化学物質規制情報に関する勉強会 化学物質規制情報 ・ 化学工場から見た法規制 ・ 化学物質から見た法規制 2014.02.20 岩瀨 一洋 化学物質規制情報-1 化学工場から見た法規制 「環境」、「労働安全衛生」、「品質」の視点から見た法律等(例) 環境マネジメントシステム(EMS)と法令(例) 組織や事業者が、その運営や経営の中で自主的に環境保全に関する取組を進めるにあたり、 環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組んでいくことを 「環境マネジメント」と呼び、このための工場や事業所内の体制・手続き等の仕組み EMS Environmental Management System 労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)と法令(例) 事業者が、労働者の協力の下に「計画(Plan)-実施(Do)-評価(Check)-改善(Act)」 という一連の過程(PDCAサイクル)を、 →継続的な安全衛生管理を自主的に進めることにより、 →労働災害の防止と労働者の健康増進、さらに進んで快適な職場環境を形成し、 →事業場の安全衛生水準の向上を図ることを目的とした安全衛生管理の仕組み。 OSHMS Occupational Safety and Health Management System 品質マネジメントシステム(QMS)と法令(例) 組織が、顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品を 一貫して提供する能力をもつことを実証し、 さらに顧客要求事項や法令・規制要求事項に適合することで 顧客満足の向上を目指すための仕組み。 QMS Quality Management System 化学工場から見た法規制-実務例 環境マネジメントシステム 廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律) →官公庁届出書類リスト事例 労働安全衛生マネジメントシステム 安衛法(労働安全衛生法) →法定選任者等lリスト事例 品質マネジメントシステム 化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律) →改正後の化審法の概要 環境マネジメントシステム 廃掃法 →官公庁届出書類リスト事例 詳細は、エクセルシートで補足説明 環境マネジメントシステム 廃掃法 →官公庁届出書類リスト事例 労働安全衛生マネジメントシステム 安衛法 →法定選任者等lリスト事例 詳細は、エクセルシートで補足説明 品質マネジメントシステム 化審法 →改正後の化審法の概要 化学物質規制情報-2 化学物質から見た法規制 化学物質から見た法規制 ☆法体系から調べる ばく露 - 有害性 ばく露 → 労働環境、消費者、環境経由(排出・ストック汚染、廃棄) 有害性 → 人の健康への影響、環境への影響 人の健康への影響 → 急性毒性、長期毒性 環境への影響 → 動植物への影響、オゾン層破壊性 ☆一覧表から調べる 化学物質のリスク等に応じた法律、環境保全に関する法律、 消費者製品等に関する法律、労働者安全衛生に関する法律 保安防災に関する法律 ☆基準値・指針値から調べる 大気環境基準、水質環境基準(健康項目)、地下水環境基準 土壌環境基準、ダイオキシン類環境基準、有害大気汚染物質指針値、 水質要監視項目指針値、水質排水基準(健康項目) 化学物質から見た法規制 法体系から調べる 化学物質から見た法規制 一覧表から調べる 化学物質から見た法規制 基準値・指針値から調べる 労働安全衛生法 目的:職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、 快適な職場環境の形成と促進。 安全衛生管理体制、労働者を危険や健康障害から守るための措置、 機械や危険物・有害物に関する規制、労働者に対する安全衛生教育、 労働者の健康を保持増進するための措置などについて定めている。 有害物による健康障害から労働者を守るために、 一部の化学物質については製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止。 新規化学物質を製造や輸入する場合は、 厚生労働大臣宛の確認申請や届出が必要。 労働者に危険または健康障害を生ずるおそれのある物質は、 作業環境の管理濃度の設定、 SDSの提供、容器に有害性をラベル表示などの義務。 安衛法 (労働安全衛生法) 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=18 化管法 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び 管理の改善の促進に関する法律 目的:化学物質を取り扱う事業者の自主的な化学物質の管理の改善を促進し、 化学物質による環境の保全上の支障が生ずることを未然に防止すること。 「化学物質の排出等の届出の義務付け(PRTR制度)」と 「化学物質等安全データシート提供の義務付け(SDS制度)」等を規定。 化管法(化学物質把握管理促進法) 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 1/5 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=2 本内容のポイントは、インターネットにより解説 化学物質総合情報提供システム説明サイト http://www.safe.nite.go.jp/japan/sougou/doc/html/hazard_help.html 化管法(化学物質把握管理促進法) 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 2/5 別紙 別紙 別紙 化管法(化学物質把握管理促進法) 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 3/5 化管法(化学物質把握管理促進法) 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 4/5 化管法(化学物質把握管理促進法) 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 5/5 化審法 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 目的:化学物質が環境汚染を通じて、 人の健康や生物へ被害を及ぼすことを防止するために、 化学物質の製造や輸入、使用等について規制すること。 