惑星のトランジット観測

太陽系外惑星のトランジット観測
和歌山大学 教育学部 自然環境教育課程
地球環境プログラム 天文学専攻
07553012 木村 奈都
太陽系外惑星とは?
(以下、系外惑星と略)
• 太陽以外の恒星の周りを回る惑
星
• 1995年に第1号が発見される
• 2006年6月までに 太陽以外の恒星
約180個が
↓
見つかっている
← 系外
惑星
トランジット法
• 系外惑星を探し出
す方法の1つ
• 惑星の恒星面通
過をとらえる
• 惑星軌道面が視
トランジット法で確認されたのは
線方向に一致して
いる必要がある
わずか11例
画像出典:星ナビ
なぜトランジット観測をするのか?
• 検出できれば、惑星直径が分か
るなど、多くの情報が得られる。
• トランジット観測例を1つでも増
やし、系外惑星の研究に貢献す
る。
この研究の位置づけ
和歌山大学屋上天文台でできる
柴原(2006)の卒業論文
既知のトランジット惑星の確認
未知のトランジット惑星の検出に挑戦
今回の観測では新発見に至らなかった
対象天体
トランジットを起こす可能性のある
候補天体の中から選択
高度が低くなると正確なデータが取れない
→日没後の高度が高いもの
HD222986
参照星と比較することで明るさの変動を捉
える
HD16703
→視野に参照星の入るもの
HD222986(以下、A)
アンドロメダ座
画像出典:MidnightTours
望遠鏡での視野
←参照星2
←参照星1
←A
観測・測光
• 3時間、天体を10分おきに3枚ず
つ撮影
• 画像から明るさを等級として数値
化
• 等級の変化を見る
色の比較
• 天体の色が違うと等級が変化する
可能性がある
• 色が同じである必要がある
• 色指数をもとめ、対象天体と参照星
例えば、
の色が同じかどうか調べる
青い星は赤い星より
• 値が大きいほど赤い色に相当する
速く暗くなる
• 値が近ければ色が似ている
色指数
A
0.762
♯1
♯2
0.1以内なら
0.832似た色
1.094
+0.070 +0.332
Aと♯1は色が似ている
2007年1月25日の光度曲線
4.000
3.500
等
級 3.000
差
変化
(
0.2等級の変化
2.500
等
級 2.000
安定
)
1.500
変化
21
h
20
h
19
h
1.000
観測時刻(日本標準時)
♯1-A
♯2-A
♯1-♯2
Aの観測結果
• 参照星1は0.2等級減光している
• トランジットによる減光は0.01等級
程度以下
減光は
トランジットによるものではない
HD16703
(以下、B)
ペルセウス座
画像出典:MidnightTours
望遠鏡での視野
参照星2→
参照星1→
←B
←参照星3
色指数
B
♯1
♯2
1.536 2.379 1.095
♯3
2.694
Bに近くなる
+0.843
-0.441 +1.158
色が違う!
↓
♯1と♯2の平均は+0.201
2007年2月13日の光度曲線
2.6300
等
2.6200
級
差 2.6100
の 2.6000
平 2.5900
均 2.5800
0.01等級
( 2.5700
等 2.5600
級
2.5500
観測時刻(日本標準時)
:25
21
20
:25
20
:55
19
:25
19
:55
18
:55
20時55分頃
) 2.5400
2.6300
2.6200
2.6100
2.6000
2.5900
2.5800
2.5700
2.5600
2.5500
2.5400
0.01等級
観測時刻(日本標準時)
21
:30
20
:50
20
:10
20時40分頃
19
:30
18
:50
等級差の平均(等級)
2007年2月19日の光度曲線
B の観測結果
• ほぼ同じ時刻で同じ減光
• トランジットの可能性は低い
• 減光の原因は大気の影響を受
けたもの
今後の課題
• 引き続き観測を行い、より多くの
データを集める
• 他の候補天体についてもデータ
取得を試みる