伝達事項 x = 2sin{(π/2)t} の式が解らないという方が多かった です。 その方はラジアン単位 (rad) の角度は理解されてい らっしゃるでしょうか。ご確認ください。 もしラジアン単位 (rad) の角度について説明が欲し いという人は、或は、特定の項目について再度説 明が欲しい人はミニレポートに書いて下さい。 グラフを書き間違えた人は、作図をしてからグラフ および定式化をして下さい。 宿題(締切: 5/13, 提出場所:田中の部屋の前のカゴ) 4秒間で1周の角速度で等速回転している質量5 kgの物体に関 する以下の問いに答えなさい。なお回転半径は 2 mで、 時刻 t=0 s の時、物体はy軸上の正の位置にあるものとする。 また物体は時計回りに回転しているものとする。 (1) 角速度ωを求めなさい。 (2) 円周の接線方向の物体の速度vを求めなさい。 (3) 向心加速度aを求めなさい。 (4) 向心力(円の中心に向かう力)Fを求めなさい。 (5) 物体のx軸方向の変位の時刻tに対するグラフを描きなさい。 (6) 物体のx軸方向の変位を時刻 t の関数として表しなさい。 宿題(締切: 5/13, 提出場所:田中の部屋の前のカゴ) 4秒間で1周の角速度で等速回転している質量5 kgの物体に関 する以下の問いに答えなさい。なお回転半径は 2 mで、 時刻 t=0 s の時、物体はy軸上の正の位置にあるものとする。 また物体は時計回りに回転しているものとする。 (1) 角速度ωを求めなさい。 360° (一周) = 2π (rad) ω(rad/s) = 2π(rad)/4(s) = π/2 (rad/s) (2) 円周の接線方向の物体の速度vを求めなさい。 v (m/s) = r(m)ω(rad/s) = 2(m) × π/2 (rad/s) = π (m•rad•s-1) = π (m•s-1) radは物理量でない(%等の割合に近い概念)なので、角度や 角速度以外の単位では無次元(数値としては1)として扱う。 宿題(締切: 5/13, 提出場所:田中の部屋の前のカゴ) 4秒間で1周の角速度で等速回転している質量5 kgの物体に関 する以下の問いに答えなさい。なお回転半径は 2 mで、 時刻 t=0 s の時、物体はy軸上の正の位置にあるものとする。 また物体は時計回りに回転しているものとする。 (3) 向心加速度aを求めなさい。 a (m/s2) = r(m)ω2(rad/s)2 = 2(m) × (π/2)2 (rad2/s2) = π2/2 (m•rad2•s-2) = π2/2 (m•s-2) (4) 向心力(円の中心に向かう力)Fを求めなさい。 F (N = kg•m•s-2) = m(kg)a(m•s-2) = 5(kg) × π2/2 (m•s-2) = 5π2/2 (kg•m•s-2) = 5π2/2 (N) 4秒間で1周の角速度で等速回転している質量5 kgの物体に関 する以下の問いに答えなさい。なお回転半径は 2 mで、 時刻 t=0 s の時、物体はy軸上の正の位置にあるものとする。 また物体は時計回りに回転しているものとする。 (5) 物体のx軸方向の変位の時刻tに対するグラフを描きなさい。 (6) 物体のx軸方向の変位を時刻 t の関数として表しなさい。 y x = r•sinθ = r•sin(ωt) = 2sin{(π/2)t} x 2 θ r=2m 0 θ = ωt = (π/2)(rad/s)•t(s) = (π/2)t rad ω x 3 0 −2 1 2 4 t/s 予習 単振動を行う代表的な例を探しなさい。 今日の講義でお話しします。 講義の後で皆さんに代表例を質問しますので、よく話を 聞いておいて下さい。 4章 周期運動 単振動 変位と位置ベクトル(訂正版) ベクトル合成を図で求めると y c = a + (−b) = a − b (eq.1) c: (4, −2) = (座標の)変位の引き算 b 0 −b a: (6, −2) a −) b: (2, −4) x c: (4, −2) (4, −2) ◯ eq. 1 (c = a − b) より =c c=a−b c+b=a ベクトルは移項も可能! 