2006年度S2課題研究発表

Ellerman Bombを伴う浮上磁場領域の
偏光磁場観測
○渡邉皓子、岡本健太、
北井礼三郎、西田圭佑、
清原淳子、上野悟、
柴田一成 (京都大学)
1
Ellerman Bombとは?
Hα wing(彩層下層)で観測される約1000km
のサイズをもつ小さな領域での増光現象
 典型的寿命 20分
 1917年Ellermanによって発見
 reconnectionによる加熱説が有力

Ellerman Bombの
特徴的プロファイル
Hα line center
これとか
これとか
ドームレス太陽望遠鏡
Hα-0.8Åの画像
15000km
2
飛騨天文台でのEllerman Bombの観測

Kurokawa et al. (1982)
– 楕円型、サイズ: 800km x 400km

ドームレス太陽望遠鏡
Hα-0.8Åの画像
Kitai et al. (1983)
– Hα profile: 彩層中の温度と密度の高い、
上昇しているlayerで形成される

Matsumoto et al. (2008)
– Ellerman Bombの上空にHαサージを観
測

15000km
Hα profile of an EB
Watanabe et al. (2008), submitted
– 偏光磁場観測装置(Vector magnetograph)を用い
た活動領域の長時間観測
3
Vector magnetograph

鉄630.25nm付近の吸収線を撮影

大気モデルを仮定して計算すると、光球での3次
元磁場情報が得られる
Stokes I
Stokes Q
630.15nm
630.25nm
Stokes U
Stokes V
4
Observation
機器 飛騨天文台 ドームレス太陽望遠鏡
Hα filtergram, Vector magnetograph
 対象 NOAA10917
 日時 2006年10月22日

– スリット固定(tracking), 観測時間: 110分, cadence: ~40
秒, 空間分解能: 0.275″(200km)
40万km
飛騨天文台SMART
で観測した10/22の
Hα太陽全面像
Hα−0.8Å
Hα+0.8Å
スリット
Hα center
Hα−5.0Å
5
Hα −0.8Å
movie

活発な浮上
磁場領域で
ある

フレアは起
こっていな
い
6
方法

Vector magnetographで光球の磁
場,速度場の時間変化を調べる

Hα wing imageで、Vector
magnetographのスリットに近接して
いるEllerman Bombの位置を調べる

Ellerman Bomb(彩層下層)が起こっ
ている下の光球の磁場の様子に、
共通する特徴がないか
ス
リ
ッ
ト
7
結果
Ellerman Bombは、
(a) 浮上磁場の足元
(b) 浮上磁場のtop
に位置している。
EB: Ellerman Bomb
EFT: emerging flux tube
20000km
8
浮上磁場 (emerging flux)
Doppler velocity
の分布
inclination angle
の分布
9
結果
Ellerman Bombは、
(a) 浮上磁場の足元
(b) 浮上磁場のtop
に位置している。
EB: Ellerman Bomb
EFT: emerging flux tube
20000km
10
Schematic model of EBs
(a)
(b)
浮上磁場の足元
既存磁場と浮上磁場の間での
reconnection
浮上磁場のtop
光球より上空にあるlocally dipの
場所でのreconnection
もしくは
浮上磁場が既存磁場にぶつかる
とき起こるreconnection
11
浮上磁場のメカニズム
Isobe et al.(2007)
Parker不安定の条件
(ガス浮力)>(磁気張力)
ス
リ
ッ
ト
(H: pressure scale height)
磁場の水平成分が、
Parker不安定性の特徴
的
波長で波打っていることを
12
発見
Parker不安定性の証拠
真上から見た図
さ
ら
に
浮
上
浮上
圧力小
圧力大
光球面
横から見た図
13
Summary

Ellerman Bombは、光球での浮上磁場
の足元、もしくは浮上磁場のtopで多く観
測される
 浮上磁場領域の磁場の鉛直成分だけで
なく、水平成分にもParker不安定性の特
徴的波長を発見
14
おしまい
Contents of this presentation will be published.
“Spectro-Polarimetric Observation of Ellerman
Bombs”
H.Watanabe et al. submitted to ApJ
SPECIAL THANKS
北井礼三郎
岡本健太
清原淳子
萩野正興
柴田一成
西田圭佑
上野悟
石井貴子
(敬称略)
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