イノベーションによる 新たな需要・市場の開拓

アグリビジネス[講座]:
ビジネスモデルと技術戦略について
平成25年くまもと農業アカデミー
平成25年8月25日
東海大学 経営学部 経営学科
藤井一郎
戦略と目標
①
目標は明確か?
目 標
②
ありたい姿
ありたい(なりたい)姿は
あるか?
戦略
④
•
変革のシナリオ
③
現 状 の 姿
copyright 2013 Ichiro Fujii
誰に何を売るか
→マーケティング
• どのような仕組みで
売るか
→ビジネスシステム
• 内部資源をどうする
か
→技術・組織
出典:伊丹敬之「経営戦略の論理 第4版(2012)」p.9
戦略的適合の全体像
場市
• 市場のイメージはあ
るのか?
• 従来の市場には当
然競合が存在する
・顧客
・競争
市場適合
1.顧客適合
2.競争適合
内部適合
3.資源適合
4.技術適合
5.心理適合
戦 略
業企
・資源
・技術
・心理
• 自社には何があるの
か?
• 技術って?どんな?
• Ichiro
そもそもやりたい?
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Fujii
出典:伊丹敬之「経営戦略の論理 第4版(2012)」p.23
ビジネスモデル(業務の流れ)
例)製造業
客顧
研
究
開
発
原
材
料
の
確
保
部
品
加
工
組
み
立
て
検
査
流
通
サ
ー
ビ
ス
• ビジネスは一社だけでは完結しない。
• 儲かる仕組みを作ることは、顧客を見た上で、
自社の優位性の源泉を造ること
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出典:伊丹敬之「経営戦略の論理 第4版(2012)」p.36
情報の流れのフレームワーク
環 境
A
B
• これまで、情報の
流れは在ったの
か?
• 情報の流れがない
と技術開発はどう
なる?
企 業
C
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出典:伊丹敬之「経営戦略の論理 第4版(2012)」p.56
から一部筆者改
見えざる資産の蓄積の二つのルート
見えざる資産の蓄積
早い
しかし脆い
遅い
しかし堅牢
直接ルート
による
情報の流れ
業務副次ルート
による
情報の流れ
• どちらとも現在あるの
か?
資源蓄積を目的とした
直接資源投入
日常の業務活動
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出典:伊丹敬之「経営戦略の論理 第4版(2012)」p.60
から筆者一部改
情報の流れのコントロール
見えざる資源の蓄積
情報の流れのコントロール
コそ
ンこ
トを
ロど
ー
ルの
下よ
にう
置に
く自
から
の
こ
か
• 六次産業
化と簡単
に言うけ
れど?
• 本当に六
次が良い
のか?
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情
報
が
豊
流か
れに
る
の
は
ど
出典:伊丹敬之「経営戦略の論理 第4版(2012)」p.65
出典:Kaplan and
Norton 戦略
マップ2005から
財務の
視点
生産性戦略
収益増大戦略
長期の
株主価値?
資産の
有効利用
原価構造
の改善
収益機会
の拡張
顧客価値
の向上
顧客への価値提案
顧客の
視点
サービス
価格
品質
品揃え
機能性
入手
可能性
パートナー
シップ
製品/サービスの属性
業務管理の
プロセス
内部プロセスの
視点
・調達
・生産
・配送
・リスクマネジメント
関係性
顧客管理の
プロセス
イノベーションの
プロセス
・顧客の選別
・顧客の獲得
・顧客の維持
・顧客との関係の強化
・機会の識別
・R&Dポートフォリオ
・設計・開発
・市場投入
ブランド
イメージ
規制と社会
のプロセス
・環境
・安全衛生
・雇用
・地域社会
人的資本
情報資本
学習と成長の
視点
組織文化
リーダー
シップ
組織資本
戦略への
方向づけ
チーム
ワーク
現在の食の志向の推移①
copyright 2013 Ichiro Fujii
出典:日本政策金融公庫(H25年3月12日)「日本公庫・平成24年下半期商社同行調査結果」
現在の食の志向の推移②
copyright 2013 Ichiro Fujii
出典:日本政策金融公庫(H25年3月12日)「日本公庫・平成24年下半期商社同行調査結果」
イノベーションによる新たな需要・市場の開拓
(食品産業事業者に期待される)
• 製造業
– 医食農連携による病気予防食、介護食等の新製品
の開発・販売等健康や介護向け市場への対応、アジ
ア等の中・高所得者層のニーズにあった商品の開発
• 流通業
– 総菜や調理食品、有機農産物等高付加価値商品の
取扱の充実・拡充や、ネット販売、宅配、給食等の新