円周運動の速度 1秒あたりの回転数(周波数): f (Hz (s-1)) 回転半径: r (m) t = Δt (s) 1周(円周)の距離 = 2πr 1秒あたりの移動距離 = 2πrf = v t = 0 (s) v = 2πrf 1秒あたりの回転角度(角速度) = 2πf = ω 2π (rad) = 360° を思い出そう v = 2πrf = r(2πf) = rω 円周運動の加速度 1秒あたりの回転数(周波数): f (Hz (s-1)) v = 2πrf = ポドグラフの回転半径 ポドグラフ1周の距離 = 2πv 1秒間のポドグラフ先端移動距離 = 2πvf = 速度ベクトルの1秒間あたりの変化 = 加速度 a = 2πvf = (2πf)v = {(2πf)•r•(1/r)}v = {(2πrf)(1/r)}v = v(1/r)v = v2/r a = v2/r a = |v|2/r = (2πf)2r = rω2 a: 向心加速度(円の中心に向かう) 等速回転運動:y軸投影 12秒間で1周の角速度ωで物体が等速回転している。 y y r y = r•sin(ωt) r θ 0 θ = ωt ω 9 x 0 3 6 12 t/s r•sinθ = r•sin(ωt) −r ω = 2π(rad)/12(s) = π/6(rad/s) y = r•sin{(π/6)t} 等速回転運動:x軸投影 12秒間で1周の角速度ωで物体が等速回転している。 r•cosθ = r•cos(ωt) y x r x = r•cos(ωt) r θ 0 θ = ωt ω x 0 −r t/s 等速回転運動:x軸投影 12秒間で1周の角速度ωで物体が等速回転している。 y r θ 0 θ = ωt 真横(y軸方向) から見ると ω x x 単振動 等速回転運動:向心力 12秒間で1周の角速度ωで質量m(kg)の物体が等速回転している。 y 向心力を F とするとx軸方向の力 FX は FX = -−Fcos(ωt) (eq.1) x軸方向の変位xは x = r•cos(ωt) (eq.2) cos(ωt) = x/r (eq.3) Fcos(ωt) r θ 0 θ = ωt F ω x eq.3をeq.1に代入すると FX = −Fcos(ωt) = −F(x/r) = − (F/r)x FX = −Cx (Cは定数: C = F/r) この式から x軸方向の力は変位xに比例 単振動 x 単振動:バネの動き 重り L Δl Δl Δl 質量 m (kg) Δl W =mg 2Δl W =2mg 3Δl W =3mg バネの伸び x (m): 重りの数 (= 重りにかかる重力 W (N)) に比例 単振動:バネの動き 重り L Δl Δl Δl 質量 m (kg) Δl F 2Δl 3Δl W バネの伸び x (m): 重りの数 (= 重りにかかる重力 W (N)) に比例 作用反作用の法則: バネが重りを引っ張る力 (復元力) F (N)は重力 W (N)と向きが反対で同じ大きさの力 → F (N) = −W (N) 単振動:バネの動き 重り L Δl Δl Δl 質量 m (kg) Δl F 2Δl 3Δl W バネの伸び x (m): 重りにかかる重力 W = −F (復元力) に比例 F(N) = −kx = −k(N/m)•x(m) フックの法則 註:バネが重りを引っ張る力 (復元力) F (N)はバネののびる向きと反対 等速回転運動:向心力 向心力を F とするとx軸方向の力 FX は y FX = −Cx (Cは定数: C = F/r) この式から x軸方向の力は変位xに比例 裏を返すと Fcos(ωt) r θ 0 θ = ωt F ω x 軸方向の力が変位xに比例、かつ、 移動方向と力が逆向きの時 FX = −Cx 軸上で単振動する! 単振動 x 単振動:バネの動き 重り L Δl Δl Δl 質量 m (kg) Δl F 2Δl 3Δl W バネの伸び x (m) (= 変位) → −F (復元力) に比例 F(N) = −kx = −k(N/m)•x(m) ただし k (N/m) はバネ定数 フックの法則 バネによる重りの伸縮振動は単振動!!!