すべての化学物質について、 1t以上の製造・輸入を行った事業者は、 毎年度その数量等を届け出る義務がある。 化審法(化学物質審査規制法) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 1/2 化学物質総合情報提供システム説明サイト http://www.safe.nite.go.jp/japan/sougou/doc/html/hazard_help.html 本内容のポイントは、インターネットにより解説 化審法(化学物質審査規制法) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=1 2/2 毒物及び劇物取締法 目的:日常流通する有用な化学物質のうち、 急性毒性による健康被害が発生するおそれが高い物質を 毒物や劇物に指定し、保健衛生上の見地から必要な取締を行うこと。 これらの物質を取り扱う場合には、 毒物劇物営業者の登録制度、容器等への表示、販売(譲渡)の際の手続、 盗難・紛失・遺漏等の防止の対策、運搬・廃棄時の基準などが定められ、 不適切な流通や漏洩等が起きないよう規制。 毒劇法 毒物及び劇物取締法 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=19 大気汚染防止法 目的:大気汚染に関して、国民の健康を保護するとともに、 生活環境を保全すること。 工場・事業場からのばい煙や粉じんの排出規制、 揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制、 有害大気汚染物質対策、自動車排出ガスに係る許容限度を定めている。 工場や事業場(固定発生源)から排出したり飛散する大気汚染物質について、 物質の種類ごと、施設の種類・規模ごとに排出基準等を定めており、 大気汚染物質の排出者等はこの基準を遵守。 人の生命や健康を害した場合は、 事業者は無過失であっても損害を賠償する責任(無過失損害賠償責任)を負う。 都道府県知事には、大気汚染の状況を常時監視することが義務。 大気汚染防止法 1/2 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=10 大気汚染防止法 2/2 水質汚濁防止法 目的:国民の健康を保護するとともに生活環境の保全を図ること。 工場や事業場から公共用水域に排出される水の排出や地下に浸透する汚水の規制や、 生活排水対策の実施を推進することなどを定めている。 人の生命や健康を害した場合は、事業者は無過失であっても 損害を賠償する責任(無過失損害賠償責任)を負う。 都道府県知事には、公共用水域や地下水の水質汚濁の状況を常時監視することが義務。 この法律の適用を受ける事業場は、 特定施設についての届出、測定・記録、排水基準の順守、事故時の届出などを行う義務。 (国が定める一律排水基準と都道府県が条例で定める上乗せ排水基準) また、産業の集中、人口の急増などによって汚濁の著しい広域的な閉鎖性水域を対象に、 当該海域へ排出される化学的酸素要求量、窒素含有量、りん含有量のそれぞれについて、 総量を総合的・効果的に削減する総量規制制度が導入され、 現在、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の3つの海域が指定されている。 水質汚濁防止法 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=11 化学物質規制情報に関する勉強会 土壌汚染対策法 目的:国民の健康保護 汚染の可能性のある土地について、 一定の契機(特定施設の廃止時など)を捉えて 土壌汚染状況調査を行うことや、調査の結果、 土壌の汚染状態が指定基準を超過した場合に講ずべき措置内容、 汚染土壌の搬出等に関する規制等を定めている。 対象となる特定有害物質は、 「土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずる おそれがあるもの」として選定。 地下水等を経由した摂取リスクを踏まえて →25物質の土壌溶出量基準。 土壌からの直接摂取リスクを踏まえて →9物質の土壌含有量基準。 2014.02.20 岩瀨 一洋 情報源リスト 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=12 廃掃法 (廃棄物処理法) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 目的:廃棄物の排出抑制、適正な処理、生活環境の清潔保持により、 生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ること。 廃棄物の定義、廃棄物処理業者に対する許可、廃棄物処理施設の設置許可、 廃棄物処理基準の設定などを規定している。 「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を 生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」を特別管理廃棄物として規定し、 必要な処理基準を設け、通常の廃棄物よりも厳しい規制を行っている。 廃掃法(廃棄物処理法) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=16 オゾン層保護法 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律 目的:国際的に協力してオゾン層の保護を図るため、 オゾン層の保護のためのウィーン条約及び オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書を 国内で適切に施行すること。 特定物質の製造や輸入の規制、排出抑制、 使用の合理化に関する措置等を定めている。 