Googleの マーケティング戦略

駒澤大学
西村ゼミ
2010年度 卒業論文
Googleのマーケティング戦略
2011-02-01
馬 喬琳
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目次
1. はじめに
2. Googleの概要
3. 企業成長
4. Googleのマーケティング戦略
5. 謝辞
6. 参考文献リスト
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1. はじめに
この論文では、Googleの概要と成長、
そしてGoogleはなぜ成功したのかについ
て調べた。
筆者はGoogle社内の独特な組織文化
や、創業当時に発見した“10の真実”、
他社にない考え方が成功の理由だと考え
る。
3
2. Googleの概要 [Google]
• 1996 ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリン ⇒Back Rub を開発
• 1997 Back Rub ⇒ Google
Google ← “googol” (10の100乗)
• 2000 Yahoo! に全文検索結果提供、
10 億ページのインデックスを達成、
世界で最も大きな検索エンジンに
• 2001 初海外拠点 ⇒ 東京オフィス
• 2004 Yahoo! のサーチエンジンの契約終了
• 2010 従業員数 ⇒ 21,000人超
時価総額 ⇒ 1,200億ドル
4
3. 企業成長
3.1 Googleの成長
2004年の7倍
Googleの営業推移(億ドル)
250
218
200
売上高
150
売上総利益
営業利益
100
50
検索シェア
2004年 4割弱
↓
2008年 6割強
31
0
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
図1. Googleの業績推移 [G MSN]
5
3.2 他社との比較
売上高(億ドル)
290倍
250
237
純利益(億ドル)
200
4倍
70
65
150
60
Google
100
Yahoo!
40
65
50
50
Google
65倍
30
Yahoo!
7
0
0.8
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
20
19
15
10
6
図2. GoogleとYahoo! の売上高
[G MSN] [Y MSN]
0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
3分の1
-10
図3. GoogleとYahoo!の純利益
[G MSN] [Y MSN]
6
4. Googleのマーケティング戦略
4.1 組織文化
「20%ルール」
短時間に成功を収めた要因
「20%ルール」とは?
技術力
情報力
自己管理、自主性
Googleが第一に
考える組織文化
「就業時間の20%」は未来を考える時間
7
4.2 “10の真実”
(1) ユーザーに焦点を絞れば,“結果”は自然に付いてくる。
(2) 一つのことを極めて本当にうまくやるのが一番。
(3) 遅いより速い方がいい。
(4) Webでも民主主義は機能する。
(5) 情報を探したくなるのは机に座っているときだけではない。
(6) 悪事を働かなくても金儲けはできる。
(7) 世の中の情報量は絶えず増え続けている。
(8) 情報のニーズはすべての国境を越える。
(9) スーツがなくても真剣に仕事はできる。
(10) すばらしい,では足りない。
ユーザーに向けたメッセージであるだけではなく
自分たちに対する戒めの言葉でもあった
8
4.3 他社にない考え方
4.3.1 トップページ
なぜGoogle のトップページはシンプルなのか?
「使いやすさ」
「利便性」
文字や画像の量が少ない [二村06]
読み込むための時間が短くて済む
9
4.3.2 ページランク
なぜGoogle で検索すると「有用なページ」
がすぐ出るのか?
「Page Rank」
「重要度の高いウェブページから多くのリンクが張
られているページほど重要である」 [Google]
検索キーワードと関連性が高いウェブページの
リングが上位に表示されることで
目的の情報を素早く探すことができる
10
4.3.3 無料サービス
なぜGoogleの検索サービスは無料なのか?
無料サービス⇒
膨大な数の利用者を確保⇒
増えた利用者に広告提示⇒
広告料金が入る
無料のため、クリック数やリンク数が増え⇒
情報量増加に結び付く [ジェフ09]
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4.3.4 システム規模
なぜGoogleは高性能パソコンではなく、普通
のパソコンを使うのか?
メリット [西田08]
① 負荷を分散できるかので、処理能力が落ちない。
② 情報量の増加に合わせて、手軽に増設できる。
③ ハードディスクなどの交換が簡単なので、システ
ムを止めずに処理できる。
④ データを分散することで、災害に強くなる。
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4.3.5 ネット不動産
なぜGoogle は「巨大な広告代理店」なのか?