になる 単振動:バネの動き Δl 上限 F0 0 平衡位置 W 下限 重り 質量 m (kg) F=0 F x t=0 t = Δt 振幅: r t = 2Δt t = 3Δt t = 4Δt [定義] 平行位置からのバネの伸び: x (m) (= 変位) F(N) = −kx = −k(N/m)•x(m) 単振動:バネの動き t/s 出典: http://www.mars.dti.ne.jp/~stamio 単振動:バネの動き x = −r•cos(ωt) ω: 単振動と周期が同じ回転運動の角速度 x/m r 振幅: r 0 −r t/s 周期: T (s) t/s 振動数 f(s-1) = 1/T(s) 周期 T(s) = 2π(=360°)(rad)/ω(rad/s) 出典: http://www.mars.dti.ne.jp/~stamio 単振動:周期の計算(加速度) 重り 質量 m (kg) F 0 r av = −(k/m)x 0 y ω x 0 振幅: r θ = ωt θ −rω =av -r v = rω F(N) = −kx = m(kg)•a(m•s-2) よって、a(m•s-2) = −(k/m)x 平衡位置 W F 振幅 r の単振動 = 半径 r の回転運動の投影図 単振動の最大振幅時の加速度av = 回転運動の向心加速度aR 単振動:周期の計算(角速度) 重り r 質量 m (kg) 平衡位置 y av = −(k/m)x 0 F x ω 0 振幅: r θ = ωt θ −rω =av -r v = rω 単振動の最大振幅時の加速度av = 回転運動の向心加速度aR よって −rω2 (m•s-2) = −(k/m)r ω2 = (k/m) ω = (k/m)(1/2) ←角速度 (周期T= 2π(=360°)/ωの計算に必要) 単振動:周期/周波数の計算 F(N) = −kx = m(kg)•a(m•s-2) y r 重り 質量 m (kg) 平衡位置 av = −(k/m)x 0 F x ω 0 振幅: r θ = ωt θ −rω =av -r v = rω 単振動の周期Tv = 回転運動の周期TR = 2π(rad)/ω(rad/s) ← ω = (k/m)(1/2)を代入した = 2π/(k/m)(1/2) (s) Tv = 2π(m/k)(1/2) (s) 単振動:周期/周波数の計算 F(N) = −kx = m(kg)•a(m•s-2) y r 重り 質量 m (kg) 平衡位置 av = −(k/m)x 0 F x ω 0 振幅: r θ = ωt θ −rω =av -r v = rω 単振動の振動数 f = 1/Tv = 1/{2π(m/k)(1/2)} (s-1) = (1/2π)×{1/(m/k)(1/2)} (s-1) = (1/2π)×[1/{(m)(1/2)/(k)(1/2)}] (s-1) = (1/2π)×{(k)(1/2)/ (m)(1/2)} (s-1) = (1/2π)×(k/m)(1/2)} (s-1) 単振動の振動数 f = (1/2π)(k/m)(1/2) (s-1) 単振動:周期/周波数の計算 F(N) = −kx = m(kg)•a(m•s-2) y r 重り 質量 m (kg) 平衡位置 av = −(k/m)x 0 F x ω 0 振幅: r θ = ωt θ −rω =av -r v = rω 単振動の周期Tv = 2π(m/k)(1/2) (s) 単振動の振動数 f = 1/Tv = (1/2π)(k/m)(1/2) (s-1) 周期・周波数のいずれもr (振幅) を含まない = 周期・周波数はr (振幅) に無関係に一定!!! 演習(未解答の問題は月曜日までに解いてくること) 質量100 gの物体をバネに吊るした時、バネが 19.6 cm のびた。 この時、以下の問いに答えなさい。鉛直下向きの変位を正の変位 とし、重力加速度 g = 9.8 m•s-2 とする。 (1) バネ定数 k を求めなさい。バネ定数の単位も書くこと。 (2) バネ定数の単位をSI単位の組立単位で表しなさい。 (3) 物体を吊るしたときの平衡位置から、バネをさらに 9.8 cm ほど 下に引いて手を離した。この時の物体の単振動の周期を求め なさい。 (4) (3) と同じ操作をした時、手を離した瞬間の物体に働く復元力を 求めなさい。 (5) (3) と同じ操作をした時、手を離した瞬間の物体の加速度を求 めなさい。 