たなサービスの提供、地域毎の特色ある「食」を尊重
した地産地消商品の販売促進
• 外食産業
– 薬膳レストラン等の新業態の出店や、年代に応じた
新メニューの開発・販売による朝食・欠食等失われた
市場、忘れられた市場の回復
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出典:農林水産省(H24年3月)「食品産業の将来ビジョン」
2011年の販売上位アイテムから
みたキーワード
• カロリーオフ・ゼロ(明治ヘルシーオフスタイル、
ダノンBIOドリンク脂肪0)
• 濃い(キリン濃い味、SB濃いシチュークリーム)
• 食べる調味料・ジュレ(エバラ黄金の味、桃屋
ラー油、複数企業ポン酢)
• 韓国飲料・料理(サントリー ソウルマッコリ)
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食品トレンド2012~2013 日本食糧新聞社
融合戦略
ビジネス要素
同業他社
異業種
ビジネスパート 顧客
ナー
経営ビジョン
○
☆
○
企業倫理・
社会的貢献
○
☆
○
ビジネスシステ
ム
○
☆
○
情報と活用
○
☆
○
プロモーション
○
☆
○
○
顧客・
市場理解
○
○
○
○
人材開発・
環境
○
☆
○
copyright 2013 Ichiro Fujii
○:融合、☆:融合とベンチマーキング
○
寺本義也・原田保「新中小企業経営論」より筆者一部改
融合のマネジメントシステム
産のネット
ワーク
無限のネット
ワーク融合体
産
官のネッ
トワーク
官
核ネットワー
ク融合体
目
的
民
学
学のネット
ワーク
民のネット
ワーク
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寺本義也・原田保「新中小企業経営論」より筆者一部改
技術開発思考法
•
•
•
•
ブレーンストーミング
ブルーオーシャン戦略
SCAMPER
形態素解析(属性列挙法)
• 水平的マーケティング(ラテラル・マーケティン
グ)
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技術開発思考法
(SCAMPER)
• Substitute,combaine,adopt,modify,put to
other purpsose,eliminate,rearrange(reverse)
• →食を構成する要素を分解
• →要素ごとに、「換える」「結びつける」「適応
する」「修正する」「転用する」「取り除く」「並び
替える/逆にする」
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技術開発思考法
(属性列挙法)
• 対象となる食の特徴を洗い出し、それら特徴
を変化させることで新しい着想を得る
1. 名詞的特性(部品、材料、製法)
2. 形容詞的特性(色、形、性質)
3. 動詞的特性(機能、動作)
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技術開発思考法
(形態分析法)
• 対象となる食の特徴を3つに絞り、各要素の変
化範囲を組み合わせる
• 例)売れるメロンを考える
→主要な要素を3つに絞る(:糖度、形状、痛み具
合)
→主要な構成要素についてバリエーションを考え
る
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水平的マーケティング(ラテラル・マーケティング)
ステップ1
市場レベル
ステップ2
次元を一つだけ変更する。
• ニーズ/効用・ターゲット・
時間・場所・状況・経験
製品・サービスを特定
する。
•
•
現在、自社(自分)
が市場投入している
製品・サービス:イノ
ベーションによるさら
なる成長を目指して
他社が市場投入し
ている製品・サービ
ス:代替製品を考案
するために
製品レベル
製品の要素(有形の製品や
サービス、パッケージング、
ブランド特性、用途/購入)を
一つ選び、以下の6つの技
法のいずれかを実施する
• 代用・結合・逆転・除去・
強調・並び替え
ステップ3
以下の評価技法
のいずれかを用
いてギャップを
解消する。
•
•
•
その他の
マーケティ
ング・ミック
ス・レベル
以下の評価技法のいずれか
を用いてギャップを解消する
• ほかのカテゴリーにおけ
る価格設定方法
• ほかのカテゴリーにおけ
る主通手段
• ほかのカテゴリーにおけ
るコミュニケーション手法
顧客の購買
プロセスを最
初から最後
までたどる
ポジティブな
側面を抽出
する
利用可能な
状況を設定
する
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Philip kotlerら「コトラーのマーケティング思考法」より筆者一