経営情報論B⑩ - HIGUCHI Toru

経営情報論B⑩
情報技術と組織革新①(第9章)
1.情報技術と組織の関連性
情報技術と組織の相互作用
EUCとリエンジニアリングが進展することによっ
て、情報技術を活用する人や組織の重要性が
再認識された(情報技術と組織の整合性が大
切)。
• 多くの人が利用するようになった。
•情報システムで利用範囲が拡大した。
※事業への影響が大きくなった。
企業の情報システム活用例
ウォルトンの三段階理論(図9-1)
事業
構想
第1段階 戦略トライアングルの構想作り
•
情報シ
ステム
組織
設計
事
業
内
容
組
織
構
造
利
用
者
視
点
情報システム設計
情報シ
ステム
修正
利用者の声や環境
変化によって修正
新しい情報技術が事業内容と整合
し、実行する組織とも整合。
第2段階 情報システムの設計と組織開発
•
•
事業と組織と整合する情報システ
ムを構築する。
最新の情報システムを駆使して、
事業や組織を刷新する。
第3段階 情報システムの実用化(ユー
ザーの利用あるいは声反映)
※これらの3段階は同時並行的(順番でな
く)かつ相互適合的に行われること
によって、情報システムと組織が機
情報技術の(相反する)二面的効果
「知的技術の2つの顔」
情報システムの効果(Zuboff 1985; 1988)
•作業の自動化:従業員への依存を減らす。
(考える必要を無くし、判断力を奪う)。
•従業員の情報化:求められる意思決定が変化し、
コミュニケーションの幅が広がる。
※情報システムでできることは情報システムに任せる。
現時点で人間にしかできないことは?
情報化の組織への影響(Walton 1989)
• 従属効果(管理の強化):
IDによる管理や位置情報など、標準化やマニュ
アル化などにより行動を管理)
• 参画効果:
自発的な行動(学習)を促し、個人のスキルアッ
プや組織の連携を高める。
(情報技術革新による)組織構造の変革
(時空間の制約の打破)
• 集権化:トップに決定権限が集中(情報システム
を活用すれば可能)
現場の問題解決にトップの判断を伺っていては迅
速に対応できない
• 分権化:現場に意志決定権限を委譲(迅速な判
断)につながったが、
意思決定内容の調整が難しい(ばらばらの判断)。
※組織の要請や意図が情報技術と組織の関係を
変化させることもある。
例:電子書籍への流れ
事業内容の変化
(電子書籍への移行)
情報
技術
進歩
(クラウド、タブレットなど)
印刷部門と本屋を経由
しての販売縮小
組織構造の変化
大規模データベース
双方向の連絡体制
定型的な業務は情報シス
テムで一括処理
集権化⇔分権化
(従属) (自主参画)