演習(未解答の問題は月曜日までに解いてくること) 質量100 gの物体をバネに吊るした時、バネが 19.6 cm のびた。 この時、以下の問いに答えなさい鉛直下向きの変位を正の変位 とし、重力加速度 g = 9.8 m•s-2 とする。(先の問題の続き) (6) (3) と同じ操作をした時、この物体の振動数を求めなさい。 (7) (3) と同じ操作をした時、物体が平衡位置に戻ってきた時の物 体がバネから受ける加速度を求めなさい。 (8) (3) と同じ操作をした時、物体が平衡位置に戻ってきた時の物 体の速度を求めなさい。 (9) (3) と同じ操作をした時、手を離した瞬間の物体の速度を求め なさい。 (10) (3) と同じ操作をした時、物体は平衡位置から何 cm ほど上ま で上がるか求めなさい。 演習(解答) 質量100 gの物体をバネに吊るした時、バネが 19.6 cm のびた。 この時、以下の問いに答えなさい。鉛直下向きの変位を正の変位 とし、重力加速度 g = 9.8 m•s-2 とする。 (1) バネ定数 k を求めなさい。バネ定数の単位も書くこと。 物体に働く重力 W = m(kg)•g(m•s-2) = 0.1(kg)×9.8(m•s-2) W = 0.98(kg•m•s-2) = 0.98(N) (鉛直下向きが正→W>0) 復元力 F = −W = −0.98(N) = −k(N•m-1)•x(m) = k×0.196(m) −0.98(N) = −k×0.196(m) = −0.98(N)/−0.196(m) k = 5.0 N•m-1 答: 5.0 N•m-1 (2) バネ定数の単位をSI単位の組立単位で表しなさい。 N•m-1 = kg•m•s-2•m-1 = kg•m•m-1•s-2 = kg•s-2 答: kg•s-2 演習(未解答の問題は月曜日までに解いてくること) 質量100 gの物体をバネに吊るした時、バネが 19.6 cm のびた。 この時、以下の問いに答えなさい。鉛直下向きの変位を正の変位 とし、重力加速度 g = 9.8 m•s-2 とする。 (3) 物体を吊るしたときの平衡位置から、バネをさらに 9.8 cm ほど 下に引いて手を離した。物体の単振動の周期を求めなさい。 周期Tv = 2π(m/k)(1/2) (s) = 2π(0.1(kg)/5(kg•s-2))(1/2) = 2π(25(s2))(1/2) = 2π×(0.02)(1/2)(s2)(1/2) = 2π×(√2/10)(s2)(1/2) = √2π/5 (s) 答: √2π/5 s (4) (3) と同じ操作をした時、手を離した瞬間の物体に働く平衡位置 に戻そうとする復元力を求めなさい。 復元力 F = −W = −k(N/m)•x(m) = −5(N/m)×0.098(m) = −0.49(N) 答: 鉛直上向きに 0.49 N 演習(未解答の問題は月曜日までに解いてくること) 質量100 gの物体をバネに吊るした時、バネが 19.6 cm のびた。 この時、以下の問いに答えなさい。鉛直下向きの変位を正の変位 とし、重力加速度 g = 9.8 m•s-2 とする。 (5) (3) と同じ操作をした時、手を離した瞬間の物体の加速度を求 めなさい。 復元力 F = −0.49(N) = m(kg)•a(m•s-2) = 0.1(kg)×a(m•s-2) 0.1a(kg•m•s-2) = −0.49(N) a = −4.9(m•s-2) 答: 鉛直上向きに4.9(m•s-2) (6) (3) と同じ操作をした時、この物体の振動数を求めなさい。 単振動の振動数 f(s-1) = (1/2π)√k/m = (1/2π)√5(kg•s-2)/0.1(kg) = (1/2π)√50(s-2) = 5√2/2π (s-1) 演習(未解答の問題は月曜日までに解いてくること) 質量100 gの物体をバネに吊るした時、バネが 19.6 cm のびた。 この時、以下の問いに答えなさい。鉛直下向きの変位を正の変位 とし、重力加速度 g = 9.8 m•s-2 とする。 (7) (3) と同じ操作をした時、物体が平衡位置に戻ってきた時の物 体がバネから受ける加速度を求めなさい。 