「ユーザの目的に絞ること」が「効果的」である。
トップページ
不特定多数人間
検索結果のページ
特定のある人間
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4.3.6 格差の解消
なぜGoogleは少数民族の言語でも扱えるよ
うにしたのか?
Googleの言語ツール⇒138の言語
世界のニーズに応える・情報格差をなくす
世界中に新しい情報のニーズが生まれる
Googleのビジネスチャンスが拡大する
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5. 謝辞
本論文の作成にあたり、研究の考え方、調
査の仕方やまとめ方、日本語の書き方など、
すべてにおいてご指導していただいた西村先
生に、心から感謝します。そして、同ゼミの高
木翔平君にも、本論文を進めるにあたって、
たくさんのアドバイスをしていただき、ありがと
うございました。
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6. 参考文献
参考文献
[新井10] 新井宏征, グーグルのグリーン戦略, 株式会社インブレスR&D, 2006.
[押切08] 押切孝雄, グーグル・マーケティング, 技術評論社, 2008.
[勝間 07] 勝間和代, 効率が10倍アップする新・知的生産術:自分をグーグル化する
方法, ダイヤモンド社, 2007.
[佐々木06] 佐々木俊尚, グーグル:既存のビジネスを破壊する, 文藝春秋, 2006.
[柴山 08] 柴山政行, Google経済学, フォレスト, 2008.
[津田07] 津田大介,菊池俊輔著, ビジネスGoogle活用術, 毎日コミュニケーションズ,
2007.
[西田08] 西田圭介, Googleを支える技術: 巨大システムの内側の世界, 技術評論社,
2008.
[二村06] 二村高史, グーグルのすごい考え方, 三笠書房, 2006.
[牧野10] 牧野二郎, Google問題の核心, 岩波書店, 2010.
[ニール06] ニール・テイラー, Google最強のブランド戦略:邪悪にならないこと, ソフト
バンククリエイティブ, 2006.
[ジェフ09] ジェフ・ジャービス, グーグル的思考 : Googleならどうする, PHP研究所,
2009.
[ジョン05] ジョン・バッテル, ザ・サーチ:グーグルが世界を変えた, 日経BP社, 2005.
[ベルナール09] ベルナール・ジラール, The Google Way, ゴマブックス株式会社, 2009.
[NHK07] NHK取材班, グーグル革命の衝撃, 日本放送出版協会, 2007.
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参考論文
[遠藤08] 遠藤ひとみ, グーグルにおける組織文化の形成と経営
革新, 嘉悦大学研究論文集第50巻第2号通巻91号, 2008.
[永井07] 永井武, 検索エンジングーグルがもたらすもの, 新潟
国際情報大学情報文化学部紀要, 2007.
参考Webサイト
[Google]Googleホームページ, アクセス日 2010-10-21
http://www.Google.com/intl/ja/about.html
[G Wiki]Wikipedia, Google, アクセス日 2010-10-2
http://ja.wikipedia.org/wiki/Google
[Gmail] Wikipedia, Gmail, アクセス日 2010-10-21
http://ja.wikipedia.org/wiki/Gmail
[NET]NET APPLICATION, 検索エンジン市場占有率トレンド, アクセス日
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http://marketshare.hitslink.com/search-engine-market-shar
e.aspx?qprid=5
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[org] Wikipedia, Google.Org, アクセス日 2010-11-12
http://ja.wikipedia.org/wiki/Google.org
[IT]東京IT新聞, アクセス日 2010-11-12.
http://staging.itnp.net/category_betsu/24/911/
[米cs]米com Score, 米国検索エンジンシェアの推移, アクセス日 2010-11-17
http://www.sem-r.com/08h1/20080506145525.html
[G MSN]MSNマネー, Google Inc: 財務諸表, アクセス日 2010-11-17
http://jp.moneycentral.msn.com/investor/invsub/results/statemnt.aspx?Sym
bol=US%3aGOOG&lstStatement=10YearSummary&stmtView=Ann
[Y MSN]MSNマネー, Yahoo Incorporated: 財務諸表, アクセス日 2010-11-17
http://jp.moneycentral.msn.com/investor/invsub/results/statemnt.aspx?Sym
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[T180]Think 180 around, 世界時価総額ランキング, アクセス日 2010-12-03
http://www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking.htm
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