彗星雲の起源 - 惑星による微惑星の散乱と集積 樋口有理可(1)(2) 小久保英一郎(1) 向井正(2) (1)国立天文台理論天文学研究系 (2)神戸大学自然科学研究科 オールト雲 個数 観測: 彗星の原初軌道長半径の逆数と個数の関係 70 エネルギー(1/a原初軌道)=0付近 に彗星が集中 50 軌道傾斜角が一様 0 Oort(1950) 太陽から数万AUの距離に 彗星の巣の存在を提唱 -1 0 1 2 3 1/a原初軌道 (10-3 AU-1) 4 5 オールト雲 半径: ~104AU 彗星総数: ~1013個 総質量: ~100M地球 想像図 オールト雲の起源 太陽系外起源説 •星間空間の天体を捕獲 太陽系内起源説 •原始惑星系円盤の外縁部(in situ)で誕生 •惑星などと同じく原始惑星系円盤内部から誕生 オールト雲形成標準シナリオ 惑星の摂動による 遠日点距離の増加 外力の摂動による 近日点距離の増加 太陽 ステージ 微惑星 形成 惑星摂動 惑星 微惑星 外力 研究目的 オールト雲形成標準シナリオの3ステージ 微惑星形成 惑星摂動 外力 → 一般の惑星系(彗星雲形成)にも応用可能 パラメータ 惑星系 銀河環境 彗星雲 を決定 惑星摂動 惑星による強い摂動を受けた微惑星の運命 遠日点距離の増大 惑星との 惑星系 衝突 からの脱出 中心星 楕円軌道で への 落下 生存 外力 のステージへ 彗星雲天体候補 数値計算 •モデル •数値計算時間 •パラメータ 円制限三体問題 1 ケプラー周期 微惑星 a 軌道長半径 e 離心率 i 軌道傾斜角 惑星 ap 軌道長半径 mp 質量 a e i ap 軌道交差領域 0-0.9 0-0.1rad 1-30AU +α mp 0.01-1MJ MJ: 木星質量 衝突・脱出効率 単位時間当たりの衝突・脱出数の期待値 Kcol/esc amax amin Pcol/esc TK 1 ns 2ada Pcol/esc: 1ケプラー周期あたりの 衝突・脱出確率 TK :ケプラー周期 ns :微惑星の個数面密度 2πada :軌道長半径 a でのリングの面積 amin-amax :衝突・脱出の起こる軌道長半径の領域 e i ap mp 0.6 0.01rad 5AU 1MJ Pcol(%) P の a への依存 衝突 脱出: a とともに増加 Pesc(%) 衝突: 領域の両端にピーク 脱出 a (AU) 効率の算出方法 amin Pcol/esc TK P: 数値計算結果 amin-amax: 数値計算結果 ns 2ada P col (%) 1 衝突 P esc (%) Kcol/esc amax 脱出 ns: 最小質量モデル ns a 3 2 a (AU) K の e への依存 0.01rad 5AU 1MJ 衝突 ∝e-1 脱出 ∝e4 (e>0.4 only) Kcol/esc (AU2 year-1) i ap mp 脱出 衝突 e 0. 9 K の i への依存 0.6 5AU 1MJ 衝突 ∝i-1 脱出 ∝i-1 脱出 Kcol/esc (AU2 year-1) e ap mp 衝突 i (rad) K の ap への依存 0.6 0.01rad 1MJ 衝突 ∝ap-2 脱出 ∝ap-1 Kcol/esc (AU2 year-1) e i mp 脱出 衝突 ap (AU) K の mp への依存 0.6 0.01rad 1MJ 衝突 ∝mp4/3 脱出 ∝ mp 2 Kcol/esc (AU2 year-1) e i mp 脱出 衝突 mp (mJ) Kcol/esc (AU2 year-1) フィッティング・フォーミュラ Kcol ≈ 8・10-6×e-1・i-1・ap-2・ 4/3 m p ≈ 2・10-4×e4・i-1・ap-1・mp2 Kesc 脱出 脱出 衝突 衝突 e 0.9 i (rad) Kcol/esc (AU2 year-1) フィッティング・フォーミュラ Kcol ≈ 8・10-6×e-1・i-1・ap-2・ 4/3 -4× -1・・a -1・・m m p ≈ Kesc ≈ 2・10 2・10-4 ×ee44・・ii-1 app-1 mpp22 脱出 衝突 ap (AU) 脱出 衝突 mp (mJ) まとめ 目的 一般的な彗星雲形成論の構築 現在の研究 • 微惑星の衝突・脱出効率の微惑星・惑星パラメータ 依存性の解明へ向けた数値計算 • 衝突・脱出効率のフィッティング・フォーミュラの導出 今後の予定 • 衝突・脱出効率の解析的導出 • 次の外力のステージの研究 • 一般的な系外惑星系への応用 e i ap mp 0.7,0.8,0.9 0.0rad 5AU 1MJ Pcol(%) P の a への依存 衝突 脱出: a とともに増加 Pesc(%) 衝突: 領域の両端にピーク 脱出 a (AU) フィッティング・フォーミュラ i=0.01rad mp=1mJ e=0.6 e=0.9 衝突 ap (AU) Kesc (year-1) Kcol (year-1) Kcol ≈ 8・10-6×e-1・i-1・ap-2・ 4/3 -4× -1・・a -1・・m m p ≈ Kesc ≈ 2・10 2・10-4 ×ee44・・ii-1 app-1 mpp22 e=0.6 e=0.9 脱出 ap (AU) フィッティング・フォーミュラ i=0.01rad ap=5AU e=0.6 e=0.9 衝突 m p ( m J) Kesc (year-1) Kcol (year-1) Kcol ≈ 8・10-6×e-1・i-1・ap-2・ 4/3 m p ≈ 2・10-4×e4・i-1・ap-1・mp2 Kesc e=0.6 e=0.9 脱出 m p ( m J)
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