平衡位置では、復元力 F = 0(N) = m(kg)•a(m•s-2) 0.1a(kg•m•s-2) = 0(N) 答: 加速度 0 m•s-2 a = 0(m•s-2) (8) (3) と同じ操作をした時、物体が平衡位置に戻ってきた時の物 体の速度を求めなさい。 単振動と周期の等しい円運動の角速度 ω = √k/m 平衡位置の速度 = 円運動の接線方向の速度v = rω = r√k/m v = ±rω = ±r√k/m = ±0.098√50(s-2) = ±49√2/100 (m•s-1 演習(未解答の問題は月曜日までに解いてくること) 質量100 gの物体をバネに吊るした時、バネが 19.6 cm のびた。 この時、以下の問いに答えなさい。鉛直下向きの変位を正の変位 とし、重力加速度 g = 9.8 m•s-2 とする。 (9) (3) と同じ操作をした時、手を離した瞬間の物体の速度を求め なさい。 手を離した瞬間の速度 v は 0 m•s-1 (10) (3) と同じ操作をした時、物体は平衡位置から何 cm ほど上ま で上がるか求めなさい。 平衡位置から上への変位 (xup) = −平衡位置から下への変位(−xdown) xup = −xdown = −(0.098) m = −0.098 m 答: 0.098 m 平衡位置から上まであがる。 伝達事項 質問: rad/s について説明して欲しい。 解答: 角速度の意味が良く解らないという意味で しょうか?その前提で話をします。もし見当違い の解答になっている場合は、自分が解らない点を 整理して、自分の聞きたいことが聞き出せるよう な質問をしてみてください rad/s は角速度の単位です。radが角度の単位で、 360° = 2π(rad) です。4 秒で1周 (360° = 2π(rad)) する時の角速度ω (1秒間で何rad回転するか) は ω = 2π(rad)/4(s) = π/2(rad/s) 3章 仕事とエネルギー 仕事(定義) 摩擦力に逆らって床の上の物体を力 F N で d m 移動するのに 必要な仕事量 W は、以下のように定義される。 d(m) F(N) W = F(N)•d(m) = Fd(N•m) 仕事 W = Fd(J) ゆっくりと床の上の2 kg の物体を 3 m 持ち 上げるのに必要な仕事量 W を求める。重力 加速度は g のままとする。 3m W = 2g(N)•3(m) = 6g(N•m) = 6g (J) W = m(kg)g(m•s-2)h(m) = mgh (J) F = 2g N 位置エネルギー 床の上の h m の位置にある m kg の物体が持 つ位置エネルギー U J を求める。重力加速度 h(m) F = mg(N) は g のままとする。 U = m(kg)g(m•s-2)h(m) = mgh (kg•m2•s-2) = mgh (J) 位置エネルギー U J は、床の上の m kg の物 体を h m 持ち上げるのに必要な仕事量 W と 等しい。 h(m) W = m(kg)g(m•s-2)h(m) = mgh (J) U(J) = W(J) F = mg(N) 即ち、物体は仕事量 W を受け取って、位置 エネルギー U J を得たと考えられる。 位置エネルギー ⇔ 運動エネルギー 宇宙空間を、速度 v (m/s) で転がる質量 m kg の球がある。 この球がもつ運動エネルギー K J を求める。重力加速度は g とする。 K = (1/2)m(kg)v2 (m•s-1)2 v(m•s-1) = (1/2)mv2 (kg•m2•s-2) = (1/2)mv2 (J) K(J) = (1/2)mv2 (J) 床面から h(m) の高さにある物体の位置エ ネルギー U J は U = mgh(J)。 h(m) v(m•s-1) この物体を自由落下させると速度を増しな がら落下する (等加速度運動)。 位置エネルギーが運動エネルギーに変換さ れた。 力学的エネルギー保存則 UH = mgh(J) KH = 0 (J) 床面から h(m) の高さにある物体の位置エ ネルギー U J は U = mgh(J)。 この物体を自由落下させると速度を増しな がら落下する (等加速度運動)。 h(m) v(m•s-1) UL = 0 (J) KL = (1/2)mv2(J) 位置エネルギー U が運動エネルギー K に 変換された。