人工ゼオライトと肥料種の相関に関する研究

人工ゼオライトと肥料種の相関
に関する研究
15218604
今井 昂平
目次
1.背景
2.目的
3.実験方法
4.実験結果
5.考察
6.まとめ
1.背景
石炭火力発電所
石炭灰
公共事業の減少
などによりセメント
原料などへの需要
が伸び悩む!
産業廃棄物
の量増加!
循環型社会の構築の一つに石炭灰の新たな有効利用がある
人工ゼオライト
人工ゼオライトとは非結晶質の石炭灰を水酸化ナトリウムなどで水熱処理
することにより生成される結晶体で,結晶の表面はスポンジのように無数の
穴がある多孔質構造を持つ。吸着機能,陽イオン交換機能(分子構造のマ
イナス電化部位に結合していた陽イオン(Na⁺)を重金属などの別の陽イオ
ン(Ca²⁺ Fe²⁺ Pb²⁺ Cd²⁺など)と交換する機能)を所持している
1.背景
人工ゼオライトは陽イオン吸着機能によって
土壌改良剤としての効果がある!
問題点
人工ゼオライトと肥料種の複合効果について
研究不足が挙げられる
有機肥料と化学肥料とでは人工ゼオライトはど
のように働くのか?
3.目的
目的
人工ゼオライトの効果を最大限生かす
ため肥料種との複合効果を解析する
3.実験方法
実験パターン
パターン No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 No.9 No.10
ゼオライト
有
無
肥料
無
有機
化学
有機
化学
無
施肥
200ml 33ml 3ml 0.5ml 無 200ml 33ml 3ml 0.5ml 無
土壌・・・山砂
ゼオライト・・・体積の2%を混入
有機・・・鶏糞
化学・・・HYPoNeX
実験手順
栄養塩の量(PO4-P,NO3-N,
NO2-N,NH4-N)
2ℓ
計3回
ポータブル簡易全窒素全リン計
TNP-10
4.実験結果( NH4-N )
600.00
ゼオライトの有無による比較
流出量(mg/l)
500.00
有機肥料でゼオライト有りの方が
NH4-N 第3回
ゼオライト無しよりもNH4-Nの流
NH4-N 第2回
出を大きく防いだ
400.00
NH4-N 第1回
300.00
200.00
肥料種による比較
100.00
有機肥料の方が化学肥料よりも
NH4-Nの流出量が多い
0.00
パターン
ゼオライト
肥料
施肥
No.1
No1
No.2
No2
No.3
No3
No.4
No4
有
有機
200ml 33ml
化学
3ml
0.5ml
No.5
No5
No.6
No6
パターン
無
無
No.7
No7
有機
200ml 33ml
No.8
No8 No.9
No9
無
化学
3ml
0.5ml
No.10
No10
無
無
4.実験結果( NO2-N )
ゼオライトの有無による比較
8.00
7.00
有機肥料ではゼオライト有りの方が
ゼオライト無しよりもNO2-Nの流出
NO2-N 第3回
量が多い
NO2-N 第2回
流出量(mg/l)
6.00
5.00
NO2-N 第1回
4.00
肥料種による比較
3.00
有機肥料の方が化学肥料よりも
NO2-Nの流出量が多い、また化
学肥料にはNO2-Nがほとんど流
出していない
2.00
1.00
0.00
パターン
ゼオライト
肥料
施肥
No.1
No1
No.2
No2
有機
33ml
200ml
No.3
No4
No3 No.4
有
化学
0.5ml
3ml
No.5
No5
無
無
No.6
No6
パターン
No.7
No7
有機
200ml 33ml
No.8
No10
No9 No.10
No8 No.9
無
化学
無
無
0.5ml
3ml
4.実験結果( NO3-N )
ゼオライトの有無による比較
90.00
80.00
ゼオライトの有無によるNO3-Nへの
効果は得られなかった
NO3-N 第3回
流出量(mg/l)
70.00
60.00
NO3-N 第2回
NO3-N 第1回
50.00
40.00
肥料種による比較
30.00
化学肥料の方が有機肥料よりも
NO3-Nの流出量が多い
20.00
10.00
0.00
パターン
ゼオライト
肥料
施肥
No.1
No1
No.2
No2 No.3
No3 No.4
No4
有
有機
化学
200ml
33ml
3ml
0.5ml
No.5
No5
No.6
No6
No.7
No7
パターン
無
無
有機
200ml 33ml
No.8
No8 No.9
No9
無
化学
3ml
0.5ml
No.10
No10
無
無
5.考察
植物が吸収
NH4
+-N
酸化
NO2
--N
酸化
NO3--N
有機肥料を混入した場合
化学肥料を混入した場合
有機肥料はNH4+-Nを多く含む
化学肥料はNO3--Nを多く含む
NO2--N
+
NO3-NH
-N 4 -N
--N
NO2NH
+-N
4
-
--N
3 -N
NO2NO
NH4+-N
NO3--N
-
NO2 -N
NH4+-N
NO3--N
NH4+-N
-
NO3--N NO2 -N
NO3--N
NO3--N
NO3--N
NO3--N
NO3--N
6.まとめ
①人工ゼオライトと肥料の複合効果について,有機肥料と人
工ゼオライトの組み合わせが最も人工ゼオライトを有効的に
活かすことができると認められた.人工ゼオライトがNH4-Nを
十分に吸着するため,作物の生育に欠かすことのできない窒
素栄養分を作物に供給することができる.この保肥効果を作
物栽培などに生かすことができることが示唆された.
②化学肥料ではなく、有機肥料を用いることで環境負荷である
NO2-NやNO3-Nの流出も抑制できることが示唆された.