オゾン層保護法 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=20 フロン回収・破壊法 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律 目的:フロン類の適正な回収・破壊によって フロン類の大気中への放出を抑制。 フロン類を大気中へ放出することの禁止、 機器廃棄時のフロン類回収・破壊の義務づけ、 機器廃棄時の行程管理制度(フロン類の引渡し等を書面で捕捉する制度)の導入、 機器整備時の回収義務の明確化などの措置を定めた。 業務用冷凍空調機器に冷媒として使用されている クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、 ハイドロフルオロカーボン(HFC)の3種類のフロン類が対象。 この他、家電リサイクル法及び自動車リサイクル法においても、 製品を廃棄するときのフロン類の回収と適正処理を義務。 フロン回収・破壊法 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=21 農薬取締法 目的:農業生産の安定と国民の健康の保護に資するとともに、 生活環境の保全に寄与すること。 農薬について登録制度を設け、販売及び使用の規制等を行うことによって、 農薬の品質の適正化と、その安全で適正な使用を確保する。 農薬は、農林水産大臣の登録を受けたものでなければ、 製造、輸入、販売、使用することができない。 環境大臣は、毒性や環境への悪影響に関して登録の可否を判断するための 農薬残留濃度の基準(登録保留基準)を定める。 登録農薬には、登録保留基準をクリアするために適用病害虫の範囲と 使用の時期、方法などについて、それぞれの登録農薬を使用する者が 守るべき使用基準が定められている。 農家などの事業者だけでなく、家庭菜園や花壇に農薬を使用する場合も 含めて、全ての国民がこれを遵守しなければならない。 農薬取締法 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=3 薬事法 目的:医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器について、 品質、有効性、安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、 医療上特にその必要性が高い医薬品及び医療機器の研究開発の 促進のために必要な措置を講ずることにより、 保健衛生の向上を図ること。 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器を製造、販売、輸入する際には、 薬事法に基づく承認や許可等が必要であり、 製造管理や品質管理については基準が定められている。 また、商品容器への表示や広告について規定している。 薬事法 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=5 有害家庭用品規制法 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律 目的:有害物質を含有する家庭用品について 保健衛生上の見地から必要な規制を行うことにより、 国民の健康の保護に資すること。 厚生労働大臣が指定した家庭用品について、 この法律で定められた有害物質の含有量、溶出量または発散量に関する 基準が定められている。 基準に適合しない場合には、販売等ができない。 家庭用品規制法 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=8 食品衛生法 目的:国民の健康の保護を図ること。 飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止する法律。 食品及び添加物、器具及び容器包装の基準や表示、 検査などについて定めている。 食品添加物については、原則として使用したすべての添加物を 物質名で表示することが義務。 器具及び容器包装、おもちゃ(乳幼児が接触することにより その健康を損なう恐れがあるものとして指定されたもの)、 洗浄剤(野菜、果実の洗浄を用途とするもの)についても、 この法律に基づいて規格基準が定められている。 食品衛生法 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=4 建築基準法 目的:建築物の敷地、設備、構造及び用途に関する最低の基準を定めて、 国民の生命、健康及び財産の保護を図ること。 シックハウスの原因とされるクロルピリホスとホルムアルデヒドを 規制対象として、 これらの化学物質の室内濃度を下げるため、 建築物に使用する建材や換気設備について規制。 対象は住宅、学校、オフィス、病院等、全ての建築物の居室。 建築基準法 本内容のポイントは、インターネットにより解説 http://www.chemicoco.go.jp/law_link.html?lw=6 参考資料 (2014.02.17時点) Chemi CoCo 環境省 化学物質情報検索システム ここから探せる化学物質情報 http://www.chemicoco.go.jp/laws.html J-CHECK 化審法データベース nite 独立行政法人製品評価技術基盤機構 http://www.safe.nite.go.jp/jcheck/top.action?request_locale=ja 厚生労働省法令等データベースサービス http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/index.html e-Gov 電子政府の総合窓口イーガブ http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi 愛知県法規集 https://www3.e-reikinet.jp/cgi-bin/aichi-ken/d1w_login.exe 蒲郡市例規集 http://www1.g-reiki.net/gamagori/reiki_menu.html 今回の勉強会に関係する資料は、希望者にCD-Rで提供いたします。 インターネットリンク先は、突然変更されていることがあります。了解願います。
© Copyright 2025 ExpyDoc