コーホート分析を用いたフード サービス産業の分析 学籍番号 Zwei 目次 1:研究概要 2:フードサービス業界について 3:コーホート分析について 4:現時点における問題点 5:今後の展望 研究概要 • 研究目的 ①フードサービス業界において、近年急速な伸びを見せている 中食産業の現状(?)を計量的にとらえる ②コーホート分析を用いて、中食産業の伸びの原因を3つの要 素に分解してその詳細をとらえる • 研究意義・問題意識 • フードサービス業界においては、時系列データを用いた計量 的分析がそれほどなされていないと思われる。 ⇒時系列データを用いたコーホート分析を行い、経時的な変化 (中食産業の成長要因)をとらえることができれば・・・。 フードサービス業界について • 2002年時点での市場規模は70兆円以上(内訳 内 食:38~40兆円 中食:6兆円 外食:25~30兆円) • ここ数年は不景気や食への不信感(BSE問題や鶏 インフルエンザ、原産地に関する偽りの表示など) から、内食・外食は94年に比べおよそ8%の減少 (e-yasai.com(http://www.e-yasai.com/)より) • その一方で、中食は22%の増加(同上より) 中食が今後も熱い!! なぜ、中食?? ①女性の社会進出の増加による調理時間の減少 ②週休二日制や週40時間労働制実施等による余暇時間の増 加 ③家族構成員のライフスタイルの多様化 ④単身世帯の増加や高齢者世帯の増加等、家族構成員数の 減少 ⑤経済成長による生活水準の向上 ⑥調理技術、保存技術向上による、持ち帰り製品の品質向上 ⇒好きな時間に、好きなものを、好きなだけ買い、食べられるも のへのニーズが高まる。 *では、どういった世代の人々が中食を主に利用しているの か? 中食を主に利用している人・理由(予想) 利用者 • 一人暮らしをしている社会人 • 有職の子持ちの主婦・主夫 • 高齢者(食事量・後片付けなどの面から) この辺を分析の切り口 にできないか・・・? 理由 • 忙しいとき・作るのが面倒なときに便利 • 食卓にもう一品欲しいときに便利 • 家族がそろって食事ができないときに便利 • 家庭で作るよりもおいしい(・・・・。)し、メニューが豊富 • 外食するよりも安い コーホート分析について • コーホート分析とは、観測される経時的な社会変化 を、社会性印全体に及ぶ時代の効果、どの成員に も共通に生起する加齢の効果、および各コーホート に固有の効果の3つの要素に分解して説明する分 析。 • コーホート(cohort) とは「世代」のことで、同じ時期 に人生における重大な出来事を体験した人々のこと で、出生コーホート、結婚コーホート、就職コーホー トのように重大な出来事を頭につけて使われる。 標準コーホート表 調査時点1 調査時点2 同一年齢層の時 点間比較 調査時点3 調査時点4 世代1(20~29歳) 5 6 7 8 世代2(30~39歳) 4 5 6 7 世代3(40~49歳) 3 4 5 6 世代4(50~59歳) 2 3 4 5 世代5(60歳以上) 1 2 3 4 同一時点での年齢間比較 同一コーホー トの経時比較 出展:「コーホート分析法」藤田英典 典型的な年齢(加齢)効果(%) 調査時点1 調査時点2 調査時点3 調査時点4 世代1(20~29歳) 40 40 40 40 世代2(30~39歳) 50 50 50 50 世代3(40~49歳) 60 60 60 60 世代4(50~59歳) 70 70 70 70 世代5(60歳以上) 80 80 80 80 時代による特徴・コーホートによる特徴はなく、各年齢毎によってのみ特 徴がとらえられる。 出展:「コーホート分析法」藤田英典 典型的なコーホート効果(%) 調査時点1 調査時点2 調査時点3 調査時点4 世代1(20~29歳) 50 40 30 20 世代2(30~39歳) 60 50 40 30 世代3(40~49歳) 70 60 50 40 世代4(50~59歳) 80 70 60 50 世代5(60歳以上) 90 80 70 60 時代による特徴・年齢による特徴はなく、各コーホート毎によってのみ 特徴がとらえられる。 出展:「コーホート分析法」藤田英典 典型的な時代効果(%) 調査時点1 調査時点2 調査時点3 調査時点4 世代1(20~29歳) 70 60 50 40 世代2(30~39歳) 70 60 50 40 世代3(40~49歳) 70 60 50 40 世代4(50~59歳) 70 60 50 40 世代5(60歳以上) 70 60 50 40 コーホートによる特徴・年齢による特徴はなく、各時代毎によってのみ 特徴がとらえられる。 出展:「コーホート分析法」藤田英典 分析イメージ 1980 1990 2000 2003 ~19歳 1.7 3.5 6.6 7.8 20~29歳 5.1 8.3 13.0 15.6 30~39歳 7.9 10.2 14.9 17.7 40~49歳 3.4 5.9 8.7 7.4 50~59歳 3.2 8.1 7.5 6.3 60歳以上 4.2 7.5 8.8 10.1 大きな課題:識別問題⇒基本的な3つの効果が残りの2つの効果に混交され てしまっている(例:1980年におけるコーホート効果には年齢効果・時代効果 が含まれ、1990年における時代効果には年齢効果とコーホート効果が含ま れてしまう)。 現時点における問題点 • データの問題 ⇒中食と外食で分かれた売上データなどがあるか?また、世代 ごとのデータは?分析に用いるだけ累積されたデータはある か? • 定義(知識)の問題 ⇒何を持って「中食」とするか?おにぎり・弁当はもちろんのこと、 惣菜パンや持ち帰り寿司も中食。カップラーメンは?ファスト フードは外食?中食?菓子類の扱いは・・・? ⇒コーホート分析についての知識があまりにも少ない。(←もっ と精進する必要大いにアリ!!) 今後の展望 • More 文献! More レビュー!! • データと分析の兼ね合いから・・・ ①やって意味のある分析を。 ②存在するデータから可能な分析を。 • この2つを満たすテーマを設定。 参考文献・資料 • • • • • • • 「21世紀に向かっての外食ビジョン」 土井利雄 (株)外食産業新聞社 「外食産業21世紀戦略」 島田陽介 柴田書店 「日本の食文化と外食産業」(財)外食産業総合調査研究センター 「外食産業の競争戦略」 浅井慶三郎 (株)ビジネス社 「フードサービス10の戦略」 茂木信太郎 編著 商業界 「コーホート分析法」 藤田英典 朝倉書店 「食料消費のコウホート分析 : 年齢・世代・時代」 森宏 専修大学出版局 • • • • 社団法人日本フードサービス協会(http://www.jfnet.or.jp/data.htm) E-yasai.com(http://www.e-yasai.com) foodbiz-net.com(http://www.foodbiz-net.com/) 外食総研(http://www.gaishokusoken.jp/index.htm)
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