インフレターゲット導入の是非 否定派

インフレターゲット導入の是非
否定派
野村・山村・神谷・藤井・山本
我々の主張
主張① インフレ期待は需要を創出しない
主張② 日銀はインフレを達成できない
主張③ 現状の金融政策が妥当
以上3点より、インフレターゲットは導入すべきではない!!
そもそもインフレターゲットとは・・
日銀がインフレ率に明確な目標を定め、
意図的にインフレを引き起こすこと。
インフレ期待上昇
実質金利低下
企業活動・
消費需要活発化
目標インフレ率
の設定
目標達成!
日銀の信頼向上
金融政策により実際に
インフレを起こす
日銀がインフレ期待を起こ
せてもそれが経済にプラス
なのか
主張①
インフレ率達成
日銀に実際にインフレ
起こす能力があるのか??
主張②
主張① インフレ期待は
需要を創出しない
インフレ期待によって消費者は将来の物価上昇を見越し
消費を増やすと言われている・・
しかし!
消費者の物価に対する見方
すでに消費者は
インフレを予想
インフレターゲットを導入する効果は薄い!
主張① インフレ期待は
需要を創出しない
さらに!
期待インフレ率の向上は実質所得は低下させる
消費を決定する
大きな要因は「所得」
期待インフレ率が上昇すると
消費を抑制する
恐れがある!!
主張① インフレ期待は
需要を創出しない
図表3
実際に!
物価予測と支出削減割合
物価上昇を
予測している
人は消費を抑
えている
主張① インフレ期待は
需要を創出しない
期待インフレ率の上昇で実質金利が低下することにより
企業活動が活発になると言われている・・
しかし!
企業の投資活動は需要!
金利の影響は小さい!
期待インフレ率が向上しても
企業活動にも
影響はない!
よってインフレターゲットを行っても
景気に効果はなく、
導入すべきではない!
主張②日銀はインフレを達成できない
日銀がインフレを起こすための手段として考えられるのは
1.金利の引き下げ
2.量的緩和
3.非伝統的金融政策(信用緩和)
しかしこれらの手段には効果がなく、弊害が生じる!
金利の引き下げに関しては既に導入済み!
主張②日銀はインフレを達成できない
2.量的緩和
=日銀が民間銀行から国債等を買い取ることにより日銀当座預金を増やし貸出増を促すもの
図表4 日銀当座預金残高の推移(経済財政報告書)
図表5 日本の資金余剰主体(経済財政報告書)
既に現在銀行の日銀当座預金残高は
十分
企業は資金余剰が続いており、
資金需要の増加も望めない!
さらなる量的緩和は2000~2006年同様銀行に資金が積み上がるだけ!
むしろ資産バブルを引き起こす可能性すらある!
主張②日銀はインフレを達成できない
3.非伝統的金融政策(信用緩和)
=日銀が長期国債やETFやJ-REITなどを市場から直接買い入れる
特定の市場に流動性を付与する
(市場機能の維持)
推進派
それに加えて
しかし
資産価格を底上げし、資産効果
を生み出す
公平性・価格形成の面から問題である
主張②日銀はインフレを達成できない
3.非伝統的金融政策(信用緩和)
=日銀が長期国債やETFやJ-REITなどを市場から直接買い入れる
資産買い入れには限度がある
リスク資産の買い入れは日銀のバランスシートを棄損!
国庫納付金の減少を通じて国民の負担に!
よって日銀にインフレを達成する能力はなく、
国債の過度な買い入れは財政赤字の補填とみなされ
インフレターゲットを行うべきではない!
国債の暴落を招く!
国債を多く持つ銀行等に悪影響を与える!
こうした介入は規制されざるを得ない!
主張③ 現状の金融政策が妥当
インフレ率のみを見て金融政策を行うのは危険!
一般物価は安定している
にも関わらずバブルは起き
ている
物価の安定のみを念頭においた金融政策は危険!
フレキシブルな対応が可能な枠組みが必要
主張③ 現状の金融政策が妥当
現状は
★デフレは許容しないことを数値化!
★物価安定が達成されるまでゼロ金利維持を明確化!
インフレターゲットの導入は目標の未達成をもって
信頼を失うのみ!
様々な事象に対応できる先進的な枠組
①インフレ期待は需要を創出しない
②日銀はインフレを達成できない
③現状の金融政策が妥当
以上3点より、インフレターゲットは導入すべきでない!
ご静聴ありがとうございました!