ヨーロッパ統合の文明論的意味

ヨーロッパ統合の文明論的意味
あるいは「近代」の進化
輪読1班
奥本 将勝
吉村 茉莉
大林 孝典
太田 響子
三木 健吾
川越 碧
はじめに
 本章は、経済や安全保障の分野から
EUを論じているものではない
 文明論的意味?
→宗教や文化を超えた理念的なもの
 「近代」の進化?
→フランスの近代化の過程
本日の発表の流れ
EUの現状
ネーションと連邦
論点提示
ディスカッション
1班の意見
EUの現状
・EUの仕組み ・EUの拡大/深化
EUの仕組み
EUの拡大
EUの深化
 アキ・コミュノテール
→EUが積み重ねてきた制度や法規
 EU憲法案
→特定多数決、全会一致方式等
 コペンハーゲン基準
→政治、経済、法についてのEU基準
参考URL
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area
/eu/data.html
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area
/eu/map.html
 http://jpn.cec.eu.int/

ネーションとヨーロッパ(1)

従来のネーション理念
意識のされ方 代表文献
ドイツ的
「自然と与え
ネーション理念 られたもの」
『ドイツ国民に
告ぐ』 フィヒテ
フランス的
「人々によっ
ネーション理念 て作られたも
の」
『国民とは何か』
ルナン
ネーションとヨーロッパ(2)
 フィヒテとルナンの真の意図
フィヒテ:
「啓蒙」的・近代主義的ネーションの主張
・
ルナン:
・
自由選択的ネーションの主張
ネーションとヨーロッパ(3)

シュナペール
「ネーションとは、‘市民’を単位とする政
治的統合体である。 」
※この場合の市民とは、特権階級を意味する
市民ではなく、単なる住民でもなく、万人に
開かれた政治的・法的ステータスである。
ネーションとヨーロッパ(4)

まとめ
近代的ネーションの範型の一つとし
て近代の共和制フランスが挙げられ
るが、近年はドイツもまた市民的ネー
ションに変貌したと言えるだろう。
ヨーロッパ統合ビジョンをめぐる動き
1994年:CDU提案
→フランスの指導層の多くが抵抗を覚えた。



ドロール「諸国民国家の連邦」
2000年:フィッシャー外相の提案
→フランスで好意的に受け入れられた。
CDU提案とフィッシャー案
共通点
相違点
CDU提案
何カ国か ・国民国家を消滅させ
で先行統
てしまう
合を行う ・欧州委員会が寡頭支
配的傾向を持つ
フィシャー
外相の
提案
その背景 ・国民国家の場所を確保
に見える ・各国人民の代表である
独仏関係 加盟国政府の連帯を
の重視
強化
結論

独仏の歩み寄り
― 「諸国民国家の連邦」が軸となる

ドイツ:民族的・文化的同一性を超える
市民的ネーションと和解

フランス:連邦としてのヨーロッパと和解
(連邦の中でのネーションの保持)
論点
日本がEUに加盟することは可能
か、不可能か?
EUが“理念的な共同体”であることを
考慮し、経済や文化、地理的な問題を
考えないとしたら可能なのか?
班で考えたこと
●理論上の日本のEU加盟は可能
ただしわだかまりが残る
●EU自体も理念的な集合体として確立しえて
いるのか?・・EUも同様の問題を抱えてい
る
●結局理想は現実を超えることは不可能