山崎川の魚類の生息環境からみる河づくり

山崎川の魚類の
生息環境からみる河づくり
都市社会工学科
22117009 加藤顕成
目次
背景
目的
調査概要
解析方法
結果・考察
まとめ
背景
• 近年,多自然河川工法が多くの河川づくりで
取り入れられてきた.名古屋市を流れる山崎
川でも巨石を配置したり,河岸を変化させた
りする工法が取り入れられている.
目的
• 山崎川の上流域から中流域
にかけて魚類の多様性が季
節的にどのように変動するの
かについて調べ,多自然川づ
くりとの関係について検討す
る.
調査概要
•
•
•
•
対象河川・・・山崎川
調査地点・・・下の写真の9ヶ所
調査期間・・・H25.6/10~11/22
調査頻度・・・各調査地点月一回
調査概要
• 現地調査・・・各区間内で魚類捕獲調査,環境調査
縦5m×横5mに分割
捕獲調査
• ガサガサ調査
100m
5m
1区画
約5m
環境調査
•流速
•水深
•遮蔽率
結果
種類/月
オイカワ
カダヤシ
ギンブナ
コイ
スミウキゴリ
トウヨシノボリ
ドジョウ
ヌマチチブ
ブルーギル
メダカ
タモロコ
6月
486
152
9
30
132
0
16
1
0
4
0
7月
6
490
4
58
64
2
36
0
1
15
0
8月
1318
227
2
71
35
1
17
10
0
4
0
9月
4085
516
0
41
34
0
45
0
7
17
0
10月
2406
565
0
0
40
5
42
0
3
1
0
11月
1202
1105
0
1
15
0
46
3
0
0
1
合計
9503
3055
15
201
320
8
202
14
11
41
1
ゴクラクマハゼ
0
0
0
0
0
3
3
モツゴ
合計
1
831
7
683
14
1699
7
4752
2
3064
1
2377
32
13406
解析方法
・種数
・Simpsonの多様度指数D
D=1Sは群集に含まれる種の数
Piは種i の個体数が,群集の全個体数
に占める割合である.
2個体を選んだときに異なる種となる確率
個体数を考慮している
結果・考察
分布図 種数 St.1,2,3
3:大岩
2:川岸に草が多い
1
6月
7月
8月
9月
10月
11月
上流
下流
種数
0
1
2
3
4
5
6
分布図 Simpsonの多様度指数D
St.1,2,3
1
3:大岩
2:河岸に草が多い
6月
7月
8月
9月
10月
11月
上流
下流
D
(0<D<1)
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
河岸に草が多く,魚の隠れ場所がある
分布図 Simpsonの多様度指数D
St.1,2,3
1
2:河岸に草が多い
3:大岩
6月
7月
8月
9月
10月 大岩が多く多自然川づく
りが施されているが,
11月
10月,11月の多様性が0
上流
下流
D
(0<D<1)
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
分布図 種数 St.4,5,6
4
6
5:流れが緩やか
6月
7月
8月
9月
10月
11月
上流
下流
種数
0
1
2
3
4
5
6
分布図 Simpsonの多様度指数D
St.4,5,6
4
6
5:流れが緩やか
6月
7月
8月
9月
10月
11月
上流
下流
D
(0<D<1)
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
9月に産卵時期を迎える魚類が多い.
流れが緩やかで稚魚が多い.
魚類にとっては緩やかな箇所も必要.
分布図 種数 St.7,8,9
7:流速速い
9
8
6月
7月
8月
9月
10月
11月
上流
下流
種数
0
1
2
3
4
5
6
分布図 Simpsonの多様度指数D St.7,8,9
7:流速速い
8
9
6月
7月
8月
9月
6~8月に比べ9~11月の
方が多様性が高い.
秋に流速が速いところに
餌を求めて魚類が集まる
下流
からだと考えられる.
10月
11月
上流
D
(0<D<1)
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
まとめ
• 多様性を高くするには,生き物が隠
れる場所を用意することが大事.
• 幅広い流速環境の創出が魚類の多
様性を高めることにつながる.
来年度以降も調査を続けることに
よって,より魚類の多様性の高い多
自然川づくりを目指すことができる.
ご清聴ありがとうございました
• 全24種,15467
匹の個体数を
捕獲した.
• そのうち,魚の
みの場合13種,
13406匹.その
他の個体(エ
ビなど魚以外)
は11種,2061
匹であった.
• なお,10月11
月は魚のみの
データしかとっ
ていない.
種類/月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
合計
オイカワ
486
6
1318
4085
2406
1202
9503
カダヤシ
結果
152
490
227
516
565
1105
3055
ギンブナ
9
4
2
0
0
0
15
コイ
30
58
71
41
0
1
201
スミウキゴリ
132
64
35
34
40
15
320
トウヨシノボリ
0
2
1
0
5
0
8
ドジョウ
16
36
17
45
42
46
202
ヌマチチブ
1
0
10
0
0
3
14
ブルーギル
0
1
0
7
3
0
11
メダカ
4
15
4
17
1
0
41
タモロコ
0
0
0
0
0
1
1
ゴクラクマハゼ
0
0
0
0
0
3
3
モツゴ
1
7
14
7
2
1
32
スジエビ
60
259
303
797
1419
ヌマエビ
5
90
85
55
235
ミゾレヌマエビ
26
43
74
75
218
テナガエビ
9
28
5
8
50
ザリガニ
3
1
4
0
8
スッポン
1
6
14
13
34
ヤゴ
6
41
18
22
87
タニシ
1
0
1
0
2
アカミミガメ
0
1
0
0
1
イシガメ
0
0
1
0
1
オタマジャクシ
5
0
1
0
6
合計
947
1152
2205
5722
3064
2377
15467
種数
18
18
20
14
8
9
24