U と K は互いに交換可能 即ち、 UH = KL mgh(J) = (1/2)mv2(J) 全エネルギー E は E = UH + KH = UL + KL = 一定 (力学的エネルギー保存則) 運動エネルギー ⇔ 仕事 外力を加えて初速度 v0 (m/s) を速度 v1 (m/s) に変化させた時 速度変化は外力による仕事 W によってもたらされたと考える。 v0 (m•s-1) v1 (m•s-1) W(J) K0 = (1/2)mv02 K1 = (1/2)mv12 K1 − K0 = W 速度変化 v1 → v1 (m/s) による運動エネルギー変化 K1 − K0 は 外力による仕事 W に等しい。 K1 > K0 の時 W > 0 (仕事Wにより運動エネルギー K ↑) K1 < K0 の時 W < 0 (始状態→終状態で K ↓) (運動エネルギーから仕事Wを取り出した) エネルギー:安定性についての考察 UH = mgh(J) 床面から h(m) の高さにある物体と床面 にある物体ではどちらが安定か? 答: 床面にある物体のほうが安定。 h(m) 理由: 床面にある物体のほうが壊れない。 v(m•s-1) 位置エネルギーを有している分だけ高エ ネルギー状態 (=仕事をするポテンシャル を有している)。 UL = 0 (J) 位置エネルギー: ポテンシャルエネルギーの一種 化合物でも、高エネルギー状態の化合物は不安定 (反応活性が高いため、化学反応を起こして別化合物になる = 元の化合物は徐々に消失する) 化学におけるエネルギー 化合物A 高エネルギー (反応活性が高い) 仕事ができる (= 化学反応を起こせる) 。 化学反応を起こして別化合物になる。 ΔE(J) 化合物B = 元の化合物は徐々に消失する。 = 化合物として不安定 = 反応剤として適している。 低エネルギー (反応活性が低い) 仕事ができない (= 化学反応を起こせない) 。 = 元の化合物のまま存在し続ける。 = 化合物として安定 = 薬剤化合物 (最終産物) として適している。 化学におけるエネルギー 化合物A → 化合物B + W(J) 化合物B W (J) < 0 外からエネルギー (仕事W) を加えて、 高エネルギー化合物へと変換 エネルギー (仕事W): 熱 (吸熱)、光、高エ ネルギー化合物 化合物A 化合物A → 化合物B + W(J) 化合物A W (J) > 0 化合物B 高エネルギー化合物から低エネルギー 化合物への変換でエネルギー (仕事W) が生成 エネルギー (仕事W):熱 (発熱)、光、高エ ネルギー化合物の生成 化学反応で生じたエネルギー (仕事W) の多くは熱エネルギーへ。 エネルギーの可換性 エネルギー: (エネルギー保存則) 運動エネルギー モーター 発電機 電気エネルギー 電灯 太陽 電池 光エネルギー ポンプ 位置エネルギー 水力発電 マイク スピーカー 音のエネルギー 熱エネルギー (エネルギーの最終出口) 演習 ◯ 2 m/s の速度で移動する質量 5 kg の物体に関する以下の 問いに答なさい。 (1) 物体の運動エネルギ—を求めなさい。 (2) この物体を静止させるために必要な仕事を求めなさい。 ◯質量 3 kg の物体を床面から 2 m 持ち上げた。この時、以下 の問いに答えなさい。鉛直下向きの変位を正の変位とし、重 力加速度は g のままで良い。 (1) 物体の床面に対する位置エネルギーを求めなさい。 (2) 物体に対してなされた仕事を求めなさい。 演習 ◯質量 2000 g の物体を 200 cm の高さの棚に上げた。この時、 以下の問いに答えなさい。鉛直下向きの変位を正の変位とし、 重力加速度 g = 9.8 m•s-2 とする。 (1) 物体に対してなされた仕事を求めなさい。 (2) この物体が棚から自由落下したとき床面に落ちるときの運動 エネルギーを求めなさ。 (3) 物体が床に落ちる直前の物体の速度を求めなさい。 (4) 物体の床面に対する位置エネルギーを求めなさい。 ◯Aさんが、質量 20 kg の荷物を部屋の真ん中の机から部屋の すみの机に移動した。Aさんが荷物に対してした力学的仕事を 求めなさい。2つの机の高さは同じものとする。
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