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ミクロ経済学Ⅰ
初級ミクロ経済学
-生産者行動理論-
2015年6月5日
古川徹也
2015年6月5日
ミクロ経済学
1
「限界」と「平均」
「限界」と「平均」
(1)限界:独立変数にあたるものを追加的に1単位変
化させたときに,従属変数が何単位変化するか。
(2)平均:従属変数を独立変数で割ったもの。
図で区別する「限界」と「平均」
(1)限界:グラフ上の1点における接線の傾きの大き
さ。
(2)平均:グラフ上の1点と原点とを結んだ線分の傾
きの大きさ。
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ミクロ経済学
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限界費用,平均費用,平均可変費用
限界費用: MC ( y )  C ( y )  V ( y )
総費用曲線(可変費用曲線)の接線の傾き
平均費用: AC ( y )  C ( y ) / y
総費用曲線上の点と原点を結んだ線分の傾き
平均可変費用: AVC ( y )  V ( y ) / y
可変費用曲線上の点と原点を結んだ線分の傾き
グラフ化するとどうなるか?:黒板
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ミクロ経済学
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MC ( y )
AC ( y )
AVC ( y )
限界費用曲線
平均費用曲線
平均可変費用曲線
0
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y
ミクロ経済学
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3つの曲線の形状
限界費用曲線:右上がりである。平均費用曲線と交わり,
平均可変費用曲線とは縦軸で交わる(厳密に言うと交わ
らない)
平均費用曲線:U字型をしている。縦軸とは決して交わ
らない。最低点で限界費用曲線と交わる。平均可変費用
曲線の上側にあり,平均可変費用曲線とは交わらない。
平均可変費用曲線:限界費用曲線と似た形をしている。
縦軸で限界費用曲線と交わるように見えるが,実は白抜
き丸(値をとらない)。平均費用曲線の常に下側にある。
平均費用曲線と平均可変費用曲線の縦軸方向の差は平均
固定費用を表し,だんだん小さくなる。
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C( y)
C( y)
原点を通る直線が総
費用曲線と接している
→ MC=AC
これ以上平均費用が
小さくなることはない
0
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y
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y
6
3つの曲線と総収入・総費用曲線
MC,AC,AVC曲線と総収入曲線(R(y)=py)や総費用曲線
(C(y))は同じ図に描かれることはない。
これは,たとえば,日本のGDPと日本の1人当たりGDP
とを同じ縦軸をもった図に描くことに意味がないのと同
じである。比較する意味もない。
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ミクロ経済学
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C( y)
C( y)
プラスの利潤が可能
y
0
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ミクロ経済学
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C( y)
C( y)
常にマイナスの利潤
0
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y
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y
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C( y)
C( y)
最大利潤がちょうどゼロ
0
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y
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利潤最大化条件
利潤が最大化されている生産量では,
価格(p)=限界費用(MC)
が成立しているはずである。
P>MC:生産を追加的に増やすことで,収入はp増加し,
費用はMC増える → 生産を増加させるとp-MCの分利潤
が増えるから,その生産量は利潤を最大にしていない。
P<MC:生産を減らすことで,収入はp減少するが,費用
はMC減る → 生産を減少させると-p+MCの分利潤が増え
るから,その生産量は利潤を最大にしていない。
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C( y)
R( y )
R( y )
C( y)
MC ( y * )
R(y)と点線は平行
(傾き同じ)
p*
0
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y*
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y
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MC
MC ( y )
AC ( y )
AC
p
p*
0
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y*
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y
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C( y)
R( y )
R( y )
C( y)
MC ( y * )  AC ( y * )
R(y)と点線は一致
p*
0
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y
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MC
MC ( y )
AC ( y )
AC
p
p*
0
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y
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C( y)
R( y )
C( y)
R( y )
MC ( y * )
注意:どんなp^*でもよい
というわけではない。
p*
0
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y
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MC
MC ( y )
AC ( y )
AC
p
p*
0
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y*
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y
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