プレストレストコンクリートに関する復習

プレストレストコンクリートに関する復習
 プレストレストコンクリート(prestressed
concrete:PC)構造とは?
PC鋼材を緊張し,コンクリートに予め圧縮応力
を導入することにより,RC構造に比べ,使用限
界状態におけるひび割れ性能の改善や部材断
面の縮小等の効果が期待できる構造
 プレストレス(prestress)?
予め与えておく応力
PCの特徴(RCと比較して)
長所
 コンクリートにひび割れが生じないように構造物を作
ることができる.
 使用限界状態においてコンクリートの全断面に圧縮
応力が作用(全断面有効)
 終局限界状態において多少のひび割れが生じた場
合にも復元力に富む
短所
 短いスパンの構造物では不経済
 設計上,検討ケースが多く,施工上,煩雑な作業が
多いため注意が必要
PCの分類
 プレストレスの導入方法による分類
プレテンション方式,ポストテンション方式
 PC鋼材の配置方法による分類
外ケーブル方式,内ケーブル方式
 プレストレスを与えるレベルによる分類
フルプレストレッシング,パーシャルプレストレッシング
 使用するPC鋼材による分類
PC鋼線,PC鋼より線,PC鋼棒
 定着工法による分類
ねじ式(例:ディビダーク工法),くさび式(例:フレシネー工法)
プレストレスのロス
プレストレスは緊張作業中および直後,あるいは経時
的に失われる.
 緊張作業中および直後のプレストレスのロス
- コンクリートの弾性変形
- 緊張材とダクトとの摩擦
- 緊張材を定着する際のセット
 経時的なプレストレスのロス
- PC鋼材のリラクセーション
- コンクリートのクリープおよび収縮
 有効プレストレスσpe,プレストレスの有効率η
プレストレスのロスの評価方法
 プレストレス導入直後のPC鋼材の引張応力σpt
 有効プレストレスσpe=σpt-Δσpr-Δσpcs
ここで,Δσpr:リラクセーションによる鋼材の引張応力
の減少
Δσpcs:クリープ及び収縮による鋼材の引張応力の減
少
 プレストレスの有効率η=σpe/σpt(一般に,η=0.8
程度)
 プレストレスの導入直後(σpt),使用荷重作用時(十
分に時間が経過した後: σpe )に分けて設計を行う.